日向坂46 歴代シングル&名曲感想 (※更新中)

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日向坂46 歴代シングル&名曲感想

「日向坂46」は、欅坂46の別動隊グループ「けやき坂46(通称ひらがなけやき)」から改名・独立したグループである。まず簡単にけやき坂46の歴史を記しておく。

元々けやき坂46が生まれた原因は2015年の秋、長濱ねるが欅坂46に特例加入した事にある。

母親の反対によって最終オーディションを受けることが出来なかった長濱ねるだが、3次審査まで高い評価を得ていた等の理由で2015年11月30日に特例で中途加入。ただそのまま加入ではしっかり最終審査を突破して加入した他メンバーと軋轢が生じるため、急遽別のグループを作り長濱はそちらで活動をスタートさせる事となった。そこで緊急オーディションを行い集まったメンバーで結成されたのがけやき坂46・後の日向坂46なのである。(長濱はこの後2016年8月に欅坂と兼任となり、2017年9月に兼任解除・欅坂専任となったためけやき坂を卒業した)

当初こそ欅坂46のアンダーグループのような位置で細々と活動していたけやき坂だが、ダークさを増していく欅坂に対しけやき坂は「ハッピーオーラ」を掲げ明るい世界観を提示し差別化に成功。独自の道で人気を獲得していき、2019年2月11日に日向坂46への改名・単独シングルデビューを発表。これにより欅坂46から独立し第3の坂道シリーズとして活動を開始した。

2019年

キュン

2019年3月27日 売上約64万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:野村陽一郎

1stシングル「キュン」表題曲。2019年2月11日にけやき坂46から日向坂46への改名を発表。欅坂46から独立し単独のグループとなり、3月に今作でデビューした。

発売初日に約36万枚を売り上げるロケットスタートを記録。欅坂46が「サイレントマジョリティー」で出した女性歌手デビューシングル初動売上の記録(26万枚)を1日のみで更新した。週間での初動売上は約47万枚となりチャート初登場1位を獲得。累計では64万枚に到達し現在「ソンナコトナイヨ」に次ぐ自身2番ヒットに位置している。

選抜メンバーは井口眞緒、潮紗理菜、柿崎芽実、加藤史帆、金村美玖、上村ひなの、河田陽菜、小坂菜緒、齊藤京子、佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈、高本彩花、富田鈴花、丹生明里、濱岸ひより、東村芽依、松田好花、宮田愛萌、渡邉美穂。デビューシングルという事で全員が初選抜となる。

センターは2期生の小坂菜緒。けやき坂時代は1期生の佐々木美玲がセンターのイメージが強かったので、このタイミングで2期の小坂という人選になったのは意外だった。そんなに人気あったのかと。

6月に活動終了を発表し8月に卒業した柿崎芽実は、今作が最初で最後の選抜入りとなった。

ファッションレンタルアプリ『mechakari』CMソング。ド直球アイドルポップ。けやき坂時代のスローガンであった「ハッピーオーラ」を突き詰めた最終進化形態のような名曲。〈キュンキュンキュン~〉の部分と〈君のその仕草に~〉とでサビが2種類あるような作りなのが豪華に感じる。

当時は欅坂が「黒い羊」でダークどん詰まり期真っ只中を迎えていた時期なので、相対的にこちらのフレッシュさ・開放感が余計に際立った。欅坂のダークさに辟易してたリスナーを一気に取り込めたのもあるだろうし独立のタイミングが抜群だったと思う。「やっぱアイドルはこうでなくっちゃ」みたいなね。そういった当時の欅坂に対するカウンター的に支持を得てた部分もあるだろうけどやはりこれは今聴いても良い曲。平成から令和に切り替わった2019年の春を思い出す。新時代の到来を感じさせる曲だった。

何より既存グループ内から「独立」するっていうパターンが前代未聞で、見ていてワクワクしたってのもある。これ以前だと「AKB48」内の「チーム8」も、かなりの人気を博した2016~2017年頃に独立のチャンスはあった気もするが。8メンバーの坂口渚沙が2016年の選抜総選挙で「チーム8でCDデビューしたいです!」と叫んだ、あの時に独立していれば。ただ当時は独立なんていう発想や前例が無かったしな。チーム8は2017年にオードリー司会で番組をやった時がピークだったと思う。結局そのオードリーは日向坂に取られてしまい……。チーム8メンバーは、どんな気持ちで『日向坂で会いましょう』を観ているのか。もし僕がチーム8メンバーだったら悔しくて観れないね。結局チーム8は2023年4月に活動休止。(2025/3/30更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:1st『ひなたざか』

