GLAY 全アルバムレビュー・おすすめ度 #1 ~『灰とダイヤモンド』から『DRIVE』~

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GLAY 全アルバムレビュー #1

こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー・田中(@kazeno_yukue)でございます。この記事ではGLAYの各アルバム感想・それぞれのおすすめ度を、発売順に記載してまいります。

ちなみにGLAYのシングル曲感想は下記記事です。

GLAY シングル&名曲レビュー #1 ~「RAIN」から「HOWEVER」~
GLAY シングル&名曲レビュー #1 こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)でございます。 わたくしマーの音楽ライフの中でもかなり初期にハマったロックバンド・GLAY。メンバーはTERU(ボー...

インディーズ 灰とダイヤモンド

1994年5月25日 売上約5万枚

【収録曲】
01.真夏の扉(GLAY VERSION)/02.彼女の”Modern…”/03.KISSIN’ NOISE/04.ひどくありふれたホワイトノイズをくれ/05.RAIN(GLAY VERSION)/06.LADY CLOSE/07.TWO BELL SILENCE/08.千ノナイフガ胸ヲ刺ス/09.BURST/10.if~灰とダイヤモンド~

インディーズアルバム『灰とダイヤモンド』。インディーズ唯一のアルバムとして制作され、メジャーデビューシングル「RAIN」と同時発売された。当時ドラマー・AKIRAが居たがレコーディング終了後の1994年1月に脱退したため、AKIRA在籍時の唯一のアルバムである。

「RAIN」の他「真夏の扉」「彼女の”Modern…”」はこの後メジャーシングルとしてリリースされるが今作とはバージョンが異なっている。また「KISSIN’ NOISE」「千ノナイガ胸ヲ刺ス」も後にベスト『REVIEW-BEST OF GLAY』に、「TWO BELL SILENCE」「BURST」も後にベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』にそれぞれ再録バージョンで収録される事となる。

94年のリリース当時はランクインせず、大ブレイク後の98年1月に初ランクイン。最高順位の57位は98年1月26日付で記録した(シングル「HOWEVER」と「誘惑」「SOUL LOVE」の間)。2000年9月13日にも再リリースされている。また、2014年5月25日にはリミックス・リマスタリングを施し、更にデモ音源やラジオ出演音源、ドキュメントDVD等を盛り込んだ復刻盤『灰とダイヤモンド Anthology』がリリースされている。

インディーズ作品といってもメジャー初期のお馴染みの楽曲たちの原型が多く並んでいるのでとっつきにく過ぎずスンナリと聴けた。「真夏の扉」「彼女の”Modern…”」「千ノナイフガ胸ヲ刺ス」等は後のメジャー再録バージョンと比べるとやはり演奏が荒く、サウンドに薄さを感じる。TERUのボーカルもまだまだ駆け出しの若者という感じで「KISSIN’ NOISE」等はあまりのキーの高さに歌といいうよりも絶叫になってしまっている(97年の初ベスト『REVIEW-BEST OF GLAY』収録の再録バージョンでは伸びやかな高音を魅せてくれる)。全体的に勢い重視の曲が目立つ中、「ひどくありふれたホワイトノイズをくれ」や「if~灰とダイヤモンド~」等、後メロディアスなGLAYの原点を思わせるミディアムナンバーも存在。正直後追いで聴くとそこまでの魅力を見出せないかもしれないが、若き日のGLAYに触れてみたい方はどうぞ。

おすすめ度:D

1st SPEED POP

1995年3月1日 売上約32万枚

【収録曲】
01.SPEED POP(Introduction)/02.HAPPY SWING/03.彼女の”Modern…”/04.ずっと2人で…/05.LOVE SLAVE/06.REGRET/07.INNOCENCE/08.Freeze My Love/09.真夏の扉/10.Life~遠い空の下で~/11.JUNK ART/12.RAIN

