SMAP 歴代シングル&名曲感想 #1 ~1991-1996~
1991年
Can’t Stop!!-LOVING-
1991年9月9日 売上約15万枚
作詞:森浩美、作曲:Jimmy Johnson、編曲:船山基紀
1stシングル表題曲「Can’t Stop!!-LOVING-」。
1988年、当時全盛を極めていた光GENJIのバックダンサーグループとして、12人編成の「スケートボーイズ」結成。その内の中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、森且行、草彅剛、香取慎吾の6人で「SMAP」が結成された。3年半後に今作でCDデビュー。
当時ドラマ『101回目のプロポーズ』主題歌として空前の大ヒット中だったCHAGE&ASKAの「SAY YES」が13週連続1位を記録しており、その8週目にぶち当たり今作は2位だった。「1位を獲れなくてジャニーさんに怒られた」的な話を後々よくしてたイメージがあるけど、「SAY YES」相手じゃ仕方ない気が。年間どころか歴代CD売上を更新する勢いで売れてたCDよ。
わたくしマーは1989年生まれで、SMAPのデビュー時には2歳。当然リアルタイムでの記憶は無い。僕がSMAPを認識したのはスマスマが始まった1996年春頃で、しばらくは「青いイナズマ」がデビュー曲だと勘違いしていた。その後J-POPに興味を持ち始めた2002年頃に『Smap Vest』を買って、「青いイナズマ」以前の曲達を一気に知る事となった。
そんな中でもこのデビュー曲には衝撃を受けたんだよね。2002年頃に『Smap Vest』の大トリとして初めて聴いた時はとんでもなく大昔の曲に感じた。ほんの10年ちょっと前の曲だったんだけどね。2002年から思う1991年ってのは数字以上に昔に思えたし、「あのクールなSMAPがこんなキラキラアイドルソングを歌ってたなんて信じられない!」という衝撃があった。
そんなワケで後のSMAP像からするとかなりのギャップと衝撃を感じるデビュー曲だけど、僕はかなり好き。キラキラジャニーズポップを好む僕の琴線にバチバチ触れてくる。後半で童謡「きらきら星」のメロディーが入ってくる所も面白い。森浩美や船山基紀等お馴染みの作家が集結。作曲は外国人ではなく、こちらもKinKi Kidsや嵐などジャニーズソング提供作家でお馴染み馬飼野康二のペンネーム。
「LOVE YOU ONLY」「硝子の少年」「A・RA・SHI」等、ジャニーズグループは割かしデビューシングルが最大ヒットかつ代表曲になるというイメージがあった中、この曲のレア感は新鮮だった。今ほど携帯やネットが普及してない当時、周囲でもこの曲の知名度は皆無に等しかった。周囲でも中学の友人らとカラオケに行った際に「SMAPのデビュー曲ってコレなんだぜ」と歌って見せてたね。誰も知らない曲を俺は知っている!という優越感に浸っていたあの頃。影で嫌われてたかもしれない。(2025/2/1更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:1st『SMAP 001』、3rdベスト『Smap Vest』、他
正義の味方はあてにならない
1991年12月6日 売上約12万枚
作詞:小倉めぐみ、作曲:馬飼野康二、編曲:新川博
2ndシングル表題曲「正義の味方はあてにならない」。前作「Can’t Stop!!-LOVING-」から約3か月ぶり。
チャートは初登場10位。SMAPのシングルでは最低順位(売上は最低ではない)。
後に「がんばりましょう」や「君は君だよ」を手掛ける小倉めぐみが初登場。SMAPといえばこの人!っていう作詞家だよね。作曲は2連続馬飼野康二。ペンネームと本名の使い分けの意味は。新川博はKinKi Kids「青の時代」や堂本剛「街」の編曲の人。
SMAPが出演したパナソニック『おたっくす』CMソング。おたっくすって何やねんと調べたらファックスの事らしい。コミックソング風の派手派手ナンバー。後追いの身としては、「Can’t Stop!!-LOVING-」よりこっちの方が後のSMAP像とのギャップに驚いたかも。なんせ冒頭から〈起立~!礼~!着陸~!〉という叫び(中居の声か?)から始まり全体通して謎のガヤや叫びが散りばめられ怒涛の勢いで終わっていく。いかにも初期らしいノリのシングルだけどメロディーは割と好き。〈学校は恋のパヤパヤ〉の〈パヤパヤ〉って何?
