SPEED 全アルバムレビュー・おすすめ度 ~『Starting Over』から『4 COLORS』~

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SPEED 全アルバムレビュー

こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー・田中(@kazeno_yukue)でございます。
この記事ではSPEEDの各アルバム感想・それぞれのおすすめ度を、発売順に記載してまいります。

1st Starting Over

1997年5月21日 売上約192万枚

【収録曲】
01.Walk This Way/02.Body & Soul/03.Luv Vibration/04.STEADY/05.RAKUGAKI/06.サヨナラは雨の日…/07.Go! Go! Heaven(Album Version)/08.I Remember/09.Kiwi Love/10.HAPPY TOGETHER/11.Starting Over/12.Starting Over(reprise)~Walk This Way

1stアルバム『Starting Over』。

シングル「Body & Soul」(63万枚)「STEADY」(127万枚)「Go! Go! Heaven」(66万枚)に加え、カップリングから「I Remember」「HAPPY TOGETHER」を収録。

沖縄アクターズスクール出身の4人組で、1992年に結成された8人グループ「BRAND-NEW KIDS」から選考された。95年に初めてテレビ出演した際は島袋寛子が小5、今井絵理子が小6、上原多香子が中1、新垣仁絵が中2であった。準レギュラーとして出演していた日本テレビの音楽バラエティー『THE夜もヒッパレ』内でグループ名を公募し、96年1月「SPEED」に決定。

96年8月に「Body & Soul」でデビューするといきなり60万超えの大ヒットを飛ばし、2nd「STEADY」で初のミリオン、3rd「Go! Go! Heaven」で初の1位を獲得するという大躍進の中で今作をリリース。結果的にダブルミリオンに迫る大ヒットを記録した。

今作が発売された1997年当時の僕は小学校低学年であり、J-POPには何の興味も無かったがSPEEDのシングル曲はどれも抜群に耳に残っていた。当時も大人っぽいと思っていたけど、今思い返してもこの頃とても小中学生だったとは思えない佇まいだ。一応はアイドルグループという位置づけになるんだろうけど2000年代以降にイメージされるアイドル像とは全く異なり、どこかアーティスト然とした存在感を放っていたように思う。

全体通してファンキーでブラックがかった曲調に若さ溢れるダイナミックな歌声が乗る。特に「Body & Soul」等でみられる島袋と今井の掛け合いは鳥肌モノである(上手い下手じゃなくとにかく凄いって感じ)。どの曲にもまさに上り坂、上昇気流の真っ只中!!というオーラがあり果てしなくエネルギッシュ。人気がピークを迎えてからの2nd以降には無い、この時期にしか出せなかった輝きと儚さに満ちた名盤だ。

当時は全く気付かなかったけど歌詞が結構過激で、中でも「RAKUGAKI」の〈超イケてる男なら It’s All Light ついていくよ Without Love〉〈ひとときのHappyでいい 消しゴムで消せる遊びなら…〉とか小中学生の少女に歌わせるにはヤバすぎる気がするんだけどメロの良さや勢いに押し上げられ全く違和感が無い。

アルバム曲ではラストの「Starting Over」がシングル以上の風格。〈もう一度始めよう この場所から〉〈終わりは始まり そう信じているから〉と、1stアルバムながらやがて訪れるグループの終焉を匂わせるようなフレーズが目立つ。元々SPEEDはこの97年当時から発展的解散を視野に入れて活動していたらしく、解散時に歌う事までも想定してこの曲を作り上げたのだろうか。解散ベスト『Dear Friends』でもこの曲だけあえて後期のラストに配置されているし。

おすすめ度:A

2nd RISE

1998年4月29日 売上約204万枚

【収録曲】
01.RISE/02.Sophisticated Girl/03.Another Sweet Field/04.Wake Me Up!(RISE Mix)/05.White Love/06.ラブリーフレンドシップ/07.Reset 99 to 00/08.Brand-New Weekend(Varick Street Mix)/09.熱帯夜/10.Too Young/11.my graduation(Album Version)/12.I’ll be all right/13.Street Life

