いきものがかり 全アルバムレビュー・おすすめ度 #2

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いきものがかり 全アルバムレビュー #2

こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー・田中(@kazeno_yukue)でございます。
いきものがかりアルバム感想、第2弾スタート。

※前回の感想(1st『桜咲く街物語』~バラードベスト『バラー丼』)は下記記事です。

いきものがかり 全アルバムレビュー・おすすめ度 #1
いきものがかり 全アルバムレビュー #1 こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー・田中(@kazeno_yukue)でございます。 ここではいきものがかりのアルバム感想、各おすすめ度を発売順に綴ってまいります。 1st 桜咲く街物語...

6th I

2013年7月24日 約22万枚

【収録曲】
01.笑顔/02.1 2 3~恋がはじまる~/03.ぱぱぱ~や/04.恋跡/05.ハルウタ/06.マイサンシャインストーリー/07.なんで/08.あしたのそら/09.風乞うて花揺れる/10.MONSTER/11.恋愛小説/12.東京/13.風が吹いている/14.ぬくもり

6thアルバム『I』。

バラードベスト『バラー丼』から約半年ぶり、オリジナルアルバムとしては『NEWTRAL』から1年5か月ぶりの作品。タイトルの『I』はいきものがかりの頭文字「I」、また「愛」や「哀」等様々な意味を掛け合わせたものであるという。

シングル「ハルウタ」(6万枚)「1 2 3~恋がはじまる~」(2万枚)「笑顔」(5万枚)に加えカップリングから「あしたのそら」を収録。また「風が吹いている」は一足先に『バラー丼』に収録されていたが、今作にも再び収録された。これは自身初の事である(ベスト盤でアルバム初収録となったシングルは『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』の時の「ノスタルジア」「ありがとう」「キミがいる」があるがこれらはいずれもオリジナルアルバムには未収録となっている)。

初回生産限定盤はスペシャル三方背BOX仕様。特典として「イッキーモンキーのiラジオ」を収めたDVD、スペシャルパノラマフォトシート、いきものカード、「いきものがかりのみなさん、こんにつあー!! 2013 ~I~」チケット特別抽選先行案内などが付属している。3rdアルバム『My song Your song』から6作連続のチャート初登場1位を獲得したが、40万を超えた前作『NEWTRAL』から大幅に売上は下がった。

「風が吹いている」でバラードを極めたという意識があったのか全体的にバラード少な目で明るいアルバムという印象。冒頭の良メロポップス「笑顔」、アップナンバー「1 2 3~恋がはじまる~」でだいぶ聴き応えがあるし5曲目の「ハルウタ」が特に印象強い。これは映画『名探偵コナン』主題歌で、「ブルーバード」を彷彿とさせる激しめナンバーなのだが何故かオールタイムベスト『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』には収録されなかったのでしっかり聴いたのは初めて。かなりの名曲だと感じたんだけどベスト盤から弾かれたのはメンバーが仕上がりに納得していないとかの理由でもあるんだろうか…?あとアルバム曲ではラストナンバー「ぬくもり」が名バラードで気に入った。「風が吹いている」で壮大に終わるという道もあっただろうけどそれだと達し過ぎだったと思うので「ぬくもり」がラストで良かったと思う。

おすすめ度:B

7th FUN! FUN! FANFARE!

2014年12月24日 約18万枚

【収録曲】
01.FUN! FUN! FANFARE! -The Beginning-(instrumental)/02.GOLDEN GIRL/03.ラブソングはとまらないよ/04.熱情のスペクトラム/05.キラリ/06.LIFE/07.春/08.明日ハレルカナ/09.ジャンプ!/10.虹/11.陽炎/12.SNOW AGAIN/13.ワンゴール/14.涙がきえるなら/15.マイステージ/16.LIGHTS OUT -The Ending-(instrumental)

7thアルバム『FUN! FUN! FANFARE!』。

シングル「ラブソングはとまらないよ」(2万枚)「熱情のスペクトラム/涙がきえるなら」(3万枚)「GOLDEN GIRL」(1万枚)に加えカップリングから「虹」を収録。

