B’z 全シングル&名曲レビュー #2 ~「ねがい」から「RING」まで~

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B’z 全シングル&名曲レビュー #2

こんにちは、孤独なJ-POP愛好家・マー(@kazeno_yukue)です!
B’z シングル&名曲レビュー、パート2スタート。

※前回(1stシングル「だからその手を離して」~15thシングル「MOTEL」)のレビューも良かったらご覧ください。

B'z 全シングル&名曲レビュー #1 ~「だからその手を離して」から「MOTEL」まで~
B'z 全シングル&名曲レビュー #1 こんにちは、孤独なJ-POP愛好家・マー(@kazeno_yukue)です! 松本孝弘(ギター)、稲葉浩志(ボーカル)の二人からなるロックユニット・B'z。日本一のセールスを誇る彼らの歴史...

16th ねがい

1995年5月31日 約149万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

前作「MOTEL」から約半年ぶりのリリース。初動70万枚を記録し初登場1位。2週目にはSMAP「しようよ」、ZARD「愛が見えない」によって3位に追いやられるが3週目には再び1位に返り咲いた。累計では149万枚に到達し95年度年間シングル13位。95年は最もCDが売れた年であるため、これだけのセールスを上げても年間トップ10入りを逃していたのだ。今作からプライベート・レーベル「VERMILLION」が発足した。

全局25局ネット『J-ROCK COUNT DOWN 50』エンディングテーマ。前年「Don’t Leave Me」「MOTEL」のダークな雰囲気が嘘のようにキャッチーでポップな作風に回帰。サビは爽快なんだけどイントロとかAメロはピアノが強調されていて、一筋縄ではいかないジャズィーな展開になっているのも特徴だ。痛快な名曲。今思えば、年ごとにここまで作風が変化するグループも珍しいような…。それでいてファン離れもせずしっかり連続ミリオンを継続させているのも脅威。これまでの制作陣「B+U+M」を解体したり、稲葉が初めて編曲に参加したりとB’zの二人にとっても新たなターニングポイントとなったシングルであるようだ。

ちなみにMVで稲葉が歌唱しているロケ地は横浜ビジネスパーク「ベリーニの丘」の噴水広場。大学時代に出会った熱烈なB’zファンの友人と一緒に現地を見てきた事がある。オフィスビルの一角にあるオシャレな場所だった記憶が。

おすすめ度:A
収録アルバム:8th『LOOSE』(“BUZZ!!” STYLE)、2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、他

2nd beat YOU&I

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

ファン人気が高い曲で、『B’z The Best “Treasure”』の投票では21位にランクインしたがアルバム収録には至らず。その後2000年のマストアルバム(裏ベストのようなもの)『B’z The “Mixture”』にリミックスバージョンが収録されたりはしたが、08年の『B’z The Best “ULTRA Treasure”』では順位を16位に上げ見事オリジナルバージョンでのアルバム収録を果たした。

女々しく情けないオトコの心境が克明に描かれた稲葉節炸裂!といった感じの隠れ名曲。歌詞は何ともさびしく弱々しいんだけどメロディーやサウンドは力強く痛快で最高。1番では「あなたと一緒に居る自分はたまらなく情けなくて嫌い」だと自分自身を卑下しているのだけど、2番では「そんな自分も人間らしくて嫌いじゃないかも」と若干ポジティブ寄りに変化しているのが良い(結局最終的には何もかも居なくなってしまえ…と投げやりになって終わるんだけどね)。「あんなにカッコイイ稲葉さんでもこういう心境になるのか…」と学生時代僕は謎の安心を感じていたりした。

おすすめ度:A
収録アルバム:マスト『B’z The “Mixture”』(Mixture mix)、5thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』

17th love me,I love you

1995年7月7日 約139万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・池田大介

93年の「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」から前作「ねがい」まで5作連続で初動70万を超えていたが、今作は金曜日発売で集計期間が短かったため初動は45万枚と大幅に下がった(七夕に合わせたわけじゃなくライブツアー初日に合わせたため。ちなみに同日発売のスピッツ「涙がキラリ☆」は七夕理由)。しかし累計ではしっかりミリオンを超え年間14位に付けている。また今作が100万枚を突破した事によって史上初のシングル10作連続ミリオン(91年の「LADY NAVIGATION」~今作)を達成した。

