KinKi Kids 歴代シングル&名曲感想 #3 ~2004-2011~

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KinKi Kids 歴代シングル&名曲感想 #3 ~2004-2011~

こんにちは、孤独なJ-POPファン、船橋スイカ(@funabashisuika)です。KinKi Kids シングル&名曲レビュー第3弾スタート。

1997年~2004年前半

20th Anniversary

Anniversary

2004年12月22日 売上約52万枚

作詞:Satomi、作曲:織田哲郎、編曲:家原正樹

20thシングル「Anniversary」表題曲。

前作「ね、がんばるよ。」から約11か月ぶりのシングルであり、この時点で過去最長のシングルリリーススパンだった。カップリングにはアレンジバージョンの「Anniversary-20th. memorial version-」が収録され、500円でのリリース。当初は12月8日リリースの予定だったが発売直前に急遽日程が延期された。

2ndベストアルバム『KinKi Single SelectionⅡ』と同時発売だがそちらには未収録。オリジナル卓上カレンダー付でシングル・アルバムの50万枚限定セットも販売された。シングル・アルバム共にチャート1位を獲得し、自身が「硝子の少年」と『A album』同時首位を記録して以来7年5か月ぶりの達成。浜崎あゆみに並ぶ歴代最多2度目の達成であった(浜崎も2000年に「SURREAL」と『Duty』、2001年に「Dearest」と『SUPER EUROBEAT presents ayu-ro mix 2』で2度同時首位を達成している)。

ベスト盤とのセット販売効果もあってか、2001年の「情熱」以来の累計50万突破。また3週連続1位を記録し、99年の「雨のMelody/to Heart」以来の複週数1位となるなど目立ったヒット作となった。

「ボクの背中には羽根がある」以来となる織田哲郎の作曲。あの時と同じようにフォルクローレ(民族音楽)を意識したようで哀愁を感じるサウンド・メロディーが炸裂する名曲。10周年ベスト『39』のファン投票では「愛のかたまり」に次ぐ堂々2位にランクインする等、かなりの人気曲だがそれも納得の名曲ぶりである。ファン以外の一般層までギリギリ広まったと言えるシングル曲は今作が最後だろう。織田哲郎の手腕には恐れ入る。「ボク羽根」と今作どちらも目立ったヒットとなったしKinKi Kidsとの相性はかなり良いようだが、織田哲郎のシングルA面での登板はこの後2013年の「まだ涙にならない悲しみが」まで空く事となる。

余談だが今作の約1か月前にリリースされていた上戸彩の10thシングル「ウソツキ」も織田哲郎の作曲で、そちらも民族音楽系のムード溢れる曲調。2004年当時当時「Anniversary」を初めて聴いた時「上戸彩の新曲と似てるなぁ~」と思ったものだ。織田さん、この2曲同時に作ってたんじゃ?何ならわたくしマーとしては初聴時の印象は「ウソツキ」の方が上だったので「上戸彩の曲KinKiに回せよ織田!」と不服に感じたのを覚えている。現在では「Anniversary」の方が断然好きなのだが…中学3年当時の感覚では逆だったんだよね。(2025/5/30更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:8th『H album-H・A・N・D-』、3rdベスト『39』他

Anniversary / KinKi Kids

21st ビロードの闇

ビロードの闇

2005年6月15日 売上約31万枚

作詞:Satomi、作曲:林田健司、編曲:CHOKKAKU

21stシングル「ビロードの闇」表題曲。前作「Anniversary」から約6か月ぶり。

本来は8thアルバム収録の「99%LIBERTY」もシングル候補に挙がっていたという。マイナー調のダンスナンバー。作曲の林田健司はSMAPの「$10」や「青いイナズマ」、ブラックビスケッツの「STAMINA」を手掛けたヒットメイカーだが、この曲にはそのようなキャッチーさは無くアーティスティックな感じ。

