サザンオールスターズ 全シングル&名曲レビュー #5 ~「涙の海で抱かれたい」から「I AM YOUR SINGER」~

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サザンオールスターズ 全シングル&名曲レビュー #5

こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です!
サザンオールスターズシングル&名曲レビューパート5スタート。

※前回(「マンピーのG★SPOT」から「この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~」まで)のレビューは下記記事です。

サザンオールスターズ 全シングル&名曲レビュー #4 ~「マンピーのG★SPOT」から「この青い空、みどり」~
サザンオールスターズ 全シングル&名曲レビュー #4 こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です! サザンオールスターズシングル&名曲レビューパート4スタート。 ※前回(1988年の「...

47th 涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~

2003年7月23日、約74万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健 & 原由子、管編曲:山本拓夫

前作「この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~」の後、桑田さんはソロで精力的に活動。2001年には「波乗りジョニー」「白い恋人達」を連続ミリオンヒットさせ、2002年にはソロベスト『TOP OF THE POPS』を大ヒットさせていた。僕がJ-POPに興味を持ったのが2002年だったので、わたくしマーは第3期桑田ソロからリアルタイムで体感している。今作で約3年ぶりにサザン活動再開。05年秋発売のアルバム『キラーストリート』の制作はこの当時既に始まっていたらしく、これ以降の数作はどれも先行シングルという意識だったと後に語られている。

滝沢秀明・長谷川京子主演フジテレビ系月9ドラマ『僕だけのマドンナ …and I love Her』主題歌。どこか開き直ったかのような売れ線全開ポップナンバー。過去の名曲達に匹敵する程とまでは行かないけど、期待以上の良曲というイメージは当時からある。世間一般が望むサザン像にしっかりと正面から応えたような優等生的王道ソングである。結果、押し寄せるCD不況の中十分な大ヒットといえる74万枚をセールス。体感的にはミリオンくらいは到達していたような印象もあったけど。

個人的にここからがリアルタイムサザン。直前に「勝手にシンドバッド」の再発が前夜祭的にあったものの、人生初のサザンの新曲として触れたため大変思い出深い一曲(過去作で当時入手していたのは『海のYeah!!』と『バラッド3』くらいだったと思う)。『27時間テレビ』内でフル披露される等テレビでもバンバンかかりまくっており、その派手な宣伝に乗せられ中学の仲間内でもサザン熱が大沸騰。発売日には既にクラスメイト数名が今作を所持していて、皆で貸し借りして堪能していた。

おすすめ度:B+
収録アルバム:14th『キラーストリート』、ベスト『海のOh,Yeah!!

C/W 雨上がりにもう一度キスをして

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ & 斎藤誠、管編曲:山本拓夫

「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」カップリング曲。99年9月から録音が開始されており実はちょっと古い曲。表題曲よりも先にJALのCMソングとして大量オンエアされていたので(CMにはサザンメンバーが出演)、当初はこの曲がA面として発売されるものとばかり思っていた。こちらもキャッチーな王道ポップスで、周囲でも好評価だったのを覚えている。『キラーストリート』収録の音源とは若干の違いがある。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート

C/W 恋人は南風

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」カップリング曲。実にサザンっぽい、夏の爽やかミディアムナンバー。イントロの段階で江ノ島やカモメ、砂浜の情景が浮かんでくる。リリース当初は「涙の海で抱かれたい」や「雨上がりにもう一度キスをして」の方ばかり聴いていたのでこの曲は印象が薄かった。『キラーストリート』で改めて聴いてこれも良い曲やないかと感動したものだ。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート

48th 彩~Aja~

2004年4月14日、約28万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ & 片山敦夫、管編曲:山本拓夫

桑田さん出演の日本航空『FLY! JAL!』CMソング。春らしい優しさ溢れるポップソングでこれも前作に引き続き売れ線楽曲である。テレビ披露は少なかったがCMでよく流れていた事もあり、僕の周囲では知名度が高い方の楽曲であると思う。キーがそこまで高くないのでカラオケの発声用楽曲(1、2曲目でこれを歌いノドを温めるのだ)としても重宝している。ちなみにMVには当時サザンと同じアミューズ所属だった神木隆之介が出演。美少年子役として明らかに他の出演者とは別格のオーラを放っている。

「夢見るアニバーサリー」の良さもあって初のシングル購入に踏み切ったのが今作であり、そういう意味では思い出深い一作。サザンで初めて新品シングルを買ったのは今作という事になる。当時習い始めだったギターでよく弾き語りしたものである。中学3年の春を思い出す曲だ。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート』、ベスト『海のOh,Yeah!!