テレビ朝日系木曜ドラマ『外科医柊又三郎』主題歌。ハネたリズムのロックナンバーでこれまた名曲。〈僕はきっと愛をもっと出せる~〉や〈すぐにムッとするのグッと堪えて~〉といった韻の踏み方も心地良く最高。ポップとロックの混ざり方が絶妙で稲葉曰く「「Wonderful Opportunity」の進化型」との事だが納得。最初に買ったベスト『B’z The Best “Pleasure”』に入っていたので思い入れも強く、何だかんだで個人的B’zの好きな曲トップ10には必ず入って来る。

スーツ姿で街を駆けまわる稲葉の姿が印象的なMV。これは札幌で撮影された。大学同期の熱烈なB’zファンの友人が偶然旅行先で立ち寄ったラーメン店がこのMVの撮影場所だったらしく、興奮したLINEが送られてきた事がある。聖地巡礼的に行ったわけではなく本当に偶然との事でかなりの奇跡である。

おすすめ度:A+
収録アルバム:8th『LOOSE』(with G Bass)、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他

18th LOVE PHANTOM

1995年10月11日 約186万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・池田大介

8thアルバム『LOOSE』の約1か月前にリリースされた先行シングルであるにも関わらず、自己最高となる初動95万枚を記録。これは当時の初動記録歴代1位であった(それ以前の歴代1位は確か米米CLUB「君がいるだけで/愛してる」の初動92万枚だったと思う)。

2週目も21万枚を売り上げ累計ミリオンを突破、その後も猛烈な売上をみせ10月という秋口リリースなのに95年の年間シングル10位に滑り込んだ。凄い事に今作が収録されているアルバム『LOOSE』がリリースされた11月以降もシングル盤は売れ続けた。95年末の時点では約158万枚だったが96年に入ってからもセールスは伸び、最終的に186万枚という自身2番目の大ヒットシングルとなった。

テレビ朝日ドラマ『Xファイル(第1シーズン)』主題歌、TBS『CDTV』オープニングテーマ。これぞB’zという感じの派手な一曲。「ultra soul」と並ぶB’zの圧倒的代表曲として君臨している。僕の周囲では殆どの友人がB’zで一番好きな曲というと「LOVE PHANTOM」を挙げる。全体は4分半あるけど冒頭の約1分20秒がストリングスのイントロで占められているので歌は実質3分ちょっとしかない。しかしその3分が濃すぎる…。ちなみにラップ部分ラストで聞こえる女性の声〈そして私は潰される〉の正体は宇徳敬子である。

わたくしマーとしては他にもっと好きな曲があるので意外にB’zで好きな曲を挙げていくと入ってこなかったりする…。確かに隙の無い凄い曲だとは思うがじゃあ大好きな曲かと言われるとそこまででは無いというのが本音だ。ただ中学時代に初めて買ったB’zのCDが『B’z The Best “Pleasure”』であり、それの1曲目を飾っていたため個人的にB’z始まりの一曲という特別な感覚はある。前述のように約1分20秒に及ぶストリングスで壮大に幕を開ける。いっちばん最初に再生した時、あまりにストリングス部分が長かったので「あれ、間違えて演奏モノのCD買っちゃったかな?」と心配になったが待っていたら普通に歌が始まって安心した記憶がある。

おすすめ度:B
収録アルバム:8thアルバム『LOOSE』、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他

19th ミエナイチカラ~INVISIBLE ONE~/MOVE

1996年3月6日 約123万枚

自身初の両A面シングル。初動71万枚を記録し、当時テレビ露出等は無かったものの華原朋美の最大ヒット「I’m proud」を2位に抑えてチャート首位を獲得。年間では11位に食い込む大ヒットとなった。