マイナー調ダンスといっても「雨のMelody」のようなキレを感じず、当時「今回の曲はイマイチだな…」と明確に落胆してしまった。当時高校のクラスメイトのN君も「KinKiの新曲聴いた?全然良くないよね…」と言っていたのが忘れられない(N君はその後レミオロメンの「太陽の下」にも苦言を呈すなどJ-POPに厳しい男だった。ちなみにN君は熱烈なDEENファンでもあった)。この当時の印象が強烈で未だに好きな曲では無い。

2005年春に高校に進学し、生活環境が変わった事も多少影響しているのかもしれないが…このシングルを境に僕はしばらくKinKiから遠ざかる事となってしまった。借りる事すら辞めてしまった。次にKinKiをしっかり聴く(借りるor買う)のは約8年後の「まだ涙にならない悲しみが/恋は匂へと散りぬるを」まで空く事となる。

この曲というと『ミュージックステーション』での歌詞間違え事件(通称「打ちひしがれ事件」)も忘れられないトピックだろう。忘れもしない2005年6月10日にこの曲でKinKiが出演した際、まず光一が歌詞を間違えてAメロで〈打ちひしがれる〉の後再び〈打ちひしがれるだろう~〉と何故か2回打ちひしがれる(本来は1回)。その影響で剛もBメロを〈砂漠のように~このマチで~…ハハッw〉と間違えた上に笑ってしまうというグダグダな展開に。この打ちひしがれ事件は翌週もVTRで振り返られ、2019年の「Mステ衝撃ハプニングランキング」でも5位に食い込む等未だに語り継がれる伝説となっている。「ビロードの闇」というと曲そのものよりもこの事件の方が先に浮かんでしまうというのが本音である。(2025/5/30更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:8th『H album-H・A・N・D-』、3rdベスト『39』他

ビロードの闇 / KinKi Kids

8thアルバム H album-H・A・N・D-

恋涙

2005年11月16日

作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:石塚知生

8thアルバム『H album-H・A・N・D-』収録曲。

タイトルは「れんるい」と読む。剛作詞、光一作曲という必殺のクレジットかつ女性目線という共通項から「愛のかたまり」を彷彿とさせる存在。だけど曲調は結構違う。「愛のかたまり」よりもちょい攻撃力が増した歌謡ロックって感じかな。リアルタイムでは知らなくて、後追いで聴いたせいか「愛のかたまり」程の思い入れは無いものの充分に良い曲。やっぱ光一のメロディーって刺さるよね。ちなみに「恋涙」とは「恋した時に流れる涙」って意味なんだって。

共作だけあって2007年の『39』では5位、2025年の『39 Very much』では9位と絶大なるファン人気。(2025/5/30更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:8th『H album-H・A・N・D-』、3rdベスト『39』他

恋涙 / KinKi Kids

22nd SNOW! SNOW! SNOW!

SNOW! SNOW! SNOW!

2005年12月21日 売上約31万枚

作詞:秋元康、作曲:伊秩弘将、編曲:家原正樹

22ndシングル「SNOW! SNOW! SNOW!」表題曲。

8thアルバム『H album-H・A・N・D-』から約1か月ぶり。シングルとしては「ビロードの闇」以来約6か月ぶり。

カラオケ『UGA』CMソング。作詞に秋元康、作曲はSPEEDのプロデューサーとしてメガヒットを連発した伊秩弘将が登場。

〈スノ~!スノ~!スノゥオ~!〉という高音のサビが特徴的で一発で耳に残った。ただKinKiの冬ソングといえば「シンデレラ・クリスマス」が君臨しておりあちらと比べるとどうも硬いというか、力が入り過ぎているようにも感じた。更に当時「ビロードの闇」のショックもまだまだ尾を引いていた影響でこの曲もそんなにハマらず。翌年同じ冬ソングの「Harmony of December」が出て好印象だったのもあり益々この曲の印象は薄く…。(2025/6/1更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:9th『I album-iD-』、20周年ベスト『The BEST』

SNOW! SNOW! SNOW! / KinKi Kids

雪白の月

2005年12月21日

作詞:Satomi、作曲:松本良喜、編曲:十川知司

22ndシングル「SNOW! SNOW! SNOW!」通常盤カップリング曲。

通常盤のみのカップリングながら2007年の『39』投票で「愛のかたまり」「Anniversary」に次ぐ第3位にランクイン。2025年の『39 Very much』でも7位と絶大なファン人気を誇る曲である。