C/W FRIENDS

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ & 片山敦夫

「彩~Aja~」カップリング曲。アミューズ所属俳優の岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」のミュージカル『クラウディア』主題歌。実に8分半に及ぶ長尺楽曲である。前半は暗めの雰囲気で進んで行き、後半はアップテンポになるが殆どが〈Love Somebody~♪〉の連呼に費やされる。確かにミュージカルっぽい、舞台演劇に合うような曲だが中々マニアック。『キラーストリート』ではトリ前に収録され、まさかの『海のOh,Yeah!!』にも収録を果たした。桑田さんがお気に入りなんだろうな。最初は全然良さが分からなかったアルバム2作でしつこく聴かされた影響か現在ではちょっと好きになってきた。

おすすめ度:C+
収録アルバム:14th『キラーストリート』、ベスト『海のOh,Yeah!!

C/W 夢見るアニバーサリー / 原由子 & ALL STARS

作詞・作曲:原由子、編曲:島健

「彩~Aja~」カップリング曲。原さんボーカル曲で作詞作曲も本人。この曲のみ名義が「原由子 & ALL STARS」だし殆ど原さんソロのような楽曲だ。年夫婦の結婚記念日を歌ったポップス。春らしい爽やかさと原さんのほんわかしたボーカルが非常にマッチした良曲。当時こちらもJALのCMソングとして大量オンエアされており、一発で気に入ったので「彩~Aja~」の購入に至った。

おすすめ度:B
アルバム未収録

49th 君こそスターだ/夢に消えたジュリア

2004年7月21日、約46万枚

1980年の「シャ・ラ・ラ/ごめんねチャーリー」以来となる両A面シングル。オフィシャルサイトでは「夏の2★TOP SINGLE」とも表現されている。

君こそスターだ

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

トヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。このCMは桑田さん一人が出演しギターを弾きながらこの曲を歌っていた。一人で出てたので当初は「桑田佳祐ソロの新曲かな?」と勘違いしていたものだ。また2005年の選抜高等学校野球大会入場行進曲にも選ばれた。

これまたストレートで痛快な売れ線ポップス。前述のCMで大量オンエアされていた事もあり周囲の知名度も高く仲間内カラオケではよく歌われた。夏を思わせるこの痛快さとメロディーの良さがたまらん。当時わたくしマーは中学3年であり受験勉強真っ只中であった。この曲を聴くと人生初の受験で右も左も分からぬまま手探りで進んでいた、2004年の夏を思い出す。夏は受験と、アテネオリンピック一色だったなぁ…とか。

かねてから桑田さん自身がこの「君こそスターだ」を「嫌いな曲」と発言していると、ファンの間では話題になっていた。僕はラジオを聴かないのでこの発言を実際に耳にした事は無く、真偽のほどは不明だったが2018年のベスト『海のOh,Yeah!!』に未収録となった事でほぼ確定(?)した。中3夏の思い出と共にあるこの曲を作者自身が嫌っているというのは、リスナーとしては寂しい部分もある。当時Mステであんな楽しそうに歌ってたじゃん、桑田さん…。

歌詞・メロディー・アレンジ、どこが嫌いなのかは分からない。アレンジでいうなら『キラーストリート』収録時に冒頭にカウントを加えたり、スタッフのハンドクラップを加えたりと新アレンジを施しているので、仮にシングルバージョンに納得がいってなくても『キラーストリート』バージョンはベストに入れても良かっただろう。となるとやはり歌詞か。確かにこれだけ大量に曲を作っていると中には好きじゃ無い曲もあるだろうけどね。

おすすめ度:B+
収録アルバム:14th『キラーストリート』(アルバムバージョン)

夢に消えたジュリア

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦管編曲:島健

サザンメンバー全員が出演した日本航空『FLY! JAL!』CMソング。「雨上がりにもう一度キスをして」から続いているタイアップだ。昭和のグループサウンズや歌謡曲ムード満載のナンバーで、「HOTEL PACIFIC」属性の一曲。あれをちょっと大人しくしたイメージかな。CMで大量に流れていたし、「君こそスターだ」と共に音楽番組でも積極的に披露されていたのでこれも2004年・夏を思い出す一曲。

「PARADISE」「この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~」「君こそスターだ」と同様に『海のOh,Yeah!!』に選ばれなかったシングルの一つ。「君こそスターだ」と異なり、こっちは別に桑田さんが嫌っているとかの噂は聞かないのだが…。「君こそスターだ」弾くついでにこっちも弾いちゃえ!と割を食った形だろうか。

