嵐 歴代アルバム感想&おすすめ度 #2 ~2010-2015~

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嵐 歴代アルバム感想 #2 ~2010-2015~

こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー・田中(@kazeno_yukue)でございます。
この記事では嵐の各アルバム感想・それぞれのおすすめ度を、発売順に記載してまいります。

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9th 僕の見ている風景

2010年8月4日 売上約113万枚

DISC.1 収録曲

01.movin’on/02.マダ上ヲ/03.リフレイン/04.Troublemaker/05.T.A.B.O.O(櫻井翔)/06.サーカス/07.ギフト/08.Everything/09.Come back to me(松本潤)/10.マイガール/11.Magical Song(相葉雅紀)/12.let me down

▼DISC.2 収録曲

01.Monster/02.Don’t stop/03.静かな夜に(大野智)/04.むかえに行くよ/05.1992*4##111(二宮和也)/06.空高く/07.kagero/08.Summer Splash!

9thアルバム『僕の見ている風景』。

前年のベストアルバム『5×10 All the BEST! 1999-2009』以来となるアルバム。オリジナルアルバムとしては2008年の『Dream “A” live』以来約2年4ヶ月ぶり。初回盤はプレミアムパッケージ・60ページブックレットが付属。

シングル「Everything」(43万枚)「マイガール」(56万枚)「Troublemaker」(70万枚)「Monster」(70万枚)収録。7月に発売されたばかりだったシングル「To be free」は未収録(次回作『Beautiful World』に持ち越し)。

初動で73万枚を売り上げ、その時点で嵐のオリジナルアルバムで最高のセールスとなった。結果的に100万枚を突破し、ジャニーズ歌手のオリジナルアルバムでは97年のKinKi Kids『A album』以来2作目のミリオンセラー。かつジャニーズ歌手のオリジナルアルバムで最大の売上となっている。また2枚組オリジナルアルバムでのミリオンとしては94年のB’z『The 7th Blues』、05年のサザンオールスターズ『キラーストリート』に続いて史上3組目であった。

2010年度年間アルバム1位となり、前年の『5×10 All the BEST! 1999-2009』に続いて2年連続での年間首位達成となった。2019年には翌年いっぱいでの活動休止を発表した影響で再ランクインする現象が起きた。

2008年の大躍進、2009年のベスト盤特大ヒットを経てすっかりジャニーズ界の王者となった嵐の貫禄を感じさせるアルバムである。代表曲となった「Troublemaker」や「Monster」はそれだけでアルバム全体の印象を引っ張り上げる存在感がある。またシングルだけでなくアルバム曲も非常にキャッチーなものが揃っている。特に当時ミュージックステーション等で披露されていた「movin’on」は良メロとカッコ良さが両立した名曲である。

他にも王道ポップスやバラードからスタイリッシュなナンバーまでアルバム曲以上シングル曲未満みたいな曲が幅広く連発されるので、ジャニーズソングが好きな人はまずハズさないアルバムであると思う。これまで別DISCになっていたソロ曲が今回は全体に散りばめられているので曲数が多いが、それでもダレずに聴けた。これが全盛期特有の勢いというヤツなのか…。僕としては大野ソロ「静かな夜に」がお気に入り。あと二宮のソロ曲は「とくべつ」と読むらしい。

ちなみにDISC.1が12曲、DISC.2が8曲という妙な構成になっているがこれの意図は不明。それぞれにコンセプトがあるという訳でもないしDISC.1が本編でDISC.2はおまけみたいな事も無い。何故こんなアンバランスな曲数にしたのだろうか。

おすすめ度:A

僕の見ている風景 / 嵐

10th Beautiful World

2011年7月6日 売上約93万枚

▼収録曲

01.Rock this/02.まだ見ぬ世界へ/03.Love Rainbow/04.always/05.Shake it!(松本潤)/06.虹のカケラ~no rain, no rainbow~/07.Dear Snow/08.Hung up on(大野智)/09.Joy/10.どこにでもある唄。(二宮和也)/11.negai/12.Lotus/13.「じゃなくて」(相葉雅紀)/14.morning light/15.To be free/16.このままもっと(櫻井翔)/17.果てない空/18.遠くまで

10thアルバム『Beautiful World』。前作『僕の見ている風景』から約11ヶ月ぶり。初回盤はスペシャルパッケージ、48ページオリジナル歌詞ブックレット付属。