当時借りてまではKinKiを聴かなくなっていた時期だったのでリアルタイムには存在を知らず、2013年頃に『39』で知った。後追いの身だからか、投票でトップ3入りする程の名曲という感覚はあまり無くて正直なんでこんなファン人気が高いのか謎。柴咲コウの「月のしずく」や中島美嘉の「雪の華」を生み出したサトマツコンビ(詞:Satomi、曲:松本良喜の組み合わせ)だけあって完成度はあるけど。リアルタイムでカップリング曲として聴いていたら、不意打ち喰らって「名曲だ!」と感じてたかもしれない。(2025/6/1更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:3rdベスト『39』、4thベスト『Ballad Selection』他

雪白の月 / KinKi Kids

23rd 夏模様

夏模様

2006年7月26日 売上約31万枚

作詞:Satomi、作曲:林田健司、編曲:佐久間誠、ストリングスアレンジ:佐藤泰将

23rdシングル「夏模様」表題曲。前作「SNOW! SNOW! SNOW!」から約7か月ぶり。

沖縄歌謡風味のミディアムナンバー。夏がテーマだが「ジェットコースター・ロマンス」や「夏の王様」とは打って変わって落ち着いた曲調。夏の午後にゆったりと聴ききたくなる。派手さは無いけど、メロディーも良いしこれは中々に好きな曲である。

2006年当時はとにかくKAT-TUNの勢いが凄すぎて他のジャニーズはどれも影が薄くなってしまっていた。仲間内でカラオケ行ってもジャニーズではKAT-TUN(「Real Face」をはじめ1stアルバム収録曲も割かし浸透してた)が歌われる率が高かった中、ひとりの友人が唐突にこの曲を歌ったのを未だ覚えている。そこで初めて「結構良い曲だな」と感じた。やっぱ「カラオケで友達が歌ってた曲」ってのも影響力侮れない。(2025/6/2更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:9th『I album-iD-』、20周年ベスト『The BEST』

夏模様 / KinKi Kids

24th Harmony of December

Harmony of December

2006年11月29日 売上約30万枚

作詞・作曲:マシコタツロウ、編曲:ha-j

24thシングル「Harmony of December」表題曲。前作「夏模様」から約4か月ぶり。

9thアルバム『I album-iD-』リリース2週間前の先行シングル。前作「夏模様」カップリングで初登場したマシコタツロウがシングルA面を担当。一青窈の「もらい泣き」やSMAPの「ユーモアしちゃうよ」を手掛ける作家で、KinKiにもこの後「変わったかたちの石」や「高純度romance」を提供する事となる。

前年の冬に「SNOW! SNOW! SNOW!」から1年ぶりの冬ソング。肩に力の入りまくっていた「SNOW! SNOW! SNOW!」と比べると今回はまったり・優雅な作風でメロディーの良さがより映える。KinKiから離れていた2005~2012年の間のシングルでは一番好きな曲である。新曲が出るたび90年代のヒット曲達と比べていた06年当時は「地味」と思っていたが…。現在のKinKiが持つ「聴かせる系」の魅力はこの頃から見え始めていたんだなと今になって思う。2007年の『39』では15位、2025年の『39 Very much』では38位。(2025/6/2更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:9th『I album-iD-』、3rdベスト『39』他

Harmony of December / KinKi Kids

9thアルバム I album-iD-

真冬のパンセ

2006年12月13日

作詞:浅田信一、作曲:石塚知生、編曲:CHOKKAKU

9thアルバム『I album-iD-』収録曲。

シングル候補だったらしいけどそれも納得の名曲。KinKi Kidsらしいキレを持ってるよね。この時期のシングル以上にシングルらしい風格があるけど、アルバム曲だからこそ輝くタイプという感じもある。下手にシングルにしなかったのは正解だったかも。2度のファン投票でどちらも圏外というのが意外。(2025/6/2更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:9th『I album-iD-』、3rdベスト『39』(KOICHI’S FAVORITE)