初回生産限定盤はスペシャル三方背BOX・3面アザージャケットデジパックCD+DVDケース仕様、特典として「報道バラエティ『NEWS123』」を収めたDVD、「FUN! FUN! FANFARE!特製ミニポスターセット」「いきものカード044」「いきものがかりのみなさん、こんにつあー!! 2015~FUN! FUN! FANFARE!~ チケット特別抽選先行案内」が付属している。

2016年3月にはメジャーデビュー10周年記念ベスト『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』をリリース。そして2017年1月には「放牧宣言」と称してグループの活動休止を宣言したため、オリジナルアルバムとしては2019年12月の『WE DO』まで約5年間空く事となる。

相変わらず安定の王道作風。タイトルやジャケットはパリピ感万歳に異様に弾けているが、内容自体は特別弾けているという訳では無い。「ラブソングはとまらないよ」や「GOLDEN GIRL」等のシングルはリリース当時「悪くは無いんだけどマンネリだな…」と感じていたが、こうしてオリジナルアルバムの中で聴くとやはり風格があるなと思えた。少し時間を置いてフラットな気持ちで聴いたのも良かったのかもしれない。

また今作はシングル以上にアルバム曲が充実。「キラリ」「LIFE」「SNOW AGAIN」「マイステージ」等はどれもシングル級の良曲である。特に「SNOW AGAIN」は90年代ウィンターソングのようなキレッキレオーラを纏っており、オールドJ-POPファンの方には是非オススメの一曲だ。せめてベスト盤に選出してあげて欲しかった…。ただコンセプチュアルな感じを狙ったのか冒頭とラストにインストが入ってるんだけど、どちらも1分弱で終わってしまうしこれは特に無くても良かったような…。

おすすめ度:B

3rdベスト 超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~

2016年3月15日 約34万枚

【収録曲】
DISC.1
01.SAKURA/02.キミがいる/03.気まぐれロマンティック/04.茜色の約束/05.あなた/06.キラリ/07.帰りたくなったよ/08.ふたり/09.コイスルオトメ-激情編-/10.涙がきえるなら/11.いこう/12.なくもんか/13.心の花を咲かせよう/14.地球
DISC.2
01.ありがとう/02.じょいふる/03.ブルーバード/04.いつだって僕らは/05.翼/06.歩いていこう/07.YELL/08.GOLDEN GIRL/09.Good Morning/10.Sweet! Sweet! Music!/11.1 2 3~恋がはじまる~/12.東京/13.恋詩/14.熱情のスペクトラム/15.マイステージ/16.会いにいくよ
DISC.3
01.風が吹いている/02.笑ってたいんだ/03.ラブソングはとまらないよ/04.NEW WORLD MUSIC/05.うるわしきひと/06.夏空グラフィティ/07.KISS KISS BANG BANG/08.花は桜 君は美し/09.プラネタリウム/10.LIFE/11.ラブとピース!/12.真夏のエレジー/13.笑顔/14.夢題~遠くへ~ -No Fade Out ver.-/15.ぼくらのゆめ
DISC.4 超B面ばかり+メンバー泣きの三曲(初回生産限定盤のみ付属)
01.ホットミルク/02.甘い苦い時間/03.二輪花/04.蒼い舟/05.月夜恋風/06.最後の放課後/07.夏色惑星/08.おもいでのすきま/09.オリオン/10.my rain/11.赤いかさ/12.ホントウノヒビ/13.ハジマリノウタ~遠い空澄んで~/14.白いダイアリー/15.ノスタルジア-Original Lyrics ver.-

いきものがかりのベストアルバム『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』。

2010年の『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』、2012年の『バラー丼』に続く自身3作目のベストアルバム。メジャーデビューしてちょうど10年の日にリリースされた。タイトルの「てんねん記念」とは「メジャー10年」の10を英語にした「ten」と、天然記念動物・カワウソ(ボーカル吉岡聖恵の風貌に似ているとされる)の意が掛かっている。

