KinKi Kids 歴代アルバム感想 #3 ~2016-2023~
こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー・田中(@kazeno_yukue)でございます。
この記事ではKinKi Kidsの各アルバム感想・それぞれのおすすめ度を、発売順に記載してまいります。
1997年~2014年
15th N album
2016年9月21日 売上約15万枚
※…通常盤のみ収録
15thアルバム『N album』。前作『M album』から1年9か月ぶり。
前作に未収録だったシングル「鍵のない箱」(17万枚)に加え「夢を見れば傷つくこともある」(17万枚)「薔薇と太陽」(21万枚)を収録。
2連続2枚組だったが今回は1枚に戻った。今作では共同プロデュースとして堂島孝平が参加している。タイトルの「N」は「naked」「natural」から来ており「ありのままで自然体の感性」を表しているという。
初回盤は全13曲収録かつ「なんねんたっても」のMV・メイキング映像を収めたDVD付。通常盤は「Summer~僕らのシルエット~」「雨音のボレロ」が追加収録された全15曲入り。
ここ数作の勢いのまま、今作も安定感抜群の一作。セルフプロデュースが始まった2000年の『D album』辺りから長く関わりがありKinKiを知り尽くしている堂島孝平が共同プロデュースという点も安定感に磨きをかけているのだろう。ここまでKinKiを聴いてきた人ならば文句なしに気に入るだろうし、いちポップスアルバムとして聴いても極上の一作だと思う。
特に1曲目「naked mind」から「薔薇と太陽」までの勢いは圧巻。20年目にしてこの勢いは本当に凄い。アルバム曲では4「星見ル振リ」が好み過ぎて未だによく聴く。KinKi全体でもかなり上位に入るほどのメロディー。
おすすめ度:B+
4thベスト Ballad Selection
2017年1月6日 売上約15万枚
※…通常盤のみ収録
KinKi Kids初のバラードベストアルバム『Ballad Selection』。これまでのキャリアの中からバラードをセレクトして収録。
初回盤はジュエリーBOX仕様で光一・剛本人の直筆メッセージ入り。通常盤はボーナストラックとして新曲「White Avenue」とこの時点での最新シングル「道は手ずから夢の花」の20周年バージョンが追加収録されている。この2017年はKinKi Kidsデビュー20周年の年であり、年末にはオールタイムベスト『The BEST』がリリースされる事となる。
2007年のファン投票+自選ベスト『39』とは15(13)曲中7曲(その内「愛のかたまり」はバージョン違い)が被っており、おまけにKinKiファンはバラードに魅力を感じている人が多いようであの時の投票上位4曲がモロに被っている。なので何となく既視感のある選曲である。更に紅白初出場で固定ファン以外の興味が湧きやすいこのタイミングなら外向けなオーソドックスベストの方が良かったのでは…(結局オールタイムベストは年末まで焦らされた)。
しかしやはりKinKiバラードは名曲の宝庫であるのもまた事実。「愛のかたまり(M album Ver.)」なんかは『M album』で聴いた時は埋もれてたんだけど今作でピックアップされた事で素晴らしい出来だと思えたし改めてメロディーの良さを感じられた。
ファンが改めてKinKiバラードの魅力に浸れる一作でもあるし、重量級では無く1枚モノなので「青の時代」や「もう君以外愛せない」位しか知らない人でも結構聴きやすいんじゃないかと。欲を言うと初期の名曲「せつない恋に気づいて」や「FRIENDS」も入れて欲しかったが…。
完全新曲「White Avenue」は派手さは無いもののKinKiバラードの旨味をしっかり入れ込んだ良曲。シングルA面という感じでは無くC/Wの名曲という雰囲気か。反対に「道は手ずから夢の花(20th Anniversary Ver.)」はオリジナルと打って変わって派手なアレンジにされている。壮大にはなったけどこの曲に関してはシングル時の落ち着いたアレンジの方が味わい深くて好きだった。
おすすめ度:B
5thベスト The BEST
2017年12月6日 売上約22万枚
【Disc.1】
【Disc.2】
【Disc.3】