おすすめ度:C+
収録アルバム:14th『キラーストリート

50th 愛と欲望の日々/LONELY WOMAN

2004年11月24日、約37万枚

愛と欲望の日々

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫

フジテレビ系ドラマ『大奥~第一章~』主題歌。ディスコ調の歌謡ナンバーでまたも派手派手な印象の曲。Wikiによるとラテン・ディスコ・歌謡曲が融合しているという。中々メロディーが好きである。「HOTEL PACIFIC」以来大きく振り付けが導入されていて当時のMステでダンサーを交え大人数で踊り狂っていたのが思い出深い。00年代サザン=振り付けのイメージが強いのはこの曲の影響が大きい。

当時わたくしマーは中学3年の冬、人生初の受験直前でソワソワしていた時期だ。この曲を聴くと懐かしき2004年・冬の情景を思い出す。2004年は春に「彩~Aja~」、夏に「君こそスターだ」、冬に「愛と欲望の日々」と、サザンと共に季節を感じていたな。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート』、ベスト『海のOh,Yeah!!

LONELY WOMAN

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:岩本えり子、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健

「君こそスターだ」と同じくトヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。こちらは優しいメロディーが染みるミディアムナンバー。歌詞にクリスマスが出てくるので「シャ・ラ・ラ」「CHRISTMAS TIME FOREVER」「クリスマス・ラブ」に並ぶサザンクリスマスソングという事になる。良い曲だし、中学の仲間内では「愛と欲望の日々」よりコチラの方が好印象だったのを覚えている。冬の歌だけあってこれも2004年・冬を強く思い出しセンチメンタルな気分になる。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート』(アルバムバージョン)、ベスト『海のOh,Yeah!!』(アルバムバージョン)

51st BOHBO No.5/神の島遥か国

2005年7月20日、約26万枚

GLAY×EXILE「SCREAM」、L’Arc~en~Ciel「Link」と同日発売。2000年の「HOTEL PACIFIC」発売週の三つ巴戦再び!というトピックが一部チャートファンの間で話題となった(GLAYだけは人数が増殖しているが…)。結果はあの時と同じくGLAY、ラルク、サザンの順番となった。

BOHBO No.5

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫

トヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。サザンお得意の派手派手お祭り系ナンバー。その中でもかなりインパクト大だ。ドゥユワナハッソー!!!って歌なのか叫びなのか?良い悪いを超越して凄いの一言。音楽番組でのパフォーマンスも派手だった。Aメロは結構メロディアスロックな感じで、サビよりAメロの方が好みかも。ミスチルの「未来」やORANGE RANGEの「お願い!セニョリータ」等と並んで2005年の夏を思い出す1曲でもある。

この時期のORANGE RANGEとかもそうだったかもしれないが毎年毎年夏にお祭りナンバーを求められるのは大変だったと思う。「夏だ!サザンだ!」という世間の観念にどんどん縛り付けられていったような。この疲弊が積もって2008年の休止に繋がったのかもしれないと思うと、こんな派手派手ナンバーでもちょっと切なく聴こえてくる。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート』(アルバムバージョン)、ベスト『海のOh,Yeah!!

神の島遥か国

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

こちらもトヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。南国テイストが盛り込まれた一風変わった曲。CMではサビしか流れなかったので、いざCDで聴いたらBメロが物凄く沖縄風でビックリした。こんな曲だったんだ!?っていう。サザンでは他にあまり無い系統の曲で「BOHBO No.5」とはまた異なるインパクトの濃さ。CMでよく流れていたためかカラオケで歌うと「聞いたことある」という周りの反応がチラホラあって嬉しくなる。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート』、ベスト『海のOh,Yeah!!

14thアルバム キラーストリート

2005年10月5日

からっぽのブルース

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

2枚組・30曲入りの大作である『キラーストリート』の1曲目を飾る。先行シングル群のイメージとは異なるどこか退廃的なロックナンバー。最初に聴いた時は「大作の1曲目にしては地味では?」と思ったものだが今ではそこにストイックさというか、ミュージシャン魂を感じてカッコイイと感じる。わたくしマーが将来2枚組アルバムを作る際にはこの曲のようなナンバーを最初に配置したい!と妄想している(制作する予定は今のところ無いが…)。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート

