GLAY シングル&名曲レビュー #2 ~「誘惑」から「Missing You」~

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GLAY シングル&名曲レビュー #2

こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)でございます。

GLAYヒストリーレビュー第2弾。1998年には「誘惑」が年間1位、99年夏には幕張メッセにて伝説の20万人ライブ(単独アーティストによる有料コンサートとしては世界最大級の規模)、大晦日には「Winter,again」が第41回日本レコード大賞を受賞、セールスではシングル5連続ミリオン、アルバム3作でダブルミリオンとまさに時代の寵児となったGLAY。TAKUROの才能もキレキレでわたくしマーもこの時期の楽曲がいちばん好み。そんな全盛期真っただ中から世紀末までのGLAY軌跡を追いかけよう。

※前回(デビューシングル「RAIN」~12thシングル「HOWEVER」まで)のレビューはこちらです

GLAY シングル&名曲レビュー #1 ~「RAIN」から「HOWEVER」~
GLAY シングル&名曲レビュー #1 こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)でございます。 わたくしマーの音楽ライフの中でもかなり初期にハマったロックバンド・GLAY。メンバーはTERU(ボー...

13th 誘惑

1998年4月29日
初登場1位(2週連続)、初動84.1万枚、売上162.6万枚、登場20週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
TDK『ミニディスク XAシリーズ』CMソング。14thシングル「SOUL LOVE」と2枚同時発売。前作「HOWEVER」を上回る162.6万枚を記録し、SMAPの「夜空ノムコウ」を抑え1998年度の年間シングルランキングで堂々の1位を獲得する大ヒットとなった。当時はシングルで自身最大セールス。現在では「Winter,again」に次ぐ自身2番目の売上となる。

同発の「SOUL LOVE」と共に2週連続でチャート1位・2位を独占。これは1970年の藤圭子(「圭子の夢は夜ひらく」「女のブルース」)、1983年の松田聖子(「瞳はダイアモンド」「ガラスの林檎」)、1992年のサザンオールスターズ(「涙のキッス」「シュラバ★ラ★バンバ」)に続く史上4度目の記録であった。

前年秋のベスト盤『REVIEW-BEST OF GLAY』が日本新記録を樹立する空前の大ヒットを飛ばす中、GLAYがシングルを2枚同時リリース!という話題性は当時物凄かったのだろうと思う。ロック方面での代表曲。「口唇」と同系統の攻撃的で派手なナンバー。僕は「グロリアス」や「SOUL LOVE」のような爽やか系・メロディアス系の楽曲が好きだったので、中学生時代にベスト盤『DRIVE』で初めて聴いた頃には正直代表曲とはいえそこまで好きになれなかった。しかし当時僕のカノジョに『DRIVE』を貸したところ、カノジョは「「口唇」や「誘惑」の方が好き」と言っていたので、好みって人それぞれなんだなぁ…と中坊心に学んだ思い出がある。

まぁ全盛期真っただ中の勢いは確かにあるし、ハードなだけでなくちゃんとキャッチーさも持ち合わせてはいるので「口唇」と同様に後年段々と好きにはなってきた。イントロのなだれ込むようなドラムは文句ナシに格好良い。

おすすめ度:C+
収録アルバム:4th『pure soul』、ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』、他

14th SOUL LOVE

1998年4月29日
初登場2位(2週連続)、初動72.6万枚、売上137.2万枚、登場16週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
カネボウ『ブロンズラブ ’98 夏』キャンペーンソング。13thシングル「誘惑」と2枚同時発売。「誘惑」とは最終的に25万枚の差がついたものの、こちらも「HOWEVER」を超え当時の自身2番ヒットシングルとなった(現在は3位)。また72.6万枚という初動は1位を獲得していない作品では歴代1位。そして最高順位2位のシングルでは歴代1位売上となる。

「誘惑」とは打って変わって爽やかポップナンバー。TAKURO曰く「スタッフから「誘惑」の他にもう1曲作ってくれと言われ10分で作った曲」らしい。GLAYお得意・青春ど真ん中ポップスの大名曲である。『DRIVE』で初めて聴いた時から「誘惑」はおろかGLAYの中でも常にトップ3には入るほどに好きな一曲。僕が90年代J-POPに求めるもの(初夏・青空・爽やか・メロディアスetc)が全て詰まっているんじゃないか…。仲の良さそうなMVも見どころ。いつ聴いても、中学時代のあの頃の自分に戻れる。

余談だが「誘惑」がイエローグリーンのCDケース、「SOUL LOVE」がブラックのCDケースなのだが、曲調的に色が逆なのでは…?というのは中学時代からずっと思っていること。

おすすめ度:A+
収録アルバム:4th『pure soul』(アルバムバージョン)、ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』、他

15th BE WITH YOU

1998年11月25日
初登場1位(2週連続)、初動55.6万枚、売上117.3万枚、登場17週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
フジテレビ系ドラマ『タブロイド』主題歌。サビ頭の〈あなたに会えた事~♪〉がとにかくインパクトがありキャッチー。「a Boy~ずっと忘れない~」のような温かみのあるミディアム系だがあの頃より何倍もの風格が出ている。これまた後世に残すべき名曲。これが天下を獲ったバンドの持つ神秘的なオーラというものなのか…。