1stアルバム『SPEED POP』。1994年のインディーズアルバム『灰とダイヤモンド』から約10ヶ月ぶり。

シングル「RAIN」(10万枚)「真夏の扉」(4万枚)「彼女の”Modern…”」(2万枚)「Freeze My Love」(7万枚)に加え、カップリングから「Life~遠い空の下で~」「INNOCENCE」「REGRET」を収録。5月に「ずっと2人で…」(4万枚)がシングルカットされた。この「ずっと2人で…」は今作では最後がフェードアウトで終わるが、シングルでは最後まで完奏する(後にリリースされたベストアルバムでは全てシングルバージョンで収録されている)。

AKIRA脱退後、新たにNOBUMASAというドラマーが加わったが、NOBUMASAが加入したのは今作のレコーディング終了後だったためレコーディングには関わっていない(今作リリース後NOBUMASAは脱退)。ブックレットには5人目のメンバーとしてNOBUMASAも普通に写っているので、2003年頃初めて今作を買った際に「誰コレ!?」と困惑したのを覚えている。

チャート初登場8位を記録し、シングル・アルバム通じて自身初のトップ10入りを果たした。リリース後も長らくランクインし、最終的に1998年6月までチャートインしていた。2001年2月にエクスタシーレコードから、2003年3月には東芝EMIより再リリースされている。また、2015年10月28日にはリミックス・リマスタリングを施した他、デモ音源や未発表音源等を追加収録した2CD+DVDの復刻盤『SPEED POP Anthology』がリリースされている。

メジャーデビューアルバムという事で『灰とダイヤモンド』と比べて格段に音の幅が広がったが、まだまだ全体的に初々しい。「INNOCENCE」や「Life~遠い空の下で~」等はTERUの歌声もバンドのサウンドもみずみずしく碧いなっていう感じがする。アルバム曲ではとびきり明るくキャッチーな「HAPPY SWING」(GLAYのファンクラブの名前にもなっている)が頭二つ三つ飛び抜けて耳に残るし良い曲だがこれは2000年のベスト盤『DRIVE-GLAY complete BEST』に収録されているし、今作収録のシングル曲も後のベスト盤で一気に揃えられるので、いま現在今作自体を聴き返す事はあまり無くなってしまった。GLAYらしさが開花するのは次回作『BEAT out!』からだと思うので、初々しいGLAYを垣間見たい!という人以外は後回しにしちゃっても良いかなと思う。

おすすめ度:C

2nd BEAT out!

1996年2月7日 売上約82万枚

【収録曲】
01.More than Love/02.Yes, Summerdays/03.原色の空<Cloudy Sky>/04.Trouble On Monday/05.Together/06.月に祈る/07.生きてく強さ/08.週末のBaby talk/09.グロリアス/10.軌跡の果て/11.Miki Piano

2ndアルバム『BEAT out!』。1995年の前作『SPEED POP』から約11ヶ月ぶり。

シングル「Yes, Summerdays」(23万枚)「生きてく強さ」(9万枚)「グロリアス」(59万枚)収録。「Together」は後にオーケストラ・リアレンジバージョン「Together(new version with orchestra)」として9thシングル「BELOVED」のカップリングに収録される事となる。また「週末のBaby talk」にはGLAYと同郷であるJUDY AND MARYのYUKIがコーラスとして参加している。

本来は1995年11月にリリースする予定だったが、スタッフから「アルバムを出す前にもう1枚シングルを出して欲しい」という要望があり、発売を延期。その要望に応える形で作られた「グロリアス」が60万枚に迫る大ヒットをした事でGLAY人気に拍車がかかり、今作はシングル・アルバム通じて初のチャート1位を獲得。結果的に80万枚を突破する大ヒット作となった。

2001年2月にエクスタシーレコードより、2003年3月に東芝EMIより再リリースされている。2016年9月9日にはリミックス・リマスタリングを施しデモ音源やライブ音源を加えた2CD+Blu-rayの復刻盤『BEAT out! Anthology』がリリースされている。

