Mr.Children 歴代シングル&名曲感想 #2 ~1996-2000~

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Mr.Children 歴代シングル&名曲感想 #2 ~1996-2000~

こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です。

「ミスチル現象」なんて呼ばれる程の大ブレイクを果たした一方で桜井の精神状態はダークな方向へ向かい、ついに衝撃の問題作『深海』を発表するに至り1997年春には無期限活動休止を宣言。その後98年秋に復活を果たしベスト盤へ向かうまでの5年間を振り返ろう。この時期はキャリア中最も難解でロック色が強かった。

※前回(デビュー~9thシングル「シーソーゲーム~勇敢な恋の歌」まで)の感想は下記記事です

10th 名もなき詩

名もなき詩

1996年2月5日 約230万枚

初動120万枚
。累計では230万枚を売り上げ、94年の「Tomorrow never knows」に次ぐ自身2番目の大ヒット曲となった。「innocent world」以来2回目の年間1位。またシングルで200万枚突破を2度叩き出したのはCHAGE and ASKA(「SAY YES」と「YAH YAH YAH」)に続いて史上2組目だった。

史上初の初動ミリオンシングルであり、この初動は2011年にAKB48「Everyday,カチューシャ」に抜かれるまで15年間1位を保持した大記録であった。ただ当時はO社の集計方式が現在と異なっており、流通の関係上前週の金曜日から店頭に並んでいた(今作の発売日は月曜日だった)分も全て1週目の数字に集計されたため完全に公平な初動というわけでも無い

フジテレビ系ドラマ「ピュア」主題歌。シンプルなバンドサウンドに哲学的な歌詞が乗り、曲が進むに連れてどんどん盛り上がってゆく。具体的なジャンル分けの出来ないとても独特な楽曲だと思う。とにかく最高の1曲としか言いようのない大名曲。ラップ調の早口部分から転調した最後のサビになだれ込む部分は圧巻。J-POP史上最もテンションの上がる部分である(個人的に)。気分によって変動はあるもののミスチルの曲でどれが一番好きかと問われたらまずコレを挙げる事が殆ど。中1の頃初めて聴いた時の衝撃は今でも忘れられないね。

おすすめ度:A+
5thアルバム『深海』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

C/W また会えるかな

NISSANブルーバードCMソング。ほんわかした曲調ながら決意表明のような歌詞は力強い。5thアルバム『深海』の「臨時ニュース」の一部にこの曲が使われている。中学時代にミスチルを聴き始めた頃友人からこの中古シングルを貰ったのでアルバム未収録C/W(当時)の中ではかなり早い段階で知っていた曲である。

おすすめ度:C+
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

11th 花-Memento-Mori-

花 ~Memento-Mori ~

1996年4月10日 約153万枚

この曲のみ収録した500円シングルとして発売。B’zに次いで当時歴代2位となる8作連続ミリオンセラーを記録した(現在ではAKB48、B’zに次ぐ歴代3位)。スピッツ「チェリー」と同日発売であり初動では30万枚程の差をつけて勝利。しかしその後の伸びは両者共に凄まじく4週目にして「チェリー」も1位を獲得。最終的なセールスは「チェリー」が10万枚程上回った。

中学生の頃、親によってビデオ録画されていたミュージックステーション10周年スペシャル(Mステは96年に10周年を迎えたがそのスペシャルの録画を僕が観たのは6年後の2002年頃だった。ややこしい)の中で聴いたこの曲を一発で気に入り初めてミスチルのCDを買った(お馴染みブックオフで『深海』を…)。なのでミスチルファンになった直接的なキッカケはこの曲という事になる。

サブタイトルの意味はラテン語で「死を想え」。絶望的なアコースティックギターの響きから始まる、重く暗い楽曲。しかしメロディーの美しさはピカイチで、曲のラストには僅かながらも希望が感じられる仕上がりになっている。「名もなき詩」に負けず劣らずこれまた大名曲。間奏のギターソロが好きで、高校時代によく練習した。

このシングルの2ヶ月後、衝撃の問題作『深海』を発表しいわゆる「深海期」に突入する事になる彼ら。そんな彼らの暗黒期を暗く、しかし美しく象徴するのがこの曲なのである。この曲単品で聴くと暗く感じるが、『深海』の中で聴くと希望の光のように感じられるのが不思議である。どうでもいいが桜井さんの歌い方が〈いま~♪〉ではなく〈いも~♪〉に聞こえるのは僕だけか。ちなみにわたくしマー、この年の春に小学校入学。