ミエナイチカラ~INVISIBLE ONE~

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・池田大介・稲葉浩志

テレビ朝日系アニメ『地獄先生ぬ~べ~』エンディングテーマ。青春の一曲という感じで、爽やかで蒼いメロディーがたまらなく心地良い大名曲。ここまで突き抜けた爽やかさというのは数あるB’zの楽曲の中でもこの曲ぐらいにしか無いんじゃないだろうか。〈その気になればいいよ 未来はそんなには暗くない〉〈怖くないよ 誰かを愛して生きること〉〈何にも大したことじゃないよ そばにいても離れていても〉など名フレーズのオンパレードで、この歌詞には幾度となく勇気づけられている。わたくしマーがB’zで一番好きな曲はコレである。仕事の関係で遠くに引っ越してしまう友人にこの曲を焼いたCD-Rと歌詞を贈った事もあった。

おすすめ度:S
収録アルバム:2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、4thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』、他

MOVE

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

ベネッセコーポレーション『進研ゼミ中学講座』CMソング。一応A面であるにも関わらず、長らく『B’z The “Mixture”』にしか収録されていなかった不遇の一曲。2013年のシングルコレクション『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1988-1998』にてようやく陽の目を見た形になったが、その扱われ方からどうにもカップリング曲っていう印象が拭えない。楽曲としても普通のB’zロックナンバーって感じで悪くは無いけど…という感じ。『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1988-1998』で他シングルに混じって入っているのを見ると「君だれ?」感が凄い。

おすすめ度:C
収録アルバム:マスト『B’z The “Mixture”』、6thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1988-1998』

20th Real Thing Shakes

1996年5月15日 約114万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

この1曲のみを収録したシングル。初動60万枚を記録。この年年間3位の大ヒットとなる久保田利伸 with NAOMI CAMPBELL「LA・LA・LA LOVE SONG」どぶつかったが、8万枚差で競り勝ちB’zが初登場1位を獲得。91年の「LADY NAVIGATION」から今作までシングル13作連続ミリオンという記録を達成。これは16年後の2013年AKB48のシングル「ハート・エレキ」によって更新されるまで歴代1位の記録であった。

日本テレビ系ドラマ『俺たちに気をつけろ。』主題歌。シングルでは初の全英語詞の楽曲。レッドツェッペリン等のエンジニアを務めたアンディ・ジョーンズのプロデュース。ギターリフが重ねられた重たいサウンドで構成されており非常に洋楽の香りがする異色ナンバーだ。初めて聴いた中学生の頃はイマイチ良さが分からなかったが、メロディーだけでなくサウンド全体を楽しむような聴き方を知ってから俄然大好きな一曲となった。

Aメロは数あるB’z楽曲の中でも恐らく最もキーが高いと思われ、カラオケではやむなく1オクターブ下げて歌唱する事に決めている(B’zファンの友人から邪道だ!と罵られても喉を壊すよりマシだ)。

当時のヒットチャートでは異色な曲だったが難なくミリオンを達成、更に全盛期木村拓哉主演の月9『ロングバケーション』主題歌と真っ向勝負して打ち勝つって(累計は向こうのほうが断然高い)、全てのシングルの中でも最もB’zパワー、チャートでの強さを感じる1枚である。

おすすめ度:A
収録アルバム:2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、6thベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1988-1998』

5thミニアルバム『FRIENDSⅡ』

1996年11月25日

傷心

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・池田大介・稲葉浩志

テレビ朝日系『超次元タイムボンバー』テーマソング。上質で大人な佇まいの逸品という感じのミニアルバム『FRIENDSⅡ』の中では割とロック寄りの一曲。一応リード曲的扱いだったのか同年のミュージックステーション SUPER LIVEで披露されたり、CDTVで『FRIENDSⅡ』を取り扱う際にはこの曲のサビが使用されたりしていた。

『FRIENDSⅡ』はB’zを聴き始めて割かし初期に買っていたので知ってはいたが、本格的にハマったのは最近である。オシャレな空気と激しさが同居した名曲。シングルと比べるとマニアックな空気があるが、アルバム曲よりは断然華があるという立ち位置。スタイリッシュなんだけど泥臭いというか。B’zなりの泥臭さってこういう事なのかなと思う他に無いタイプの名曲だ。

