嵐 歴代シングル&名曲感想 #2 ~2005-2009~

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嵐 歴代シングル&名曲感想 #2 ~2005-2009~

1999年~2004年

2005年

サクラ咲ケ

2005年3月23日 売上約17万枚

作詞:相田毅、Rap詞:櫻井翔、作曲:谷本新、編曲:石塚知生

14thシングル表題曲。

2ndベストアルバム『5×5 THE BEST SELECTION OF 2002←2004』から約4か月ぶり。シングルでは「瞳の中のGalaxy/Hero」から約7か月ぶり。

櫻井翔出演『城南予備校』CMソング。

2003年の森山直太朗「さくら(独唱)」を皮切りに「桜ソングは売れる!」という方程式がJ-POP界を席巻、2004年に川口恭吾、2005年(まさに今作の前月)にケツメイシが大ヒットを飛ばしていた中で嵐もその流れに乗ろうとした?

……んだろうけど結果的にそこまでのヒットにはならず。むしろ前作より売上下がってるし。リリース当初は地味な存在だったが2008年以降、嵐の人気が急上昇して不動の地位を得てからは「桜ソングの名曲」としてよく取り上げられるようになり、やや地位が向上した。

楽曲の方は春らしい快活なジャニーズポップ。サビの始まりがどことなくTHE BOOMの「島唄」を思い起こさせる(「しまう~たよ~♪」と「さくら~さけ~♪」)。また予備校のCMソングだった影響か聴くと僕自身が通っていた河合塾の記憶が蘇り懐かしさでエモくなる。まぁ良い曲だけど嵐のシングル曲のなかでは「普通」って感じでそこまで好きな方でも無い。(2024/10/23更新)

おすすめ度:C+
収録アルバム:5th『One』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

サクラ咲ケ / 嵐

WISH

2005年11月16日 売上約30万枚

作詞:久保田洋司、作曲:オオヤギヒロオ、編曲:CHOKKAKU

15thシングル表題曲。

8月の5thアルバム『One』から約3か月ぶり、シングルとしては「サクラ咲ケ」から約8か月ぶり。

松本潤出演のTBS系ドラマ『花より男子』主題歌。1992年から2004年まで『マーガレット』にて連載された少女漫画の実写化で、主演の井上真央の他、小栗旬、松田翔太、阿部力らが出演。裕福な生徒の多い学園に入学した貧乏少女・牧野つくしを主人公とした恋愛ストーリー。

元々は『のだめカンタービレ』のドラマ化企画が進んでいた枠だったが、原作者とTBSの間で出演者を巡るトラブルが発生し頓挫。穴埋め企画として急遽決定したのがこの『花より男子』だった(『のだめ』ドラマ化の権利は後にフジテレビに移行)。

故に「視聴率5パーセント行けばいい」のように期待されていない所からのスタートだったらしい。そんな企画が最高視聴率22パーセント、秋クールNo.1となる大ヒットを記録したんだから分からないものだ。2007年に続編『花より男子2(リターンズ)』が制作、2008年に映画『花より男子F(ファイナル)』が公開される。

予想外のヒットとなった『花より男子』に引っ張られ2002年の「a Day in Our Life」以来となる30万枚突破を記録。続編の主題歌「Love so sweet」が大ヒットしそこから嵐の人気が急上昇していくので後追いではやや影に隠れた存在ではあるが、嵐大ブレイクの布石となったのは間違いない。

冬を思わせるハートフルなポップソング。クリスマスっぽい雰囲気もあり2005年年末の空気を思い出す。良い曲なんだけど「Love so sweet」や「One Love」程の気合というか突き抜けた感じというのは無いので、相対的に地味に感じてしまうのは否めない。制作中はタイアップドラマがこんなヒットするとは思ってなかったろうしね。(2024/10/24更新)

おすすめ度:C+
収録アルバム:6th『ARASHIC』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

WISH / 嵐

2006年

きっと大丈夫

2006年5月17日 売上約20万枚

作詞:SPIN、Rap詞:櫻井翔、作曲・編曲:Shinnosuke

16thシングル表題曲。前作「WISH」から約半年ぶり。

嵐が出演したハウスウェルネスフーズ『C1000×嵐編』CMソング。

作・編曲のShinnosukeは当時活躍していたヒップホップグループ・SOUL’d OUTのトラックマスター。故にラップと歌が絶妙に組み合わさっていて、2002年の「a Day in Our Life」と並んで嵐としてはかなり理想的なシングル曲