シングル「To be free」(52万枚)「Love Rainbow」(62万枚)「Dear Snow」(59万枚)「果てない空」(69万枚)「Lotus」(62万枚)収録。

11月28日にはセブンネットオリジナル盤がリリースされた。こちらにはシングル5曲が収録されておらず、替わりに嵐メンバーが自作した新曲「エナジーソング~絶好調超!!!!~」がラストに入っている。更にセブンネット限定フェイスタオル付き。

前作『僕の見ている風景』でオリジナルアルバム初の100万枚超えを記録したが、今作は93万枚でストップしミリオンには至らなかった。2011年度年間アルバム1位となり、松任谷由実(1989年~1991年)以来である3年連続の年間首位達成となった。2019年には翌年いっぱいでの活動休止を発表した影響で再ランクインする現象が起きた。

前作の延長線上のような一作。2011年のアルバムなんだけど入っているシングル5曲のうち「Lotus」以外の4曲が2010年の曲なので、全体的に2010年の空気が残っているというか…。

前年~2011年頭までは短いスパンでシングルが連発されていたが多過ぎて印象が被ったり区別がつかなくなるという事は無く、どれも素晴らしい名曲だ!と感動していたのを覚えている。ジャニーズにありがちな飛び道具的な曲が無くどれも王道J-POP風味の極上ポップスばかりだったのが良かった。他のグループに比べて明らかに嵐だけ良い曲があてがわれているような気さえしていたし…。インパクトという意味では薄いかもしれないけど、それでもシングルに関してはとにかく名曲だらけの絶頂期だったと思う。

アルバム曲は「まだ見ぬ世界へ」「遠くまで」辺りがシングル級。あと「虹のカケラ~no rain, no rainbow~」も抑え目のアレンジながら良メロポップスで良い。それ以外は正直前作の方がアベレージが高かったかなーと思うけどまぁそこそこの佳曲が並んでいる印象。ただ前作は全盛期特有のオーラでダレずに全編聴けたんだけど、今作では各ソロ曲でちょっとつっかえるかなぁ…。以前のようにソロ曲だけ別DISCにしてもらえるとより1曲1曲が映えただろうなと思う。

あと前作辺りから作詞作曲クレジットにコードネームのような謎の表記が増えてきたけどこれらは一体誰なんだ? 100+、iiiSAK、Octobar、QQとかの皆さんは本当名曲ばかりを作っておられるが個人なのかユニットなのかもよく知らない。そんな中「Dear Snow」の作曲では元WANDS(第1期・第4期在籍)のキーボード・大島こうすけが登場しており驚くと同時にあぁ、やっと知ってる人がクレジットに来た…と妙に安心した。

おすすめ度:B

Beautiful World / 嵐

11th Popcorn

2012年10月31日 売上約95万枚

収録曲

01.Welcome to our party/02.駆け抜けろ!/03.ワイルド アット ハート/04.Face Down/05.We wanna funk, we need a funk(松本潤)/06.two(大野智)/07.Waiting for you/08.楽園(相葉雅紀)/09.旅は続くよ/10.それはやっぱり君でした(二宮和也)/11.迷宮ラブソング/12.Your Eyes/13.Fly on Friday(櫻井翔)/14.Cosmos/15.証/16.Up to you

嵐の11thアルバム『Popcorn』。2011年の前作『Beautiful World』から1年3か月ぶり。初回盤はスペシャルパッケージ仕様でステッカーの他オリジナル絵本『愛と勇気のポップコーン~Popcornができるまで~』が付属する。

シングル「迷宮ラブソング」(64万枚)「ワイルド アット ハート」(65万枚)「Face Down」(62万枚)「Your Eyes」(55万枚)収録。また「駆け抜けろ!」は相葉・大野出演の日産自動車『セレナS-HYBRID』CMソング、「証」は日本テレビ系『ロンドンオリンピック2012』テーマソングだった。

2019年には翌年いっぱいでの活動休止を発表した影響で再ランクインする現象が起きた。

印象としてはここ2作(『僕の見ている風景』『Beautiful World』)と変わらず、適度にキャッチーで適度にカッコ良いジャニーズナンバーが並ぶ。「ワイルド アット ハート」が好みならそのまま気に入るアルバムであろう。ここ数作と同様にソロ曲を本編にぶち込んでいるので全16曲と長いが、キャッチーな曲が続くのでそこまで長さを感じずに聴ける。