おすすめ度:A+
5thアルバム『深海』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

5thアルバム 深海

1996年6月24日 約274万枚

シーラカンス

5thアルバム『深海』収録曲。海に沈むインスト「Dive」からノンストップで音が繋がっており、暗いギターの音色とまるで死んだようにどんよりとしたボーカルで幕を開ける。少しの光も射さないまさに深海で歌われているかのように暗黒な一曲

執拗に繰り返される〈シーラカンス〉とは何かの比喩なのだろうか。一部ではMr.Children自身の事を指しているとの説も。終盤ではテンポアップしまた冒頭のアコギに戻ってゆく。絶望的に暗いもののロックバンド・ミスチルとしてはかなりカッコ良いナンバーだ。ニューヨークで録音された成果なのかどこかこもったようなじっとりしたサウンドが最高にマッチしている。

おすすめ度:A
5thアルバム『深海』

手紙

5thアルバム『深海』収録曲。「シーラカンス」からさらにノンストップでこの曲に繋がる。CDデッキに表示される秒数を凝視していないとどこで切り替わったのかよく分からない。ベスト盤の解説によると『深海』の結末はこの曲であるという。ピアノ主体であり、春の穏やかさが広がるゆったりとしたバラード。短く儚いがとても良い曲だ。

おすすめ度:B+
5thアルバム『深海』

ありふれたLove Story~男女問題はいつも面倒だ~

5thアルバム『深海』収録曲。男女の出会いから別れまでを描いたまるでショートムービーのような一曲。ドレミファソラシドそのまんまな感じのサビが小気味良くて好き。今作の中では「Mirror」と並んで明るい雰囲気である。

おすすめ度:A
5thアルバム『深海』

Mirror

5thアルバム『深海』収録曲。可愛らしい曲調のミディアムナンバー。ライブではギターの田原が鉄琴を披露するという事で田原ファンの間では伝説化している曲でもある。ベスト盤に唯一収録されたのがこの曲だった。『深海』はアルバム全編通して確固たる世界を作り上げてしまっているのでこれくらい軽い曲じゃないとむやみに引っ張ってこれなかったんじゃなかろうか。

おすすめ度:B+
5thアルバム『深海』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』

So Let’s Get Truth

5thアルバム『深海』収録曲。アコギとハーモニカによる弾き語りナンバー。しゃがれた声や社会風刺全開のムードは長渕剛を思わせる。何気にメロディーは爽やかなので聴き心地は良い。2分にも満たない小品という感じの曲なのでカラオケで歌うとミスチルファン以外は「え?もう終わり?」という反応になる。曲が終わるとサイレンの音と共に「臨時ニュース」へ移行するのでここから「虜」まではほぼノンストップで繋がっているとも言える。

おすすめ度:B+
5thアルバム『深海』

ゆりかごのある丘から

5thアルバム『深海』収録曲。前曲「マシンガンをぶっ放せ」から音が繋がっているスローナンバー。どっしりした曲調やその物悲しい歌詞も相まってこの曲近辺がアルバム中最も暗いゾーンであると感じる。特に〈僕が戦場に行っているその間 君はもう違う誰かの腕の中 そして僕は一人〉なんて悲しさMAX。歌詞に登場する〈手紙〉は3曲目の「手紙」を指しているという説も。

おすすめ度:B+
5thアルバム『深海』

5thアルバム『深海』収録曲。「ゆりかごのある丘から」ラストのヘリの音が徐々に大きくなりドラム音になって行き、なだれ込むようにこの曲が始まる。個人的にこの狂ったような切り替わり部分は恐怖を感じる。くすんだギターとしゃがれたボーカルでこれまたマイナーでダークな一曲。

当初はアルバムの中では苦手な部類だったがライブ映像等でそのカッコ良さに気づいてからは好きな一曲となった。終盤ゴスペルシンガーによるコーラス主体となる部分は神々しささえ感じる。カラオケでこのコーラスを再現しようと試みてもただの断末魔の叫びになってしまうので物真似はオススメしない。