2ndアルバム『RISE』。

シングル「Wake Me Up!」(67万枚)「White Love」(184万枚)「my graduation」(147万枚)に加え、カップリングから「熱帯夜」「Brand-New Weekend」を収録。初回限定盤はデジパック写真集付き。

1997年末の「White Love」が自身最大のヒットを記録。続く「my graduation」も自身2番目の大ヒットを飛ばし、世間的な人気・チャート的な売上共に絶頂を迎えている中で今作がリリースされた。

初動ミリオンを記録し最終的にダブルミリオンを突破する特大ヒット。オリジナルアルバム最大のヒット作となり、全体では同年発売のベスト盤『MOMENT』に次ぐ2番売上となった。98年度年間アルバムチャートでは9位(この年はB’z金銀ベスト、サザンベスト、ELT2ndや河村隆一1st等の特大ヒットが入り乱れており、200万枚を突破しても年間トップ10ギリギリというぶっ壊れたアベレージだった)。

相変わらず歌声は若さと勢い全開なんだけど、前作と比べてメロディーのキャッチーさは抑えられクールさが増したように思う。更に売上トップ2の「White Love」「my graduation」が放つ圧倒的大物感が凄まじく、他の曲はどうしても印象が薄くなってしまう。前作『Starting Over』と比べて今作にはイマイチハマらなかったのはそこら辺が原因だろうか。シングル曲とアルバム曲の落差が激しい。ただあくまでも前作と比べて微妙というだけで、SPEED史上最もアイドルらしく弾けている「ラブリーフレンドシップ」やどキャッチーなサビ+その他全て語りという強烈なバラード「熱帯夜」等、全盛期オーラをふんだんに纏ったアルバム曲は今作にも健在。

おすすめ度:B

1stベスト MOMENT

1998年12月16日 売上約231万枚

【収録曲】
01.White Love/02.ALL MY TRUE LOVE/03.STEADY/04.Wake Me Up!(growin’ up! mix)/05.ALIVE/06.Body & Soul/07.ナマイキ(愛Version)/08.Go! Go! Heaven/09.熱帯夜/10.Luv Vibration/11.my graduation/12.White Love(Christmas Standard)

SPEED初のベストアルバム『MOMENT』。

これまでのシングル8作に加え、アルバム・カップリングから3曲をチョイス。シングルでは前作『RISE』以降に出た「ALIVE」(96万枚)「ALL MY TRUE LOVE」(122万枚)がアルバム初収録。ラストには「White Love」のオーケストラアレンジバージョンが収録され、更にシークレットトラックとしてこのアレンジのインストバージョンも収録されている。

またも初動ミリオンを叩き出し、累計で前作『RISE』を上回り自身最大ヒット作となった。

僕がJ-POPに興味を持ったのが2002年であり、90年代を中心に様々なCDを集めていく中で「SPEEDをちゃんと聴いてみよう」と思って手にしたのが既に中古屋で投げ売り状態になっていた今作だった。なので個人的に思い入れの深いアルバムだが、この後アルバム1枚を出して解散となったので立ち位置が中途半端なベスト盤にもなってしまっている。

発売当時はデビューからのヒットシングル満載+最新ヒット「ALIVE」「ALL MY TRUE LOVE」のアルバム初収録、更に発売時期に合わせた「White Love」のクリスマスバージョンというトピックがあり問答無用の大ヒットとなったわけだが…。98年末当時の需要に最大限に答えた、タイトル通りまさにこの瞬間(MOMENT)に売れる事のみを目的として作られたバリバリの商業作品という印象が強い。

…なんてマイナスな事を書き綴ってきたけど、SPEEDの入り口として選ぶアルバムとしては現在でもかなりオススメの一作ではある。SPEEDのヒット曲・代表曲として語り継がれている曲たちはほぼこの時期までだったりするし、2作に分けられた解散ベスト『Dear Friends』と違って有名ヒットシングルを1枚にギュっと凝縮して聴けるという点も大きな魅力。時系列で無いぶんアルバムとしての流れも良いように思う。未だに久々にSPEED聴こうかなってなった時に手にするのは今作だし。僕の中でSPEEDは98年までと99年以降でどこか区切られている部分があるんだけどそれは今作の影響が強いのかも。現役時代のシングル制覇に拘るならば『Dear Friends』2作の方が良いけど、初心者が今作1枚で満足・完結してもそれはそれで良いんじゃないかなと感じる。

