L’Arc~en~Ciel 全アルバム感想 #1 ~1993-2001~

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L’Arc~en~Ciel 全アルバム感想 #1 ~1993-2001~

こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー・田中(@kazeno_yukue)でございます。
この記事ではL’Arc~en~Cielの各アルバム感想・それぞれのおすすめ度を、発売順に記載してまいります。

1st DUNE

1993年4月10日(初回盤)
1993年4月27日(通常盤)
2004年4月21日(10th Anniversary Edition) 売上約6万枚

01.Shutting from the sky/02.Voice/03.Taste of love/04.Entichers/05.Floods of tears/06.Dune/07.Be destined/08.追憶の情景/09.As if in a dream/10.失われた眺め※1/11.Floods of tears(single version)※2/12.夜想花※2/13.予感※2

※1…通常盤追加収録
※2…10th Anniversary Edition追加収録

1stアルバム『DUNE』。インディーズ時期にリリースされた唯一のアルバム。

1993年4月10日に9曲限定で通信販売のみで1万枚限定リリース。同年4月27日には10曲目「失われた眺め」を追加収録した通常盤がリリースされた。この際にインディーズアルバムチャートで1位を獲得したとされる。

2004年4月21日にはメジャーデビュー10周年を記念し、新装盤『DUNE 10th Anniversary Edition』としてリリースされた。この際、全曲田中三一によるデジタル・リマスタリングが施されている他、インディーズ時代の92年11月に1000枚限定でリリースされていたシングル「Floods of tears/夜想花」、音楽雑誌「SHOXX」93年9月号付属CDに収録されていた「予感」の計3曲が追加収録された。「Floods of tears」「夜想花」は当時在籍していたドラマー・peroがドラムを担当している。

10th Anniversary Editionのリリースは僕が中学3年生の時だった。11年前のアルバムの再発という事だったけど、2004年から見る1993年というのは実際の数字以上に遥か遠い過去に感じられた。14歳から見る3歳の頃だからね。2014年から見る2003年とはワケが違うというか…。とにかく大昔の作品に感じたんだよね。

当時はリアルタイムで「READY STEADY GO」や「瞳の住人」がヒットしていて、仲間内でもプチ・ラルクブームが起きている最中(特に人気アニメ『鋼の錬金術師』タイアップのついた「READY STEADY GO」の人気ぶりは凄かった)だったので今作も確か聴いた(ラルクファンの友人が貸してくれた)のだが全く記憶に残っていない。

今回、中学時代以来久々に…というかほぼ初聴きな状態で今作を聴いてみたのだがやはり1曲も記憶に無かった。全盛期のようなガツンとしたサビがあるというワケでは無く、楽曲全体の雰囲気で魅せるというタイプの曲が多いからだろう。ラルク特有の世界観はこの時点で確立されている。ただやはり後のシングルのようなキャッチーな曲は無いので、後追いで聴くと大半の人が面食らうと思う。「シングル曲が好き」「ベスト盤が好き」という程度では、この世界観を受け止めるのは難しいようだ…。

おすすめ度:D+

2nd Tierra

1994年7月14日 売上約16万枚

01.In the Air/02.All Dead/03.Blame/04.Wind of Gold/05.Blurry Eyes/06.Inner Core/07.眠りによせて/08.風の行方/09.瞳に映るもの/10.White Feathers

2ndアルバム『Tierra』。1993年の前作『DUNE』から約1年3ヶ月ぶり。94年1月にビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビュー後、初のアルバムである。

シングル「眠りによせて」を収録。この曲は珍しいビデオシングルでのメジャーデビューであり、今作で初CD化となった。同年10月にはアニメ『D・N・A²~何処かで失くしたあいつのアイツ~』タイアップが付いた事で「Blurry Eyes」がリカット(6万枚)。初のシングルCDとなった。この際カップリングとして「Wind of Gold(Many Kind of Percussion Mix)」も同時にカットされている。

リリース当時は5週でチャートアウトした。その後97年1月から再び売れ始め70位~90位あたりをウロウロするようになり、最終的に99年2月まで断続的にランクインしていた。