全盛期のGLAYサウンドが確立された一作。前作『SPEED POP』はシングルのみが突出していた印象だったが、それとは打って変わってアルバム曲にも抜群の勢いを感じる。大ヒット曲かつブレイクの象徴となった青春ソング「グロリアス」の名曲ぶりは文句なしだし、キャッチーで突き抜けたサビが堪らない「More than Love」、泣きの高音が涙を誘う名バラード「Together」、TAKUROが自らの内面を吐き出したという壮大曲でベスト盤『REVIEW-BEST OF GLAY』のラストも飾った「軌跡の果て」等、GLAYを聴く上で欠かせない名曲達が詰まっている。ハードなバンドサウンドが鳴り響きながらもメロディーは抜群にキャッチーというGLAYの持ち味が開花したアルバムだ。まさに上昇気流真っ只中の一作。

おすすめ度:B+

3rd BELOVED

1996年11月18日 売上約152万枚

【収録曲】
01.GROOVY TOUR/02.Lovers change fighters, cool/03.BELOVED/04.SHUTTER SPEEDSのテーマ/05.Fairy Story/06.カナリヤ/07.HIT THE WORLD CHART!/08.a Boy~ずっと忘れない~/09.春を愛する人/10.カーテンコール/11.都忘れ/12.RHAPSODY

3rdアルバム『BELOVED』。同年の前作『BEAT out!』から約11ヶ月ぶり。初回盤はデジパック仕様、プラケース付属。

シングル「BELOVED」(84万枚)「a Boy~ずっと忘れない~」(27万枚)収録。「春を愛する人」は翌年の11thシングル「口唇」のカップリングとしてリカットされる事となる。「BELOVED」は表記は無いもののシングルとはバージョン違いであるという。

「BELOVED」が「グロリアス」を超える80万枚オーバーの大ヒットを記録。1週前の超先行シングル「a Boy~ずっと忘れない~」も27万枚のヒットを記録している中リリースされた今作は初動47万枚(前作初動の2倍以上)を叩き出しチャート1位を獲得。結果的にシングル・アルバム通じて自身初のミリオンセラーとなる大ヒット作となった。

2001年2月にエクスタシーレコードより、2003年3月に東芝EMIより再リリースされている。2017年9月にはデモ音源や貴重映像を収めた2CD+1DVDの復刻盤『BELOVED Anthology』がリリースされている。

GLAY王道の青春サウンドが確立された名盤。前作『BEAT out!』も上り調子の空気を纏っていたんだけど今作はそれ以上のオーラ・輝きが詰まっている。何よりメロディー・歌詞共にキレッキレだ。「BELOVED」という楽曲の名曲ぶりが今作の輝きを引っ張っているんだろうけどそれ以外の楽曲達も抜群に耳に残るものばかり。オープニング・ナンバー「GROOVY TOUR」はタイトル通りコンサートツアーがテーマになっており自身の『BEAT out!』ツアーの事を指している。だからか非常に熱さを感じるしGLAYが巨大な存在になっていく過程という感じがする。「春を愛する人」~「RHAPSODY」までの終盤4曲はアルバム曲だとは思えない程のキャッチーさの連発で凄い。

翌年ベスト盤『REVIEW-BEST OF GLAY』が500万枚のメガヒットを記録し一気に「日本を代表するGLAY」になっていくわけだけど、今作はその直前、まだ北海道のいちロックバンドだった最後の瞬間を切り取ったアルバムだったと思う。そういう意味でも青春の一枚という表現がしっくりくる。全作聴いたワケでは無いんだけど、それでもGLAYのオリジナルアルバムで最も好きな一作と言えちゃう名盤です。