1か月後の1stアルバムにはハブかれたため、『Smap Vest』が出るまで実に9年間もの間アルバム未収録シングルであった。(2025/2/2更新)
おすすめ度:C+
収録アルバム:3rdベスト『Smap Vest』
1992年
心の鏡
1992年3月18日 売上約12万枚
作詞:福島優子、作曲:筒美京平、編曲:土方隆行
3rdシングル表題曲「心の鏡」。
1stアルバム『SMAP 001』から約2か月半ぶり。シングルとしては「正義の味方はあてにならない」から約3か月ぶり。
浜田省吾「悲しみは雪のように」、松本孝弘「#1090」に敗れチャートは3位だった。
作詞の福島優子は一般公募により選ばれた当時中学2年生の少女。この福島優子は森浩美と共作という形で「BEST FRIEND」の詞も手掛けている。凄いよね。一般人でも印税とかって貰えるのかな?
作曲には筒美京平大先生が初登場。
前作に引き続き『おたっくす』CMソング。ジャニーズらしい蒼い青春ソング。良い意味で中学2年生らしい真っ直ぐな歌詞が染みてくる。これはメロディーがかなり好きだね。当時『Mステ』に出た際デビュー前のTOKIOがバックバンドとして付いていた。(2025/2/3更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:2nd『SMAP 002』(TV MIX)、3rdベスト『Smap Vest』
負けるなBaby!~Never give up
1992年7月8日 売上約9万枚
作詞:相田毅、作曲:筒美京平、編曲:CHOKKAKU
4thシングル表題曲「負けるなBaby!~Never give up」。前作「心の鏡」から約4か月ぶり。
累計は10万枚を割り、SMAPで1番売上が低いシングル。
後に「オリジナル スマイル」や「夜空ノムコウ」を手掛ける他、ジャニーズ全般の編曲で大活躍する事となるCHOKKAKUが初登場。
元気ソング。これはこれで悪くない曲だが、こういう勇気ソングとしては後に「オリジナル スマイル」や「がんばりましょう」等次々と名曲が登場したので現在ではお役御免となってる感が。バイマイセルフ!のサビは耳に残るんだけどね。(2025/2/4更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:3rd『SMAP 003』(3×3 MIX)、3rdベスト『Smap Vest』
笑顔のゲンキ
1992年11月11日 売上約12万枚
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:船山基紀
5thシングル表題曲「笑顔のゲンキ」。
2ndアルバム『SMAP 002』から約3か月ぶり。シングルとしては「負けるなBaby!~Never give up」から約4か月ぶり。
テレビ東京系アニメ『姫ちゃんのリボン』オープニングテーマ。デビュー曲「Can’t Stop!!-LOVING-」と同じ布陣で制作。これまた真っ直ぐなキラキラアイドルポップ。『姫ちゃんのリボン』って僕は観た事が無いので主題歌としての記憶は無く、『Smap Vest』で初めて聴いたんだけど純粋に曲として好きだね。
Aメロがクマムシの「あったかいんだからぁ」と似ている。コード進行的に似たメロディーになるのは当然だろう。クマムシ側が知ってて作ったかは不明だが。ただもちろん盗作疑惑とかそんな重い話にはなっておらず、ネタとして2015年のスマスマで共演しコラボを果たした。クマムシは終了前年ギリギリでスマスマ出れて良かったね。ついでに言うと松田聖子の「レモネードの夏」も似たメロディー。(2025/2/5更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:4th『SMAP 004』、1stベスト『COOL』(リアレンジ)、他
雪が降ってきた
1992年12月12日 売上約19万枚
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:長岡成貢、コーラスアレンジ:松下誠
6thシングル表題曲「雪が降ってきた」。前作「笑顔のゲンキ」から約1か月ぶり。