『いきものばかり』同様、これまでにリリースされたシングル・カップリング・アルバム曲からメンバーが選出した楽曲を収録している。シングルでは前作『FUN! FUN! FANFARE!』以降にリリースされた「あなた」(2万枚)「ラブとピース!/夢題~遠くへ~」(1万枚)がアルバム初収録。また新曲として「いこう」「翼」「Sweet! Sweet! Music!」「真夏のエレジー」「ぼくらのゆめ」の5曲が含まれている。この内「ぼくらのゆめ」は8月に次のシングルとしてリカット(新曲「ラストシーン」と両A面 1万枚)された。

初回生産限定盤にはDISC.4が付属。こちらには『超B面ばかり+メンバー泣きの三曲』として、主にアルバム未収録となっていたカップリング曲に加えメンバーそれぞれが「泣きの1曲」として選んだ3曲が収録されている。このうち「ノスタルジア」はインディーズ1stアルバム『誠に僭越ながらファーストアルバムを拵えました…』収録の歌詞に戻したバージョン(演奏自体はメジャー版と同一である)。

シングルA面では「HANABI」「流星ミラクル」「青春のとびら」「青春ライン」「ホタルノヒカリ」「ハルウタ」が未収録となった。このうち「青春ライン」以外は前ベスト『いきものばかり』にも未収録。また『いきものばかり』リリース時に水野良樹がTwitterにて容量の関係で収録を断念したと発言した「夏空グラフィティ」「プラネタリウム」「ふたり」の3曲は今作に収録された。

翌2017年1月に「放牧宣言」と題してグループとしての無期限活動休止を発表したため、結果的に今作は活動休止前を総括したベストアルバムという立ち位置になった。

時系列ではなく、各DISCの冒頭に代表曲・有名曲を配置しそれぞれ独立したアルバムとして聴く事が出来る重量級ベストアルバム。王道志向のいきものがかりだけあってシングルA面曲のクオリティは文句なし。どれも素晴らしい楽曲ばかりだ。今作独自のアレンジが加えられ熱いロックバラードと化した「コイスルオトメ-激情編-」なんかは原曲よりも断然好きだし今作ならではのポイント。実質的に『いきものばかり』の拡大版として機能する内容なので、一先ずいきものがかりを聴いてみようと思い立った人は今作を手に取るのがオススメです。

ただ『いきものばかり』の時もそうだったけど今回もアルバム・カップリングから存分に選出されておりシングル曲は全く網羅されていないので資料的に聴きたい場合には不満が残るだろう。楽曲至上主義故に聴いてもらいたい曲が多いのは分かるがちょっと選び過ぎだと思う。この量ではどんなに良い曲でも埋もれてしまう。まぁ3枚組の重量級ベストを一気に聴くライトリスナーはそんなに居ないとは思うけど、もっとスマートな分量にしても良かったんじゃないかなとは感じる。15周年辺りで是非とも機械的なシングルコレクションのリリースを望む(次回作『WE DO』にスルーされた「ラストシーン」もそこで回収という事で…)。

DISC.4 『超B面ばかり+メンバー泣きの三曲』
初回限定盤のみ付属するカップリングコレクション+3。シングルA面は水野良樹、カップリング曲は山下穂尊が手掛けるという大まかな役割分担があるため実質的に山下DISCとなっている。役割だけ見ると水野と比べて二番手作家という位置に感じるが、楽曲のクオリティにはそこまで差は無くアルバムの山下曲には名曲も多い。今作収録のカップリングは流石に軽い感じの曲が多いが、逆にこれぞ路上出身バンドという雰囲気で中々悪くない。「最後の放課後」や「おもいでのすきま」なんかは特に良い曲だなと思った。

「メンバー泣きの三曲」はどの辺がどう「泣き」なのか気になるが、メンバーそれぞれが選んだという事でやはりそれぞれの自作曲が収録されている。「ハジマリノウタ~遠い空澄んで~」は山下必殺のバラードだし「白いダイアリー」も吉岡屈指の名曲だと思う。ただやはりこうして重量級ベスト盤の隅っこで聴くよりも、それぞれ収録先のオリジナルアルバムで聴いた時の方が俄然名曲に感じたな。