おすすめ度:A
5thアルバム『深海』

深海

5thアルバム『深海』収録曲。アルバムのラストを飾るタイトル曲。「シーラカンス」とは対になっており〈シーラカンス これから君は何処へ進化(すす)むんだい〉〈シーラカンス これから君は何処へ向かうんだい〉という自分自身への問いかけのようなフレーズが目をひく。途中までは淡々と進んでゆくが終盤になると派手に盛り上がり〈連れてってくれないか 連れ戻してくれないか 僕を〉というメロディーとも叫びともつかないシャウトを連発。ラストの水音は深海から出ようとする音なのか、それともさらに深く潜ってゆく音なのか…。やはり〈シーラカンス〉とはミスチルそのもの、もっというと桜井自身の心だったのであろうか。

おすすめ度:B+
5thアルバム『深海』

12th マシンガンをぶっ放せ-Mr.Children Bootleg-

マシンガンをぶっ放せ~ミスター・チルドレン・ブートレグ

1996年8月8日 約73万枚

5thアルバム『深海』からのシングルカットとなる「マシンガンをぶっ放せ」と新曲2曲を収録。96年当時としては珍しかったマキシシングルでの発売だった。全盛期特有の勢いで1位は獲得したがさすがに93年の「CROSS ROAD」から続いていた連続ミリオンは8作でストップした

〈核実験〉や〈疫病〉といったワードが飛び交うかなり攻撃的でダークな曲。ロックなミスチルを好む層からは評価が高い。僕も聴いた当初こそ戸惑ったものの現在ではかっこよくてかなり好きな一曲になった。アルバムでは次曲「ゆりかごのある丘から」とヘリの音で繋がっているがシングルでは完全に独立している。なので厳密にいうとこれはシングルバージョンという事になるがアレンジやミックスに違いは無い。PVが存在しないようだ(CDTVでよく流れていた高速で地を這い回るような映像はPVでは無いらしい)。

おすすめ度:A
5thアルバム『深海』

C/W Love is Blindness

いかにも深海期真っ只中という感じのダークでどんよりした曲。あまりにも暗いがガリっとしたロック感がたまらなく好み。

おすすめ度:B+
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

C/W 旅人

C/Wでは1、2を争う人気曲であろう。テンポのある爽快ロックナンバーだが歌詞はどこか暗いしボーカルが掠れていたりしていてやはり深海期なんだなぁと感じる。『深海』を引っ提げたライブ「regress or progress」のDVDで1曲目を飾っており、CD音源よりも先にそのライブ音源を聴いたのだがその時から大好きな一曲。4人で演奏している!って感じが良い。

おすすめ度:A+
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

13th Everything(It’s you)

Everything(It's You)

1996年2月5日 約121万枚

6thアルバム『BOLERO』先行シングルであり、活動休止前最後のシングル。前作はリカットという事でミリオン割れしたが、今作では再びミリオンに盛り返した

日本テレビ系ドラマ「恋のバカンス」主題歌。〈すてええええええええええ〉というサビが印象的などっしりバラード。良メロで好きな曲ではあるがすぐ1ヶ月後にはアルバム『BOLERO』がドカ売れし無期限の活動休止に入ったのでミリオンシングルとはいえ存在感がちょっと薄いかなとも思う。

桜井が弾いているという間奏のギターソロがカッコ良く、高校時代には猛練習したが未だに完璧には弾けない。ライブ映像を観るとこのギターソロは前半は田原が弾き後半で桜井にバトンタッチしている。

おすすめ度:B
6thアルバム『BOLERO』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

C/W デルモ

女性モデルの視点でモデルの現実と苦悩を歌った異色作。ソウルっぽさもあり中々に好きな曲。だがそれは僕がミスチルファンだからでありファン以外の一般人にはウケないとも思う。ラストに〈私が世界の 水泳大会の おりも政夫〉というフレーズがあるが誰だよ?という感じで最初は戸惑った。調べたら70年代を代表するアイドルグループ・フォーリーブスのメンバーらしいが全く知らない…。

おすすめ度:C+
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

6thアルバム BOLERO

1997年3月5日 約328万枚

タイムマシーンに乗って

6thアルバム『BOLERO』収録曲。社会風刺全開でかなり攻撃的なロックナンバー。どんより感は無くむしろ明るめなサウンドではあるものの、ガラガラにしゃがれた声はやはり深海期だなぁと思う。