『Smap Vest』を聴くまで知らなかった初期曲の中で、最初に良いなと思ったのがコレ。リズミカルなウィンター・アイドルポップ。終わった恋を思い返す切ない歌詞だがメロディーはとびきりポップで良いよね。初聴が良かった分飽きが来るのも早かったが良い曲である事は確か。Mステの過去映像ではなぜかバスケットボールをしながらのパフォーマンスだった。なぜ冬ソングでバスケ?(2025/2/6更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:4th『SMAP 004』(アルバム・バージョン)、1stベスト『COOL』(新録バージョン)、他
1993年
ずっと忘れない
1993年3月3日 売上約21万枚
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:長岡成貢
7thシングル「ずっと忘れない」表題曲。前作「雪が降ってきた」から約3か月ぶり。
SMAPの卒業ソングといえばこの曲。暖かみのあるメロディーも良いんだけど僕は歌詞が大好き。〈一瞬だけど すべてが止まったね〉〈時計をくずかごの中 捨てたかったあの夜〉など胸キュンフレーズが満載。卒業式後の教室の雰囲気を思い出すというか。存在は地味だけど僕はかなり好きな曲。初期のSMAPにしかないこのピュアな世界観たまらんのよね。大ブレイク後(スマスマ開始後)にはこういったシングルは姿を消しちゃうからさ。
卒業ソングって学生だった当時は何が良いのか分からなかったんだけど、実際に自分が卒業して学生から離れた途端に染みるようになった。もう二度と戻れないからこそ、光り輝くのよ。(2025/2/7更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:4th『SMAP 004』(アルバム・バージョン)、3rdベスト『Smap Vest』
はじめての夏
1993年6月6日 売上約16万枚
作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:長岡成貢、コーラスアレンジ:松下誠
8thシングル「はじめての夏」表題曲。前作「ずっと忘れない」から約3か月ぶり。この時期のSMAPはなぜかゾロ目発売日に拘っていた。そのせいかCD発売通例の水曜日ではなく日曜日発売だった。
テレビ東京系アニメ『姫ちゃんのリボン』第2期エンディングテーマ。「笑顔のゲンキ」だけじゃなくてこの曲もタイアップしてたのね。
これは『Smap Vest』を聴く前からMステの過去映像で知っていた(そのMステではKinKi Kidsがバックダンサーとして出演してた)。胸キュンラブソング。メロディーも良いが特に歌詞が好き。〈夏草の土手〉〈夕暮れの野球場〉など情景が浮かぶワードが染みる。「ずっと忘れない」もそうだけど大ブレイク後のSMAPには無い、初期特有のピュアな世界観が良いのよね。
1か月後の4thアルバム『SMAP 004』には未収録。その後『COOL』『WOOL』に収録されたがどちらもアルバムバージョンなので、シングルバージョンの収録は『Smap Vest』まで実に8年かかる事となる。(2025/2/9更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:1stベスト『COOL』(アルバム・バージョン)、2ndベスト『WOOL』(アルバム・バージョン)、他
君は君だよ
1993年9月9日 売上約16万枚
作詞:小倉めぐみ、作曲:谷本新、編曲:重実徹
9thシングル「君は君だよ」表題曲。7月の4thアルバム『SMAP 004』から約2か月ぶり。シングルとしては「はじめての夏」から約3か月ぶり。
テレビ東京系アニメ『姫ちゃんのリボン』第3期エンディングテーマ。あとSMAPが主演したオリジナルビデオ『SMAP VIDEO はじめての夏』挿入歌。これはビデオのみのオリジナルドラマのようで2003年にはDVD化されている。