真冬のパンセ / KinKi Kids

Love is…~いつもそこに君がいたから~

2006年12月13日

作詞・作曲:成海カズト、編曲:garamonn

9thアルバム『I album-iD-』通常盤のみの収録曲。

ファンへの感謝を歌ったバラード。他の蒼いKinKiバラードと比べてアコースティック風味があり差別化されてる。良い意味でカジュアルな軽さがあって良い。2007年の『39』では「愛のかたまり」「Anniversary」「雪白の月」に次ぐ堂々4位と大量の支持を得た。2025年の『39 Very much』では23位。「雪白の月」もそうだけど自作でもない普通のバラードに人気が集中するというこの現象は何なのか…。良い曲だけどね。『39』や『Ballad Selection』とピックアップされる機会が多かったので結構前から知ってはいたけど、明確に良い曲だなと思ったのは公式YouTubeでのOriginal Live。(2025/6/2更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:9th『I album-iD-』、3rdベスト『39』他

Love is…~いつもそこに君がいたから~ / KinKi Kids

25th BRAND NEW SONG

BRAND NEW SONG

2007年4月25日 売上約22万枚

作詞・作曲:Gajin、編曲:CHOKKAKU、コーラスアレンジ:岩田雅之

25thシングル「BRAND NEW SONG」表題曲。

9thアルバム『I album-iD-』から約4か月ぶり。シングルとしては「Harmony of December」から約5か月ぶり。

デビュー10年記念の年に突入したものの、これまで30万以上をキープしていた売上がいきなり22万枚に下がってしまった。人気が激減する要素など無かったと思うが。この後も売上は回復せず、このシングルからアベレージが20万前後となる。

10周年ベストアルバム『39』の人気投票はこのシングルで行われた。初回盤・通常盤初回プレス分にアンケート『Your Favorite Song of KinKi Kids』が封入。この時点で発表されていた全129曲を対象に人気投票が行われ、このアンケート結果上位10曲を基に『39』が制作された。ちなみにこの曲自身も対象内で19位にランクインした(他の機会にアンケートしたら多分もっと下がると思う)。

アサヒ飲料『十六茶』CMソング。この曲は当時CMで聴かされまくったので強く印象に残っている。CDとCMでは歌詞が違っていて、CMでは商品のキャッチコピーに合わせて〈シュビドゥ~、美味しいと~♪〉と歌われていた(この音源は未作品化のようだ)。ただインパクトはあったものの、楽曲として好きかと問われると微妙。〈シュビドゥ~♪〉の部分の他に〈やっぱり キミの傍が~♪〉ともう一つのサビが存在し、盛り上がり部分が長いという満足感はあるけど…。「Hey! みんな元気かい?」の時と同じくご陽気過ぎるというか。

あと当時から思ってるんだけど〈蒼色ぞ~〉〈太陽ぞ~〉って言ってないか?二人のうちどっちかは絶対〈〉って言ってるよ。CDだとそこまで感じないが、当時歌番組で聴いた時は露骨に〈〉って聞こえた。当時Mステで聴いた時、気になり過ぎて2ch(現5ch)の実況板を覗いたら同じことを言っている人が一人だけ居たのを覚えている。未だにこれモヤモヤするんだが。(2025/6/3更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:10th『Φ』、20周年ベスト『The BEST』

BRAND NEW SONG / KinKi Kids

26th 永遠に

永遠に

2007年9月12日 売上約23万枚

作詞:Satomi、作曲:徳永英明、編曲:CHOKKAKU、コーラスアレンジ:竹内浩明

26thシングル「永遠に」表題曲。前作「BRAND NEW SONG」から約5か月ぶり。

作詞はお馴染みのSatomi、作曲は当時カバーアルバム『VOCALIST』シリーズで再ブレイクを果たしていた徳永英明が担当。徳永は2009年のアルバム『WE ALL』にて今作をセルフカバーしている。