いかんせんベスト盤の類に収録された事が無いのが悔しい。『B’z The Best “Treasure”』『B’z The Best “ULTRA Treasure”』どちらの投票でもランクインしないって…ナゼだ!?埋もれるには勿体なさすぎる曲だよ。ベストだけでなくライブでも長らく未披露だったが、2021年に開催された『B’z presents LIVE FRIENDS』にて25年の時を経て初演奏された。

おすすめ度:A+
収録アルバム:5thミニ『FRIENDSⅡ

21st FIREBALL

1997年3月5日 約75万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

初動42万枚。累計は75万枚で、91年の「LADY NAVIGATION」から続いていたシングル連続ミリオン記録は今作でストップする事となったが、これについてメンバーは「記録はいつか止まるもの」とコメントしている。ちなみにMr.Childrenも93年の「CROSS ROAD」からシングル連続ミリオンを積み重ねていたが、この前年96年に連続記録「8」でストップしていた(リカットの「マシンガンをぶっ放せ」がミリオン割れ)。

資生堂『ピエヌ』CMソング。「全部生音」をテーマに制作された骨太なロック。稲葉の提案でベースも松本が手掛けているという。〈魂に火をつけろ~〉というサビは印象的で、当時J-POPに興味は無かったがこのフレーズは自然と耳に残っていた。B’zらしいゴリゴリのカッコイイ曲。

おすすめ度:B
収録アルバム:9th『SURVIVE』、2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、他

22nd Calling

1997年7月9日 約100万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志・池田大介・徳永暁人

シングルでは96年の「Real Thing Shakes」以来、通算14作目の100万枚超えを記録。前作「FIREBALL」ではミリオン割れしたが今作で再び盛り返す結果となった。最終的に累計は100万20枚となり、これは史上最もギリギリでミリオンを達成したシングルという珍記録である。

安達祐実主演のテレビ朝日系ドラマ『ガラスの仮面』主題歌。ハードロックとバラード、全く異なる二つの楽曲が繋ぎ合わされた異色作。バラードパートをハードロックパートでサンドイッチした形となる。最初に聴いた時はあまりの衝撃に耳を疑った。曲の途中で全く違う曲が突如始まるのである。その独特かつ大胆な曲構成ゆえサビが二つ存在するのだが、中学時代は「どっちがメインのサビなのか?」というテーマで友人達と熱く議論した事もある(大体「どっちも素晴らしいサビだよね」というフワッとした結論で終わる)。

当初はこの斬新な構成にばかり気をとられていたが、じっくり聴いていくうちにかなりの名曲である事に気が付いた。ハードパートとバラードパートどちらも素晴らしくキャッチー。〈きみといるとき ぼくはぼくになれる〉等のフレーズには中学生ながらかなり胸打たれた。激しいばかりがB’zじゃないという事を教えてくれたのはこの曲だったかも。衝撃の名曲。僕がB’zで好きな曲を挙げると必ず入るシングルの一つである。

おすすめ度:A+
収録アルバム:9th『SURVIVE』、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他

23rd Liar! Liar!

1997年10月8日 約79万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志・徳永暁人

パーフェクTV『MUSIC FREAK TV』CMソング、『’97 NHL 日本公式開幕戦』オフィシャルテーマソング。。打ち込み音が多用されたデジタルロック。〈つっこんじゃうぞ アクセルべったり踏んで〉や〈先生はママと 政府は火星人と 警察は悪い人と〉みたいな稲葉節が炸裂した歌詞は非常に面白みがある。当時小学2年生だったわたくしマー、音楽に興味無かったがこの曲のサビは知っていた。前作とは対照的にかなり自由にぶっ飛んだ内容だけに勢いも抜群だがそこまで好きな曲でも無い。

おすすめ度:C+
収録アルバム:9th『SURVIVE』、2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、他

24th さまよえる蒼い弾丸

1998年4月8日 約69万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

500万枚を突破するメガヒットとなったベスト盤『B’z The Best “Pleasure”』の約1か月前にリリースされ、そのまま緊急収録された。実質ベスト盤の先行シングル。累計では70万弱に留まったがこれは『B’z The Best “Pleasure”』に需要が移ったからで、あちらに収録されなければミリオン直前位までは行ったんじゃないかと思う。