これも『Smap Vest』を聴く前からMステの過去映像で知っていた曲。後にKinKi Kidsや嵐への提供でも活躍する谷本新がシングルでは初登場。初期楽曲でしか見られないピュアピュアSMAP路線の極み。なんかメロディーが若さ・蒼さに満ちてるんだよね。ちなみに小泉純一郎がスマスマに出演した際、好きなSMAPの曲でコレを挙げたらしい(他に「らいおんハート」も挙げたとか。やはりご自身がライオンに似てらっしゃるからか)。
これも前作と同じくシングルバージョンがアルバム収録されるまで実に8年かかった。(2025/2/10更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:1stベスト『COOL』(アルバム・バージョン)、3rdベスト『Smap Vest』、他
$10
1993年11月11日 売上約31万枚
作詞:林田健司・森浩美、作曲・CHORUS&GUITAR:林田健司、編曲:CHOKKAKU
10thシングル「$10」表題曲。前作「君は君だよ」から約2か月ぶり。
後の「君色思い」「KANSHAして」「青いイナズマ」を手掛ける他、ブラックビスケッツの「STAMINA」等でも知られる林田健司が初登場。元々は1992年に林田健司の楽曲として世に出ていた。そのため厳密にはカバー曲となる。SMAPとして今作をリリースする前から、森且行がよくコンサートでソロ歌唱していたらしい。
SMAPが出演していたフジテレビ系バラエティ番組『夢がMORI MORI』オープニングテーマ。これまでのポップなシングルとはガラリと異なるブラックなダンスナンバー。当時リアルタイムで追っていたファンは驚いたのかもしれないが、後追いの身としては逆に「これぞSMAPらしいシングル」という感じがする。シングルを順番に聴いていくと、この曲辺りからは後追いの違和感は無くなってくる。
曲調的にあまり好きな方向性では無いのだが、中学時代の仲間内では結構流行ってカラオケでも毎回誰かが歌ってたので学生時代を思い出す1曲ではある。ちなみに「テンダラー」ではなく「テンダラーズ」と読む。
初めて30万枚を突破した出世作でもある。メンバーも「良い感じになってきたのは「$10」から」と語っているし。所謂「初のヒット曲」だよね。伸び悩んでいたSMAPに起爆剤を投与してくれたわけで、林田健司はかなりの功労者であると言える。(2025/2/11更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:5th『SMAP 005』(MOD MIX)、1stベスト『COOL』(別アレンジ)、他
1994年
君色思い
1994年1月1日 売上約25万枚
作詞・作曲:林田健司、編曲:CHOKKAKU
11thシングル「君色思い」表題曲。前作「$10」から約2か月ぶり。
テレビ東京系アニメ『赤ずきんチャチャ』オープニングテーマ。引き続き林田健司とCHOKKAKUが招集されたが、曲調は前作とは打って変わって蒼いメロディーの正統派ジャニーズポップ。というか「正統派ジャニーズポップ」っていう概念自体を作ったのがこの時期のSMAPなのかも。80年代とは異なる、平成以降のジャニーズソングの基盤というかね。この辺りのSMAP運営や作家陣の功績は大きい。ジャニーズポップファンの琴線に触れまくりな非常に好きな曲。
中居正広のソロ歌唱から始まるのが良い。『Smap Vest』で初めて聴いた時は「冒頭から音痴の中居が!?w」と笑いながら聴いてたものだが現在聴くと別に音痴でも無い。あの頃の中居はスマスマや歌番組等で散々音痴キャラを押していたので勝手に下手なように感じてたが。これがテレビの印象操作というやつか。確かに決して上手くは無いけど、中居の歌声には唯一無二の味があると感じる。(2025/2/12更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:5th『SMAP 005』(Remix version)、1stベスト『COOL』(別アレンジ)、他
Hey Hey おおきに毎度あり
1994年3月12日 売上約40万枚
作詞:庄野賢一・えのきみちこ、作曲・編曲:庄野賢一
12thシングル「Hey Hey おおきに毎度あり」表題曲。2月の5thアルバム『SMAP 005』から約1か月ぶり。シングルとしては「君色思い」から約2か月ぶり。