おすすめ度:A+

3rd Carry On my way

1999年12月22日 売上約88万枚

【収録曲】
01.Carry On my way/02.蒼いリグレット/03.Long Way Home(Album Edit)/04.Deep Blue&Truth/05.Luv Blanket/06.Breakin’ out to the morning/07.Snow Kiss/08.You are the moonlight/09.Lookin’ for Love/10.Precious Time/11.Two of us/12.Eternity/13.Confusion/14.Don’t be afraid

SPEEDの3rdアルバム『Carry On my way』。

シングル「Precious Time」(62万枚)「Breakin’ out to the morning」(58万枚)「Long Way Home」(61万枚)収録。

99年になるとメンバー個々の活動が本格化。3月に上原多香子、6月にHITOE’S 57MOVE(新垣)、8月にhiro(島袋)が相次いでソロデビューを果たした(今井は解散直前の00年3月にEriko with Crunchとしてソロデビュー)。

そんな中10月5日にSPEED解散発表が行われ、2000年3月31日を持って解散する事を表明。11月20日から解散決定により急遽決定されたファイナルツアー『SPEED DOME TOUR 1999 REAL LIFE』が開催。このツアー終了直前に今作がリリースされた。ベスト盤含めてデビューから4作連続1位は獲得したものの、98年末までの勢いが嘘のように売上は低迷。初のミリオン割れとなりこの時点でのアルバム最低売上となった。

宇多田ヒカルやMISIAの登場によって音楽シーンがガラリとR&B色に変わっていった混沌の世紀末。SPEEDもその流れに乗ったのか、これまでのような元気さ、全開さは影を潜め全体的にR&B調のクールな作風に変貌している。ジャケットも前2作と比べて一気に大人の女性感が漂っているし(それでもまだ全員10代なんだけどね)、何だか一気に落ち着いちゃったような印象だ。

確か05~06年頃に中古で『Starting Over』と『RISE』を買った流れで今作も買った…と思うんだけど、その2作と比べて何故か全く聴いた記憶が無く長らく本棚に眠っていた。当時多分このクールな曲調に挫けてCD止めちゃったのかなぁ…。今回改めて聴いてみたけどやはりこのR&B系のクールナンバー連発はキツイものがある。馴染みにくいな~と思った表題曲「Carry On my way」もアルバム全て聴き終えるとまだキャッチーな部類だったんだなと思えるし。そんな中「Snow Kiss」なんかは中々の名曲だと感じたものの、やはりアルバム全体の印象は薄味だ。

おすすめ度:C

2ndベスト SPEED THE MEMORIAL BEST 1335days Dear Friends 1

2000年3月29日 売上約50万枚

【収録曲】
01.Body&Soul/02.STEADY-Atlanta Mix-/03.Happy Together/04.I Remember/05.Go! Go! Heaven/06.Kiwi Love-“Dear Friends” House Remix ’00-/07.コケティッシュDreamin’/08.Wake Me Up!-RISE Mix-/09.White Love/10.My Lonely Habit/11.ラブリーフレンドシップ/12.my graduation-Album version-/13.「おやすみ・・・・・」-Good Night Kiss version-
未発表曲

2ndベストアルバム『SPEED THE MEMORIAL BEST 1335days Dear Friends 1』。

『Dear Friends 2』と2作同時発売で今作は前期に当たる。タイトルの1335daysとはデビューから解散までの日数。今作発売直後の00年3月31日の「ミュージックステーション」にてファイナルライブを行いSPEEDは解散した

今作は活動前期の楽曲をセレクトしており未発表曲2曲、既存曲のミックス・バージョン違い等も収録されている。1998年末に出たベスト『MOMENT』からまだ1年4か月程しか経っていなかった事もあってか、2作共ここまでの最低売上を記録した。