KinKi Kids10周年記念ソングとして制作。徳永英明らしい王道のピアノ・バラードという感じでメロディーも美しく良いハズなのだが、何故か当時からそこまでハマらない。KinKiバラードといえば「青の時代」や「to Heart」等の超名曲が君臨してるしそこと比べるとなぁ…。そこら辺と比べると「蒼さ」が足りないというかね。この時期は個人的にKinKiから離れていた頃でどうしても思い入れポイントが薄くなってしまう。(2025/6/3更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:10th『Φ』、20周年ベスト『The BEST』

永遠に / KinKi Kids

涙、ひとひら

2007年9月12日

作詞・作曲:井手コウジ、編曲:鈴木雅也

26thシングル「永遠に」カップリング曲。

堂本光一出演テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『スシ王子!』主題歌。カップリングながらドラマタイアップもあり、当時のMステで披露されるなど露出が多く最初は両A面なのかと勘違いしてた。サビがめっちゃキャッチーだよね。Mステで聴いた時に1発で覚えた。逆にサビ以外が記憶に残らないのだが。でも「永遠に」よりコッチの方が好み。(2025/6/3更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:10th『Φ』

涙、ひとひら / KinKi Kids

10thアルバム Φ

銀色 暗号

2007年11月14日

作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:吉田建

10thアルバム『Φ』収録曲。

「好きになってく 愛してく」「愛のかたまり」「恋涙」に続く同じ剛作詞・光一作曲の黄金共作パターン。最初聴いた時の第1印象は「「愛のかたまり」を大人しくしたような曲だな~」。編曲も同じ吉田建だし、女性目線の歌詞だし。実際光一いわく「「愛のかたまり」を超える曲を作ろうと思って作曲した」との事らしい。

最初は「愛のかたまり」の下位互換(遊戯王でいう「サンダー・ボルト」に対する「ライトニング・ボルテックス」みたいな存在)としか思ってなかったけどYouTubeのライブ映像とかで聴くうちに徐々にこれはこれで良さを見出せるようになってきた。冬の雪景色が浮かぶ。綺麗な曲だよね。KinKi Kidsには冬ソングの名曲が多くあるがコレも代表格に入ってくる。というかKinKiと冬の相性が抜群なのかも。2025年の『39 Very much』では「愛のかたまり」「KinKi Kids forever」「Topaz Love」「Anniversary」に次ぐ堂々5位にランクイン。さすが自作、ファン人気絶大。自作なのに連続圏外の「好きになってく 愛してく」がますます不憫に感じられる……。(2025/6/3更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:10th『Φ』、4thベスト『Ballad Selection』他

銀色 暗号 / KinKi Kids

27th Secret Code

Secret Code

2008年8月27日 売上約22万枚

作詞:Satomi、作曲:井上日徳、編曲:井上日徳・堂島孝平、ブラスアレンジ:井上日徳・北原雅彦、コーラスアレンジ:Ko-saku

27thシングル「Secret Code」表題曲。

堂本剛主演フジテレビ系ドラマ『33分探偵』主題歌。当時「堂本剛が金田一以来となる探偵役挑戦!」という事で話題になったが観てなかったのでどんなドラマだったのか知らない。どうやら金田一とは違いギャグ要素が強い探偵ドラマだったようだが。

ハイテンポなジャズ調の一曲。アレンジはかなり凝っているのが伝わってくるが…正直キャッチーさからは程遠く発売当時からそこまで好きでは無い。ライブで聴いたら印象は上がりそう。ちなみに剛はシンセサイザーで演奏に参加しているという。2008年の7月・8月は北京オリンピックやサザン活動休止等でミスチル「GIFT」・レミオロメン「もっと遠くへ」・サザン「I AM YOUR SINGER」辺りの記憶が強く刻まれた熱い夏だったのだが、この曲は埋もれてしまった。(2025/6/4更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:11th『J album』、20周年ベスト『The BEST』