「a Day in Our Life」よりもポップで明るく聴いていて元気を貰える。リアルタイムではそこまでハマらなかったが、後年サクラップの出番が少なくなってきてから改めて今作の魅力に気付かされた。SOUL’d OUTもヒップホップとはいえメロディーがかなりポップなグループなので嵐への提供はまさに適任だったなと。

やはり全編通してサクラップが存分に聴ける、それが何よりも嬉しい。後半の〈いつも焦ってた あの日の僕に会えれば 想い伝え叫ぶさ “夢はでっかくこう描く”〉は元気を貰えるし、中盤の〈ワタシ身なりお手入れ(だってlady)〉は笑える。(2024/10/26更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:6th『ARASHIC』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

きっと大丈夫 / 嵐

アオゾラペダル

2006年8月2日 売上約19万枚

作詞・作曲:スガシカオ、編曲:石塚知生

17thシングル表題曲。

7月の6thアルバム『ARASHIC』から約1か月後のリリース。シングルとしては前作「きっと大丈夫」から約3か月ぶり。

スガシカオは1998年にSMAPの「夜空ノムコウ」、2006年にKAT-TUNの「Real Face」を手掛けていて、ジャニーズへの提供は今作で3度目だった。

櫻井翔主演映画『ハチミツとクローバー』エンディングテーマ。『ハチクロ』は美術大学を舞台とした青春群像劇で元々は羽海野チカによる漫画が原作。2000年から2006年まで発表された漫画に次いで2005・6年にテレビアニメ化、2006年に実写映画(今作が主題歌)、2008年にテレビドラマ化と様々にメディア展開されたゼロ年代中盤のヒットコンテンツだった。

ハチクロらしい、青春を感じる蒼いミディアムポップ。いやハチクロ観てないのにイメージだけで「ハチクロらしい」とか言っちゃってるけどさ。でも合ってる気がする。KinKi Kidsの「青の時代」、V6の「over」、TOKIOの「君を想うとき」に続く、ジャニーズ特有の「青春感」を持っている曲だと思う。

ハチクロは当時流行ってたね。僕の友人も、彼女(後の奥さん)と最初に観に行った映画がコレだと言ってた。この実写映画はエンディングが嵐で、オープニングがスピッツの「魔法のコトバ」だったがなんか世界観は共通してるよね(ちなみに作者曰くハチクロの『ハチミツ』はスピッツのアルバム『ハチミツ』から取ったらしい)。(2024/10/27更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:7th『Time』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

アオゾラペダル / 嵐

2007年

Love so sweet

2007年2月21日 売上約45万枚

作詞:SPIN、作曲:youth case、編曲:Mugen

18thシングル表題曲。前作「アオゾラペダル」から約半年ぶり。

松本潤出演TBS系ドラマ『花より男子2(リターンズ)』主題歌。2005年秋の第1期に続くリターンズで、主題歌も「WISH」に続いて担当。第1期も平均視聴率19パーセントと予想外の大ヒットを記録したが、リターンズはそれを飛び越えるヒットを記録し最終回の視聴率は27パーセントを叩き出した。

ドラマのヒットに引っ張られ今作も2ndシングル「SUNRISE日本」~17thシングル「アオゾラペダル」までの売上を一気に抜き去り、この時点で「A・RA・SHI」に次ぐ自身2番目のヒット曲となった。秋川雅史「千の風になって」、宇多田ヒカル「Flavor Of Life」、コブクロ「蕾」に次ぐ2007年度年間シングル4位。ちなみに2位の宇多田ヒカルも『花男』タイアップ(挿入歌)。

2007年当時高校のクラスメイト・N村が僕の所へやって来て「嵐の新曲、歴史的名曲だな」とボソッと呟いたのが謎の思い出として残っている。当時は「?」と思ったが、結果的にこの曲の大ヒットをキッカケに嵐の人気は急上昇。翌年以降はジャニーズNo.1といえる地位を確立したので、後から考えるとN村の発言は当たっていたというか、先見の明があったと思える。

嵐大ブレイクの根源となった大ヒット曲かつ代表曲。「WISH」の時とは状況が異なり、ドラマの大ヒットが確定してる中での制作だったからかなり気合を入れて作られたんだろうなと想像できる。リリース当時は「これくらいの曲だったらこれまでも出してたよね?」と思ってたけど、改めて聴くとやはり特別なオーラを感じる。タイアップとか周りからの付加価値のチカラというのは侮れない。楽曲そのものを更に輝かせる。あとカラオケで歌うと物凄く気持ち良い。(2024/10/28更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:7th『Time』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

Love so sweet / 嵐

We can make it!