オリジナルアルバム3枚に対してベスト2枚という少々選び過ぎな発売スタイル、更に前ベスト『MOMENT』の存在もあるので色々と難しい所だが、SPEEDの3年半をヒストリー的に一気に追うのであればやはりこの2作が最適だろう。

前期に当たるこの時期は特に若さと勢いに溢れていてシングル曲はどれも圧倒的貫録を放っている。また勢いだけでなく楽曲のクオリティも素晴らしい。当時の僕は小学校低学年でありJ-POPに興味は無かったけどどのシングルも強烈に耳に残っていた。伊秩弘将というプロデューサーはSPEED以外では94年に中西圭三らとICE BOXという期間限定ユニットを組んでいた位の知識しか無いけど間違いなく作家として天才だったと思う。

シングル以外の曲に関しては『MOMENT』の存在に配慮したのか「Luv Vibration」や「熱帯夜」は外され、替わりに未発表曲やカップリング等が収録されている。どちらも名曲なだけにここは被りを気にせず、いっそ『MOMENT』の価値をゼロにする位の気持ちで収録して欲しかった所だ。未発表曲やカップリング群も悪くは無いんだけど、ライトリスナー的にはシングルとの落差がかなり大きいと感じてしまう。ここは『MOMENT』と丸被りでも良かったんじゃないかな。

おすすめ度:A

3rdベスト SPEED THE MEMORIAL BEST 1335days Dear Friends 2

2000年3月29日 売上約52万枚

【収録曲】
01.Back to the Street-リトルワールドへの想い-/02.ALL MY TRUE LOVE/03.ALIVE/04.Secret Eyes/05.Up To You!/06.Precious Time/07.Too Young-Millennium Remix-/08.Breakin’ out to the morning/09.季節がいく時/10.Long Way Home-Single version-/11.Starting Over/12.Starting Over-reprise-~Walk This Way/13.April-Theme of “Dear Friends”-
未発表曲

3rdベストアルバム『SPEED THE MEMORIAL BEST 1335days Dear Friends 2』。

『Dear Friends 1』と2作同時発売で今作は後期に当たる。タイトルの1335daysとはデビューから解散までの日数。今作発売直後の00年3月31日の「ミュージックステーション」にてファイナルライブを行いSPEEDは解散した

今作は活動後期の楽曲をセレクトしており、未発表曲が3曲収録されている。またラストは1stアルバム『Starting Over』の表題曲「Starting Over」に戻るという構成になっている。『Dear Friends 1』と比べてこちらの方が僅かに売れたものの椎名林檎『勝訴ストリップ』(初動90万)、モーニング娘。『3rd-LOVEパラダイス-』(初動57万)の壁は厚く最高順位は3位に終わり、『Dear Friends 1』と共に当時の最低売上を大幅更新した。

オリジナルアルバム3枚に対してベスト2枚という少々選び過ぎな発売スタイル、更に前ベスト『MOMENT』の存在もあるので色々と難しい所だが、SPEEDの3年半をヒストリー的に一気に追うのであればやはりこの2作が最適だろう。

特に後期に当たる今作は(「ALIVE」「ALL MY TRUE LOVE」こそ被っているものの)『MOMENT』の続きとして聴ける部分もある。映画『ドラえもん のび太の宇宙漂流記』主題歌だった「季節がいく時」(「Precious Time」C/W)を忘れずに収録してくれているのも嬉しいし、クライマックスには1stアルバム収録の「Starting Over」に戻るという粋な構成となっていて総括のベスト盤としてはかなり感動的な流れになっている。更にその後の未発表曲「April-Theme of “Dear Friends”-」はSPEEDバラードの集大成とも言える珠玉の名曲である。前期と合わせていくつか収録された未発表曲の中でも頭一つ抜けた曲であり締めとしては非常に良い。

前期と比べて若干大人びた曲も見えセールス的には落ち着いてきたこの時期だが、最初の解散まで結局は3年半しか活動しておらずその中での後期というだけなのでまだまだ若さも勢いも感じ取れる。この解散時でも島袋が15歳、今井が16歳という驚異的な若さだったし。

おすすめ度:A+

1stライブ SPEED MEMORIAL LIVE “One More Dream” +Remix!!!