セイシェル~海の聖者~

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

Disc1の2曲目。「からっぽのブルース」が変化球だったのでこの曲こそが『キラーストリート』の本格幕開けのようにも感じる。シングルとして出していても遜色ないキャッチーで如何にもサザンらしい名曲。メロディーも素晴らしいがタイトル通り「海」や「オーシャン」を感じるサウンドで好き。Bメロの一部が「YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム~」のBメロと似ている。超余談だがこの曲を聴くと漫画「遊戯王」の「半魚獣・フィッシャービースト」というモンスターカードを思い出す(水属性の使い手・梶木漁太のカード)。

おすすめ度:B+
収録アルバム:14th『キラーストリート

ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:片山敦夫

トヨタ自動車『MORE THAN BEST』CMソング。アルバムのCMでも大量オンエアされていたしMステでも披露されていたのでリード曲的存在だったのであろう。爽快なポップナンバーで、『キラーストリート』のアルバム曲では最初に気に入った曲だし現在でも好きである。この頃音楽番組でサザンを観る機会が多かったせいか高校のクラスでもサザン熱が沸騰。何故か原由子のモノマネがクラスの男子中心に流行るという珍現象が巻き起こった。弁当の時間に皆がニヤつきながらエア・キーボードを狂い弾く姿は壮観だった(僕もその内の一人だった訳だが)。

おすすめ度:B+
収録アルバム:14th『キラーストリート』、ベスト『海のOh,Yeah!!

限りなき永遠の愛

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健

Disc1のラストを飾るバラード曲。ボーカルやサウンドの音質がベタっとしている(表現力が無くてすみません)のが良い。キラキラバラードと言うよりは漆黒の内省バラードといった趣きであるがメロディーは綺麗。いかにもアルバムのラストナンバー感があるが『海のOh,Yeah!!』では「素敵な夢を叶えましょう」と連続で収録されており、ラスボス2連発という感じになっていて若干くどい並びになってしまっている。

おすすめ度:B
収録アルバム:14th『キラーストリート』、ベスト『海のOh,Yeah!!

ごめんよ僕が馬鹿だった

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫

Disc2の冒頭を飾る元気ナンバー。「彼女に浮気がバレて言い訳している愚かな男」を明るいロックにのせて歌い上げる爽快な曲。発売直後のMステで歌われていたし「ロックンロール・スーパーマン~Rock’n Roll Superman~」に次ぐリード曲として扱われていたがそれも納得のキャッチーナンバーだ。Mステの歌唱直前に桑田さんが「「ごめんよ僕がデブだった」という曲を歌わせていただきます」とよく分からないボケをかましていたのが記憶に残っている。

おすすめ度:B+
収録アルバム:14th『キラーストリート

八月の詩(セレナード)

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

Disc2の2曲目。サザン王道のミディアムナンバー。海・夏の曲だが切なさも持ち合わせた名曲である。イメージとしては「あなただけを~Summer Heartbreak~」や「ドラマで始まる恋なのに」と同属性な感じが。『キラーストリート』アルバム曲でどれが一番好きかと問われたらこの曲になるかな。Disc2の1曲目・2曲目共にキャッチーさ溢れるナンバーだったため当時から『キラーストリート』はDisc2の方が好きだった。この曲をよく聴いていた高校3年時を思い出す。受験とか将来とかへの漠然とした不安を抱えながらよく聴いていたものだ…。

おすすめ度:A
収録アルバム:14th『キラーストリート

別離

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:片山敦夫

タイトルは「わかれ」と読む。桑田さん曰く「1960年代の歌謡曲を意識した」という。これまたサザンらしい直球ポップな名曲であるがあまりピックアップされない。テレビ披露もされてないし、「ロックンロール・スーパーマン」「ごめんよ僕が馬鹿だった」等に押し負けてしまってる感が。わたくしマー的には「八月の詩」と並んで好きな曲である。余談だが友人の卒アルを見ていた時、一人ひとりの自由記入欄(顔写真の下に自ら入れるコメント)にこの曲の歌詞を書いている奴がいて一発で「こいつサザンファンだな」と分かった事がある。

おすすめ度:A
収録アルバム:14th『キラーストリート

ひき潮~Ebb Tide~

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦・コーラス編曲:島健

2枚組アルバムのいっちばんラストを飾る穏やかなバラード曲。桑田さん的には「栞のテーマ」と被る事を懸念しボーカルを多重録音し差別化を図ったという。〈今でも本当は駆け出してあなたを抱きしめたい 夏の太陽が消えた空には 滲んだ星がキラリ〉というフレーズを聴くたび、このアルバムを聴いた高校時代の色々な情景が蘇る。これも名曲である。わたくしマーとしてはベスト盤に「限りなき永遠の愛」を入れるならこっちを収録して欲しかったな…という思いもある(両方入れる余地は無かっただろうから)。