アルバム曲の中ではロンドンオリンピックテーマソング「証」がシングル級、もしくはシングル以上の貫禄がある大作に仕上がっている。超大型タイアップだけあってかなりの気合が入っているし確かな名曲なんだけどちょっと盛り過ぎというか、遂に嵐が正式に「国民的グループ」の鎧を背負わされたんだな…と当時感じたものだ。嵐が一つの到達点に行き着いた感がこの曲によって強く出たと思う。

あと相変わらず作詞作曲クレジットに名を連ねているコードネームの方々は一体何者なのか…? 日本人なのか、外国人なのか、ソロなのか、ユニットなのかも何もかも不明なのだが、一つだけハッキリしているのは楽曲制作能力が素晴らしいという事。そこだけはハッキリした事実だ。

おすすめ度:B

Popcorn / 嵐

12th LOVE

2013年10月23日 売上約84万枚

収録曲

01.愛を歌おう/02.サヨナラのあとで/03.CONFUSION/04.Hit the floor(大野智)/05.P・A・R・A・D・O・X/06.sugar and salt(櫻井翔)/07.Breathless/08.20825日目の曲(二宮和也)/09.Rock Tonight/10.Endless Game/11.Calling/12.夜空への手紙(相葉雅紀)/13.Dance in the dark(松本潤)/14.Starlight kiss/15.FUNKY/16.Tears

12thアルバム『LOVE』。2012年の前作『Popcorn』から約1年ぶり。初回限定盤はスペシャルLOVE BOX仕様で、60ページフォトブックレットと「P・A・R・A・D・O・X」のMVを収録したDVDが付属する。

シングル「Calling/Breathless」(88万枚)「Endless Game」(55万枚)収録。

初動のみで2013年の年間アルバム1位に登場し、そのまま最終的にも2011年の『Beautiful World』以来の年間首位獲得となった。2019年には翌年いっぱいでの活動休止を発表した影響で再ランクインする現象が起きた。

ジャケット写真のクールな感じの通り全体的にスタイリッシュなイメージのアルバム。先行シングルの「Breathless」や「Endless Game」がまずクールな感じだったのでその路線を拡張した雰囲気。なのでこの時期のシングルが好みならば中々の名盤に感じられるのではなかろうか。飛び抜けたアルバム曲というのは無いけどしいて言えばラストのバラード曲「Tears」が良メロで特に好み。わたくしマーとしては前2作(『Beautiful World』『Popcorn』)よりもワンランク上の印象で結構好きな一作である。

ここ数作で増してきていた作詞作曲クレジットのコードネーム率は更に多くなり過去最多クラスに…。誰なのか分からないけどとにかく楽曲制作能力の高い凄い方々だ。そんな中相葉のソロ曲「夜空への手紙」の作詞はロックバンド・サザーランドの阿部祐也。サザーランドは2004年頃にプロミスのCMソング等で知りちょこちょこ聴いていたので、こんな所で名前を見かけるとは意外だった(バンド自体は2008年に解散)。Wiki情報によると相葉の亡くなった祖父への想いを綴った曲らしいが作詞自体は阿部さんなわけなので二人打ち合わせを重ねて作ったという事なのかな。これも中々の名曲。

おすすめ度:B+

LOVE / 嵐

13th THE DIGITALIAN

2014年10月22日 売上約82万枚

▼収録曲

01.Zero-G/02.Wonderful/03.Tell me why/04.Asterisk/05.Imaging Crazy(大野智)/06.GUTS!/07.Disco Star(相葉雅紀)/08.誰も知らない/09.TRAP/10.STAY GOLD(松本潤)/11.Bittersweet/12.メリークリスマス(二宮和也)/13.キミの夢を見ていた/14.One Step/15.Hey Yeah!(櫻井翔)/16.Hope in the darkness/17.Take off!!!!!