2001年12月19日 売上約8万枚

【収録曲】
01.Opening~ALL MY TRUE LOVE/02.STEADY/03.Wake Me Up!/04.ALIVE/05.Carry On my way/06.White Love/07.Body & Soul/08.Go! Go! Heaven/09.One More Dream/10.ラブリーフレンドシップ/11.my graduation/12.ALL MY TRUE LOVE-Za downtown weekend mix-/13.STEADY-Za downtown smoove mix-/14.White Love-Gospel mix-

1stライブアルバム『SPEED MEMORIAL LIVE “One More Dream” +Remix!!!』。

解散の翌年である2001年の8月21日、一夜限りの再結成を発表。同年10月6日、阪神・淡路大震災からの復興をアピールする「See阪神・淡路キャンペーン」目玉イベント「淡路夢舞台スーパーフラワーズライブ2001」の初日に登場し解散後初、一夜限りの再結成となった。その際のライブ音源を収録した自身初のライブアルバムが今作である。

「One More Dream」は「See阪神・淡路キャンペーン」ソングとして書き下ろされ、12月12日に10万枚限定でリリースされたシングル曲でありこのライブでは一足早く披露されていた(この曲はライブバージョンが今作に収録されたのみで原曲はアルバム未収録)。ライブ音源は11までであり、12~14は既存曲のリミックスを収録。完全限定生産であり、収益金の一部は難民支援の義援金として寄付された。

解散が2000年3月でありこの再結成ライブは翌01年の10月。ブランク僅か1年半での再結成という事でまだまだ現役時のオーラというか勢いは保たれている感じがする。アイドルのライブだがガッツリ生歌・生演奏という事で聴きごたえは抜群。観客の大歓声もしっかり収録されておりライブならではの熱狂を感じ取れるのも大きな魅力だ。イントロが流れるたびに巻き起こる大歓声は問答無用でテンションが上がる。「my graduation」の2番Bメロで今井が感極まって歌えなくなる等、生ならではの要素もグッとくる。解散後とはいえ新垣以外の3人はまだ10代であり、自己紹介やMCでの弾けた感じや声にはまだあどけなさが残っていて新鮮。

この01年の再結成は限定シングル1枚のリリースとこのライブ位だったようなので、当時の活動を熱狂と共に記録した今作の存在はかなり貴重だと思われる。ただ当時の時流に合わせて収録されたであろうラストのリミックス3連発は蛇足だったかなと…。サラッと流れて行ってしまい全く印象に残らなかった。

おすすめ度:B+

4th BRIDGE

2003年11月27日 売上約9万枚

【収録曲】
01.Be My Love/02.Stars to shine again/03.Cryin’/04.Walking in the rain/05.Need Your Hands,Tonight/06.WAY TO GO!/07.Bridge to Heaven/08.KISS/09.君とまた逢える日を/10.Still Blowing/11.華/12.四ツ葉のクローバー/13.WITH…

4thアルバム『BRIDGE』。

2003年4月8日、「Save the Children 一緒に、始めよう。プロジェクト」を発足。日本全国に募金を呼びかけるキャンペーンのメッセンジャーとして、2度目となる期間限定(2003年のみ)の再結成となった。

8月にシングル「Be My Love」(12万枚)リリース。9月~11月に期間限定全国ツアー「Save the Children SPEED LIVE 2003」開催。11月27日に今作がリリースされ、同時発売でシングル「Walking in the rain/Stars to shine again」(2万枚)もリリースされた。CCCDでの発売となり、初回生産分は紙製スリーブケース仕様。

今回もチャリティー先導の期間限定再結成だったが、01年の時と異なりシングル2枚にアルバム1枚(今作)に全国ツアー、更にテレビの音楽番組にも積極的に出演していて限定といえどもかなり本格的な再結成だった。

僕は2002年からJ-POPにハマり出したので、リアルタイムでSPEEDに触れたのはこの03年が最初であった。「Be My Love」プロモーション時、島袋と今井はまだ19歳という若さだったにも関わらず、画面を通して観るSPEEDは既に大御所の貫録を放っていたのを覚えている。