メジャーデビュー後、初のアルバム。1曲目「In the Air」は大空を飛んでいるような開放感のある曲(どっかで聴いた記憶があるなぁと思っていたらベスト盤『The Best of L’Arc-en-Ciel 1994-1998』で既に知ってたんだよね)。「In the Air」を聴いた時はキャッチーさを感じたんだけど、アルバム全体の雰囲気はやはり前作『DUNE』と変わらない。優雅で耽美な世界観を堪能するという仕上がりで、メロディアス性を楽しむとか、全盛期シングルの方向性を期待して…とか、そういう目的だと全く刺さらないと思う。今作の中だとやっぱりシングルカットされる「Blurry Eyes」が頭二つくらい飛び抜けて良い曲だと感じる。聴き慣れてるってのもあるんだろうけどね。

GLAYの場合ははインディーズ(『灰とダイヤモンド』)→メジャー(『SPEED POP』)の変貌ぶりをかなり感じた(音の幅が格段に広がった、キャッチーさが増した等)んだけど、ラルクの場合は前作からあまり変化が無い。前作の時点で既にラルクの世界観は完成されていたという事なんだろうな…!

おすすめ度:C

3rd heavenly

1995年9月1日 売上約39万枚

01.Still I’m With You/02.Vivid Colors/03.and She Said/04.ガラス玉/05.Secret Signs/06.C’est La Vie/07.夏の憂鬱/08.Cureless/09.静かの海で/10.The Rain Leaves a Scar

3rdアルバム『heavenly』。1994年の前作『Tierra』から約1年2ヶ月ぶり。

ビデオシングル「and She Said」、シングル「Vivid Colors」(13万枚)を収録。「夏の憂鬱」はアレンジ変更が施され同年10月に「夏の憂鬱[time to say good-bye]」としてシングルカット(8万枚)された。

チャート初登場3位を獲得し、シングル・アルバム通じて初のトップ3入りを果たした。リリース当時は11月にチャートアウト。その後97年の1月より再びトップ100内に浮上するようになり、断続的に99年2月までランクインしていた。

前作『Tierra』、前々作『DUNE』と同じく、耽美で優雅なラルクの世界をご堪能あれというアルバム。同じことを書くけど全盛期シングルのような一発で耳に残るキャッチーさやメロディアス性は無い。やはりこの収録曲の中ではシングル「Vivid Colors」が最も良い曲に感じるしアルバム曲はそこまでグッと来るものが無いかなぁと…。シングルバージョンしか知らなかった「夏の憂鬱」はシンプルになっていてあまりパンチが無い。まさに原型って感じ。

ラルクの深いファンならばこの世界観に浸れるのかもしれないが、ライトリスナーからするとやはりまだまだ売れる前・ブレイク前という感じが強い。セールス自体は今作の段階ですでに40万枚と一気に伸びてるんだけどね。次回作で本格的に飛躍するイメージ。

おすすめ度:C

4th True

1996年12月12日 売上約142万枚

01.Fare Well/02.Caress of Venus/03.Round and Round/04.flower/05.”good-morning Hide”/06.the Fourth Avenue Cafe/07.Lies and Truth(“True”mix)/08.風にきえないで(“True”mix)/09.I Wish/10.Dearest Love

4thアルバム『True』。1995年の前作『heavenly』から約1年3ヶ月ぶり。

シングル「風にきえないで」(21万枚)「flower」(33万枚)「Lies and Truth」(30万枚)収録。

「the Fourth Avenue Cafe」はフジテレビ系アニメ『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』エンディングテーマに起用され、1997年3月26日発売でシングルカットが決定していた。しかし2月に当時のドラマー・sakuraが覚せい剤取締法違反で逮捕されたためシングル化は中止(バンド自体も事実上の活動休止状態に)。『るろうに剣心』エンディングテーマとしても僅か4話分使用されたのみで差し替えとなってしまった。結局sakuraは97年11月に脱退したので、今作はsakura在籍時最後のアルバムとなった。

MAXの『MAXIMUM』(初動45万枚)に阻まれ初登場時は2位。5週目で自身初の1位を獲得した。その後97年7月で一旦チャートアウトするも、シングル「虹」で活動を再開した10月に再びトップ100に浮上。98年の大ブレイクに伴い売れ続け、合計で110週ランクイン。最終ランクインは99年9月。結果的にシングル・アルバム通じて初のミリオンセラーを記録する大ヒットとなった。

2006年8月30日にラルク15周年を記念し1st~14thシングルがマキシ化再発売された際に、上記の理由でお蔵入りしていた「the Fourth Avenue Cafe」もラインナップに加わりシングルカットが実現した(5万枚)。