大塚製薬『ポカリスエット』CMソング。タイトル通り弾丸のように突き抜けたスピード感のあるナンバーで爽快感バツグン。クリアなメロディーが夏を思わせるが実は春発売。キー高いしテンポ速いしで歌うのは至難の業だが、カラオケ好きからすると挑戦心をくすぐられる曲である。B’zとミスチルのコラボライブで桜井和寿がこの曲を歌っているのを見た時は高揚した。失礼な話、桜井さんはキー的にこの曲キツイんじゃないか…?と一瞬冷や冷やしたが見事に歌いこなしていたのでやっぱプロ凄ぇ~!と感じたものである。

オリジナルアルバムには未収録。余談だが『B’z The Best “Pleasure”』のラスト、『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』ではDisc-1のラスト、『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1988-1998』でもDisc-2の終盤と、収録アルバム全てでラスト及び終盤の収録位置なので勝手にザ・ラストナンバーというイメージを持っている。仮にこの曲がアルバムの3~4曲目にヒョイと入っていたらかなりの違和感を持つだろう。

おすすめ度:B+
収録アルバム:1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、4thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』、他

25th HOME

1998年7月8日 約96万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

5月の『B’z The Best “Pleasure”』が450万枚を超えるメガヒットを飛ばす中リリースされた。当時全盛期だったL’Arc~en~Cielのシングル3枚(「HONEY」「花葬」「浸食~lose control~」)同時リリースとぶつかり、連続1位記録にまさかの黄色信号。当時GLAYやLUNA SEAと並び飛ぶ鳥を落とす勢いだったラルクとの正面対決という事でB’z史上最大の危機を迎えるが、結果的には初動55万枚を記録し約1万枚差という奇跡的な数字で「HONEY」(初動54万枚)に勝利し1位獲得。連続1位記録は辛うじて守られた。

ただオリコンでは無くプラネットチャートではラルク3作に敗れ初登場4位となり、前作まで続いていた19作連続1位記録が途絶えた。

角川文庫CMソング。楽曲の方はメロディアスなロックナンバーで初めて聴いた時から安定して良い曲という印象。アコギのジャラ~ンという心地良い音が目立つ。コーラスに『ひみつのアッコちゃん』の呪文〈テクマクマヤコン〉が登場するという遊び心も。オリジナルアルバムには未収録で、2002年のバラードベスト『The Ballads~Love & B’z~』にて初収録。ただし今作リリース直後の『B’z The Best “Treasure”』にシークレットトラックとして、1コーラスだけのアコーステックバージョンが収録されている(「RUN-1998 style-」終了後無音を挟んで始まる)。

おすすめ度:B
収録アルバム:バラードベスト『The Ballads~Love & B’z~』、3rdベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』、他

2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』

1998年9月20日

Pleasure’98 ~人生の快楽~

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫

8thシングル「LADY NAVIGATION」の2nd beatだった「Pleasure’91 ~人生の快楽~」という曲の新録バージョン。ファン人気が高く『B’z The Best “Treasure”』投票で8位に食い込み新たなバージョンとして収録された。

CD化されているのは91年、98年、08年のもののみだがライブで披露されているもの等も含めると年代別に8パターン程存在する。2番Aメロで登場する「あいつ」の境遇が年を追うごとに変化していくという点が面白い。最初に聴いただけあってかこの98年バージョンが最も馴染み深く好きである。

楽曲の方はB’zらしい骨太なロックナンバーだが、重いだけでなく軽快さ、そして切なさも兼ね備えているのがgood。ラストのピアノ部分は鳥肌が立つほど心地良い。〈怖いものはありますか? 守るものはありますか? 止まれないこの世界で 胸を張って生きるしかない〉等、年齢を重ねる毎に歌詞が胸に響いてくるようになった。冒頭のフレーズ〈女の話〉がこの98年バージョンでは〈女の裸〉になっており、中学時代に友人が「この歌詞エロいぞ!」と独りで大騒ぎしてたのが懐かしい。

