桑田佳祐 全シングル&名曲レビュー #2 ~「明日晴れるかな」から「君への手紙」~

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桑田佳祐 全シングル&名曲レビュー #2

こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です!
桑田佳祐シングル&名曲レビュー、パート2スタート。

※前回(「悲しい気持ち(JUST A MAN IN LOVE)」から「東京」)のレビューも良かったらご覧ください。

桑田佳祐 全シングル&名曲レビュー #1 ~「悲しい気持ち」から「東京」~
桑田佳祐 全シングル&名曲レビュー #1 こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です! この記事では桑田佳祐ソロのシングルや名曲たちの感想と、各曲のおすすめ度を記載してまいります。 ※ちなみに...

9th 明日晴れるかな

2007年5月16日、約36万枚

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、弦・管編曲:島健

前作「東京」の後、2003年にサザンオールスターズの活動が再開し2006年までの間にシングル6作、2枚組オリジナルアルバム1作と精力的にリリース。2007年4月になり再び桑田さんのソロ活動入りが発表され、5月に今作が発売。ソロシングルとしては「東京」以来約5年ぶりのリリースであった。初動16万枚でチャート初登場1位を獲得、累計では36万枚を積み上げ年間チャート7位につけている。

フジテレビ系月9ドラマ『プロポーズ大作戦』主題歌。ソロ35周年の2022年にはユニクロのCMソングにも起用された。どっしりとしたミディアムソング。山下智久と長澤まさみ主演月9ドラマの主題歌という事で、高校のクラスメイトの間でも「桑田佳祐の新曲良いよね」と結構話題になった。ドラマも結構面白かったし、エンディングで実際に桑田さんが登場しギターを持ってこの曲を歌い上げていたのが思い出深い。まぁ盤石で安定した良い曲である。もっと好きな曲が沢山あるのでわたくしマー的にそこまで上位にくる曲では無いが、高校3年時を思い出し感傷に浸れるという付加価値はある。

セールス的には前作「東京」から20万枚ほど下げたが、まず前作と5年間空いているという事、CD不況の波が更に深刻化していた時代背景、更に今作の後30万枚を超えたシングルが無い事から、この36万枚は大ヒットと呼べる数字だったと言える。2022年のベスト盤『いつも何処かで』ではDISC.2の2曲目(1曲目がコラボ曲「時代遅れのRock’n Roll Band」なので通常曲では最初の曲)という目立つ位置に置かれているし桑田さん自身も代表曲の一つという自負はあるのだろう。

おすすめ度:B
収録アルバム:ベスト『I LOVE YOU-now & forever-』、ベスト『いつも何処かで』

10th 風の詩を聴かせて

2007年8月22日、約18万枚

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐

映画『Life 天国で君に逢えたら』主題歌の他、例によって2022年にはユニクロCMソングにも起用。この映画は小説が原作となっており、ガンのため38歳で他界したプロウィンドサーファー・飯島夏樹氏が著者。桑田さんはタイアップの依頼が来る前に偶然にも飯島氏のドキュメンタリーや原作を目にしていたという。ちなみに桑田さんが映画主題歌を担当したのはサザンを含めても1990年の『稲村ジェーン』以来17年ぶりであった。

優しいミディアムバラード。良い曲ではあるが「明日晴れるかな」と「ダーリン」という目立った2曲の狭間にリリースされたせいか、2007年のシングルでは一番印象が薄いのが本音だ。アレンジとかが優し過ぎるというかね。タイアップ先の映画を観たら印象が上がる可能性大。あと「明日晴れるかな」と同様に、高校3年当時の懐かしい空気を思い出して「あぁ…」となれる付加価値は存在している。2007年8月、受験や進路など漠然とした不安に苛まれていたあの夏。

おすすめ度:C
収録アルバム:ベスト『I LOVE YOU-now & forever-』、ベスト『いつも何処かで』

11th ダーリン

2007年12月5日、約14万枚

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、弦編曲:桑田佳祐・片山敦夫、管編曲:桑田佳祐・山本拓夫

2007年3作目にして、第4期ソロ最後のシングルとなる。この第4期ソロ活動ではオリジナルアルバムは制作されず、「明日晴れるかな」「風の詩を聴かせて」「ダーリン」の3曲は翌2008年3月のDVD作品『桑田さんのお仕事 07/08~魅惑のAVマリアージュ~』付属CDにてまとめて収録される形となった。故に2007年の3シングルはオリジナルアルバム未収録。