キュン / 日向坂46

ドレミソラシド

2019年7月17日 売上約55万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:野村陽一郎

2ndシングル「ドレミソラシド」表題曲。前作「キュン」から約4か月ぶり。

2期生の小坂菜緒が前作に引き続き2作連続で表題曲センター。10thシングル「Am I ready?」までは全員選抜だったため初選抜は無し。

前作と同じ野村陽一郎氏を起用。デビュー曲と同じ路線でもう1曲!という感じで、「キュン」で高まった勢いを更に加速させた理想的な2ndシングル。「ポニーテールとシュシュ」系とはまた別ベクトルでの爽やか夏ソングで名曲。水の無いプールで踊るMVも「夏が来た!」って感じで良い。学生時代の、夏休み初日のワクワク感が蘇る。海も水着も砂浜も出さずにここまでフレッシュサマー感を出せるとは。「ガールズルール」を始祖とする坂道系夏ソングの完成型かもね。

CMでMVを観た時の衝撃は忘れられない。なんだ〈ドレミドレミ~♪〉って……?なんだこのカクカクダンスは……?と。ダンスは異様だし、全体的に早口過ぎて歌なのか?状態だしよく聴いたらかなりヘンな曲だけど、人気絶頂期の勢いなのか全然異端じゃなく王道に聴こえるのが凄い。2019年、令和最初の夏を思い出す名曲。日向坂で1番好きな曲だし秋元系夏ソング全体でも「ポニーテールとシュシュ」の次に好きかも。(2025/3/31更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:1st『ひなたざか』

ドレミソラシド / 日向坂46

こんなに好きになっちゃっていいの?

2019年10月2日 売上約58万枚

作詞:秋元康、作曲:前迫潤哉・7th Avenue、編曲:7th Avenue

3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」表題曲。前作「ドレミソラシド」から約3か月ぶり。

2期生の小坂菜緒が3連続センター。休業中の影山優佳と濱岸ひよりを除く18名で歌唱。今作前に活動自粛し、2020年3月に卒業する井口眞緒は最後の選抜入りとなった。

「JOYFUL LOVE」、欅坂の「ガラスを割れ!」等を生み出した前迫潤哉氏によるバラード。バラードといっても結構ダンサブルな要素もある。勢いとフレッシュさに満ちていた前2作と比べて急に落ち着いちゃった感じがして当時からあまり好きではない曲。KinKi Kidsでいう「硝子の少年」「愛されるより 愛したい」の次の「ジェットコースター・ロマンス」みたいなポジションというか。あの2作の後に出されたらどんな曲でも薄味に感じるだろうよと。というわけでノリにノってた2019年のシングルなんだけど、僕としては全シングル中1番下の印象になっちゃうかな。(2025/4/1更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:1st『ひなたざか』

こんなに好きになっちゃっていいの? / 日向坂46

2020年

ソンナコトナイヨ

2020年2月19日 売上約65万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:柳沢英樹

4thシングル「ソンナコトナイヨ」表題曲。前作「こんなに好きになっちゃっていいの?」から約4か月ぶり。

デビュー曲「キュン」の累計を僅かに上回り、自身最大売上シングルとなった。

2期生の小坂菜緒が4連続センター。休業中の影山優佳、活動自粛中の井口眞緒、今作発売の3日前に加入したばかりの新3期生は不参加。

ジョンソンエンドジョンソン『アキュビュー オアシス トランジションズ スマート調光』CMソング。バンドサウンド調のスピーディーなロック曲。前作で止まったかに思えた勢いがいとも簡単に復活。日向坂、やっぱり勢いスゲーなと感服した名曲。横浜の山下埠頭で撮影されたMVも雰囲気があって好き。街中シーンのあのステップは若干滑稽に見えてしまう部分もあるが……。とにかく勢いに満ちてて爽快。新型ウイルス騒動により世界が一変した、2020年春の情景を思い出す楽曲。ただリリースは2月19日なので、まだかろうじて騒動が本格化する直前だった。

髪を切り過ぎて落ち込んでる女の子に「そんな事ないよ!似合ってるよ!」と叫び続ける主人公。ただイケてない男子設定が多い秋元P作品の主人公の事なので、実際には声をかけておらず教室の隅っこから念を発しているだけの可能性が高い。(2025/4/2更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:1st『ひなたざか』