自身初のミリオンセラーアルバムだけあって、一気にキャッチーさが増して聴き易くなった。華があるというかね。1st『DUNE』から順番に聴いていくと、ようやくここでイメージ通りのラルクが始まった!という感動がある。プロデューサーを6人も迎えて制作に当ったという事もあり、実際メンバーも明確にチャートを意識して“売れる”作品を作ろうとして作ったらしい。なので当時としては逆に異色な一作だったのかもしれないが…。

1曲目の「Fare Well」はまさかのバラード。アルバムのトリとかに入っていそうな重たい曲だけど既に聴き易いし癖になる中毒性がある。そして2曲目「Caress of Venus」のイントロが始まった瞬間に全て持っていかれる。あのくるくる回るようなイントロはもはや発明である。やっぱ冒頭2曲のパワーが凄い。前作までのラルクの世界も残しつつ明確にヒット性も加わっているというね。また僕としては「I Wish」のクリスマスパーティー感が好き。チャイルドコーラスもうまく効いてるし。これまでのアルバムだったら浮いていたようなこの作風でも今作の中では自然にハマってると思う。まぁ先行シングル3曲の魅力は言わずもがなという事で。聴き終えると「良いアルバムだったなぁ」という印象が残るんですよね。

というワケで一気にポップさが増した今作はかなり好きな一作。いわゆる”売れ線”に行った事で当時賛否あったらしいんですが…(ブレイク期の作品に対してよくある意見ね)売れるものを作ろうとして実際に売れたってのがまず凄いと思う。やはりメンバー全員作家として天才なのだろう。

おすすめ度:B+

5th HEART

1998年2月25日 売上約155万枚

01.LORELEY/02.winter fall/03.Singin’ in the Rain/04.Shout at the Devil/05.虹(Album Version)/06.birth!/07.Promised land/08.fate/09.milkey way/10.あなた

5thアルバム『HEART』。1996年の前作『True』から約1年2ヶ月ぶり。

シングル「虹」(72万枚)「winter fall」(85万枚)収録。「虹」はアルバムバージョンとなっており、hydeによる間奏の語りがシングル時よりもはっきり聴こえるようになっている。またアコースティックギターの音が強調されているという。

1997年2月に当時のドラマー・sakuraが覚せい剤取締法違反で逮捕され、バンドは一時的に活動休止。10月にsakuraを除いた3人でシングル「虹」をリリースし活動を再開し、11月にsakuraが脱退。98年1月1日付で「虹」のサポートドラムを担当していたyukihiroが正式に加入した。故に今作はyukihiroが正式加入して最初のアルバムである。

復活作「虹」でこれまでのシングル最高の売上を記録。続く「winter fall」では自身初のシングルチャート1位を獲得し、「虹」をも上回る85万枚のセールスを記録した。その流れでリリースされた今作は前作『True』に続いて2作目のミリオンセラーを記録する大ヒットとなった。

ドラマーの逮捕、そして半年以上のブランク(活動休止)にも拘らず、休止前より人気が爆発するという異例の事態となった。普通のバンドだとこんなスキャンダルが発覚したら人気が急落しそうなものだが…。さすがラルクといった所か。

前作『True』で開花したキャッチーさは引き続き残っているが今作の方がややダークよりな感じがする。kenの曲が多めだったり、ジャケット写真が黒っぽい影響もあるのだろうか? この98年はシングルを7枚もリリースしどれも大ヒットさせた大ブレイクの年だけど、今作にはその内1作(「winter fall」)しか入っていないし本格的な旋風は次のシングル「DIVE TO BLUE」以降、というイメージがあるので今作にはあまり大ブレイク期のオーラ・98年のオーラは感じない、というのが本音かな。

ただ高校時代、バンドでコピーし文化祭で演奏した曲が3曲も(「Shout at the Devil」「Promised land」「milky way」)入っているので、そういう意味で思い入れは深い曲が多い。当時ラルクファンだったバンドメンバーの友人がこれらの曲をコピーしたい!と熱望してきた訳だが、今思えばかなりコアな選曲の文化祭だったなと思う。ちなみに僕はベース担当だったがtetsuのベースは難しく、自己流に簡易的にして本番を乗り切ったのはここだけの話。

