【アルバム感想】『葡萄』サザンオールスターズ

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葡萄 サザンオールスターズ

葡萄(通常盤)

収録曲

01.アロエ
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ・曽我淳一、弦編曲:島健)
02.青春番外地
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:曽我淳一・山本拓夫)
03.はっぴいえんど
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健)
04.Missing Persons
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ)
05.ピースとハイライト
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:原由子・山本拓夫)
06.イヤな事だらけの世の中で
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ)
07.天井棧敷の怪人
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:島健)
08.彼氏になりたくて
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健)
09.東京VICTORY
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ)
10.ワイングラスに消えた恋※原由子ボーカル曲
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管弦編曲:島健)
11.栄光の男
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ)
12.平和の鐘が鳴る
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健)
13.天国オン・ザ・ビーチ
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管弦編曲:曽我淳一)
14.道
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ)
15.バラ色の人生
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ)
16.蛍
(作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管弦編曲:島健)

データ

2015年3月31日、初登場1位
初動30.0万枚、売上53.8万枚、登場43週
Produce:サザンオールスターズ
ビクター

作品概要

サザンオールスターズの15thアルバム『葡萄』。2005年の前作『キラーストリート』から9年半ぶりのアルバム。

2008年夏に無期限活動休止を宣言し、13年に再開。今作には13年の活動再開後に出されたシングル「ピースとハイライト」(1位 37.4万枚)「東京VICTORY」(1位 13.9万枚)を収録。活動休止前のシングル「DIRTY OLD MAN~さらば夏よ~」「I AM YOUR SINGER」は未収録となった。「ワイングラスに消えた恋」は原由子ボーカル曲。

完全生産限定盤A(特製Tシャツ、桑田による全曲解説や写真等で構成された「葡萄白書」、年越しライブの模様を厳選して収録したDVD)、完全生産限定盤B(AからTシャツを除いた内容)、通常盤、アナログ盤の4形態で発売。限定盤A、Bは予約していないと店頭では入手困難な状況となった。

感想

08年の無期限活動休止以前はひたすら売れ線全開なお祭り系ナンバーが目立っていたが、今作では趣向が変わり割りと落ちついたどこか情緒のある作風になっている。大々的に復活を宣言したシングル曲「ピースとハイライト」にしても派手さはあるものの、世界情勢や歴史問題をテーマにしたメッセージ性の強い歌詞になっていてこれまでのお祭りナンバーとは一線を画す。付属の『葡萄白書』の桑田のコメントでは「その気になれば「夏だ、サザンだ!!」みたいな曲も書けたけどあえて刺激のあるテーマを投げる事で自分の世代と若い世代とを繋げたかった」との事で、人生の折り返し地点を過ぎた熟年者の立ち位置で今作が作られた事を窺わせる。全体的に歌謡曲的な要素が強いもののそれ一辺倒な印象も無く聴き応えは抜群にあるのでかなり満足だし、10年ぶりという期待値を飛び越えた傑作。現在のサザンだからこそ生み出せた2010年代の名盤であろう。今作のベストトラックはアナログ世代の悲哀を歌った「バラ色の人生」。特に〈恋の波動で胸を焦がして 完璧すぎる世間を嗤ってやりたいな〉〈みんなが集まる架空の広場(“SNS”)で このバラ色の人生を分けてあげたいな〉のフレーズが胸に染みた。

おすすめ度★★★★★

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