Secret Code / KinKi Kids

28th 約束

約束

2009年1月28日 売上約21万枚

作詞:浅利進吾、作曲:加藤裕介、編曲:家原正樹・加藤裕介、コーラスアレンジ:高橋哲也

28thシングル「約束」表題曲。

作詞の浅利進吾は同年の嵐「Everything」(作曲)も担当。作曲の加藤裕介は前年に嵐「One Love」を手掛け年間2位を獲得する大活躍を見せていた他、5年後の2014年には「鍵のない箱」で再びKinKiのシングルを作る事となる。

「ボクの背中には羽根がある」や「Anniversary」の路線に近い民族音楽風の一曲。恐らく意識していたようで編曲には家原正樹を招いている。しかしやはり似ているだけでヒットの再来とはならなかった。ただ発売当時こそ全く印象の残らない曲だなと思っていたが、今回久しぶりにしっかり聴いたら中々良いメロディーだなと思える部分もあった。09年当時は本当KinKiモードになれなかったのでね…。(2025/6/4更新)

おすすめ度:C+
収録アルバム:11th『J album』、20周年ベスト『The BEST』

約束 / KinKi Kids

29th スワンソング

スワンソング

2009年10月28日 売上約18万枚

作詞:松本隆、作曲:瀬川浩平、編曲:ha-j、ストリングスアレンジ:佐藤泰将

29thシングル「スワンソング」表題曲。

2003年の「薄荷キャンディー」以来6年ぶりに松本隆が登場。「この曲に命を吹き込んでもらいたい」とKinKiのふたり自ら松本隆に作詞を依頼したという。作曲の瀬川浩平はこの後「流星」「輪郭-l’e contour d’amour-」等カップリング曲で度々登場する事となる。

KinKi Kidsらしいキレが戻って来たようなスタイリッシュな曲。当時テレビでサビだけ聴いた時から「おっ、今回は中々良いぞ」と思った記憶はあるがやはりKinKi熱が最も低かった時期だったので借りるには至らず。後々改めて聴いたのだが…フルで聴くと「普通に良い曲」位に留まった。サビのキレに比べてA・Bメロがそこまで刺さらないというか。ただ松本隆の手腕か全体的に美しいオーラに包まれているのは確かでそこは魅力である。2025年の『39 Very much』では10位にランクイン。ファン人気高そうなオーラがあるな~とは感じてたが実際かなりの人気を誇っている事が立証された。

2009年は大学受験(浪人)を控えていてそこまで音楽を聴けていなかったなーと思う。同時に「90年代J-POP最高!最近の曲ダメダメ」モードが最高潮だった頃なので…KinKiに限らず新曲というものにどうしてもハマれない時期でもあった。昔の曲の方が圧倒的に輝いて見えていたのである。2010年に大学へ入学すると同時にブーム中だった嵐やAKB48にハマり、リアルタイムの音楽というものに前のめりになっていく。なので2009年以前と2010年以降で僕の音楽の捉え方は大きく異なる。(2025/6/4更新)

おすすめ度:C+
収録アルバム:11th『J album』、20周年ベスト『The BEST』他

スワンソング / KinKi Kids

30th Family~ひとつになること

Family~ひとつになること

2010年12月1日 売上約19万枚

作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:吉田建、ストリングスアレンジ:旭純

30thシングル「Family~ひとつになること」表題曲。

前作から約1年1か月ぶりのシングルで、当時は過去最長のリリーススパンであった。

シングルA面では2000年の「好きになってく 愛してく」以来となるKinKi Kids自作。今回は剛が先に詞を書き、そこに光一が曲を乗せたという。中々にメッセージ性の強いワールドワイドな世界観だが曲調は温かみがある。綺麗なメロディーで流石は光一である。「愛のかたまり」等と同じ剛作詞・光一作曲の黄金共作パターンだが『39 Very much』のファン投票では圏外。共作でも票が集まる曲・集まらない曲とハッキリ分かれているのは何故なのか。確かに「愛のかたまり」「恋涙」「銀色 暗号」とは違う方向性ではあるが。共作かつ女性目線歌詞でないと票は集まらないようだ。