おすすめ度:A

1stベスト REVIEW-BEST OF GLAY

1997年10月1日 売上約487万枚

【収録曲】
01.グロリアス/02.彼女の”Modern…”/03.BELOVED/04.More than Love/05.千ノナイフガ胸ヲ刺ス/06.ずっと2人で…/07.口唇/08.RHAPSODY/09.HOWEVER/10.Freeze My Love/11.KISSIN’ NOISE/12.軌跡の果て
再録音バージョン

1stベストアルバム『REVIEW-BEST OF GLAY』。1996年の3rdアルバム『BELOVED』から約11ヶ月ぶりとなる自身初のベストアルバム。アマチュア時代からの楽曲のストックが尽きてしまい、新たな曲を作る期間を設けるために今作の発売が決定したという。2001年4月にはエクスタシーレコードより再リリースされた。リマスタリング・エンジニアは小泉由香・オノセイゲン。

シングルでは「口唇」(99万枚)「HOWEVER」(134万枚)がアルバム初収録。またインディーズアルバム『灰とダイヤモンド』から選出された「千ノナイフガ胸ヲ刺ス」「KISSIN’ NOISE」の2曲は再録音された新しいバージョンでの収録となっている。

5月の「口唇」でシングル初のチャート1位、8月の「HOWEVER」でシングル初のミリオンを達成する等、バンドとしてノリにノッっていたタイミングでリリースされた今作は歴史的なメガヒットとなった。初動のみで200万枚を突破(当時のアルバム初動歴代1位)。10月リリース故に97年の集計期間は2ヶ月しか無かったものの、猛烈な売り上げを見せ上半期1位だったMr.Children『BOLERO』を抜き去り97年度年間アルバムチャート1位を獲得した(この年末時点では売上333万枚)。

翌98年2月には累計で売上400万枚を超え、96年にリリースされ売上歴代1位となっていたglobeの『globe』を抜き去り当時のアルバム売上日本新記録を樹立。最終的に487万枚を売り上げ、日本で最も売れたアルバムとしてギネス世界記録にも掲載される空前の大ヒット作となった。現在では宇多田ヒカル『First Love』、B’z『B’z The Best “Pleasure”』に次ぐ歴代3位につけている(ベスト盤に限定すると歴代2位)。

2020年3月にはベストアルバム『REVIEWⅡ-BEST OF GLAY-』がリリースされているがメンバーそれぞれが選んだ全57曲を収録した4枚組ベストとなっており今作の続編的な内容にはなっていない。

ブレイクの真っ只中で突如リリースされた衝撃のベストアルバム。「HOWEVER」の大ヒットで興味を持った新規リスナーが、GLAYってどういうバンドなんだろう?と気になっている所へ最高のタイミングで届けられたアイテムだったのだろう。現在のJ-POP界では”ブレイクしてすぐにベスト盤を出す”という戦略は割と当たり前だが、97年当時は中々画期的な施策だったのではなかろうか? 実際GLAYのメンバーもこの早すぎるベスト盤リリースには葛藤があったらしいし。今作が歴史的大ヒットを遂げた事で、「ベスト盤」というものの在り方や存在意義なんかにも影響を及ぼしたと思う。

この時点のシングルでは「RAIN」「真夏の扉」「Yes,Summerdays」「生きてく強さ」「a Boy~ずっと忘れない~」が未収録となり、その分アルバム曲やインディーズ時代の再録音等を盛り込んだ手の込んだベスト盤になっている。「千ノナイフガ胸ヲ刺ス」「KISSIN’ NOISE」の再録2曲は『灰とダイヤモンド』収録バージョンよりも明らかにパワーアップしていて素晴らしい。曲順も拘っているようで特にラストの「軌跡の果て」(2nd『BEAT out!』収録)までたどり着くと感無量の気持ちになる。GLAYが大ブレイクを遂げるまでの栄光の歴史を切り取った、この時この瞬間にしか出せなかった特別なベストアルバムであると思う。