13thアルバム『THE DIGITALIAN』。前作『LOVE』からほぼ1年ぶり。

初回限定盤はスペシャルパッケージ仕様で、フォトブックレットと「Zero-G」のMVとメイキング映像を収録したDVDが付属する。

シングル「Bittersweet」(59万枚)「GUTS!」(60万枚)「誰も知らない」(52万枚)収録。通常盤には櫻井翔が作詞を手掛けた「Take off!!!!!」がボーナストラックとして追加収録されている。

2019年には翌年いっぱいでの活動休止を発表した影響で再ランクインする現象が起きた。

いつも通り適度にキャッチーで適度にカッコ良い楽曲がひたすら収録されている。『THE DIGITALIAN』というタイトルなのでデジタルチックなナンバーが連発されるのかと思っていたがいざ聴いてみるとそこまででも無い。確かにデジタル風味のナンバーは入っているんだけど、このような風味の曲はこれまでも嵐の一つの持ち味としてよく入っていたので、いきなり「デジタル色が強くなったー!」と仰天する事は無かったな。

冒頭の「Zero-G」や「Wonderful」はタイトル通りデジタル系の曲で、シングルに匹敵する聴き応えを持つ曲。後半では「キミの夢を見ていた」なんかは嵐らしいキャッチーな良曲である。その他はまぁ横一線という感じだったんだけど、『僕の見ている風景』や『LOVE』みたいに一発で良さが分かるというよりも繰り返し聴いていく事で好きになっていくようなアルバムかもなと思った。

おすすめ度:B

THE DIGITALIAN / 嵐

14th Japonism

2015年10月21日 売上約102万枚

▼収録曲

01.Sakura/02.心の空/03.君への想い/04.Don’t you love me?(松本潤)/05.miyabi-night/06.三日月/07.Bolero!/08.Mr.FUNK(相葉雅紀)/09.暁(大野智)/10.青空の下、キミのとなり/11.Rolling days(櫻井翔)/12.イン・ザ・ルーム/13.マスカレード/14.MUSIC(二宮和也)/15.伝えたいこと/16.Japonesque

▼通常盤Disc.2 収録曲

01.僕らがつないでいく/02.the Deep End/03.Make a wish/04.ふるさと

14thアルバム『Japonism』。2014年の前作『THE DIGITALIAN』からほぼ1年ぶり。

シングル「Sakura」(52万枚)「青空の下、キミのとなり」(57万枚)収録。9月にリリースされていた47thシングル「愛を叫べ」は未収録(次回作『Are You Happy?』に持ち越し)。

初回限定盤・よいとこ盤・通常盤の3形態発売。初回限定盤はスペシャルパッケージ仕様で「心の空」のMV・メイキングを収録したDVD、84ページフォトブックレットが付属。よいとこ盤には「日本よいとこ摩訶不思議」(少年隊のカバー)とトーク「アラジャポ・トーク」を収録したCDが付属。通常盤には新曲3曲と紅白歌合戦歌唱曲「ふるさと」を収録したCDが付属。

発売形態を増やした影響か売上が上昇し、翌年1月には100万枚を突破。2009年の『5×10 All the BEST! 1999-2009』、2010年の『僕の見ている風景』以来となるミリオンセラーを記録した。2019年には翌年いっぱいでの活動休止を発表した影響で再ランクインする現象が起きた。

タイトルの通り「日本」がテーマになっていて楽曲の所々に和のテイストが盛り込まれているので、他の作品よりもコンセプトアルバムっぽい雰囲気になっている。ただあくまでぼんやりとしたコンセプトでありそこまで和風一辺倒という事は無く本当にイチ要素という感じ。

ミュージックステーションでも披露された「心の空」は布袋寅泰の作詞作曲で、嵐らしさとアルバムのテーマ(間奏で和太鼓がドンドコ鳴っていたりする)が上手いこと融合した名曲。中盤では僅かではあるが必殺のサクラップが登場。何でも布袋さんの方からラップを入れる提案を出したらしく、サクラップファンの僕としては「布袋さん、ありがとう…」という気持ちである。

続く「君への想い」もイントロから和風テイストを醸し出す良メロバラードで非常に良い曲。冒頭のアルバム曲2曲でグッと掴まれるが、そこで上がった期待値のまま最後まで聴いても充分な満足感を得られる名作であると思えた。捻ったような曲やマニアックな空気は無く、全体的にいわゆる嵐らしい良メロナンバーが多くて良い。

通常盤のDisc.2は4曲入りミニアルバム。「どういう立ち位置なんだ?」とそこまで期待しないで聴いたんだけど、これは聴いた方が良い。3曲目の「Make a wish」がシングルよりもシングルらしいキラキラした名曲だったからだ。これ本編に収録した方が良かったんじゃないか…?と思う程の名曲だったので、今作を聴く場合にはDisc.2もしっかり聴いてみてほしい。

おすすめ度:B+

Japonism / 嵐

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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