おすすめ度:C+

6th ark

1999年7月1日 売上約227万枚
2006年12月13日(15th Anniversary Expanded Edition) 売上約4万枚

01.forbidden lover/02.HEAVEN’S DRIVE/03.Driver’s High/04.Cradle/05.DIVE TO BLUE/06.Larva/07.Butterfly’s Sleep/08.Perfect Blue/09.真実と幻想と/10.What is love/11.Pieces[ark mix]

6thアルバム『ark』。7thアルバム『ray』と同時発売。1998年の前作『HEART』から約1年5ヶ月ぶり。「ark(アーク)」とは「箱船」の意味。

この年に囁かれていた「1999年7の月、地球が滅亡する」という予言に合わせ「ノストラダムス大予言の日にアルバム2枚同時リリース!」という触れ込みでリリースされた。『HEART』以降に出された8枚のシングルを1枚に纏めたらただのベスト盤になってしまうというという理由から、このようなオリジナルアルバム2枚同時リリースに踏み切ったという。

前作以降にリリースされたシングルのうち「DIVE TO BLUE」(85万枚)「forbidden lover」(83万枚)「HEAVEN’S DRIVE」(112万枚)「Pieces」(73万枚)を収録。8月には「Driver’s High」(34万枚)がシングルカットされた。「Pieces」は最後サビ前のオーケストラアレンジが異なるアルバムバージョン(シングルではサビの前が一瞬無音になるがアルバムではそのままサビになだれ込む)。

ラルク人気が絶頂に高まっていた事、ヒットシングルが一気に収録された事等から初動153万枚を記録しチャート初登場1位。同時発売の『ray』と共に2週連続で1・2位を独占した。『ray』と共に自身初のダブルミリオンを突破し、ラルク最大のヒット作となった。99年度年間アルバムチャート5位。

2006年12月にはバンド結成15周年記念の一環で、『ray』と共に『ark 15th Anniversary Expanded Edition』として再発売された。この際は新たに当時のMVメイキング映像、関係者インタビュー、ライブ舞台裏等の様子を収録したDVDが付属している。

全盛期真っただ中の99年にオリジナルアルバムを2枚同時にリリースするというこの話題性、衝撃。200万枚を突破する大ヒットになったのはタイミングという面も大きかったと思う。

昔は『ray』はダーク寄りなのに対して今作はポップ寄りというイメージを持っていたんだけど、近年それは表面的な部分だけかもな…と思い始めた。「DIVE TO BLUE」や「Pieces」といったキャッチーなシングル群の影に隠れてアルバム曲は中々にマニアックだなぁ…という印象。yukihiro作曲の「Cradle」はどこがサビなのか?という淡々としたナンバーだし、tetsu詞曲の「Perfect Blue」は何故かハワイアン全開の異色曲。「シングルはしっかりヒットさせたから、アルバム曲では遊ばせて」という事なのだろうか。最大のヒット作にして、意外にもかなりの実験作とも言えるのでは。この中では「What is love」はどこか虚無感というか、世紀末感もありメロディアス性もありでベストなアルバム曲だと思った。

まぁ一見すると半ベストだし、後追いだとあまり手を伸ばしにくい作品かもしれない。しかし全盛期ラルクの大物感・無敵感というのを最も感じられるアルバムは今作であると思う。異色曲やヘンな曲でも、大ヒットシングルの隙間で聴くと流れで自然に受け入れられるというか。ベスト盤の類では味わえない、全盛期真っただ中のラルクがパッケージされた刹那的アルバムという楽しみ方がオススメ。僕としてはノストラダムスの大予言に熱狂した、99年夏のあの世紀末感が蘇るどこかロマンを感じる一作なのだ。

おすすめ度:B

7th ray

1999年7月1日 売上約213万枚
2006年12月13日(15th Anniversary Expanded Edition) 売上約4万枚

01.死の灰/02.It’s the end/03.HONEY/04.Sell my Soul/05.snow drop[ray mix]/06.L’heure/07.花葬/08.浸食~lose control~/09.trick/10.いばらの涙/11.the silver shining

7thアルバム『ray』。6thアルバム『ark』と同時発売。1998年の5th『HEART』から約1年5ヶ月ぶり。「ray(レイ)」とは「光」の意味。

前年の『HEART』以降にリリースされたシングルのうち「HONEY」(123万枚)「花葬」(105万枚)「浸食~lose control~」(93万枚)「snow drop」(114万枚)を収録。「snow drop」はミックス変更が施されたアルバムバージョン。