自身初のチャート1位を獲得。累計も40万枚を突破し、これまで最高だった「$10」の31万枚を抜き去り一気に最高売上を更新した。ジャニーズ歌手の1位獲得自体が1990年11月の光GENJI「笑ってよ」以来実に3年4か月ぶりだった。
同日公開の映画『シュート!』挿入歌、フジテレビ系『なるほど!ザ・ワールド』オープニングテーマ。
デビュー3年、12枚目のシングルにして初の1位という記念すべきシングルだが全編関西弁・サビ以外はほぼセリフで構成されているかなり異色な楽曲。初めて聴いた時は「初の1位獲得曲がこんなヘンテコな曲!?」と驚いたものだが、馴れとは恐ろしいもので現在ではこの世界観がカッコイイとすら感じる。明るい関西弁が連発されるのに裏で流れるトラックは妙にクールという、このアンバランスさが面白いのだ。ヒップホップっぽい空気も感じる。この曲で「商人(あきんど)」という言葉を知った。
こんな異色なシングルが初の1位、この時点での最大ヒットになってしまうんだからつくづくヒットというものは分からないし奥が深い。メンバーはレコーディング前の打ち合わせでこの曲を渡された時「こんなダサイ曲は売れない」と否定的だったようだが、稲垣吾郎だけは気に入っていたとの事。ちなみに当時のMステではKinKi Kidsが曲紹介をしてたが、他にもKinKiはメンバーへの関西弁イントネーションのレクチャーも担当してたらしい。SMAP初1位の裏にKinKi Kidsあり。(2025/2/13更新)
おすすめ度:C+
収録アルバム:6th『SMAP 006~SEXY SIX~』、1stベスト『COOL』(別アレンジ)、他
オリジナル スマイル
1994年6月6日 売上約40万枚
作詞:森浩美、作曲:MARK DAVIS、編曲:CHOKKAKU
13thシングル「オリジナル スマイル」表題曲。前作「Hey Hey おおきに毎度あり」から約3か月ぶり。
WANDSの「世界が終るまでは…」に敗れチャート最高順位は2位だったが、40万枚を突破。2作連続で最高売上を更新した。
木村拓哉出演の『オロナミンC』CMソング。当初はCMでのオンエアのみでCD化の予定も無かったが視聴者から発売希望の問い合わせが殺到したため急遽シングル化が決定したという。90年代によくあったパターン。
昔は初期のそこそこ有名なシングルの一つという感じだったが、長年かけて応援歌としての地位が上がっていき2011年には東日本大震災復興の意でリリースされた『SMAP AID』でのファン投票で1位になり、同年末の紅白で歌唱(このタイミングが紅白初歌唱)されたりし、現在では代表曲となっている。
東日本大震災の時、当初は「がんばりましょう」が応援歌として披露されたがあちらは日常過ぎて軽い感じがありまだまだ混沌とした時期には合わず、少し経って「オリジナル スマイル」の方が相応しいぞ!と発見され需要が集中した。阪神淡路大震災の時には「がんばりましょう」をMステで披露してたがこの曲には注目されなかったのだろうか?
青空が見える爽やかメロディーで文句なしに良い曲。『Smap Vest』を買った頃は毎日のように聴いてたし大好きだった。流石に聴きすぎて飽きてしまうのも早かったが。〈山程ムカつくこと 毎日あるけど 腐ってたら もうそこで終わり〉のフレーズにはチカラを貰える。「がんばりましょう」が庶民派の応援歌だとしたらコチラはジャニーズ王道の応援歌という感じがする。
MARK DAVISは馬飼野康二の変名。デビュー曲を手掛けた森浩美・馬飼野康二コンビに、新進気鋭のCHOKKAKUという抜群の制作布陣。やはり平成ジャニーズポップの基盤はこの辺の作家陣によってつくられた気がする。(2025/2/14更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:6th『SMAP 006~SEXY SIX~』(アルバム・バージョン)、3rdベスト『Smap Vest』、他
がんばりましょう
1994年9月9日 売上約72万枚
作詞:小倉めぐみ 作曲・編曲:庄野賢一
14thシングル「がんばりましょう」表題曲。7月の6thアルバム『SMAP 006~SEXY SIX~』から約2か月ぶり。シングルとしては「オリジナル スマイル」から約3か月ぶり。