2007年5月2日 売上約20万枚

作詞:UNITe、Rap詞:櫻井翔、作曲:Anders Wikstrom・Fredrik Thomander、編曲:鈴木雅也

19thシングル表題曲。前作「Love so sweet」から約3か月ぶり。

松本潤主演日本テレビ系ドラマ『バンビ~ノ!』主題歌。初夏の空気を感じるポップナンバーで良い曲。あまり知られていないがAgnes Carlsson(アグネスカールソン)という海外女性歌手の「Love is All Around」のカバーである。なぜ突然カバーに走ったのか?

全編通して原曲にかなり忠実だがサクラップの部分は完全オリジナル。これがまた爽やかで良い。ただほぼ1ブロックで終わってしまうのでサクラップファンとしては物足りない。もっとガッツリ聴きたいのよ。

前作「Love so sweet」の40万突破ヒットから一転しまた20万枚と落ち着いてしまった。なのでこの時点ではまさか翌年以降大ブレイクするとは夢にも思っていなかったね。花男特需の「Love so sweet」一発ヒットだったんだろうなとしか。翌年いきなり売上が跳ね上がるので多分水面下では(?)着々と嵐の人気は広がっていってたのだろう。(2024/10/30更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:7th『Time』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

We can make it! / 嵐

Happiness

2007年9月5日 売上約29万枚

作詞:Wonderland、作曲:岡田実音、編曲:北川吟

20thシングル表題曲。

7月の7thアルバム『Time』から約2か月後のリリース。シングルとしては「We can make it!」から約4か月ぶり。

二宮和也・櫻井翔主演のTBS系金曜ドラマ『山田太郎ものがたり』主題歌。「感謝カンゲキ雨嵐」と並んで「元気を貰える曲」ポジションを確立している人気曲。2009年・2016年・2018年・2020年と4回も紅白で歌われている。知名度的にも「A・RA・SHI」や「Love so sweet」に並んでトップクラスな気はするね。僕としてはまぁ「普通に良い曲」の域を出ないが。

人気の割にこの曲の当時の記憶が無い。恐らく当時のわたくしマーは高校3年生の夏で、翌年以降の進路が見えず漠然とした不安の日々を送っていたからだろう。結果的に準備無しで大学受験するも当然落ちて、翌2008年春以降は浪人生活が始まる事になる。(2024/11/1更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:8th『Dream”A”live』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

Happiness / 嵐

2008年

Step and Go

2008年2月20日 売上約37万枚

作詞:Wonderland、Rap詞:櫻井翔、作曲:youth case、編曲:吉岡たく

21stシングル表題曲。前作「Happiness」から5か月ぶり。

フジテレビ系『GRA』エンディングテーマ。土曜日のお昼に放送されていた嵐メインのバラエティ番組。この番組はこの年の3月で終了するが、そのまま同枠で『vs嵐』が始まり、そちらは時間帯変更などもありつつ2020年の嵐活動休止まで12年続く人気番組となった。

初動のみで前作「happiness」の累計売上を抜く32万枚を記録。初動30万突破は2000年の「SUNRISE日本/HORIZON」以来。ここへきていきなり初動が跳ね上がった。ジャニーズ携帯サイト会員限定盤等もあった関係かもしれないが、「Love so sweet」以降ジワジワ来ていた人気がここで遂に数字となって現れた

春を感じる痛快ポップ。嵐の春ソングといえばコレよね。特にサクラップの爽やかさが絶品。一番好きなサクラップは断トツでこの曲のだね。リアルタイムではそこまで好きではなかったけど何故か2014年頃から突然好きになった。「こんな爽やかで良い曲だったのか」と。当時2008年2月は大学受験真っ只中の時期で曲を聴く余裕が無かったというのもあるが……(結局浪人し4月から池袋の予備校へGoする)。隠れた名曲です。