ただ全盛期真っただ中・売れ線王道・ドラマタイアップと三拍子揃った状態でリリースされたにも関わらず、ミリオンこそ突破したがそこまで伸びず「HOWEVER」に次ぐ自身5番目のヒット曲。うーむ何故だ…正直次の「Winter,again」と売上逆でも良い気がする…。

カラオケではラストサビの〈あなたに続く道の上 今愛を束ねて~♪〉の箇所が高すぎて恐怖をおぼえる。何なら直前の〈思い出の蒼さに ooh~〉の所辺りから緊張感に支配され、それ故に喉が閉まり失敗するという…。カラオケには強いメンタルも必要なのだ

おすすめ度:A
収録アルバム:5th『HEAVY GAUGE』(アルバムバージョン)、ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』(ボーカル別テイク)、他

16th Winter,again

1999年2月3日
初登場1位(2週連続)、初動95.6万枚、売上164.3万枚、登場18週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
JR東日本『JR SKI SKI』キャンペーンソング。初動95万枚は当時Mr.Childrenの「名もなき詩」に次ぐ歴代2位の数字だった。最終的に「誘惑」を僅かに上回りGLAY最大のヒット曲となり、年末の第41回日本レコード大賞を受賞するまでに至った。「だんご3兄弟」に次いで99年度の年間シングル2位(但し宇多田ヒカルの「Automatic/time will tell」の8cm盤と12cm盤を合算した場合は3位となる)。ちなみにレコード大賞受賞についてはメンバー全員納得がいってなかったらしく、当時はバンド解散の話も出たという。

GLAYの故郷である北海道の景色が浮かぶウィンター・ロックナンバー。聴いているだけでどことなく猛吹雪の情景が見えてくるサウンドは凄いし最大ヒット曲だけあって風格は抜群なのだが、僕としてはそこまで大好きという程でも無く「普通に良い曲」くらい。やはり青春爽やか系が好みなもので、この厳かな雰囲気がちょっと重苦しく感じてしまうというかね…。リアルタイムだったら世間の盛り上がりと相まってとんでもない名曲キタ!ってなってたのかもしれない。ちなみにMVが2種類あり最初のバージョンはほぼTERUのアップばかりで、メンバー間で喧嘩になったという。

おすすめ度:C+
収録アルバム:5th『HEAVY GAUGE』(アルバムバージョン)、ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』、他

ビデオシングル サバイバル

1999年5月19日
初登場1位、初動58.0万本、売上89.6万本、登場14週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
テレビ東京アニメ『KAIKANフレーズ』オープニングテーマ。初のビデオシングルとしてリリースされたが、特例(?)でCDシングルチャートにランクインし普通に1位を獲得。

これまでの型を破ったようなアップテンポ・ロックチューン。『DRIVE』で初めて聴いた時からこの弾け具合がたまらなく好み。〈地球の最後の日になって~〉のフレーズは約1ヶ月半後に迫ったノストラダムスの大予言を意識していたのだろうか?(当時99年7月に地球が滅亡するという噂が飛び交い世間は盛り上がっていた)メロディー系、攻撃ロック系どちらにも属さないご陽気ロック系の最高峰。カラオケでは高音かつ早口という二重苦でだいぶ疲弊するがその分歌い切った時の満足感も高い。

おすすめ度:A
収録アルバム:5th『HEAVY GAUGE』(アルバムバージョン)、ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』、他

17th ここではない、どこかへ

1999年8月25日
初登場1位、初動58.4万枚、売上92.1万枚、登場10週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
フジテレビ系ドラマ『パーフェクトラブ!』主題歌。ドラマの主演は福山雅治だが主題歌は何故かGLAY。この曲といえば、初めて買ったベスト盤『DRIVE』になぜか未収録だった…!故に他のヒット曲達と比べて思い入れが薄くなってしまった曲。なんでも「TAKUROがこの曲をあまり好きじゃないため」に『DRIVE』からハブかれたという都市伝説が独り歩きしているが…。当時はそうだったのかもしれないけど近年ではライブでも普通に演奏しているようだし嫌いという事は無いだろう。

前述の件に加え、抑え目なサビだし全盛期にしては地味だなと感じ昔の印象はイマイチだった。GLAYの中ではカラオケで比較的歌い易い事から友人がよく歌い、その影響で「あれ、これ実は名曲なんじゃ…?」と思い始め現在ではかなり好き。1発で好きになる事が殆どだったこの時期のGLAYで珍しくスルメタイプ(嚙めば嚙むほど好きになるの意味)だった。

おすすめ度:B+
収録アルバム:5th『HEAVY GAUGE』(アルバムバージョン)、1stコンセプト『rare collectives vol.1』(ライブバージョン)、他