初動23万枚を記録し、「Hey Hey おおきに毎度あり」以来2作目の1位を獲得。3連続で最高売上を更新したどころか前作から30万枚以上の大幅上昇となり一気に人気が爆発した。
フジテレビ系『なるほど!ザ・ワールド』オープニングテーマ。前作「オリジナル スマイル」が王道の応援歌だとしたらこちらは等身大の若者に寄り添った生活密着型の応援歌と言える。キラキラしたフレーズは無くてとにかく庶民派な歌詞。それが刺さる。崇高過ぎないというか、近所の仲いい兄ちゃんに言われてるような感じが逆に勇気づけられるのよね。小倉めぐみさん、あんた天才だよ。
特に〈仕事だから とりあえずがんばりましょう〉のフレーズには学生時代のアルバイト時代~社会人になってからも幾度となく元気づけられた。世の応援歌によくある「前を向け!」「明日がある!」とかのフレーズも悪くは無いんだけど、僕としてはこの〈とりあえずがんばりましょう〉の〈とりあえず〉に非常に救われる。昔から学校や仕事等どんなに面倒くさくても、どんなに憂鬱でもSMAPに〈とりあえずがんばりましょう〉と言われるとなぜか重い腰が上がった。わたくしマーがSMAPで一番好きな曲。僕の人生に必要不可欠な応援歌だ。(2025/2/15更新)
おすすめ度:A+
収録アルバム:1stベスト『COOL』、3rdベスト『Smap Vest』、他
たぶんオーライ
1994年12月21日 売上約63万枚
作詞:小倉めぐみ、作曲・編曲:庄野賢一、コーラスアレンジ:岩田雅之
15thシングル「たぶんオーライ」表題曲。前作「がんばりましょう」から約3か月ぶり。
初動31万枚を記録しチャート初登場1位。累計では60万枚を突破しこの時点で「がんばりましょう」に次ぐ2番目のヒット曲となった。
フジテレビ系『夢がMORI MORI』テーマソング。前作と同じ小倉めぐみ・庄野賢一ペアによる、
アイドルのキラキラとは程遠い生活密着型ソング。今回は仕事・プライベート・将来への不安に振り回される若手社会人の嘆きが歌われる。「がんばりましょう」の主人公よりも更に真に迫ってるというか、ボロボロになってる感じがある。〈新ネタバーガーかじって ちょっと幸せ感じる〉のフレーズには共感してしまう。忙殺の最中でも、フト立ち止まってひと時の幸せを感じる瞬間ってあるんだよね。
同年のアルバム『SMAP 006~SEXY SIX~』で行われた海外の超一流ミュージシャンの起用がシングルでも実現。Dennis Chambers(ドラム)、Mike Campbell(ギター)、Bob Berg(サックス)ら世界の第一線で活躍しているミュージシャンが参加している。失礼ながら彼らの名前は存じ上げないのだが、確かに演奏が異様にゴージャスだとは当初から感じていた。
演奏のゴージャスさも勿論あるが、こんな日常的な歌詞でもSMAPが歌うと非常にカッコよくなるのが凄い。他のグループには無い独特の色気を感じるのよね。後の「はだかの王様」や「Fly」に通じるブラックで色気ムンムンなSMAPが初めて顔を魅せたシングル。(2025/2/16更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:7th『SMAP 007~Gold Singer~』(アルバムバージョン)、2ndベスト『WOOL』(別バージョン)、他
1995年
KANSHAして
1995年3月3日 売上約57万枚
作詞:戸沢暢美、作曲:林田健司、編曲:清水信之、コーラスアレンジ:Candee
16thシングル「KANSHAして」表題曲。前作「たぶんオーライ」から約3か月ぶり。
SMAPが出演したNTT東日本『テレチョイス』CMソング。林田健司のアルバム『RAPHLES Ⅴ』収録曲であるため、「$10」と同じくカバー曲となる。
『Smap Vest』Disc-2の1曲目だった影響か、昔から好きな曲。というか年々好き度が上がって来てるし飽きが来ない。実は凄い曲なのでは。男女の本音ぶっちゃけ系(?)の結構エグイ歌詞だけど、曲調が痛快なので全く嫌な気持ちにならない。94~95年のシングルの「SMAPらしさ」は異常。(2025/2/17更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:7th『SMAP 007~Gold Singer~』(wah wah version)、2ndベスト『WOOL』(wah wah version)、他