おすすめ度:B+
収録アルバム:2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』(’98)、4thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』(2008)

26th ギリギリchop

1999年6月9日 約80万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

シングルでは前作「HOME」以来約11か月ぶり、『B’z The Best “Treasure”』からは約9か月ぶり。80万枚というセールスは『コナン』オープニング主題歌のシングル売上歴代1位らしい。

日本テレビ系アニメ『名探偵コナン』オープニングテーマ。当時の僕は小学生でコナンを毎週観ていたので、人生で初めて触れたB’zの曲はコレかもしれない。小松未歩「謎」やZARD「運命のルーレット廻して」といった爽やかかつミディアムなオープニングが続いていた中でいきなりこんなゴリゴリのロックナンバーが現れたので当時は「なんじゃこのヘンテコな曲!?」と戸惑わずにはいられなかった。

しばらくはそんな好きでも無かったが、最近になってこの激しいサウンドが心地良くなってきてかなり印象が上がった一曲。ラストの稲葉シャウトの超音波ぶりは驚愕の一言だ。アルバム『Brotherhood』では「Version 51」というサブタイトルが追加され、シングル以上にハードなアレンジになっている。

おすすめ度:B
収録アルバム:10thアルバム『Brotherhood』(Version 51)、3rdベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』、他

2nd beat ONE

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志、ストリングスアレンジ:池田大介

2002年のバラードベストまでB’zとしてのアルバムには未収録だったが、2000年発売のコナン主題歌集『THE BEST OF DETECTIVE CONAN ~名探偵コナン テーマ曲集』には一足先に収録されていたのでそちらでずっと聴いていた記憶がある。2008年の『B’z The Best “ULTRA Treasure”』の投票では「Brotherhood」「恋心(KOI-GOKORO)」に次ぐ3位に輝き収録された。ファン人気も絶大に高い。

映画『名探偵コナン 世紀末の魔術師』主題歌。A面とは打って変わってメロディアスなバラードでありかなりの名曲。うねるようなメロディーとサビでの転調が堪らなく素晴らしい。シングルA面でも充分通用するクオリティだし、映画主題歌という申し分ないタイアップもついてるし、せめて両A面にしても良かった気がするがカップリング。強気だ…。

おすすめ度:A+
収録アルバム:バラードベスト『The Ballads~Love & B’z~』、5thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』

10thアルバム『Brotherhood』

1999年7月14日

Brotherhood

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

離れていても繋がっている仲間の事を歌ったロックバラード。全ての人々に寄り添ってくれる人生の応援歌とも呼べる名曲である。『B’z The Best “ULTRA Treasure”』の投票では中間・最終共に堂々の1位という圧倒的支持を獲得。東日本大震災直後に出演した『ミュージックステーション』では2番の歌詞〈こっちだって毎日クタクタになってる〉の〈こっちだって〉を〈誰だって〉に変えて歌っていた。ほんの些細なアレンジではあったけど、震災の混沌とした状況の中で聴くと非常に胸に染みたのを覚えている。

おすすめ度:A
収録アルバム:10th『Brotherhood』、5thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』

27th 今夜月の見える丘に

2000年2月9日 約112万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

当初は1月26日発売予定だったが直前に2月9日に延期となった。サザンオールスターズ「TSUNAMI」、モーニング娘。「恋のダンスサイト」との衝突を避けるための延期だったのではないかとも言われているが、もしも当たっていてもサザンは初動65万、モー娘。も初動60万だった為B’zの1位は揺るがなかった(B’zの初動は67万)。

木村拓哉・常盤貴子主演のTBS系日曜劇場『Beautiful Life~ふたりでいた日々~』主題歌。ドラマが最高41.3パーセントという驚異的な視聴率を記録した効果もあり、「Calling」以来3年ぶり、自身15作目のミリオンセラーを叩き出し大ヒット。現在B’z最後のミリオンシングルとなっている。当初別の曲を主題歌として持って行ったが、脚本の北川悦吏子からNOが出て改めて提出したのが「今夜月の見える丘に」だったという。

