【アルバム感想】『深海』Mr.Children

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深海
Mr.Children

深海

収録曲

01.Dive※水へ飛び込む音
02.シーラカンス
03.手紙
04.ありふれたLove Story~男女問題はいつも面倒だ~
05.Mirror
06.Making Songs※デモ音源を繋げたトラック
07.名もなき詩
08.So Let’s Get Truth
09.臨時ニュース※テレビのチャンネルを次々と替えていく音
10.マシンガンをぶっ放せ
11.ゆりかごのある丘から
12.虜
13.花-Memento-Mori-
14.深海

データ

1996年6月24日、初登場1位
初動153.6万枚、売上274.5万枚、登場46週
Produce:小林武史・Mr.Children
トイズファクトリー

作品概要

Mr.Childrenの5thアルバム『深海』。

シングル「名もなき詩」(1位 230.9万枚)「花-Memento-Mori-」(1位 153.9万枚)収録。8月に「マシンガンをぶっ放せ」が自身初のマキシシングル「マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-」(1位 73.3万枚)としてリカットされた。

前作『Atomic Heart』以降の94年~95年にリリースされていた「Tomorrow never knows」「everybody goes~秩序のない現代にドロップキック~」「【es】~Theme of es~」「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~」の4シングルはアルバムのコンセプトにそぐわないという理由で未収録となり、次回作『BOLERO』に持ち越された。累計売上では前作に及ばなかったが初動は跳ね上がり当時の歴代最高初動記録を更新した。

感想

ミスチル史上、さらにはJ-POP史上に輝く大傑作にして問題作。「深海」という一つのコンセプトに沿って構成されておりアルバム全編を通してとにかく暗く、ディープな世界が広がっている。曲と曲が繋がっている部分も多く、海に潜っていく音「Dive」から「シーラカンス」の絶望的なアコギの響きに繋がる所や、「ゆりかごのある丘から」のラストのヘリの音が徐々にドラムの音に変わっていき、なだれ込むように「虜」がスタートする箇所などはあまりの狂気さに恐怖すらおぼえる。バンドサウンドもこれまでのアルバムとはどこか質感が異なるがこれはニューヨークのスタジオでレコーディングされた成果のようだ。若くしていきなり音楽界の頂点に立ってしまった桜井の苦悩は想像を絶するものだったようで、何かもがくような精神がそのまま表れた結果このような作品が出来上がったのだろう。シングルの段階では暗く感じた「花-Memento-Mori-」だがアルバムの流れの中で聴くと救いの歌のように聞こえるのが不思議。

後に及ぼした影響も大きく、この時期の活動や作品は「深海期」と呼ばれ今なお語り継がれている。「ミスチルファンであり続けるための踏み絵」とまで言われ、現在はメンバーも今作に対してあまり好意的な感想は抱いていないみたいだけど、この唯一無二の世界観はとにかく凄まじい。ミスチルの歴史を語る上では欠かせない重要な一作だ。ミスチル最大の名盤だと思うし、個人的に歴代J-POP史上最も好きなアルバムである。

おすすめ度★★★★★+1

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