3年後の2000年には改めての2枚組ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』がリリースされるし、その後も様々な形でベスト盤が出されていくので、最古の存在である今作にはあまり手が伸びないと思う。実際『DRIVE』と被っている曲も多いし全盛期のGLAYを堪能したいならばあちらの方が良い。しかしGLAYがどんどん巨大な存在になっていく過程が詰め込まれている、他ベストには無い軌跡がパッケージされた今作はやっぱり特別な存在だ。

おすすめ度:B+

4th pure soul

1998年7月29日 売上約242万枚

【収録曲】
01.YOU MAY DREAM/02.ビリビリクラッシュメン/03.May Fair/04.SOUL LOVE/05.出逢ってしまった2人/06.pure soul/07.誘惑/08.COME ON!!/09.FRIEDCHICKEN & BEER/10.3年後/11.I’m in Love

4thアルバム『pure soul』。前年のベストアルバム『REVIEW-BEST OF GLAY』から9ヶ月ぶり、オリジナルアルバムとしては1996年の『BELOVED』から1年8ヶ月ぶりだった。

シングル「誘惑」(162万枚)「SOUL LOVE」(137万枚)収録。「口唇」と「HOWEVER」の2シングルは『REVIEW-BEST OF GLAY』に収録されていたため、オリジナルアルバム未収録となった。「FRIEDCHICKEN & BEER」にはLUNA SEAのSUGIZOがゲスト参加している。また「I’m in Love」には多数の著名人(オセロ・鈴木紗理奈・せがわきり・富田京子・長島三奈・中山加奈子・山本シュウなど)がコーラスとして参加している。

初動のみで131万枚を突破。累計でダブルミリオンを記録する大ヒット作となった。1998年度年間アルバムチャート7位。500万枚に迫るセールスを記録した『REVIEW-BEST OF GLAY』には及ばなかったけど、GLAYのオリジナルアルバムでは最高の売上となった。GLAY全体では『REVIEW-BEST OF GLAY』『DRIVE-GLAY complete BEST』に次ぐ3番目の売上。

2018年7月にはデモ音源や未発表曲を盛り込んだ2CD+1Blu-rayの復刻盤『pure soul Anthology』がリリースされている。

前年秋のベストアルバム『REVIEW-BEST OF GLAY』が日本新記録を叩き出す空前の大ヒットとなり、まさにGLAYという存在が音楽シーンのど真ん中に打ち立てられた全盛期真っただ中のアルバム。それまで天下を獲っていたミスチルが前年活動休止に入り、その枠にスッポリ収まったっていうのもあるんだろうか…(ミスチルファン目線の印象)。オリジナルアルバム最大ヒットだし、この年年間1位ヒットの「誘惑」も入ってるし今作が一応代表作という事になるのかな。

1曲目の「YOU MAY DREAM」からスケールのデカさが凄い。巨大な会場で演奏する事を想定して作られたかのような壮大感で嫌でもワクワクしてくる優秀なオープニングナンバー。その後も「BELOVED」とシングル化をどっちにするか迷ったというバラード「May Fair」、シリアスかつ歌謡曲の風味もある「出逢ってしまった2人」、一部では”裏HOWEVER”の異名を持つTAKUROの心情を全面展開した大名曲「pure soul」、大団円を思わせるパーティーソング「I’m in Love」などGLAYの歴史でも重要な楽曲たちが並ぶ。勿論シングルの「誘惑」「SOUL LOVE」の名曲ぶりは言わずもがなだし。全盛期極まるGLAYを聴きたいときは今作がオススメ。安心安定の内容である。

ちなみに10曲目「3年後」のイントロのギターがMr.Childrenの「シーラカンス」(5thアルバム『深海』収録曲)に激似。似ているを通り越してパ〇リやんけ…と心配になるレベルなのだがこれは全くの偶然(?)らしい。この件でTAKUROが桜井和寿に謝罪に行ったところ、笑って許してもらえたという逸話がある。「これは似過ぎですよ…」とスタッフにでも忠告されたのだろうか?