2010年に入り大学へ入学しちょっと余裕が出来たのと、90年代だけでなく嵐やAKB等最新の楽曲の良さにも気づき始めていた頃だったので今作も当時から割かし好印象だった。後に『K album』でしっかり聴いたら更に素晴らしいメロディーだなこれは…と更に好きになった。『K album』全体の印象が良かった故にこの曲も引っ張り上げられた感もある。(2025/6/4更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:12th『K album』、バラードベスト『Ballad Selection』他

Family~ひとつになること / KinKi Kids

31st Time

Time

2011年6月15日 売上約17万枚

作詞:U-Key zone・mikula、作曲・編曲:U-Key zone、ストリングスアレンジ:SimonHale

31stシングル「Time」表題曲。

U-Key zone(ユー・キーゾーン)はトラックメイカー・音楽プロデューサーで、V6や嵐、安室奈美恵らにも楽曲を提供している。ユニットか何かなのかなと思っていけどどうやら個人のようだ。特徴的な名前だからか提供回数の割に強く印象に残っている作家である。

ゲーム『真・三國無双6』イメージソング。全体通して不穏な空気が流れる。恐らく全シングル中最もマニアックな曲。当時テレビでサビだけ聴いた時は全く記憶に残らなかった(「良い」とも「悪い」とも感じず本当にただ記憶に残らなかった)。

後に『K album』でしっかり聴いて、この無機質な感じが癖になる意外に良い曲だなと思えた。マニアックだけど一応サビは広がりのあるメロディー。KinKiの二人もこの曲はお気に入りらしい(2022年のNHK特番での発言)。聴けば聴くほど味が出てくるスルメソングである。ただシングルA面として意識的に繰り返し聴いたから馴染めたのであって、もしカップリングとかに入ってたら1回聴いてスルーしていたろう。何かこの無機質で機械的なトラックを聴くと工場の風景が思い浮かぶんだが同じ現象が起きる人いますでしょうか。淡々と作業が繰り返される深夜の工場の感じ。(2025/6/4更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:12th『K album』、20周年ベスト『The BEST』

Time / KinKi Kids

12thアルバム K album

願う以上のこと 祈る以上のこと

2011年11月9日

作詞:吉田美和、作曲:中村正人、編曲:武部聡志

12thアルバム『K album』収録曲。

2004年の「ね、がんばるよ。」以来のDREAMS COME TRUEによる提供。『K album』はこれまでにKinKi楽曲に携わってきた作家たちに再び提供をうけた名盤だったが特に1曲目のコレは開放的かつキャッチーで素晴らしかった。「ね、がんばるよ。」も名曲だったし、ドリカムとKinKiのタッグは2曲しかないものの相性抜群だよね。『K album』全体の印象もこの曲もおかげで引っ張り上げられてる印象。それほどのパワーがある。(2025/6/4更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:12th『K album』

願う以上のこと 祈る以上のこと / KinKi Kids

同窓会

2011年11月9日

作詞:松本隆、作曲:林田健司、編曲:CHOKKAKU、コーラスアレンジ:Ko-saku

12thアルバム『K album』収録曲。

松本隆は何といっても「硝子の少年」や「ボク羽根」の作詞。林田健司は「$10」「青いイナズマ」等SMAPの印象が強いけどKinKiにも「ビロードの闇」「夏模様」を提供している。

主人公(男・独身)が同窓会に行くと、周りは既婚者ばかり。そんな中、むかし好きだった娘と再会しふたりきりの2次会へ。話してみると彼女はバツイチらしい。酔った勢いで告白したら彼女の反応は……。

歌詞の内容はざっくり上記。KinKiでは珍しく、かなり細かいストーリー調になっていて面白い。結局この後どうなったんだ。歌詞ばかりに目がいっちゃうけどメロディーもキレがあり好み。「願う以上のこと 祈る以上のこと」とこの曲の冒頭2曲が好印象だったので、『K album』全体の印象も非常に引き上げられた。(2025/6/4更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:12th『K album』

同窓会 / KinKi Kids

※続き(2012年~)は下記記事でございます。

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著者:船橋スイカ(@funabashisuika)

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