中学時代に友人に貸してもらって聴いたのが初だったのだが歌詞に〈宮沢賢治〉が飛び出してきたり、あっち行ったりこっち行ったりな奔放な展開が新鮮でとにかく衝撃的だった。音楽に衝撃を受けるとはまさにあの事を言うのだろう。あのタイミングでこの曲に出会わなかったら、ミスチルにここまでハマって無かったかもしれない…と思う程。この時期にしか歌えなかったであろう名曲

おすすめ度:A
6thアルバム『BOLERO』

Brandnew my lover

6thアルバム『BOLERO』収録曲。ロック度の強かったこの時期を象徴するようなダークロックナンバー。イントロのバチバチしたギターがカッコ良い。「タイムマシーンに乗って」同様の衝撃を受けた曲。DVD『regress or progress ’96-’97 tour final IN TOKYO DOME』では貴重なライブ映像を観る事が出来るが手足を拘束された桜井が悶えながら歌うというかなり異色なステージになっておりこちらも衝撃。

おすすめ度:B
6thアルバム『BOLERO』

ALIVE

6thアルバム『BOLERO』収録曲。元々はアルバムのタイトル候補でもあったという芯に迫ってくるようなクールかつ力強い曲。鬱屈した心情を吐き出す冒頭から、終盤に向かうにつれてゆっくりと光が射してくる。名曲である。この曲を知った中学時代、タイトルの英語が読めずずっと暫定タイトルとして「アリベ」と読んでいたのも遠い過去の話。

おすすめ度:B+
6thアルバム『BOLERO』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』

幸せのカテゴリー

6thアルバム『BOLERO』収録曲。この時期にしては珍しく初期っぽい軽やかなナンバー。歌われているのが「別れ」なのでどこか煮え切らないがメロディーのポップさは随一。〈カテゴリー〉と〈懲り懲りー〉の踏み方は聴いてて気持ち良い。DVD『regress or progress ’96-’97 tour final IN TOKYO DOME』では演奏されたにも関わらず何故かカットされてしまっている。

おすすめ度:B+
6thアルバム『BOLERO』

14th ニシエヒガシエ

ニシエヒガシエ

1998年2月11日 約66万枚

活動休止中に突如発売されたシングルでありテレビ出演は一切無かった。そのためかチャート1位は獲得したものの売上は一気に60万台にまで下がってしまった。

デジタル色の強い非常に実験的な楽曲で、これまでのようなヒット性は皆無。バンド休止中、桜井が自宅にPro Toolsを導入し色々と試行錯誤した中で生まれた一曲らしい。タイアップだったドラマ「きらきらひかる」は当時(ワタクシ小2)毎週見ていて主題歌であるこの曲に関しては「なんかヘンテコな曲だなぁ」とぼんやり思っていた。4~5年後、J-POPに興味を持ってから調べたら「あ、あのドラマの曲ミスチルだったのか!!」と驚いたものだ。

そんな思い入れもある影響か、非キャッチーな曲ながらかなりお気に入りの一曲。デジタルサウンドとラウドなバンドサウンドの入り混じり方がカッコイイ。ラストサビ前の〈風にまたがって Ah Ah ニシエヒガシエ~~〉と〈張り付けの刑になったって〉が重なってるのでカラオケではどう歌おうか困る。

おすすめ度:A
7thアルバム『DISCOVERY』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

C/W ニシエヒガシエ EAST Remix

ドラマ内でも使用されたというリミックスバージョン。編曲には小林武史の他に藤井丈司の名もある。藤井はサザンオールスターズの『KAMAKURA』や桑田佳祐1stソロ『Keisuke Kuwata』に参加していた音楽プロデューサーであり特に『Keisuke Kuwata』では小林武史とも共同作業をしたはずなのでその縁なのか?軽めな感じのリミックスであり一回聴いたらオッケー。

おすすめ度:C
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

C/W ニシエヒガシエ WEST Remix

こちらはほぼインストみたいな感じになっている。どうもリミックスというものは良さが分からない。こっちも一回聴いたらオッケーでありあえて聴きかえそうとは到底思わない。

おすすめ度:C
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

15th 終わりなき旅

終わりなき旅

1998年10月21日 約107万枚

本格的な活動復活を告げたシングルであり、97年の「Everything(It’s you)」以来のミリオンとなった(同時に自身最後のミリオンシングル)。

フジテレビ系ドラマ「殴る女」主題歌。中学生の頃、CDTVのライブラリーでサビを聴いた瞬間「これは素晴らしい曲だ!!」と体に電気が走ったのを今でも覚えている。大名曲。次々と転調してゆくコードも特徴的でギターのコード進行の基礎はこの曲で学んだようなものである。この曲の影響で転調の魅力に取りつかれた。1番・2番のサビはCだが終盤のキーはEまで上り詰め果てしなく苦しくなってゆく構成ゆえ、カラオケでは喉と血管が破壊されるので注意。