ラルク人気が絶頂に高まっていた事、ヒットシングルが一気に収録された事等から初動148万枚を叩き出し初登場2位(1位は同時発売の『ark』)。これは週間チャート2位となったアルバムの中で歴代最高の初動売上である。『ark』と共に自身初のダブルミリオンを突破し、2番目のヒット作となった。99年度年間アルバムチャート7位。

2006年12月にはバンド結成15周年記念の一環で、『ark』と共に『ray 15th Anniversary Expanded Edition』として再発売された。この際は新たに当時のMVメイキング映像、関係者インタビュー、ライブ舞台裏等の様子を収録したDVDが付属している。99年時とは異なりこの15th Anniversary Expanded Editionでは順位・売上共に『ark』を上回った。

後追いで2枚一緒に買ったんだけど(確か2003年位に)、最初は収録シングルのイメージで『ark』がポップ寄りで聴き易く、対照的に今作はダーク寄り、という感覚を抱いていた。初めて聴いた中学生当時はポップな曲=良い、ダークな曲=とっつきにくい…と思っていたので今作は買ったものの全然聴いていなかった(「snow drop」とか知ってる好きな曲はベスト盤で聴けるし)。

初めてしっかり聴いたら、これが意外にも(ダブルミリオンの作品に対して意外とは何じゃ…)名盤なのではないか?と感激をおぼえた。アルバム全体は「HONEY」や「花葬」の延長上にあるダークでヘビーな世界である事は確か。しかしヘビー=非キャッチーという事では無く、どれもダークな中にガツンと残る「うた」がある。1曲目の「死の灰」はタイトルからしていかにも暗そうだが、作曲がtetsuという事でやはりサビは中々にキャッチーである。「It’s the end」や「Sell my Soul」あたりも脇を固める佳曲。あと何といっても10曲目「いばらの涙」が名曲。『ark』のアルバム曲と合わせても唯一シングルに匹敵するクオリティではないかと思うしハードなんだけど切なさの入ったメロディーが素晴らしい。作曲家hydeの底力を見たという感じだ。

というわけでセールスとしては『ark』に及ばなかった今作であるが、アルバムとしての良さ・纏まりは圧倒的にこっちの方が上なのではないかと…。良い意味で大作感が無いというか、良い意味で200万枚も売れたアルバムに感じないんだよね(上手く言えないスマン…)。そこまで構えずにサラっと聴いても十分に良さを感じられると思うんだよな。

てかそもそも何で『ark』の方が順位・売上共に上だったんだろう。ミリオンシングルが3曲も投入されてるし、中でも「HONEY」は最大ヒット曲だし、収録内容の訴求力としては今作の方が強かったと思うんだけどね。やっぱジャケットがダーク過ぎてそこが敬遠されたんだろうか?

おすすめ度:A

リミックス ectomorphed works

2000年6月28日 約22万枚

01.larva(ectomorphed long mix)/02.trick(new² wave of japanese heavy metal mix)/03.花葬(0628 mix)/04.fate(everybody knows but god mix)/05.浸食~lose control~(ectoborn mix)/06.a swell in the sun(system in chaos mix)/07.l’heure(quiet afternoon mix)/08.cradle(down to the moon mix)/09.真実と幻想と(out of the reality mix #2)/10.metropolis(android goes to be a deep sleep mix)

リミックスアルバム『ectomorphed works』。1999年の6th『ark』7th『ray』同時発売から約11ヶ月ぶり。98年以降、シングルのカップリングでリミックス音源を担当していたドラム・yukihiroによる全面リミックスアルバム。全曲のリミックス及びプロデュースまでもyukihiroが手掛けている。

アルバムタイトルの「ectomorphed(エクトモーフト)」は「外質」を意味する「ecto」、「形態」を意味する「morph」を合わせたyukihiroによる造語で「外側から再形成する」という意図で付けられているという。

「larve」「a swell in the sun」「l’heure」は新規リミックス。他はこれまでのシングルのカップリングとして発表されてきた楽曲だが、yukihiroの「やり直したい」という思いから発表済みの楽曲も新たなリミックスが施されているという。故に全曲が新規音源である。

通常作品では無くリミックスアルバムという事で、流石に全盛期ラルクとはいえ前後作と比べて大幅にセールスは下がった。倉木麻衣の『delicious way』(初動221万枚)、平井堅の『THE CHANGING SAME』の2週目(21万枚)に阻まれ最高順位は3位。