前述のように当時リアルタイムでは全く印象が無かったし、嵐大躍進の2008年リリースにしては世間的な知名度が低い。この年の初夏以降「One Love」と「Truth」で年間1・2位独占の特大ヒットを連発し嵐旋風が巻き起こるわけだが、そんな祭りを前にして2月の今作の存在感は薄かったんだよね。もう数か月後に発売してればもっと高い地位を得られたと思う。

大ブレイクの前哨戦って感じ、文字通り嵐の前の静けさって感じの1作かな(静けさって言っても売れてるけどね今作も)。(2024/11/2更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:8th『Dream”A”live』、3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、他

Step and Go / 嵐

One Love

2008年6月25日 売上約56万枚

作詞:youth case、作曲:加藤裕介、編曲:石塚知生

22ndシングル表題曲。

4月の8thアルバム『Dream”A”live』から約2か月後のリリース。シングルとしては「Step and Go」から約4か月ぶり。

初動31万枚、累計56万枚に達し、この時点で「A・RA・SHI」に次ぐ自身2番ヒットを記録。2008年度年間シングルチャートでは次回作「truth/風の向こうへ」に次ぐ2位に。同一歌手の年間1・2位独占は1989年のプリンセス プリンセス(「Diamonds」「世界でいちばん熱い夏」)以来19年ぶりであった。

松本潤出演映画『花より男子F(ファイナル)』主題歌。2005年の第1シーズン、2007年の第2シーズンを経て遂に映画化し満を持しての完結。8月5日には映画のヒットを受けて「通常盤・映画『花より男子ファイナル』大ヒット!!記念仕様」と称する新装盤が追加発売された(松潤演じる道明寺司の劇中台詞を追加収録)。

「WISH」「Love so sweet」を経て遂に行くところまで行きついたという感じの到達点を感じる曲。大事なタイミングでちゃんと風格のある曲をあてがう嵐スタッフの有能さに感動したね。僕としては「Love so sweet」の方が好きだがこちらも充分に良い。大団円感が凄い。「Love so sweet」では作曲を手掛けたyouth caseが今回は作詞。嵐の代表曲2曲で作詞・作曲それぞれ片方ずつで関わっているというのが地味に凄い。

嵐の大ブレイクは『花男』と共にあったなぁとつくづく思う。もし『花男』という漫画が無かったら、もし『のだめ』の企画がそのまま通ってたら、もし松潤が配役に選ばれてなかったら……嵐のポジションもきっと変わっていたろうね。

この曲を聴くと2008年当時、予備校通いのため毎日行っていた池袋の風景を思い出す。街中で『花より男子F(ファイナル)』のポスターを見るたびに「デビュー後、しばらく低迷していた嵐が遂に大ブレイクしたんだなぁ……」としみじみ感じていた(自分の受験の心配をしろという感じだが……)。(2024/11/3更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

One Love / 嵐

truth

2008年8月20日 売上約65万枚

作詞・作曲:HYDRANT、編曲:前口渉

23rdシングル「truth/風の向こうへ」両A面1曲目。前作「One Love」から約2か月ぶり。

「アオゾラペダル」以来の3形態発売が効いたのか、初動(46万枚)のみで2008年度年間チャートの2位に飛び込んだ。累計は65万枚に達し、前作「One Love」を抜きこの時点で自身2番目のヒットシングルに。

結果的に2008年度年間シングルチャートで自身初の年間1位を獲得。2位は前作「One Love」で、嵐が1・2位を独占する形となった。同一歌手の年間1・2位独占は1989年のプリンセス プリンセス(「Diamonds」「世界でいちばん熱い夏」)以来19年ぶり。年間10位には次回作「Beautiful days」が入っており、同一歌手の年間トップ10内3作ランクインは2002年の宇多田ヒカル(「traveling」「SAKURAドロップス/Letters」「光」)以来、6年ぶりであった。

「One Love」を超える大ヒットを記録した事で、当時嵐が本格的にブレイクしたんだなという確信を持ったシングル。「One Love」が売れたのは分かる。伝家の宝刀『花男』だし。けどその次の今作が(3形態発売とはいえ)それを飛び越える売上を叩き出すとは全く予想外だった。『花男』ドーピングに頼らずも嵐というグループ自体の人気が高まってるんだなと。嵐の大ブレイクを最もリアルに感じたのはこのシングルであった。