おすすめ度:A+
7thアルバム『DISCOVERY』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

C/W Prism

クールで冷たい印象のある曲だがメロディーの美しさは中々のもの。〈自分に嘘をつくのが だんだん上手くなってゆく〉等、時代や自分を嘆き明かす歌詞には現代人の誰もが共感する所があるのではないだろうか。

おすすめ度:C+
7thアルバム『DISCOVERY』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

16th 光の射す方へ

光の射す方へ

1999年1月13日 約45万枚

シングルの割には中々マニアックな曲調でサビもテンポは爽快なのだが突き抜けないというか、モヤモヤが残る。2番のサビが終わってからの展開は更に謎で、だらーっとした不可思議な世界が広がる。「ニシエヒガシエ」に続く実験シングルでありベスト盤を買うまでこの曲がシングルである事を知らなかった。しかし言葉数が詰め込まれたAメロBメロはカラオケで歌いこなすとかなり気持ち良い。

おすすめ度:C+
7thアルバム『DISCOVERY』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

C/W 独り言

アコギ主体で歌われるフォーキーな曲。〈ウ~ウ~ 独り言~〉というコーラスが特徴的だがまぁ地味。

おすすめ度:C
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

7thアルバム DISCOVERY

1999年2月3日 約181万枚

DISCOVERY

7thアルバム『DISCOVERY』収録曲。活動再開後初のアルバムの1曲目を飾るタイトルチューンだが同じメロディーを延々繰り返してゆく構成で非常に重苦しく取っつきにくい。『深海』の影を未だ引きずっているようなヘビーさである。

おすすめ度:C
7thアルバム『DISCOVERY』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

Simple

7thアルバム『DISCOVERY』収録曲。アコギ主体のまろやかなナンバー。マイナス思考であれこれ悩みまくったものの、探していたものは意外とシンプルな答えだったというラブソングである意味アルバムタイトルと最も合致したメッセージが込められているのはこの曲かも。

おすすめ度:B
7thアルバム『DISCOVERY』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

#2601

7thアルバム『DISCOVERY』収録曲。ドラム鈴木との共作曲でありミスチル史上恐らく最もハードロックな一曲。サビのシャウトは狂気さえ感じる激しさでありパッと聴いたら「これ本当にミスチル?」と疑わしくなってしまう程の変貌ぶりである。

一部の公演では演奏されたらしいがライブ盤『1/42』からは外されてしまった。最もライブ映えしそうなのはこの曲だと思うのだが…。ただ叫んでいるだけみたいな印象なので昔から好きではない曲だがミスチルファンの友人の中には好印象だというヤツも居てカラオケでたまに歌われる。

おすすめ度:C
7thアルバム『DISCOVERY』

ラララ

7thアルバム『DISCOVERY』収録曲。「Simple」に続いてこちらもアコースティック風味のまろやかな曲。〈簡単そうに見えてややこしく 困難そうに思えてたやすい そんなLa La La そんなLa La La 探してる 探してる〉と常に何かを探しているというこれもアルバムタイトルに合致したフレーズが飛び出す。しかしベスト盤に収録する程の曲か…?という疑問も。ライブでの観客を交えた「ラララ~♪」の大合唱は確かに良いけどそこまで好きな曲では無い。

おすすめ度:C
7thアルバム『DISCOVERY』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

Image

7thアルバム『DISCOVERY』収録曲。序盤は非常に穏やかに始まり、サビになるとオーケストラを交えた雄大なサウンドに激変。そしてまた穏やかなAメロに戻りそのまま終了し結局サビは一回しか無いという異色曲だがこれが素晴らしいメロディーで圧巻の名曲。初めて聴いた時からこのアルバムで一番好きな曲である。重苦しかったり叫びまくりだったり面食らうアルバムだったがこの曲に辿り着くと何だか全てがオールオッケーみたいな感慨に浸れる。

おすすめ度:A
7thアルバム『DISCOVERY』、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(ライブバージョン)