リミックスに特化したアルバムなので当然ながら他の作品とは全く毛色が異なる。1曲目からいきなり7分以上あるインストゥルメンタルという事でまず挫けそうになる。2曲目も、そもそも原曲が既にリミックスっぽい「trick」だし中々キツイ。3曲目にようやくヒットシングル「花葬」が来るが、これも歌が解体されているというか、原曲の面影が無くなっているので安心できない。と、まぁこんな感じで「あれ?いつ本編始まるんだ?」と思っていたらいつの間にか聴き終えていたという感じ…。

全体的に作業用BGMとしてならそこそこ使えるかもしれないが、前のめりに楽しめる作品かと言われるとキツかった。今作に限らず、リミックスって原曲を変に改悪する謎アレンジというイメージがどうしても強いんですよね…。リミックスに造詣が深いリスナーならば楽しめるのかもしれないが僕のようなライトリスナーには難しいアルバムだった。

ただラストの「metropolis(android goes to be a deep sleep mix)」だけは普通に良い曲だな~と楽しめた。他の曲よりもリミックス色が薄めなのだろうか? 8thシングル「winter fall」のカップリングという事で、原曲を知らないまま聴いたというのが逆に良かったのか。この曲はかなり良いなと思えたのでそこだけが収穫であった。

このアルバムには苦い思い出があって…。中学1~2年位の時、うちの母親が「「花葬」が聴きたいからCD買ってきた」と言って中古で買ってきたのがなんと今作だったという…。当時は母も僕もリミックスなんて概念を知らなかったし、一応曲目に「花葬」と書いてあるから何も疑わず買ってきたのだろう。当時実際聴いてみて「何か違うような…」という感じがしたのは記憶しているがその後全く聴かず棚に封印してしまった(買った張本人である母すら全く聴かなくなった)。なので、一番最初に入手したラルクのCDは実は今作だった…という意外な事実を持っている。その後J-POPに本格的にハマり、自分の意志で初めて買ったのは『Clicked Singles Best 13』だった。

おすすめ度:E

8th REAL

2000年7月4日 売上約109万枚
2001年7月4日(SACD盤)

01.get out from the shell-asian version-/02.THE NEPENTHES/03.NEO UNIVERSE/04.bravery/05.LOVE FLIES/06.finale/07.STAY AWAY/08.ROUTE 666/09.TIME SLIP/10.a silent letter/11.ALL YEAR AROUND FALLING IN LOVE

8thアルバム『REAL』。同年のリミックスアルバム『ectomorphed works』から約2ヶ月ぶり。オリジナルアルバムとしては99年の前作『ark』『ray』から約1年1ヶ月ぶりであった。翌2001年7月には最初で最後となるSACD(Super Audio CD)盤でもリリースされている。

シングル「LOVE FLIES」(51万枚)「NEO UNIVERSE/finale」(110万枚)「STAY AWAY」(73万枚)に加え、カップリングから「get out from the shell」の全英語詞バージョンが収録された。

2週連続1位を獲得し、累計でミリオンセラーは記録したが、ダブルミリオンを突破するメガヒットとなった前作『ark』『ray』から比べると半分以上下げる結果となった。オリジナルアルバムでのミリオンは今作が最後である。

翌2001年、3月に初のベストアルバム『Clicked Singles Best 13』、9月にシングル「Spirit dreams inside-another dream-」をリリースした後、ラルクは長期の活動休止期間に突入した。なので今作は活動休止前最後のオリジナルアルバムとなった。次回オリジナル『SMILE』までは約3年7ヶ月の期間が空く事となる。

活動休止前最後のアルバムという事で、20世紀ラルクの締め、みたいな立ち位置の作品。オリジナルアルバムでのミリオンセラーは今作が最後なのでラルク全盛期最後の1作ともとれる。1曲目・2曲目が割かしハードな曲なので、アルバム全体の印象もロックな感じが強い。収録シングルは「NEO UNIVERSE」や「STAY AWAY」と、どキャッチーなんだけどね…。アルバム曲は結構マニアックな曲調が多いと思う。90年代の大ヒット期を駆け抜け、この辺りでバンドの作風・方向性を一旦見つめ直していた時期だったのかもしれない。この後、長期の活動休止に入ったのも納得できる。