今作では初めて伊秩弘将と水島康貴以外の作家による楽曲が収録された事に加え、現役時は歌の面で殆ど出番が無かった上原と新垣がメインを務める曲も登場したりと大きな変化がある。現役時のような若さ全開路線とは異なり4人のハーモニーで魅せるような楽曲が多い。ただそれ故に全体的に抑えめで優しい曲調が続く(特に後半)ので最後の方はダレてしまう所もあるかもしれない。Tommy february6提供のキラキラポップ「Stars to shine again」(島袋と上原メイン)や珍しくハードな「Bridge to Heaven」のようなフックのある曲がもう1、2曲欲しかった。

余談だがCHARA提供で上原・新垣がメインを務めた「KISS」がモロにCHARAっぽいねっとりした歌い方になっていて驚愕した。これはもうモノマネの域に入ってると思うが…。それとも現役時は目立たなかったが実はこれこそが上原・新垣のボーカルスタイルなのだろうか?(そんな事は無いだろう)。

おすすめ度:C+

2ndライブ BEST HITS LIVE~Save The Children SPEED LIVE 2003~

2004年2月11日 売上約1万枚

【収録曲】
01.Be My Love/02.Go! Go! Heaven/03.STEADY/04.ALL MY TRUE LOVE/05.Snow Kiss(Unplugged)/06.my graduation(Unplugged)/07.ALIVE/08.Walking in the rain/09.Long Way Home/10.Stars to shine again/11.BODY & SOUL/12.White Love/13.Breakin’ out to the morning/14.Wake Me Up!/15.熱帯夜

SPEEDの2ndライブアルバム『BEST HITS LIVE~Save The Children SPEED LIVE 2003~』。

2度目の再結成をした2003年の9月~11月に行われた全国ツアー「Save the Children SPEED LIVE 2003」でのライブ音源を収録。CCCD(コピーコントロールCD)での発売であり、初回生産分は紙製スリーブケース仕様。再結成は03年限定であり今作発売時には既に活動を終了していた事もあってか、アルバムでは自身初のTOP10落ちとなった。

前回のライブ盤『SPEED MEMORIAL LIVE “One More Dream” +Remix!!!』からは2年程経っているが急激に声が大人っぽくなっている印象。年齢的に10代後半から20代突入という一つの区切りを迎えていたというのもあるんだろうけど連続で聴くとその違いが分かる。原曲の元気いっぱいな感じは無くなり、高音がちょっと苦しげに聴こえてしまう部分があるのがやや残念(それでも十分上手いんだけどね)。

曲目も前作と被っているのが多く、どうしても『SPEED MEMORIAL LIVE “One More Dream” +Remix!!!』と比べると勢いに欠けてイマイチかな…と思ってしまう。そんな中「Snow Kiss」と「my graduation」のアンプラグドバージョンは派手だった原曲を落ち着いたアレンジにする事でよりメロディーの良さが引き立っていて収穫だった。

おすすめ度:C

セルフカバーベスト SPEEDLAND-The Premium Best Re Tracks-

2009年8月5日 売上約10万枚

【収録曲】
01.Long Way Home/02.あしたの空/03.Body & Soul/04.STEADY/05.Wake Me Up!/06.ALIVE/07.White Love/08.Snow Kiss/09.Breakin’ out to the morning/10.熱帯夜/11.ALL MY TRUE LOVE/12.Precious Time/13.Go! Go! Heaven/14.my graduation

SPEEDのセルフカバーベストアルバム『SPEEDLAND-The Premium Best Re Tracks-』。

2008年8月31日の「24時間テレビ」出演を期に、期間を定めない完全復活を宣言してから初のアルバム。デビュー13周年を記念した作品でもあり、発売日は96年の1stシングル「Body & Soul」発売日に合わせている。

現役時の全シングル11曲+アルバム&C/Wから2曲を選出しこれらは全てリテイクされている。更に08年11月の完全復活後初シングル「あしたの空」(7万枚)を加えた全14曲。09年5月にリリースされていた最新シングル「S.P.D」は未収録となった。PVやスペシャル映像を収録したDVD付とCDのみの2形態でのリリース。