※…新曲・通常盤のみ収録
ベストアルバム『The BEST』。デビュー20周年を記念した3枚組オールタイムベストアルバム。ベストとしては『KinKi Single Selection』『KinKi Single Selection Ⅱ』『39』『Ballad Selection』に続く5作目。
1997年の1stシングル「硝子の少年」からこの当時の最新作「The Red Light」までのシングル全38作の表題曲45曲をリマスタリングして時系列順に収録。アルバム初収録となったシングル曲は「KinKiのやる気まんまんソング」(「好きになってく 愛してく」と両A面 52万枚)「The Red Light」(21万枚)。また「道は手ずから夢の花」(19万枚)もシングルバージョンではアルバム初収録(『Ballad Selection』ではリアレンジバージョンで収録されていた)。更に『C album』『KinKi Single Selection』で独自のアレンジとなっていた「やめないで,PURE」のシングルバージョンも初収録であった。
初回限定盤は三方背ケース仕様で44ページブックレット封入。またDVD or Blu-rayが付属しておりそちらには2017年7月15日・16日に行われた20周年イベント『KinKi Kids Party!~ありがとう20周年~』のダイジェスト映像が収録されている。通常盤は36ページブックレット封入。またボーナストラックとして新曲の「すべてのひとかけら」「Next to you」が追加収録されている。
20周年の年である2017年頭に出たのがまさかのバラードベストだったので「あれ、もしかして純粋なベスト出さない感じ…!?」と不安だったのだが年末になってようやく今作がリリースされた。シングルA面のみを順番通りに収録するというコレクション形式のシンプルな内容、更にタイトルも『The BEST』って昨今では逆に珍しいくらいのシンプルさで、まさかあらゆる角度から見てここまでストレートかつ機械的なベスト盤を出すとは予想外だった。
・残念だったポイント
シングルコレクションに徹したせいで当然ながら「Kissからはじまるミステリー」「FRIENDS」「愛のかたまり」辺りのファン人気絶大なアルバム曲が軒並み未収録になってしまった。小学校低学年の頃に『若葉のころ』や『金田一少年の事件簿』等のドラマを観ていた世代としてはCDデビュー前のKinKiというものの存在も大きく、これらの主題歌だった楽曲は出来れば入れて欲しかった所…。『Ballad Selection』でも今作でも、1stアルバム『A album』の曲が全くピックアップされないのはかなり残念だった。更に何よりファン人気No.1かつ今や一般知名度もトップクラスに高い「愛のかたまり」が未収録というのは「KinKi Kidsのベスト」としてどうなのか…。
・良かったポイント
ただこれからKinKiを聴いてみようという人にとって最も手が伸ばしやすい決定盤が登場したという見方も出来る。長年重宝された『KinKi Single Selection』『KinKi Single Selection Ⅱ』の2作は今作によって役目を終えたし『Ⅲ』は出ていなかった。更に10周年の『39』は初心者には不向きの内容だったので、これからKinKiを聴いていきたい人が手に取るべき作品は今作一択である。
Disc.1は問答無用の大ヒット期。KinKiの曲といえばまずこの時期の曲が浮かぶだろうという位にヒット曲のオンパレードである。Disc.2からはセルフプロデュースになりアーティスティックな曲も増えてくるけど、定期的にヒットも出てたしこの時期までは世間に知られている曲もあるだろう。Disc.3になるとシングルと言えど少々マニアックな面も出てくる。Disc.2の時期に培ったアーティスティックさをさらに深化させたような印象。その中で久々の織田哲郎提供となった「まだ涙にならない悲しみが」のポップさが際立つ。僕自身も当時この曲のキャッチーさに魅了され、改めてKinKiの良さに気付かされたものだ。