大野智・生田斗真のダブル主演TBS系金曜ドラマ『魔王』主題歌。生田斗真は前年夏の『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』でブレイクを果たしたばかりで、当時まさに旬の俳優だったと思う。

楽曲の方はシリアス・ダークナンバー。後のこれ系シングル(「Monster」「Lotus」「誰も知らない」等)すべての雛形になった曲であろう。これはとにかくカッコイイ曲だよね。大ブレイクの勢いで1.5倍増しで良く聴こえたのかもしれないが。今後の嵐のひとつの軸となる、シリアス・ダーク系ジャンルを確立させたシングル。(2024/11/4更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

truth/風の向こうへ / 嵐

風の向こうへ

2008年8月20日 売上約65万枚

作詞:多田慎也、Rap詞:櫻井翔、作曲:Pippi Svensson・Anders Dannvik、編曲:Hans Johnson

23rdシングル「truth/風の向こうへ」両A面2曲目。

日本テレビ系『北京オリンピック』イメージソング。北京五輪というとMr.Childrenの「GIFT」(NHK)、SMAPの「この瞬間、きっと夢じゃない」(TBS)、レミオロメンの「もっと遠くへ」(フジテレビ)等々強い曲が多かった。イメージソングのラインナップでいうと2004年のアテネ五輪が最も強かった(「栄光の架橋」etc)と思うんだけど、北京五輪はその次くらいに強かったと思うね。

アコースティックな感じの軽やかポップス。アコギのざっくり音が心地良い。オリンピックのテーマだけど壮大過ぎないのが良いよね。4年後の「証」はもうハデハデモリモリ胸ヤケ過ぎて……(マルマルモリモリみたいになった)。北京→ロンドンの4年間で嵐もすっかり国民的の鎧を着せられる事になっちゃうからね。この「風の向こうへ」位のラフな感じが懐かしい。

サクラップもあるのが良いんだよね。日本テレビ北京五輪のキャスターを担当していた櫻井が、実際に選手を取材した際に感じた想いをラップにしたという。

作詞の多田慎也氏は翌年に「マイガール」を手掛けるのに加え、2年後にはAKB48に「ポニーテールとシュシュ」を提供し大ブレイクに貢献する事になる。多田さん実は2008年・2009年・2010年と3年連続年間トップ級ヒットナンバーに関わってるんだよね。(2024/11/5更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

truth/風の向こうへ / 嵐

Beautiful days

2008年11月5日 売上約47万枚

作詞・作曲:Takuya Harada

24thシングル表題曲。前作「truth/風の向こうへ」から約3か月ぶり。

2008年度年間シングル10位に食い込み、「truth/風の向こうへ」(1位)、「One Love」(2位)と共に年間トップ10内に嵐が3作ランクインした。これは2002年の宇多田ヒカル以来6年ぶり。

二宮和也主演TBS系金曜ドラマ『流星の絆』主題歌。大野が主演した『魔王』と同じ枠で、2クール連続で同じ金曜ドラマ枠の主題歌を担当した。

切ないメロディーが光る王道J-POP。Aメロ・Bメロ・サビとどこを切り取っても極上のメロディーで最高。初期からこのような曲は多かったが、夏の大ブレイクによるオーラなのか、この曲はより磨きがかかった名曲に感じた。

この時期から、ジャニーズの中でも明らかに嵐だけ良い曲が与えられてるように感じだした。まぁ「良い曲」というか「わたくしマーの琴線に触れる曲」と言った方が良いかな。メロディーの良い「うた」が好きな僕にとっては、この辺りからが嵐の黄金期。(2024/11/6更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

Beautiful days / 嵐

2009年

Believe

2009年3月4日 売上約66万枚

作詞・作曲:100+、Rap詞:櫻井翔、編曲:吉岡たく

25thシングル「Believe/曇りのち、快晴」両A面1曲目。前作「Beautiful days」から約4か月ぶり。

3形態発売による効果もあり初動50万枚を記録。初動売上のみで年間シングルチャート暫定1位に躍り出、そのまま年間1位を獲得してしまった大ヒット作。累計で66万枚を記録し「truth/風の向こうへ」を僅かに超えてこの時点での自身2番ヒットに。なんかずっと「A・RA・SHI」に次ぐ2番ヒットの座が入れ替わり続けてるな。