ソンナコトナイヨ / 日向坂46

2021年

君しか勝たん

2021年5月26日 売上約55万枚

作詞:秋元康、作曲:デレク・ターナー、編曲:APAZZI

5thシングル「君しか勝たん」表題曲。

2020年9月の1stアルバム『ひなたざか』から約8か月ぶり。シングルとしては「ソンナコトナイヨ」以来約1年3か月ぶりとなる。

4連続だった小坂菜緒に替わり、1期生の加藤史帆がセンター。けやき坂46時代はちょこちょこセンターを務めていた人気メンバーではあったが、日向坂改名後は初。前年に活動を再開していた1期生の影山優佳に加え、新3期生の髙橋未来虹森本茉莉山口陽世が初選抜。

『ビビッドアーミー』CMソング。発売前にタイトルを知った時は本当に嫌だった「何じゃこのタイトル、カッコ悪……」と。乃木坂の「ジコチューで行こう!」や、翌年だが「好きというのはロックだぜ!」に通じる秋元センスの嫌な部分が爆発しているなと。

しかしいざ楽曲を聴いたら予想外に良くて驚いた。日向坂らしいハッピーオーラに包まれた真っ直ぐなアイドルポップス。問答無用で明るい気持ちになれるのが良いよね。1発撮りのMVもハッピーオーラに満ちている。サビも良いがAメロのメロディーが1番好き。最初の印象が最悪だった反動もあるが現在ではかなり好きな曲となっている。タイトルは未だに嫌だがそれを以てしても好きな曲なので我ながら相当メロディーが好きなのだと思う。

作曲のデレク・ターナーは櫻坂46の「Nobody’s fault」「流れ弾」などを手掛け秋元系Gでよく名前を見かけるが情報が全く無い謎の人物。Wikiにすら「その正体が誰であるのかは不明」って書かれてるし。正体不明作家というと一時期KinKi Kidsの曲を手掛けてた「紅茉來鈴」を思い出す。(2025/4/3更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:2nd『脈打つ感情』

君しか勝たん / 日向坂46

ってか

2021年10月27日 売上約46万枚

作詞:秋元康、作曲:浦島健太・加藤優希、編曲:加藤優希

6thシングル「ってか」表題曲。前作「君しか勝たん」から約5か月ぶり。

2期生の金村美玖が表題曲初センター。6月から休養している小坂菜緒を除く21名で歌唱。

『ビビッドアーミー』CMソング。作曲の浦島健太は1stアルバムの「アザトカワイイ」の他、欅坂の「アンビバレント」等を手掛けた作家。鋭さのあるダンスナンバー。当時CMで聴いた時から好感触だった曲。やはり日向坂には気合の入ったシングルが用意されているなという印象で安定した良曲。

一方で歌詞には全く共感できない〈可愛いから好きになったなんて 全然ピンと来ないのよ もっと内面を見て欲しい〉いや…ルックスこそ唯一無二やん。逆に人の内面なんて時の移り変わり、環境によってグングン変わってくでしょ。「ルックスが好き」が悪い理由だとは全く思わない。 2番サビになると更に〈可愛いから好きになったなんて 喜ぶとでも思ってるの? 他の誰かには絶対にない そんな魅力とか見つけて〉とかトンデモナイ事を喚き出すんだけど「他の誰かには絶対にない魅力(見た目以外で)」って、そんなもん無いから。そんな特別な人間いねーよ。それこそ「ルックス」というのが「自分だけの魅力」に当たるんじゃないの? どうもこの主人公にはこじらせたメンドクサイ女というイメージしか持てない。(2025/4/4更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:2nd『脈打つ感情』

ってか / 日向坂46

2022年

僕なんか

2022年6月1日 売上約48万枚

作詞:秋元康、作曲:温詞、編曲:温詞・TomoLow

7thシングル「僕なんか」表題曲。前作「ってか」から約8か月ぶり。本来は5月11日リリースの予定だったがメンバーのうち18人がコロナにかかるという非常事態に伴い6月に延期された。

同年3月に活動を再開した小坂菜緒がセンター。2020年の「ソンナコトナイヨ」以来、3作ぶり5度目の表題曲センターとなる。今作をもって卒業した渡邉美穂、及び9月に卒業発表した宮田愛萌は最後の選抜入りとなった。