18th HAPPINESS-WINTER MIX-

2000年1月1日
初登場1位、初動35.3万枚、売上48.7万枚、登場9週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
TBS系金曜ドラマ『金曜日の恋人たちへ』主題歌。5thアルバム『HEAVY GAUGE』からのシングルカット。副題として「WINTER MIX」と付けられているのでアルバムとは別バージョンとなる…が聴き比べをした事が無いのでどこがどう違うのかは分からない(Wikiにはコーラスが異なると書いてある)。

年末感漂うどっしりバラード。サビの〈どんわなはァ~♪〉の伸びが心地良い。リカットされるのも納得の名バラードである。やはりこの時期はTAKUROのメロディーセンスがキレッキレだ。

おすすめ度:B+
収録アルバム:5th『HEAVY GAUGE』、ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』、他

19th MERMAID

2000年7月19日
初登場1位、初動52.6万枚、売上77.2万枚、登場10週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
L’Arc~en~Cielの「STAY AWAY」、サザンオールスターズの「HOTEL PACIFIC」と同時発売となり、チャートにおける三つ巴戦が話題となった。激闘の結果ラルク50万・サザン30万の初動を抑え今作が見事1位を獲得した(但し累計ではサザンが80万を超え勝利している)。

かなーり攻めたハードロックナンバーだが、サビは中々耳に残るし何と言ってもカッコ良い。〈美辞麗句の裏の嘘が暴かれる〉や〈アンセムのようにレイジが爆音で問う〉等、よく意味の掴めない歌詞こそ中学時代の僕にとっては異様にカッコ良く感じた「口唇」や「誘惑」には無い破壊的な魅力があり現在も攻撃ロック系では1・2を争う程に好きな1曲である。ちなみに「次のアルバムの核となる曲だから」という理由でベスト盤『DRIVE』には未収録となり、翌年の『ONE LOVE』にて初アルバム収録された。

おすすめ度:A
収録アルバム:6th『ONE LOVE』、ベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』、他

20th とまどい/SPECIAL THANKS

2000年8月23日
初登場1位、初動65.2万枚、売上100.9万枚、登場9週

TBS系バラエティ番組『ウンナンのホントコ!』内の企画『未来日記』テーマソングと、その劇場版主題歌の両A面。当時このタイアップはサザンオールスターズの「TSUNAMI」、福山雅治の「桜坂」を大ヒットさせており、ヒット曲誕生の新たなパターンとして社会現象化していた。

その流れに乗って今作も「Winter,again」以来のミリオンを突破。現状GLAY最後のミリオンシングルとなっている(ちなみに日本のバンドで最後にミリオンを達成したシングルも今作だとか…)。

とまどい

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
TBS系バラエティ番組『ウンナンのホントコ!』・『未来日記』主題歌。爽やかを極めるサマー・ラブソング。どことなく夏!恋!青春!感が詰まっていて胸キュン度合いMAX。初めて買ったGLAYのCDがベスト盤『DRIVE』であり、その1曲目を飾っていた事から僕の中でGLAY始まりの1曲というイメージ。思い入れも相当強いがそれを差し引いても名曲。冒頭の〈恋は真夏のように~♪〉がまずサビ以上にサビっぽいというか…とにかく全体通してキャッチーオーラが溢れまくっている。GLAYで一番好きな曲を挙げろと言われたら最終的にはコレになるかな…。

おすすめ度:A+
収録アルバム:ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』(Jet the Phantom)、ベスト『THE GREAT VACATION VOL.2~SUPER BEST OF GLAY~』

SPECIAL THANKS

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
劇場版『未来日記』主題歌。「とまどい」から一転して壮大なバラード曲。何年たっても忘れられない、あの夏の恋…という涙腺崩壊確定なテーマ。切ないメロディーの連発だしこれはかなりの名曲である。〈道の向こうに戻れない夏がある〉〈夏の向こうには戻れない夢がある〉辺りのフレーズが特に刺さる。まぁ具体的な思い出とか共感があるっていう訳じゃ無いけどさ…やっぱりこの「二度と戻れないあの夏」系の雰囲気が大好きなのよ。両A面2曲目という地味な立ち位置だけど名曲。

おすすめ度:A+
収録アルバム:ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』、バラードベスト『-Ballad Best Singles- WHITE ROAD』、他

21st Missing You

2000年11月15日
初登場1位、初動40.1万枚、売上54.8万枚、登場9週

作詞・作曲:TAKURO、編曲:GLAY・佐久間正英
20世紀GLAYを総括したベスト盤『DRIVE』の発売を2週間後に控えた先行シングル。年末商戦のどさくさに上手く乗ったのか先行にしては50万オーバーとヒットした。

冬のシリアス・ロックバラード。ストリングスも交わり、全体的に狂気な世界観で恐怖すら感じる。Bメロの〈黙り込んで~〉〈形のない~〉が伸ばしながら裏声から地声へ変貌してゆくのが中学時代の僕には異様にカッコ良く思えカラオケでよく真似したものだ。2000年末発売で、更に『DRIVE』Disc.2のラストも飾っているので20世紀GLAYの締めの1曲!という印象。

おすすめ度:B+
収録アルバム:ベスト『DRIVE-GLAY complete BEST』、ベスト『THE GREAT VACATION VOL.1~SUPER BEST OF GLAY~』

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