おすすめ度:B+

5th HEAVY GAUGE

1999年10月20日 売上約235万枚

【収録曲】
01.HEAVY GAUGE/02.FATSOUNDS/03.SURVIVAL/04.ここではない、どこかへ/05.HAPPINESS/06.summer FM/07.LEVEL DEVIL/08.BE WITH YOU/09.Winter,again/10.Will Be King/11.生きがい/12.Savile Row~サヴィル ロウ 3番地~
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GLAYの5thアルバム『HEAVY GAUGE』。1998年の前作『pure soul』から約1年3ヶ月ぶり。

シングル「BE WITH YOU」(117万枚)「Winter,again」(164万枚)「サバイバル」(89万枚)「ここではない、どこかへ」(92万枚)に加え、カップリングから「summer FM」を収録。翌2000年の1月に「HAPPINESS」が「HAPPINESS-WINTER MIX-」(48万枚)としてシングルカットされた。

収録シングルは全て別バージョンとなっている。まず「サバイバル」は全面再録音されている上にタイトルが「SURVIVAL」と英語表記に変更されている。「ここではない、どこかへ」はミックス変更。「BE WITH YOU」は再録音。「Winter,again」はボーカルのみのリテイクとなっている。また「summer FM」もラストで次曲「LEVEL DEVIL」と繋がる仕様になっているという点でアルバムバージョンとされている。

前作を超える初動156万枚という数字を叩き出す。累計では235万枚と前作に続いてダブルミリオンを記録し99年度年間アルバムチャート8位に食い込む大ヒットとなった。

2019年5月にはデモ音源やインタビュー等を収めた2CD+1Blu-rayの復刻盤『HEAVY GAUGE Anthology』がリリースされた。

最初に聴いた時の印象は「重いアルバムだなぁ…」だった。それは冒頭2曲がキャッチーさの薄い激しいナンバーだから、アルバム全体の印象が引っ張られているんだろう。97年~98年の大ブレイクに伴いメンバーにも精神的疲労が溜まってきていたのか。ブレイク後に闇墜ちするミュージシャンは多いけどGLAYでは今作がその時期に当たるんじゃないかなと思う(実際この時期に解散の話も出ていたらしい)。

ベスト盤『DRIVE-GLAY complete BEST』にも選出される事となる「生きがい」は問答無用の大名曲。「pure soul」の更に進化系みたいな人生ソングで、歳を重ねる毎に好きになってくる。他に面白いのは「Will Be King」で、1曲の中で異なる2曲が存在しているという異色ソング。しかも後半は中々壮大なメロディーでグッとくる。様々なことを抱えながら絶頂期を駆け抜けていたこの時期のGLAYが歌うからこそ胸に染みるものがある。ドラマを感じるアルバムなんだよな…。

収録されている5シングルはどれもキャッチーさ抜群の大ヒット曲ばかりだし、これらが入っている時点でアルバムが悪いものになるわけは無い。ただシングルバージョンで聴き慣れてしまっているせいか、今作のバージョンにはやや違和感をおぼえてしまう部分もある。「SURVIVAL」はロック度が増しているんだけどゴリゴリし過ぎに感じるし。アルバムとしては、この方が統一感が出るんだろうけどね。だから「この曲を聴きたい」とか「この1曲が良い」とかよりもアルバム全体で楽しむっていうのが今作なのかなと思った。

おすすめ度:B+

2ndベスト DRIVE-GLAY complete BEST

2000年11月29日 売上約263万枚

【収録曲】
DISC.1
01.とまどい(Jet the Phantom)/02.口唇/03.SHUTTER SPEEDSのテーマ/04.ずっと2人で…/05.グロリアス/06.a Boy~ずっと忘れない~/07.生きてく強さ/08.HAPPY SWING/09.彼女の”Modern…”/10.SOUL LOVE/11.HOWEVER/12.I’m in Love
DISC.2
01.誘惑/02.生きがい/03.ビリビリクラッシュメン/04.BELOVED/05.HAPPINESS/06.サバイバル/07.pure soul/08.BE WITH YOU/09.Winter,again/10.春を愛する人/11.SPECIAL THANKS/12.Missing You