おすすめ度:B+

8th WE DO

2019年12月25日 約5万枚

【収録曲】
01.WE DO/02.SING!/03.スピカ~あなたがいるということ~/04.STAR LIGHT JOURNEY/05.アイデンティティ/06.あなたは/07.太陽/08.きみへの愛を言葉にするんだ/09.しゃりらりあ/10.try again/11.さよなら青春/12.口笛にかわるまで/13.季節
DISC.2 いきものがかりファンクラスツアー~モゥ集牧だよー!2019~ 2019.5.14@Zepp DiverCity(TOKYO) ※初回生産限定盤のみ付属
01.Introduction/02.WE DO/03.気まぐれロマンティック/04.いつだって僕らは/05.アイデンティティ/06.手のひらの音/07.@miso soup/08.帰りたくなったよ/09.笑顔/10.ブルーバード/11.じょいふる/12.会いに行くよ/13.太陽/14.SING!/15.心の花を咲かせよう

いきものがかりの8thアルバム『WE DO』。2016年のベスト盤『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』以来約3年9ヶ月ぶり。オリジナルアルバムとしては2014年の『FUN! FUN! FANFARE!』以来実に5年ぶりとなった。

2017年1月に「放牧宣言」と題してグループの活動休止を発表。その後2018年11月には「集牧宣言」と題し活動を再開した。今作には活動再開後にリリースされた配信シングル「WE DO」「太陽」「SING!」「アイデンティティ」「STAR LIGHT JOURNEY」を収録。放牧前の2016年にリリースされていた「ラストシーン」はアルバム未収録となった。

初回生産限定盤はライブCD『いきものがかりファンクラスツアー~モゥ集牧だよー!2019~』、ライナーノーツ「WE TALK」ブックレット、「WE TALK」Full Video 視聴QRコードが付属する他、20周年全国アリーナツアー先行予約封入(通常盤初回仕様にも)。

『Buster Bros!!!-Before The 2nd D.R.B-』(4万枚)に敗れ最高順位は2位。また累計は5万枚となり、5年前の前オリジナル『FUN! FUN! FANFARE!』の累計18万枚から大幅に下げる結果となった。

2019年元旦にリリースされた集牧後初のシングル「WE DO」はまさに活動再開!再始動して行くぜ!という勢いに満ち溢れた名曲だった。いきものがかりとしては異色なアップナンバーだったんだけど再始動シングルとしてはこの上ない一曲だったと思う。普通の王道バラードで復活…とかよりは全然良かった。ただ蓋を開けてみればこのように新たな境地を押し出した曲は「WE DO」のみで、アルバム全体はあくまで放牧前と同じ王道のポップスが並ぶ。「WE DO」の流れを期待して今作を聴くとひょっとして期待外れかもしれないけど、往年のいきものがかりファンや王道を期待するリスナーにとっては概ね満足感の高い一作であろう。

わたくしマーは2017年頭の放牧宣言後にいきものがかりにハマり、活動休止期間の間ベスト盤『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』を聴きまくっていた。なので本格的にいきものがかりにハマってから初めての新作が今作、という事になったので非常に新鮮かつ高まった気持ちで聴けたのが良かった。安心盤石の内容だから場合によっては「変化が無くてつまらない」という印象になりがちなんだけど、いきものがかりに関してはそうはならない。「王道というマンネリを楽しむ」という聴き方になってる。そういう意味ではスピッツと似た立ち位置かもしれないなぁと思った。

ライブCD感想(初回生産限定盤のみ付属)
過去のライブ音源はCDに忠実に演っているものが多かった(「あなた」C/Wだった「マイステージ-2015 LIVE ver.-」なんかはスタジオ音源と間違える程カッチリしていた)。それに比べて今回は吉岡聖恵のテンションがかなーり高い。久々の活動という事でついつい高まってしまったのだろうか?所々歌詞も変えまくってるし。ライブならではの熱さを感じられるので中々面白いアルバムだった。選曲は「WE DO」や「SING!」等当時の最新曲から往年の曲まで幅広いが、代表曲である「ありがとう」や「SAKURA」が入っていないなど若干ファン向けっぽい部分もある。

おすすめ度:B+

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