本人出演のアサヒ飲料『WONDA』CMソング、2022年にはユニクロCMソングに起用。横浜を舞台とした歌謡曲風ナンバー。明るくポップな歌謡曲という感じでメロディーも良く非常に好み。2007年の3シングルでは最も好きで未だにカラオケで歌う事も多い。長らく歌謡系の代表曲だったが、2021年に同系統の「Soulコブラツイスト~魂の悶絶」が出てからはその座を譲った感じも。

2007年12月はわたくしマー高校3年の暮れ。目前に迫った大学受験のために勉強に勤しんでいた…ハズだがあまりそんな記憶も無く、M-1グランプリでサンドウィッチマンが敗者復活から奇跡の優勝を果たしたなぁとかそんな印象ばかりしか残っていない(当然翌2008年は浪人の道へ進むわけです)

おすすめ度:B+
収録アルバム:ベスト『I LOVE YOU-now & forever-』、ベスト『いつも何処かで』

DVD 桑田さんのお仕事 07/08 ~魅惑のAVマリアージュ~

2008年3月12日

DEAR MY FRIEND

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、弦編曲:斎藤ネコ

DVDとCDのセットでリリースされた作品『桑田さんのお仕事 07/08 ~魅惑のAVマリアージュ~』のCDに収録された唯一の新曲。DVDには2007年12月31日~2008年1月1日にかけて横浜アリーナで行われたツアー最終公演の模様を収録。付属CDには2007年発表の3シングルからカップリング含め全曲、原由子のソロ曲1曲、そして完全新曲となるこの曲が収録されている。

アサヒ飲料『WONDA』CMソング、2022年にはユニクロCMソングに起用。穏やかなミディアムバラード。僕はこのDVDを買わなかったので、当然付属CD収録曲であったこの曲も聴く機会は無かった……ハズなんだけど、何故か当時からふんわりと知っていた。どこで聴いたのか全く覚えていないけど2008年当時から「良い曲だな」という印象は頭の片隅にあって、でも入手するまでには至らず(CD作品だったら借りたり買ったりするのだがDVDまでは手に取る習慣が無いので)。

2019年12月にサザン及び桑田ワークス全てがサブスク解禁されたのを機に初めてガッツリとこの曲を聴いて、一気に大好きなナンバーになった。元々のリリース時期である「春」を感じる名曲である。都会的なキレと自然の雄大さを兼ね備えたハイブリッドソング。サザン含めても1・2を争う程に好きな曲だ。約14年の間ずっとDVDの付属CDにしか収録されていなかったのが勿体ない。2022年のベスト『いつか何処かで』にて、やっとCDメインの作品に初収録されたのは嬉しかった。あと同年にユニクロのCMでいきなりこの曲が流れた時も「えっ!?」と驚いたし嬉しかったな。

わたくしマーは前述の通り2007年に高校3年生、2008年に浪人の道へ進み池袋の某予備校へ通い始める事となった。丁度その時期が「DEAR MY FRIEND」のリリース時期(2008年3月)と重なり、「卒業」「旅立ち」のイメージのあるこの曲と、新生活に飛び込む僕の心情が今思えば非常にシンクロしていた。だから僕はこの曲に特別な感情を抱いてしまうのだと思う。いまだにこの曲を聴くと2008年春の、新たな生活が始まるあの空気感を思い出す(結局2008年も受験に落ち、翌年2浪の道へ進む事になるのだがそれはまた次の項で)。

おすすめ度:A+
収録アルバム:ベスト『いつも何処かで』

12th 君にサヨナラを

2009年12月9日、約10万枚

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、弦編曲:佐橋佳幸

前作「ダーリン」から約2年ぶりとなるシングル。その間2008年夏にはサザンオールスターズの無期限活動休止を発表しシングル「I AM YOUR SINGER」をリリースしていた。今作はサザン無期限休止後初のソロシングルとなる。

桑田さん自身が出演した大塚製薬『UL・OS(ウルオス)』CMソング。冬を思わせる軽やかポップス。サビの畳み掛ける感じが好みで、リリース当時から今でもカラオケで歌う機会が多い。前年夏にサザン無期限活動休止という悲しいニュースがあったため、たとえソロだとしても今作のリリースは非常に嬉しく感じたのを覚えている。