年間2位には次回作「明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」が、3位に「マイガール」がランクインし2009年の年間トップ3を嵐が独占。これは1978年のピンク・レディー(「UFO」「サウスポー」「モンスター」)、1988年の光GENJI(「パラダイス銀河」「ガラスの十代」「Diamondハリケーン」)に続く史上3組目の記録であった。

櫻井翔主演映画『ヤッターマン』主題歌。勢い抜群のハデハデな曲。この曲を聴いた瞬間、前年の大ブレイクが一過性ではない事、嵐がジャニーズ界の王者になった事を痛感したね。それくらいのパワーを持ってるというか、ポケモンで例えると攻撃・防御・HPすべてマックスの曲って感じがする。サクラップもたっぷり聴けるし満足。「嵐っぽい曲」を1つ選べと言われたらコレになるかな。ところで作詞作曲の100+って誰? なんて読むの、ひゃくぷらす?(2024/11/8更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

Believe/曇りのち、快晴 / 嵐/矢野健太 starring Satoshi Ohno

曇りのち、快晴 / 矢野健太 starring Satoshi Ohno

2009年3月4日 売上約66万枚

作詞:多田慎也、作曲:QQ、編曲:QQ・佐々木博史

25thシングル「Believe/曇りのち、快晴」両A面2曲目。

大野智主演テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『歌のおにいさん』主題歌。大野智のソロ曲でありドラマ中で演じた「矢野健太 starring Satoshi Ohno」名義でのリリース。嵐のシングルとしては唯一のソロ曲となる。

ドラマの方はボーカルを務めていたバンドが突然解散、恋人にフラれ、更に就職も取り消された男・矢野健太(大野智)がひょんなことから子供番組「歌のおにいさん」となり奮闘していくストーリー。観た事は無いが面白そう。大野の恋人役として当時エイベックスで絶賛売り出し中だったgirl next doorの千紗が出てたようだ。

どうしても「Believe」の影に隠れがちだがこっちも良い曲。ポップで前向きだし、歌唱力のある大野だからより良く聴こえる。一応シングルA面ではあるし当時Mステでも歌われたりしたんだけど、ソロかつドラマの役柄名義というイレギュラーな楽曲故に『All the BEST』系ベストにはハブかれちゃうので長年印象が薄かった。良さに気付いたのは2019年末サブスク解禁後の事である。

「Believe」の100+に続いてこっちの作曲はQQ。この人2年後に「果てない空」でも登場するけど誰なんだ? 読みはきゅーきゅーで良いのか?(2024/11/9更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:配信限定カップリングベスト『ウラ嵐BEST 2008-2011』

Believe/曇りのち、快晴 / 嵐/矢野健太 starring Satoshi Ohno

明日の記憶

2009年5月27日 売上約62万枚

作詞・作曲:平義隆、編曲:石塚知生・佐々木博史

26thシングル「明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」両A面1曲目。前作「Believe/曇りのち、快晴」から約2か月ぶり。

前作と同じ3形態発売で、初動もほぼ同じ50万枚。同一歌手のシングル2連続初動50万超えは2001年の桑田佳祐(「波乗りジョニー」「白い恋人達」)以来。累計は62万枚となり、2009年度年間チャートでは前作に次ぐ2位にランクイン。

櫻井翔主演日本テレビ系土曜ドラマ『ザ・クイズショウ』主題歌。記憶喪失の男・神山(櫻井翔)が、ディレクターの指示により自分が誰なのか分からぬままクイズ番組の司会をこなしていくというサイコサスペンスドラマ。観てなかったがこれまた面白そうだ。ちなみにディレクター役はSUPER EIGHT(当時関ジャニ∞)の横山裕。

切ないメロディーが冴えわたるシリアス・ミディアムナンバー。リリース当時からもう非の打ち所がない完璧な楽曲というイメージ。周囲とも「明らかにジャニーズ内で嵐だけ良い曲が与えられてるよね」と話してた。

平義隆はスリーピースバンド・The LOVEのボーカル。嵐にはこの1曲しか提供していないがクオリティが素晴らしいのでもっと提供して欲しかった。(2024/11/10更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~ / 嵐

Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~

2009年5月27日 売上約62万枚

作詞:Soluna、作曲・編曲:HYPER SLIPPER

26thシングル「明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」両A面2曲目。

KOSE『エスプリーク・プレシャス』CMソング。デジタルダンスナンバー。当時Mステでも歌われたし『All the BEST』にもしっかり入ってるのだがどうも印象が薄い。全シングルで一番薄いかも。「明日の記憶」のインパクトが強すぎたので両A面とはいえこっちはほぼカップリングって感覚になっちゃうね。