楽曲の方は穏やかなロックバラード。僕の世代では「ultra soul」「LOVE PHANTOM」に次ぐ人気・知名度があるように感じられる有名曲。僕がJ-POPにハマり出したのが2002年だったので、長らく「B’z最近のヒット曲」というイメージだった。メロディーも良く、売上に引けをとらない名曲ではあるが、B’zファンの友人は「ライブで演り過ぎていて若干飽きた」と言っていたし確かにライブ向けでは無いかもしれない。CDで楽しむべき曲というか。

おすすめ度:B
収録アルバム:11th『ELEVEN』(Alternative Guitar Solo ver.)、バラードベスト『The Ballads~Love & B’z~』、他

28th May

2000年5月24日 約69万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志・大島康祐

タイアップも無くテレビでは一切披露されていない事しかり、「5月に発売されるから」というなんとも安直な理由でネーミングされた事しかりB’zの全シングルの中でも1、2を争う程に不遇な印象の曲である。ライブでは2000年当時に披露されて以来長らく封印されていたが2020年の無観客配信ライブで約20年ぶりに披露された。

元WANDSの大島康祐との共同作業で制作された。ピアノと打ち込み主体のミディアムナンバーで、シングルっぽいキャッチーさや派手さは無い。この曲の良さが見えるのはまさに聴いている最中である。自ら進んで「May」を聴こう!とはならないが、アルバム1枚通して聴いている時等に偶然耳にすると「あぁ、意外と良いな」と思ったりする。中学の頃「「May」がB’zで一番良い曲だ!」と覚醒していた友人もいたしやっぱり何らかの魅力は秘めている曲なのだろう。僕も好きな一曲である。

おすすめ度:B
収録アルバム:11th『ELEVEN』、3rdベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』、他

29th juice

2000年7月12日 約67万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志

前作「May」から約1か月半、2000年3作目のシングル。2000年はシングルのリリースペースが早かった。ちなみに今作で90年の「太陽のKomachi Angel」からシングルチャート25作連続1位となり、松田聖子が持っていた24作連続1位記録を抜いて歴代単独1位更新となった。

テレビ朝日『おネプ!』エンディングテーマ。かなりのハイテンションかつ重たさもあるハードロック。ライブの起爆剤として非常に活躍するナンバーであり聴くと問答無用で気持ちがハイになる。やはりメロディー主体で聴いていた中学時代は好きじゃ無かったが、「May」と同様に後々気に入ってきた一曲である。

おすすめ度:B
収録アルバム:11th『ELEVEN』(PM mix)、3rdベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』、他

30th RING

2000年10月4日 約54万枚

作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・稲葉浩志、ストリングスアレンジ:池田大介

2000年4作目のシングル。B’zが1年でシングルを4作以上リリースしたのは1990年以来であった。何故か2作連続で安室奈美恵と発売週が被っていた(前作が「NEVER END」、今作は「PLEASE SMILE AGAIN」)。

読売テレビ・日本テレビ系ドラマ『明日を抱きしめて』主題歌。どことなくホラーチックなマイナーバラード。〈欲しい 全部欲しい〉というサビや妖しげな雰囲気が印象的で中学時代から中々好きだった一曲。一説によると元々ドラマ『Beautiful Life』主題歌として書かれたのは「今夜月の見える丘に」ではなくこちらだったらしいが、「暗すぎる」という事でボツになってしまったらしい。今考えるとまぁそりゃそうだろ…という感じだ。もしもこの曲が主題歌だったら『Beautiful Life』はあそこまでヒットしなかっただろう。

おすすめ度:B
収録アルバム:11th『ELEVEN』、3rdベスト『B’z The Best “PleasureⅡ”』、他

この続きとなる2001年以降(31stシングル「ultra soul」~)のレビューは下記記事ですので是非

B'z 全シングル&名曲レビュー #3 ~「ultra soul」から「BURN-フメツノフェイス-」まで~
B'z 全シングル&名曲レビュー #3 こんにちは、孤独なJ-POP愛好家・マー(@kazeno_yukue)です! B'z シングル&名曲レビュー、パート3スタート。 ※前回(16thシングル「ねがい」~30th...

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