2ndベストアルバム『DRIVE-GLAY complete BEST』。1997年の『REVIEW-BEST OF GLAY』に続く自身2作目のベスト盤。アルバムとしては99年の5th『HEAVY GAUGE』から約1年1ヶ月ぶり。初回盤はロングケース、ライナーノーツが付属。

前ベスト『REVIEW』の続編では無く、改めてデビューから2000年時点までの全期間を対象としたオールタイムベストである。収録曲は同年8月のシングル「とまどい/SPECIAL THANKS」封入のリクエストハガキによるファン投票を参考に選出されている。あくまで参考という事で投票結果がそのまま収録曲に反映されている訳では無い。

シングル「とまどい/SPECIAL THANKS」(100万枚)「Missing You」(54万枚)がアルバム初収録。この内「とまどい」はエンディングが長くなっている「とまどい(Jet the Phantom)」という別バージョン。19thシングル「MERMAID」は「次のアルバムの核になる曲だから」というTAKUROの意向で未収録となったらしい(翌年の次回作『ONE LOVE』に収録)。全曲にHowie Weinbergによるデジタル・リマスタリングが施されている。

初動172万枚を売り上げ(この初動はCD2枚組以上のアルバムで歴代最高の数字であるという)初登場1位を獲得。500万枚に迫る売上を記録した前ベスト『REVIEW』には及ばなかったが、自身2番売上となる263万枚という特大ヒット作となった。年末発売だったので売上は翌年分に集計され2001年度年間アルバムチャートで4位につけている。

90年代のGLAY、いわゆる売上全盛期のGLAYのおいしい部分をギュッと凝縮して聴ける圧巻の大ヒット曲集。大ヒット曲が多い故に2枚組・計24曲というボリュームでも全く胃もたれしない。厳選された感があるよね。「HOWEVER」「誘惑」「Winter,again」という大ヒットシングルは勿論収録されているし、主要なアルバム曲もガッチリ入っている。特に「春を愛する人」「pure soul」「生きがい」といったアルバムの大名曲がしっかり押さえてあるのが素晴らしい。シングル以外も入れつつ、2枚組に収まる曲数に抑え、更に曲順もバッチリハマってる。入れる・入れないのチョイスがこの上なく上手いとんでもなく優秀なベスト盤である。聴き易さ最強クラス。

2009年にはその時点までのシングルA面を順番通りに並べ、新曲や再録も大量に盛り込んだ重量ベスト『THE GREAT VACATION~SUPER BEST OF GLAY~』のVOL.1・VOL.2がリリース。更に2020年には各メンバー自身が選曲した4枚組『REVIEWⅡ -BEST OF GLAY-』がリリースされている。しかしどれも盛り盛りの重量級だし、それぞれがどうにも癖の強いベストとなっているので、全盛期をコンパクトにストレートに聴ける今作は未だにGLAYの入り口としては最もオススメだ。

わたくしマーが中学生時代、最初に買ったGLAYのアルバムが今作だった。未だに「とまどい」が1、2を争う程好きな曲になっているのはこのアルバムで1曲目に聴いた影響である。それ以来何十回、下手したら何百回と聴きまくったので思い入れがハンパ無い。音楽にハマり始めた時期でもあったので、わたくしマー・田中のJ-POP始まりの一作には確実に入るアルバムである。GLAYよ素晴らしい「うた」をありがとう

今作のおかげでGLAYの魅力に気付けたし、心の名曲にも沢山出会う事が出来た。逆に20世紀GLAYを纏めた今作にハマり過ぎたせいか、21世紀のGLAYにそこまで惹かれなくなってしまったという弊害もあったかもしれない…。僕の中でGLAYというと未だに今作の時期が全て、という感じになってるんだよな。

おすすめ度:A+

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