ただリリース当時の『ミュージックステーション SUPER LIVE 2009』での今作の扱いは可哀想だった。「白い恋人達」と今作2曲セットでの披露だったのである。そりゃあんな有名大ヒット曲と並べられたら、こっちはどうしても「弱い曲」になっちゃうって…。放送日がクリスマスだったとはいえ、なぜ2009年に「白い恋人達」をテレビ披露したのかはいまだに謎だ。

そしてわたくしマーは前述の通り2浪中。2008年に引き続き2009年にも再び池袋の某予備校へ通っていた(親に感謝である)。この時期になるとリアルに翌年の受験が怖くなってきて、落ちたら俺はどうなる?人生はどうなるんだ?と将来への不安に苛まれながら過ごしていた。故にこの曲が出た頃の記憶があまり無いのだが、とにかくここから翌2010年春まで緊迫の日々が続いていたという事をお伝えしておく。

おすすめ度:B+
収録アルバム:4th『MUSICMAN』、ベスト『I LOVE YOU-now & forever-』他

13th 本当は怖い愛とロマンス

2010年8月25日、約14万枚

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐

前作を超える初動を記録したが関ジャニ∞の「LIFE~目の前の向こうへ~」に阻まれ週間チャートは最高2位。7月に受けた定期健診で発覚した食道がん治療に専念するため桑田さんは活動休止。10月にリリース予定だったアルバム『MUSICMAN』は発売延期になり、全国ツアーは中止となった。発覚前から決まっていた今作のリリースは順当に行われた。ちなみに今作リリースの直前に桑田さんは手術を終え退院していたという。10月にアルバムレコーディングが再開、12月31日には第61回紅白歌合戦に特別枠で出演し活動復活を果たした。

洋楽っぽい雰囲気がある。桑田さん曰く「ビートルズやウイングスを意識した」との事。メロディーが良く、ポップで軽やか。意外にも他に無いタイプのシングルであったと思う。順当に好きな曲である。

わたくしマーは2浪を経て2010年の春、遂に大学進学。これまでの人生で最も変わった環境に四苦八苦しながらも楽しい日々を送っていた。更には当時大ブレイクしていたAKB48にハマり、友人の誘いで握手会イベントに行ったりしたのが楽しかった。2009年までは「90年代J-POP最高。最近の新曲はイマイチ」という超回顧モードでもがいていたんだけど、2010年に入りAKBや嵐にハマり「最近のJ-POPも良いじゃん!」と思えた。生活環境・音楽の聴き方ダブルでガラッと変わった2010年は僕にとってターニングポイントの年だったと思う。

おすすめ度:B
収録アルバム:4th『MUSICMAN』、ベスト『I LOVE YOU-now & forever-』

14th 明日へのマーチ/Let’s try again~kuwata keisuke ver.~/ハダカ DE 音頭~祭りだ!! Naked~

2011年8月17日、約14万枚

今作とライブ『宮城ライブ~明日へのマーチ!!~』本公演及びDVD収益の一部は、同年3月11日に発生した東日本大震災の義捐金に充てられた。初動9万枚で、関ジャニ∞「ツブサニコイ」(初動15万枚)に及ばず週間チャートは2位。シングル2作連続で関ジャニ∞に週間チャート首位を阻まれた事となる。

明日へのマーチ

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐

自身出演のNTTドコモ『walk with you 2011』キャンペーンCMソング。また2021年にはユニクロのCMに起用された。同年に起こった東日本大震災の復興を願う内容となっている、アコースティックギター主体の優しい曲。リリース当時はシングルにしては地味だなと思っていたが、改めて聴くと普遍的な魅力がある。牧歌的というか。この曲(というかこのシングル3曲)を聴くと、震災で混沌とした2011年の夏を思い出す。春休みが1か月伸びて大学が5月から始まったとか。

おすすめ度:B
収録アルバム:ベスト『I LOVE YOU-now & forever-』、ベスト『いつも何処かで』

Let’s try again~kuwata keisuke ver.~

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、管編曲:山本拓夫 & 曾我淳一

元々は東日本大震災支援を目的として同年5月にリリースされていたチーム・アミューズ!!によるシングル「Let’s try again」が原曲。あちらから他歌手のメドレー部分等を削り、オリジナルのAメロ・Bメロを付け加えたのがこのソロバージョンとなる。