アルバム曲ではtetsu作詞作曲の「bravery」が割かしキャッチー。更に歌詞が目を引く。〈昔はよかったなんて言わないで あのキラめく時の中の何を知ってるっていうのさ〉など、大ブレイクに伴うミュージシャンの葛藤や疲弊を匂わせるフレーズが目立つのだ。恐らく過去を顕著に美化する一部ファンへ向けてのメッセージ…と捉えて良いと思うのだが、これをバンドのリーダー・tetsuが書いているからねぇ。ブレイク後に闇堕ちするミュージシャンは多いけどラルクの場合は今作がそれに近い時期だったのかも。

おすすめ度:C+

1stベスト Clicked Singles Best 13

2001年3月14日 売上約124万枚
2009年9月2日(Blu-spec CD盤) 売上約0.2万枚

01.Blurry Eyes/02.flower/03.Lies and Truth/04.虹/05.winter fall/06.DIVE TO BLUE/07.HONEY/08.HEAVEN’S DRIVE/09.Pieces/10.Driver’s High/11.NEO UNIVERSE/12.STAY AWAY/13.Anemone

初のベストアルバム『Clicked Singles Best 13』。2000年の8thアルバム『REAL』から約7ヶ月ぶり。2009年9月にはBlu-spec CD盤でリリースされた。

Yahoo! JAPANとのジョイントによる特設サイトにてシングル全表題曲21曲を対象にファン投票を行い、ランキング上位12曲が収録された。更に13曲目には前年のドームツアー『TOUR 2000 REAL』で披露された新曲「Anemone」が収録されている。

投票は8つの国と地域(日本・中国・台湾・香港・タイ・シンガポール・マレーシア・フィリピン)で実施され、それぞれの地域での投票結果を反映しているため各国発売盤で収録曲が異なる。細かく言うと台湾盤では「snow drop」、香港盤では「finale」が収録されていたりする(いずれも「Lies and Truth」が弾かれた)。また韓国では2004年に日本語のCD販売が解禁された(第4次日本文化開放政策)事で、「夏の憂鬱[time to say good-bye]」「snow drop」の2曲を追加収録した形でリリースされた。

ちなみに日本発売盤では「Vivid Colors」「夏の憂鬱[time to say good-bye]」「風にきえないで」「花葬」「浸食~lose control~」「snow drop」「forbidden lover」「LOVE FLIES」「finale」のシングル9曲が外された事となる。

初のベストアルバムという事で難なくミリオンセラーを記録。前オリジナル『REAL』を超える売上を記録は記録したものの、オリジナル最大ヒット『ark』の売上には遠く及ばず自身5番目のヒットに留まった。現状ラルクで最後のミリオンセラー作品となる。

J-POPにハマり始めた中学生の頃(2002年位)、自分の意志で初めて買ったラルクのアルバムが今作だった。『CDTV』の過去ゲストライブ映像で「DIVE TO BLUE」と「NEO UNIVERSE」を聴いて「なんて良い曲なんだ…なに、ラルクアンシエル!?聞いた事ある名前だぞ!よし、ブックオフへGO!」という感じで、両方入ってる今作を問答無用で買ったのだ。なのでラルクとの出会いの作品が今作なので思い入れが深い。

収録曲を見てもらえば分かるが、初期シングルだけでなく「花葬」や「snow drop」といったミリオンヒット曲でも容赦なく外されている。なのでラルクで最初に今作を買った場合「入ってないあれも聴きたい、これも聴きたい」と必ずなる。故に未収録シングルの8cm盤を探してきて追加で買わなければならなかったりと、少々手間の残るベストだったという印象も同時にある。「風にきえないで」等初期の曲は存在自体を知らないままになってしまうとかね。

なので今作は90年代ラルクをダイジェスト的に楽しむ入門盤として割り切って捉えるしか無いかなと。代表シングルを駆け足で本当にギュッと詰めたらこうなるよ…という。楽曲自体はとにかく素晴らしいものばかりなのでね。2年後の2003年にはシングルを網羅したベスト『The Best of L’Arc-en-Ciel』シリーズ3作が出ているので、90年代のシングル曲を機械的に揃えたい場合はそっちの方が断然オススメ。

新曲「Anemone」はこのラインナップの中ではどうしても印象に残らない。まったりしたバラードだし。ただ最近になって改めて聴き直したら中々良い曲である事に気付けた。ベスト盤の新曲ってどうしても埋もれがちだから、フラットに受け取れるまで時間がかかるんだよな…。

おすすめ度:B+

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