上記のようにアルバム曲(特にデビュー前のドラマ主題歌等)が全く無視されたのはファンとして残念ではあったけど、KinKiのシングルコレクションとしてこれぞ!という決定盤が出たという事実は嬉しくもある。Disc.1・2のヒット期しか知らないリスナーが、今作を通じて「現在も良い曲を歌っているんだ」という事を知ってくれたら何より。また今作を聴いて良いなと思えた人は、次の一作としてファン投票ベスト『39』に進めばよりKinKiの深い音楽性に浸れると思う。
おすすめ度:A
16th O album
2020年12月23日 売上約14万枚
※通常盤のみ収録
16thアルバム『O album』。20周年ベスト『The BEST』から3年ぶり、オリジナルアルバムとしては2016年の『N album』以来実に約4年3ヶ月ぶり。
シングル「Topaz Love」(22万枚)「会いたい、会いたい、会えない。」(19万枚)「光の気配」(18万枚)「KANZAI BOYA」(20万枚)収録。「Topaz Love」と両A面だった「DESTINY」は未収録。また2017年の「The Red Light」は『The BEST』に収録されていたが、今作にも再度収録された。
初回限定盤はCD全13曲収録に加え、「彗星の如く Music Clip」「O album TV SPOT」「O album TV SPOT Making」を収録したDVD/Blu-rayが付属。通常盤CDは「100年後の空にはなにが見えるんだろう」「STARS」を加えた全15曲収録。
前作『N album』に引き続き共同プロデュースに堂島孝平を招いているからか、全体的には『N album』と同じような感想。適度にキャッチーで適度にスタイリッシュ。
僕としては「響-hibiki-」や「運命論」等のメロディアスな曲が特に好み。またシングル発売時にはイマイチに感じた「光の気配」や「The Red Light」も、今作の中で聴いたら非常に良く思えた。これがオリジナルアルバムの良いところだよね。あと恐らく永久封印楽曲になるであろう「KANZAI BOYA」が収録されているという意味でも貴重な作品になるだろう。
2020年は新型ウイルス騒動が猛威を振るったのは勿論、ジャニーズ内でもSixTONESやSnow Manら後輩がデビューし大ヒットを飛ばしたりとそれまで以前・以後に一気に世界が変わったような年だったが、当時年の瀬に今作を聴いて改めてKinKi Kidsの安定感に安心したものだ。
おすすめ度:B
17th P album
2023年12月13日 売上約20万枚
※通常盤のみ収録。初回盤Aのみ「ローズマリー」、初回盤Bのみ「FREAKY FUNKY NIGHT」収録
17thアルバム『P album』。前作『O album』から3年ぶり。「25年間のPieceを繋ぎ合わせて、PeaceでPreciousなPleasureをあなたに」がテーマ。
シングル「アン/ペア」(18万枚)「高純度romance」(17万枚)「Amazing Love」(25万枚)「The Story of Us」(18万枚)収録。
初回盤A・Bには『KinKi Kids YouTube Original Live』等を収録したDVD/Blu-rayが付属。2022年7月にKinKiの公式YouTubeチャンネルが開設、そちらで随時公開されていったオリジナルライブ映像を2枚に纏めたもの。
またしても堂島孝平が共同プロデュース(2016年の『N album』から3作連続)。という事で全体的な印象は前作と変わらず。適度にキャッチーで適度にスタイリッシュな曲が並ぶ。今回はややスタイリッシュ寄りかな。だが基本どの曲もサビのメロディーがクッキリしてるし聴き心地が良い。
25周年イヤーに出た「高純度romance」「Amazing Love」がどちらも好みだったので、その2つが入っているというだけでまず満足度が高い。特に「Amazing Love」(作詞:KinKi Kids、作曲:山下達郎)のキラキラ感はこれぞKinKi Kids!って感じで大好きだった。ただ「Amazing Love」に魅了された身としては、アルバムでももっとキャッチーかつキラキラな世界を見せて欲しかったというのも本音。
おすすめ度:B
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※著者:マー・田中(@kazeno_yukue)
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