原曲よりもロック度の増したアレンジになった。元々キャッチーなサビだっただけあり聴いていて心地いいし楽曲全体に溢れるパワーが凄い。嫌でも奮い立たされるというかね。リリース当時から非常に好きな曲である。チーム・アミューズ!!バージョンとはまた別の良さがある。〈想像を遥かに超えた力が 特別な夏を連れて来た〉というフレーズが印象的。震災による電力危機で節電が行われた(アルバイト先のスーパーではエスカレーターが常時停止していた)、2011年夏の光景が蘇る。

おすすめ度:A
収録アルバム:ベスト『I LOVE YOU-now & forever-』

ハダカ DE 音頭~祭りだ!! Naked~

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、管編曲:山本拓夫、弦編曲:曾我淳一 & 金原千恵子

タイトル通りお祭りとかでかかっているような音頭。このシングルの中で唯一震災を意識していない曲かつアルバム未収録。下ネタ全開なのがとっつきにくかった事や、歌詞にAKBが出てくる(〈AKBの姐ちゃんとおっぴろげのげ〉)のも話題性の為に無理矢理入れたように感じて微妙に思っていた事など当時はマイナスな印象しかなくて、その後聴き返す事も無かったので楽曲自体のメロディーはすっかり忘れていた。改めて聴くとコテコテの音頭が途中でおしゃれなジャズに変貌したりと中々面白いアレンジにはなっている。今後もアルバムには入らないだろうけど、サブスクで気軽に聴けるので当時マイナスな印象しか無かった人も改めて聴いてみては。

おすすめ度:C
アルバム未収録

15th Yin Yang/涙をぶっとばせ!!/おいしい秘密

2013年3月13日、約9万枚

前作から約1年8か月ぶり、2作連続のトリプルA面シングル。前年にはソロ25周年を記念したベストアルバム『I LOVE YOU-now & forever-』をリリースしていた。

今作リリース後、2013年6月にはサザンの再始動が発表され、8月にはシングル「ピースとハイライト」発売とサザンでの全国ツアーが開始しそのままバンドでの活動に入ったので、ソロは一旦中断。ソロベストとサザン復活の狭間でリリースされた今作はアルバム未収録のまま長らく放置される事となったが、2017年のアルバム『がらくた』にて「Yin Yang」が4年越しの収録を果たした。

Yin Yang

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐

瑛太・尾野真千子主演フジテレビ系ドラマ『最高の離婚』主題歌。タイトルは「イヤン」と読む。「陰陽」の中国語読み(イン・ヤン)という事で、かつてCHAGE and ASKAのベスト盤でも使われたタイトルだ(あちらは『Yin&Yang(イン・アンド・ヤン)』)。

かなり歌謡色の濃い一曲。他にも歌謡風ナンバーはあるけどコレは特に盛り過ぎだろという位盛り盛りに歌謡曲。ちょっとくど過ぎて当時から好きでは無い曲だ。特に2013年はこの数ヶ月後にサザンが復活し「ピースとハイライト」という名曲を放ったので、夏には「Yin Yang」は忘却の彼方に。あれ、今年ソロシングル出してたっけ?みたいな……。

アルバム収録タイミングを逃したシングル曲はそのままオリジナル未収録となりベスト盤での回収を待つのが通例だったが、この曲は例外的に『がらくた』へ収録された。この曲に関してはそれが一番印象深い。アルバムの色に合うと判断されたのだろうか。

おすすめ度:C
収録アルバム:5th『がらくた』、ベスト『いつも何処かで』

涙をぶっとばせ!!