解散時の3rdベスト『SPEED THE MEMORIAL BEST 1335days Dear Friends 2』以来9年半ぶりにTOP3入りを記録したが、コブクロ『CALLING』(初動23万枚)に及ばず最高順位は2位だった。今作を引っ提げて09年9月から全国ツアー「FamilyMart presents SPEED LIVE 2009 -Welcome to SPEEDLAND-」を開催。

往年のヒット曲をセルフカバーしたアルバムだが基本的には原曲のエッセンスはそのままにアップグレードしたような感じで大きな違いは無い。アレンジャーが変更された「Long Way Home」「Wake Me Up!」「Snow Kiss」は割と変化しているが、それでも「何じゃこりゃ…!?」とのけぞるような改悪はされていないので安心して聴く事が出来る。個人的に好きな曲ではあるもののそこまで原曲バージョンに馴染みが薄い「Snow Kiss」なんかは今作のテイクの方がどっしりしてて良いんじゃないか?と思った程だ。

代表曲たちは流石に現役時のような元気さ、全開さは失われているものの勢いが格段に落ちたとか無理している感じは無くて好印象。セルフカバーの妙とかアレンジ違いを楽しむという類の仕上がりでは無いのでファンからは「変化無さすぎ」という声もあるかもしれないけど、2009年当時SPEEDの魅力を世間に再度印象付けるには十分な作品だったと思う。

おすすめ度:B

5th 4 COLORS

2012年11月14日 売上約1万枚

【収録曲】
01.WORLD DANCE/02.リトルダンサー/03.ヒマワリ-Growing Sunflower-/04.SURPRISE/05.PRIDE feat.大神:OHGA -Original ver.-/06.S.P.D/07.Stay Miracle/08.Unlucky X’mas/09.Let’s Heat Up!/10.指輪/11.あしたの空/12.4 Colors/13.FAMILY

5thアルバム『4 COLORS』。2003年の『BRIDGE』以来9年ぶり、08年の完全復活後では初のオリジナルアルバムにして現状SPEEDの最終アルバム

シングル「S.P.D」(2万枚)「ヒマワリ-Growing Sunflower-」(2万枚)「指輪」(1万枚)「Let’s Heat Up!」(1万枚)「リトルダンサー」(1万枚)収録。また復活後第1弾シングル「あしたの空」は09年のリテイクベスト『SPEEDLAND-The Premium Best Re Tracks-』に収録されていたが今作にも再び収録されている。2DVD付、DVD付、CDのみ、ファンクラブ限定盤の形態でリリース。

この時点での(そして現状でも)最新シングル「リトルダンサー」の発売が11年8月であり、そこから1年数か月経っていきなり今作がリリースされた。メンバー稼働によるプロモーションも一切行われなかったのでオリジナルアルバムで初めてTOP10入りを逃す事態となり、そのまま自己最低順位、最低売上を更新した。

翌13年に新垣が結婚し、その際所属事務所との契約を更新せず退所していた事が判明し特に表明も無いまま事実上、2度目の解散状態となった。15年には島袋と今井で新ユニット「ERIHIRO」を結成するも活動はシングル1枚のみ。16年には今井が参議院議員選挙に立候補を表明しそのまま当選して議員になったのでSPEEDデビュー20周年の年だったにも関わらず何も音沙汰が無かった。

本格再結成後のSPEEDにはリアルタイムで何故か興味が湧かず、音楽番組等でシングル曲を耳にする事はあってもレンタルや購入にまでは至らなかった。今回、改めて1stから聴いて行って初めて今作を手にしたわけだけどこれが意外と良くて驚いた。今回はメインプロデュースをBENNIE KのYUKIが務めているのだがSPEEDと相性が良いのかYUKIの能力が高いのか全体的に勢いがあり聴きごたえがある。またYUKI以外の作家の曲も適度にキャッチーで申し分ない。やっぱりテレビでサラッと聴いた位で判断しちゃダメだと言う事か。年月を経た事で出せた貫録の一作というよりはまだまだ行けるぜ的な爽快さを感じる一作だったので、事実上の解散状態となっている現状は非常に惜しい…。

おすすめ度:B

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