しようよ
1995年6月6日 売上約61万枚
作詞:森浩美、作曲:Jimmy Johnson、編曲:CHOKKAKU、コーラスアレンジ:岩田雅之
17thシングル「しようよ」表題曲。前作「KANSHAして」から約3か月ぶり。
初動35万枚を叩き出し、ZARDの「愛が見えない」を2万枚上回り初登場1位を獲得した。
「オリジナル スマイル」と同じ木村拓哉出演『オロナミンC』CMソング。『Smap Vest』を買った当初は全く印象に残らなかった(Disc-1のラスト、16曲目という奥底の配置だったのが原因か……)。その後も10年以上存在すら認識してないに等しい期間が続いたのだが、2016年の解散報道をキッカケに再び『Smap Vest』をじっくり聴いた時に発見し「こんな良い曲があったのか」と一気にどハマりしてしまった。
90年代SMAPらしいクールさ・カッコ良さが詰まった名曲。若いのにアダルトな感じもあって。メロディーも非常に良いが確かにガツンとしたサビしか耳に入らなかった中学時代にはスルーしてたのも分かる。深みのあるポップスである。サビが前半〈微笑みに〉と後半〈分かった顔しないでさ〉にパートが分かれてるのが好き(前半が中居木村稲垣、後半が森草彅香取らしい〉。最後の最後Aメロに戻るのも締まる感じがして良い。
「がんばりましょう」と並んで1、2を争う程好きな曲。知名度は全く無いのでシングルではあるが「隠れた名曲」と呼ばせていただきたい。カラオケではサビを2人でパート分けして歌いたいが、僕以外に知ってる人がまず居ないため基本一人で歌う事になるので息切れしグダグダに。誰か一緒に歌ってください。(2025/2/18更新)
おすすめ度:A+
収録アルバム:7th『SMAP 007~Gold Singer~』(アルバムバージョン)、2ndベスト『WOOL』(別バージョン)、他
どんないいこと
1995年9月9日 売上約53万枚
作詞:大倉浩平、作曲・編曲:庄野賢一、コーラスアレンジ:岩田雅之
18thシングル「どんないいこと」表題曲。デビュー4周年の日に発売。7月の7thアルバム『SMAP 007~Gold Singer~』から約2か月ぶり。シングルとしては「しようよ」から約3か月ぶり。
草彅剛・香取慎吾出演カルビーポテトチップスCMソング。作詞の大倉浩平は6年後に嵐の「君のために僕がいる」を手掛けている他はどこにも登場していない謎の人物のようだ。
メロディーが光るミドル・バラード。この時期のSMAPの特色である若いのにアダルティな雰囲気も満載で。1番のAメロと2番のAメロが少しメロディーが異なってて面白い。9月発売だけどどことなく6月の雰囲気というか梅雨の湿った街並みが思い浮かぶのは僕だけか。ゴスペラーズとかがカバーしたら抜群に映えそうな、シックな名曲だよね。ファン人気の高そうな曲だと勝手に思ってたので『SMAP 25 YEARS』で外れたのが意外だった。(2025/2/19更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:8th『SMAP 008 TACOMAX』(アルバムバージョン)、2ndベスト『WOOL』(別バージョン)、他
俺たちに明日はある
1995年11月11日 売上約78万枚
作詞:相田毅、作曲・編曲:岩田雅之
19thシングル「俺たちに明日はある」表題曲。前作「どんないいこと」から約2か月ぶり。
78万枚を売り上げ、「がんばりましょう」を超えてこの時点での自身最大ヒット曲となった(翌年「青いイナズマ」で更新)。
木村拓哉とダウンタウン浜田雅功がダブル主演したTBS系ドラマ『人生は上々だ』主題歌。SMAPで木村出演ドラマの主題歌を担当したのはこの時が唯一となる。意外だよね。ドラマと言えばキムタクのイメージなのに。逆に草彅剛出演ドラマは7曲も担当している。