48・46問わず活動休止しそのまま卒業するというパターンをよく見てきたので、小坂の復帰は嬉しかったが「復帰早々センターなんて重圧任せて大丈夫?」と心配になってしまったシングル。楽曲もメロディー自体はかなり良いんだけど復帰ほやほやである小坂への心配が勝ってしまい、病み上がりダウナーソングみたいな印象が強く残ってる。メロディー自体はかなりセツナ系で良いんだけどね。ちなみに作曲の温詞(あつし)は同年4月の櫻坂46「五月雨よ」や乃木坂46「懐かしさの先」を手掛けた作家。(2025/4/5更新)

おすすめ度:C+
収録アルバム:2nd『脈打つ感情』

僕なんか / 日向坂46

月と星が踊るMidnight

2022年10月26日 売上約47万枚

作詞:秋元康、作曲:Masafumi Okamoto、編曲:TomoLow

8thシングル「月と星が踊るMidnight」。前作「僕なんか」から約4か月ぶり。

1期生の齊藤京子が初のセンター。

カレーライスCoCo壱番屋CMソング。欅坂時代を思わせる「大人への反抗」的なメッセージソング。メロディーがとにかくパワフル。キレと鋭さがある。作曲のMasafumi OkamotoはSeven Billion Dotsというロックバンドのボーカルらしいがかなりの力量のあるミュージシャンなのでは(バンド自体は2022年6月に解散した模様)。ぐんま天文台で撮影されたMVも壮大で曲と似合ってる。

良い曲だとは思うのだがファン人気が高いという話は聞かない。日向坂ファンに刺さる曲調では無いのだろうか? あとデビュー時から大ヒットしてしまった故、「キュン」や「ドレミソラシド」の壁が高くなり過ぎて新曲がそれらを超えられず、停滞感が滲み出てしまうようになったのもこの辺からだった。僕はこの辺りからあまり新曲に期待が持てなくなったんだよね。なんかこの曲も良い曲なんだけど存在感が薄いっつーか。例えば日向坂で好きな曲を3曲挙げる際には入ってこないっつーか。(2025/4/6更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:2nd『脈打つ感情』

月と星が踊るMidnight / 日向坂46

2023年

One choice

2023年4月19日 売上約50万枚

作詞:秋元康、作曲:セキヤカナデ、編曲:シライシ紗トリ

9thシングル「One choice」表題曲。前作「月と星が踊るMidnight」から約6か月ぶり。

2期生の丹生明里が初の表題曲センター。今作をもって活動を終了した影山優佳は最後の選抜入りとなった。

2020年前後からJ-POP界で顕著になった「歌詞詰め込み系早口ソング」の一つ。歌というよりか早口言葉みたいな……。カラオケで入れた事あるけど、乃木坂の「帰り道は遠回りしたくなる」とかも同じなんだけどこういう歌詞詰め込み系は歌を歌っているという感覚をあまり得られない。せわしなく朗読してるみたいな感じ。丹生ちゃんも結構好きなメンバーだったので表題曲センターは嬉しかったが、楽曲としてはどうにもビミョ~という印象だけが残る。(2025/4/7更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:2nd『脈打つ感情』

One choice / 日向坂46

Am I ready?

2023年7月26日 売上約48万枚

作詞:秋元康、作曲:大河原昇、編曲:APAZZI

10thシングル「Am I ready?」表題曲。前作「One choice」から約3か月ぶり。

3期生の上村ひなのが初の表題曲センター。3期生の表題センター自体も初。2023年内に活動を終了した潮紗理菜、翌2024年に活動を終了した齊藤京子、高本彩花は最後の選抜入りとなった。

全シングル中でも異色だし48・46系全般で考えても異色なテイストの曲。楽曲そのもの以上にMVが強烈な印象を残す。「恋する女の子の脳内の賑やかさを体現した」ラムネ・アイス等のオブジェを散りばめたカラフルな世界観でね。大好きな曲という程ではないんだけど、ここ数作のマンネリ感は打破してるし、他に無い種の曲という点で好印象なシングル。世界観勝ちという感じがする。作曲の大河原昇はNGT48の「青春時計」やSTU48の「風を待つ」等を手掛けた作家。作風の幅広いよね。(2025/4/10更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:2nd『脈打つ感情』

2024年

君はハニーデュー

2024年5月8日 売上約46万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:野村陽一郎

11thシングル「君はハニーデュー」表題曲。

2023年11月の2ndアルバム『脈打つ感情』から約6か月ぶり。シングルとしては「Am I ready?」から約10か月ぶり。当初は4月10日にリリースされる予定だったが制作上の都合で延期した。