この後7月にシングル「Everything」、8月にオールタイムベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』がリリースされ大ヒットを飛ばす。ちなみに『5×10 All the BEST! 1999-2009』には「A・RA・SHI」からこの曲までが収録範囲。故に「One Love」「truth」「風の向こうへ」「Beautiful days」「Believe」「曇りのち、快晴」「明日の記憶」「Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」はオリジナルアルバム未収録となった。ブレイクの上昇気流真っ只中のシングル群がオリアル未収録って結構珍しいよね。(2024/11/10更新)

おすすめ度:C
収録アルバム:3rdベスト『5×10 All the BEST! 1999-2009』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~ / 嵐

Everything

2009年7月1日 売上約43万枚

作詞:100+、作曲:Shingo Asari、編曲:ISB

27thシングル表題曲。前作「明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」から約1か月ちょいぶり。

3形態発売だった前々作・前作と異なり今回は初回盤と通常盤の2形態。故に売上的には前回の2形態「Beautiful days」と同等の数字に下がった。次の3形態発売は2013年の「Calling/Breathless」まで空く。

嵐が出演したau by KDDI『去年と違う夏。』CMソング。疾走感のあるセツナポップ。CMで聴いた瞬間に「これまた名曲だ!」と思い、2004年の「瞳の中のGalaxy/Hero」以来5年ぶりのシングル購入に踏み切った。

2009年の4シングルでは一番地味な存在だし現在ではなぜ購入に至る程にこの曲にハマったのか、自分の行動がよく分からない。確かに良い曲だけど。浪人2年目の夏を迎え、漠然とした不安に苛まれていた当時の僕には刺さったのだろう。この曲を聴くと2009年・夏の池袋の街並みを思い出す。

作曲の浅利進吾はKinKi Kidsの「約束」等ジャニーズやアイドルに数多く提供している作家。そして作詞はまたもや100+。年間1位となる「Believe」の作詞作曲という大役を務めた偉大な作家だが何者なのか?

翌月にリリースされ年間1位の特大ヒットを飛ばす『5×10 All the BEST! 1999-2009』には未収録となり、アルバム収録は翌年の9th『僕の見ている風景』まで持ち越された。(2024/11/11更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:9th『僕の見ている風景』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

Everything / 嵐

マイガール

2009年11月11日 売上約56万枚

作詞:Wonderland、作曲:多田慎也、編曲:Naoki-T

28thシングル表題曲。

8月の3rdベストアルバム『All the BEST! 1999-2009』から約3か月後のリリース。シングルとしては「Everything」から約4か月ぶり。

初動のみで前作の累計43万枚を売り上げた。累計56万枚となり、年間1位の「Believe/曇りのち、快晴」、2位の「明日の記憶/Crazy Moon~キミ・ハ・ムテキ~」と合わせ2009年の年間シングルトップ3を嵐が独占。これは1978年のピンク・レディー(「UFO」「サウスポー」「モンスター」)、1988年の光GENJI(「パラダイス銀河」「ガラスの十代」「Diamondハリケーン」)に続く史上3組目の記録であった。

2009年はシングル年間1位が「Believe/曇りのち、快晴」、アルバム年間1位が『5×10 All the BEST! 1999-2009』、ミュージックDVD年間1位が『5×10 All the BEST! CLIPS 1999-2009』、そしてアーティストトータルセールス1位と、史上初となるオリコン年間4冠を達成。更に2年連続1・2位独占、トップ5内4作ランクインも史上初と記録尽くしの1年だった。

相葉雅紀主演、テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『マイガール』主題歌。「風の向こうへ」「曇りのち、快晴」を手掛けた多田慎也が放った必殺メロディアスJ-POP。「Beautiful days」を更にハートフルに進化させたような名曲。とにかくメロディーが好きだね。わたくしマー的にも嵐でトップ3には常に入る大好きな一曲である。

この年の大晦日にはNHK紅白歌合戦に初出場。前年のブレイクを定着させたまさしく大成功の1年であった。(2024/11/13更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:9th『僕の見ている風景』、4thベスト『5×20 All the BEST!! 1999-2019』

マイガール / 嵐

※下記記事に続きます。

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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