SMAPらしいパーティーチューン。この時点での最大売上だしヒット性もあるが、昔からそこまで好きな曲では無い。94~96年あたりのSMAPにある独特の色気を今作からは感じないというか。ライブで聴いたら楽しめそうだけど音源でわざわざ再生したいと思わないというか……。ただ〈バラの花束が 似合うのもいるのさ だけど似合わない 転がるように生きていくだけ〉という歌詞は好き。普通に考えたら当時のSMAP全員バラの花束似合いまくりのイケメンなのに、何故かこの歌詞がしっくりくるのよ。(2025/2/23更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:8th『SMAP 008 TACOMAX』(アルバムバージョン)、2ndベスト『WOOL』(別バージョン)、他
1996年
胸さわぎを頼むよ
1996年2月2日 売上約49万枚
作詞:戸沢暢美、作曲:寺田一郎、編曲:CHOKKAKU、コーラスアレンジ:岩田雅之
20thシングル「胸さわぎを頼むよ」表題曲。
95年11月のリミックスアルバム『BOO』から約3ヶ月ぶり。シングルとしては「俺たちに明日はある」から約3か月ぶり。
ドラマ『白線流し』主題歌としてチャートを急上昇中だったスピッツの「空も飛べるはず」が初1位を獲ったタイミングとぶつかり最高順位は2位。デビュー時から続いていたカセットテープとの同時発売が今作で最後となった。
木村拓哉出演のカネボウ化粧品『テスティモ』CMソング。ゴージャスな1曲。94年~95年にかけてのSMAPはそれまでのピュアピュアアイドル路線から等身大の若者っぽい作風へと変化していったがこの曲は更に落ち着いた佇まいで大人っぽい。地味だけど良い曲だよね。ところで今更聞きにくいんだけど「胸さわぎを頼むよ」ってどういう意味? 響きはカッコイイけど日本語として意味が分からないのだが。(2025/2/24更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:8th『SMAP 008 TACOMAX』(アルバムバージョン)、2ndベスト『WOOL』(アルバムバージョン)、他
はだかの王様~シブトクつよく~
1996年5月5日 売上約62万枚
作詞:森浩美、作曲・編曲:庄野賢一、コーラスアレンジ:岩田雅之
21stシングル「はだかの王様~シブトクつよく~」表題曲。
3月の8thアルバム『SMAP 008 TACOMAX』から約2か月ぶり。シングルでは前作「胸さわぎを頼むよ」から約3か月ぶり。
森且行がオートレース選手へ転身する事に伴い、1996年5月31日付でSMAPを脱退。同時にジャニーズ事務所を退所し芸能界を引退した。それ故に今作は6人時代最後のシングルとなった。
大ヒット中だったスピッツの「チェリー」が初めて1位を獲得したタイミングとぶつかりチャート最高順位は2位。2作連続でスピッツに1位を阻まれた事となる。
1996年4月15日にフジテレビで毎週月曜日夜10時より冠番組『SMAP×SMAP』がスタート。同じく4月15日からは同局で前の枠である夜9時から木村拓哉主演で月9ドラマ『ロングバケーション』がスタートしておりまさにSMAPが国民的という肩書を背負った時期であった。
日本テレビ系『’96劇空間プロ野球』イメージソング。スマスマが始まって初のシングル。いわば国民的アイドルになって初のシングルであるがまたも等身大の若者の日常を歌ったダンスナンバー。国民的アイドルが歌う若者の本音。〈いいかげんにバイトもしてた〉〈女の子とちゃらちゃらして〉とかかなーり日常感が強い。けれどSMAPが歌うと抜群にカッコイイ。やはりこの時期のSMAPの色気は半端ない。昔はそこまで好きじゃなかったけど現在では曲のカッコ良さに痺れる。
庄野賢一氏は「がんばりましょう」や「どんないいこと」等94~96年のSMAPに数多くの名曲を提供した功労者だが今作以降は関与してないのかな? 林田健司氏と並んで庄野氏の功績も凄いよね。(2025/2/25更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:9th『SMAP 009』(アルバムバージョン)、3rdベスト『Smap Vest』、他
※下記記事へ続きます
著者:マー・田中(@kazeno_yukue)
コメント