おすすめ度:B+
収録アルバム:14th『キラーストリート

52nd DIRTY OLD MAN~さらば夏よ~

2006年8月6日、約23万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:原由子

フジテレビのイベント『お台場冒険王2006』テーマソング。「DIRTY OLD MAN」とは「スケベおやじ」の意味らしい。熟年者の悲哀みたいなどこか寂しさを匂わせる歌詞だが曲調が明るく突き抜けているので全く暗く感じない。テレビで流れまくっていた事もあり「彩~Aja~」以来の購入にふみきりよく聴いていたので2006年・高校2年の夏を思い出す一曲である。サザンらしい爽快ナンバーで大好きだが、僕の周囲では「何でサザンって毎回同じ曲出してるの?」という痛烈な言葉も飛び交っていた。

またしても振り付けが存在。当時出演したMステでは、盛り上がっていた観客が実はダンサーで、最後のサビで突如カメラの方を振り返り踊り出すというサプライズ演出がなされた。かなり壮観な映像で、観ている方も「騙された!」と妙にテンションが上がったものである。

翌2007年は桑田佳祐ソロ第3期に移行しシングル3枚をリリース、その翌年にはまさかのサザン無期限活動休止となったので、今作と次回作「I AM YOUR SINGER」は長らくアルバム未収録シングルとして取り残されていた。その後桑田ソロ4期を経て2013年サザン再始動。2015年に久々のオリジナルアルバム『葡萄』が発表され「遂に未収録2シングルが入るか?」と一瞬期待したがやはり再始動以降のシングルしか入らず。更に時は流れ、2018年のベスト『海のOh,Yeah!!』にて、実に12年越しにアルバム収録された。

おすすめ度:A
収録アルバム:ベスト『海のOh,Yeah!!

53rd I AM YOUR SINGER

2008年8月6日、約52万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

デビュー30周年を迎えた2008年初夏に飛び込んできたのはサザン無期限活動休止という信じられない衝撃のニュースだった。連日メディアでも「サザン休止。解散か!?」という報道が飛び交い、桑田さん本人は解散を否定していたもののシーンは騒然。そんな混沌とした夏に置き土産的に出されたのが今作だった。

休止にあたりテレビ出演も積極的に行われ、Mステでは1時間まるごとサザンスペシャルなんかも放送。北京オリンピックと並び話題をかっさらっていき、「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」以来の初動30万突破、累計で50万枚を超える大ヒットとなった。

メンバー出演の『au LISMO』CMソング。30年間の感謝の気持ちが込められている、サザンからファンへのメッセージソング。全編に渡って打ち込みやエフェクトが展開されたまさかのデジタルナンバーだがメロディーは切なさ全開で素晴らしい。〈八月末の空の花火みたいに…〉というフレーズが休止してしまうサザン自身に重なり、こんな明るい曲調なのに涙腺が崩壊する。当時は本当にこれが最後の曲になるかもしれないと思っていたので一回一回噛み締めて聴いていたものだ。わたくしマーの好きな曲トップ3には必ず入る大名曲である。ミスチルの「GIFT」と並んで08年の夏を代表する一曲だったように思う。MVには当時流行っていたエド・はるみや世界のナベアツのギャグが登場するがこういうのは時が経って見返すと悲しくなるので今後は控えてほしい。

おすすめ度:A+
収録アルバム:ベスト『海のOh,Yeah!!

C/W OH!! SUMMER QUEEN~夏の女王様~

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

「I AM YOUR SINGER」カップリング曲。資生堂『サマーキャンペーン』CMソング。異色だったA面とは逆にこちらはサザンらしい真夏のロック。当時Mステで行われたサザンスペシャルでも披露されたが日本語と英語の混ざり合いが非常に面白い。名曲なのに長らくカップリングとして放置されていて勿体ないな~と思っていたところ、10年後のベスト『海のOh,Yeah!!』に晴れてA面共々収録を果たした。

おすすめ度:A
収録アルバム:ベスト『海のOh,Yeah!!

※続きとなる2013年以降(「ピースとハイライト」~)のレビューは下記記事です

サザンオールスターズ 全シングル&名曲レビュー #6 ~「ピースとハイライト」から「愛はスローにちょっとずつ」~
サザンオールスターズ 全シングル&名曲レビュー #6 こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です! サザンオールスターズシングル&名曲レビューパート6スタート。 ※前回(「涙の海で抱か...

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