これまでのシングルは全員選抜でやってきた日向坂だったが、今作から遂に選抜制を導入。選抜に入らなかったメンバーは乃木坂と同様に「アンダー」扱いとなる。ちなみにアンダーメンバーの呼称は「ひなた坂46」に決定した(「けやき坂46(ひらがなけやき)」を継承したものと思われる)。

4期生の正源司陽子が初選抜にして初の表題センター。4期生の表題センター自体も初。同じく4期生から平尾帆夏藤嶌果歩宮地すみれ山下葉留花が初選抜。

初の選抜制導入、更に4期生をセンターに抜擢するという明らかなテコ入れ。人数増加による全員選抜の限界か?人気面の頭打ちか?何が原因か一言では足りないがとにかく大幅なテコ入れをしなければならないと運営が判断した事は事実だ。前年夏には乃木坂46で5期生・井上和がセンターとなり、今作で正源司、そしてこの翌月には櫻坂46で3期生・山下瞳月がセンターと、全ての坂道シリーズでそれぞれの最若手がセンターを張る群雄割拠の新時代が幕を開けた。

楽曲の方はこれぞ日向坂という感じのハッピーオーラ感溢れる直球アイドルポップ。「キュン」や「ドレミソラシド」を手掛けた野村陽一郎を再び召喚している事からも、運営が「再出発を切るぞ!」としてる気合がビンビンに伝わってくる。流石に「キュン」や「ドレミソラシド」には及ばないけどまぁ普通に良い曲だしセンター正源司陽子のフレッシュ感も眩しくて好き。(2025/4/11更新)

おすすめ度:B
アルバム未収録

絶対的第六感

2024年9月18日 売上約50万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:シライシ紗トリ

12thシングル「絶対的第六感」表題曲。前作「君はハニーデュー」から約4か月ぶり。

4期生の正源司陽子藤嶌果歩がセンター。ダブルセンター体制は初。正源司は前作に続いて2回目、藤嶌は初のセンターとなる。同じく4期生から小西夏菜実が初選抜。また8月に卒業を発表していた加藤史帆、東村芽依、丹生明里は最後の選抜入りとなった。

なおシライシ紗トリは乃木坂の「シンクロニシティ」や欅坂の「風に吹かれても」も手掛けていて、3坂道全てのシングル表題曲を提供した初の作家となった。

若手2人をセンターに据えたという事でアイドルポップが来るのかと思いきや意外にもダンスナンバー。最初は微妙な曲だと思ったけど、MVを観て印象が上がった。サビの白Tシャツ&ジーンズスタイルが良い。できれば音楽番組にも白Tジーンズで出て欲しかったが流石にアイドルでそれは出来なかったか。ちなみにそのMVだが、公開直後に韓国のアイドル・tripleSのMVに酷似しているという事でプチ炎上。せっかく良いMVだなと思ってたのでケチが付いてしまいちょっと残念だった。(2025/4/12更新)

おすすめ度:B
アルバム未収録

2025年

卒業写真だけが知ってる

2025年1月29日 売上約45万枚

作詞:秋元康、作曲:ナスカ、編曲:野中”まさ”雄一

13thシングル「卒業写真だけが知ってる」表題曲。前作「絶対的第六感」から約4か月ぶり。

2期生の小坂菜緒がセンター。2022年の「僕なんか」以来6作ぶり、通算6度目の表題曲センターとなる。同月に卒業発表した佐々木久美と佐々木美玲は今作が最後の選抜入りとなった。

乃木坂や櫻坂でシングルをいくつか提供しているナスカが日向坂に初登場。特に櫻坂46では「Start over!」や「何歳の頃に戻りたいのか?」「I want tomorrow to come」等、これぞ櫻坂!な楽曲を生み出しグループの勢い付けに貢献しててもはや「ナスカ=櫻坂」という印象だったのでここで日向坂にも参入してくるとは少々意外だった。

楽曲としてはかつてAKBが春恒例でリリースしてた桜ソングの系譜という感じ。ちょっと切ない色も入っていてまぁ普通に良い曲だね。片想いの気持ちを伝えられず、卒業写真を眺めては当時の感傷にふける主人公だが、実は当時彼女側も主人公の事を好きだったというオチ。リスナーだけが知る2人それぞれの想い。こりゃ切ない。何年前の話を思い返してるのか不明だが時を戻す事はできないわけで、「あの時告白していれば……」と何とも悲しい気持ちだけが残る。(2025/4/14更新)

おすすめ度:B
アルバム未収録

※随時更新中

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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