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、管編曲:曾我淳一 & 山本拓夫

自身出演の『NTTドコモ2012冬』キャンペーンCMソング。この曲はリリースの一足先、2012年12月の『ミュージックステーション SUPER LIVE 2012』で披露されていたのを覚えている。アッパーなノリノリソング。「Yin Yang」よりもオーソドックスな曲調ではあるがこれはこれでキャッチーかと言われるとそうでも無いし、印象は薄い曲である。

おすすめ度:C
アルバム未収録

おいしい秘密

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐、弦編曲:島健、管編曲:曾我淳一 & 島健

自身出演のサッポロ『プレミアムアルコールフリー』CMソング。「Yin Yang」よりも更にコテコテの歌謡曲。ここまで昭和に振り切れてると逆に歌モノとして良さを見出せる。タイアップに忠実でビールの音などが入っており、桑田さん本人は肩の力を抜いて作ったのかもしれないが、結果的にこのシングルで一番好印象なのはこの曲である。

おすすめ度:C+
アルバム未収録

16th ヨシ子さん

2016年6月29日、約13万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:桑田佳祐 & 片山敦夫

2013年夏にサザンが復活しシングル「ピースとハイライト」、2014年に「東京VICTORY」、2015年にアルバム『葡萄』とバンド活動が続いていた中、2016年にはしれっとソロ活動に戻った。ソロとしては前作から約3年3か月ぶり。初動8万枚で、GENERATIONS from EXILE TRIBEの「涙」に阻まれ週間チャートは2位だった。

WOWWOW開局25周年記念CMソング。キャッチーさゼロの無国籍風(?)な謎の曲。A面でありながらこのシングル収録4曲の中では最も発表が遅く、今作発売にあたって出演した『SONGS』でも焦らして焦らしてラストに歌唱されていた。R&B、HIPHOP、EDM、サブスクリプション等の現代的な音楽用語に対応しきれないオッサンの悲哀を叫びつつ最終的には〈ニッポンの男達(メンズ)よ Are you happy?〉とフワッとした感じで終わる。所々入っている女性の「あ~ぁあああ~…」というコーラス(?)も全く音程がかみ合ってなくて実に奇怪。テレビ披露時の演出もダンサーが踊り狂い、バックでは白塗りの和服女性(これがヨシ子さん?)が無表情のまま棒立ちしているという狂気的で凝ったものだった。

ただ、変な曲あるあるだがやっぱり聴き込んでいく程に好きになっていく。この曲がマニアックなのでバランスを取るかのようにカップリングはどれもキャッチーで、いまだに「大河の一滴」「愛のプレリュード」「百万本の赤い薔薇」の3曲の方が好きなのは当時から変わらないんだけど、「ヨシ子さん」も同列に好き、位にはなってきている。

RADWIMPSの「前前前世」、欅坂46の「サイレントマジョリティー」等と並んで2016年を思い出す1曲。夏の大型音楽特番や、Mステ SUPER LIVEの大トリがどれもこんな奇妙な曲で締められるという光景は面白かった。2016年のエンタメ界隈はSMAP解散、『君の名は。』『シン・ゴジラ』大ヒット、ポケモンGO大ブーム、欅坂デビュー、恋ダンス、センテンススプリング事件など本当に色々あって熱かった。

おすすめ度:B
収録アルバム:5th『がらくた』(Album Version)、ベスト『いつも何処かで』

17th 君への手紙

2016年11月23日、約9万枚

作詞・作曲・編曲:桑田佳祐

初動7万でモーニング娘。’16の「セクシーキャットの演説/ムキダシで向き合って/そうじゃない」(初動9万枚)に阻まれ週間チャートは最高2位。ウッチャンナンチャンの内村光良が監督・脚本・主演をつとめた映画『金メダル男』主題歌、また前作「ヨシ子さん」に引き続き自身出演のWOWWOW開局25周年CMソングにも起用。

映画制作途中に「この映画の主題歌は桑田さんしかいない」と確信したウッチャンが、桑田さんに依頼の手紙を送った事から始まったという(桑田さんは1週間でこの曲を作り上げCDにして返したという)。古くは『夢で逢えたら』での共演、「TSUNAMI」のタイアップだった『未来日記』、更には「白い恋人達」MVにウッチャンが出演したりと長年交流を続けてきた二人だ。

アコースティックギターで淡々と始まり、やがて音が追加されていき盛り上がっていくバラード曲。メロディアスで良い曲ではあるが、2016年の桑田佳祐というとどうしても「ヨシ子さん」のイメージが強くこの曲の印象は当時から薄め。このシングルが出た頃にもまだ「ヨシ子さん」のシングルを繰り返し聴いていた記憶が…。余談だがサビのメロディーがどうしてもワムの「ラスト・クリスマス」と被ってしまう。同じ感想を抱いてる方いないでしょうか。

おすすめ度:C+
収録アルバム:5th『がらくた』(Album Version)

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