17th I’LL BE

I’LL BE

1999年5月12日 約30万枚

アレンジは全く異なるとは言えアルバムからのシングルカットという事で、1位は獲得したものの前後作と比べて売上は伸び悩んだ。

「SEA BREEZE」CMソング。7thアルバム『DISCOVERY』からのシングルカットだが、アルバムでは重量感ある9分越えの大作バラードだったものを軽快なポップナンバーへと大胆アレンジしている。好みは分かれる所だろうが僕は勢いを感じるシングルバージョンの方が好み。〈いつも心にしてたアイマスクを外してやればいい 不安や迷いと無二の親友になれればいい〉という歌詞には勇気付けられる。

01年のベスト盤には弾かれ、25周年の期間限定配信ベストにて初のアルバム収録となったものの未だCDアルバムには未収録なので割と貴重な存在である(『1/42』の音源も原曲のライブバージョンとなっている)。またメディアやカラオケ等ではシングルバージョンを大文字表記で「I’LL BE」、アルバムバージョンを小文字表記で「I’ll be」と区別する風潮が見られるが公式ではどちらのバージョンも「I’ll be」となっている。

おすすめ度:B+
7thアルバム『DISCOVERY』(原曲)、8thアルバム(ライブ盤)『1/42』(原曲のライブバージョン)

C/W Surrender

アコースティック風味の淡々とした曲だが意外と侮れない隠れ名曲。後半になると歌も演奏も盛り上がるしメロディーも絶妙に染みる。まだこの曲を知らなかった03年頃、ミスチルファンの友人がカラオケで歌っていて「コレ良い曲だな」と思った記憶がある。翌年の9thアルバム『Q』にも収録されたがそちらでは冒頭にカウントが追加されている。

おすすめ度:B+
9thアルバム『Q』

18th 口笛

口笛

2000年1月13日 約72万枚

変化球っぽいシングルが多かった中、一転して初期の匂いを感じさせる王道ミディアムナンバーが登場。インパクトもありつつ優しさに溢れたメロディーは素晴らしく、不朽の名曲というオーラがある。ライブでは観客を交えた大合唱になるがそれは本当に感動的。個人的ベストテイクはDVD『HOME TOUR 2007 -in the field-』の映像。

「終わりなき旅」以来のミリオン越えを果たしてもおかしくなかった程の名曲だと思うが結果は70万台に留まった。ノンタイアップというのが響いたか?ただ当時のミスチルは落ち目ムードが漂っていたようなので仮にタイアップが付いていても厳しかったかもしれない。あとこの頃の桜井は何故か金髪だったがお世辞にも似合っているとは言い難い

おすすめ度:A+
9thアルバム『Q』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』

C/W Heavenly Kiss

ちょっと大人な雰囲気の漂うミディアム曲。初聴きではピンと来ないかもしれないが聴き込むと癖になる。これも隠れ名曲であろう。DVD『TOUR Q』では「クラスメイト」と続けて演奏された。

おすすめ度:B
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

19th NOT FOUND

NOT FOUND

2000年8月9日 約60万枚

フジテレビ系ドラマ「バスストップ」主題歌。「名もなき詩」以来2度目の月9主題歌。

3連リズムのダイナミックな曲でありグングン突き進んでゆく勢いに圧倒される名曲。サビ後半の〈微笑みを~〉のキーは異常な高音でありカラオケでは毎回撃沈するが非常にスカッとするものがある。特に最後の最後に高音4連発くる箇所がありそこは歌うというよりただの狂った絶叫になってしまう(あまりに高音なためか近年のライブでは桜井も半音下げする時がある)。

桜井さん自身がインタビューで「最高傑作」だと語ったとされているし、かなりの自信作だったのだろう。しかし天下の月9主題歌ながら売上はノンタイアップだった前作も下回る60万枚。しかも直後に発売された9thアルバム『Q』は当時全盛を極めていた浜崎あゆみの3rdアルバム『Duty』に大差で敗れ2位、更に『Versus』以来のミリオン割れとかなーり落ち目ムードが生まれてしまった…。ちなみに今作から本格的にマキシシングルに移行。

おすすめ度:A+
9thアルバム『Q』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』

C/W 1999年、夏、沖縄

語りと歌が入り混じったようなAメロから段々とバンドサウンドになってゆく。桜井曰く「吉田拓郎を意識した」との事。味のある曲だが7分40秒とかなり長く、あまり聴く事は無い上にミスチルファン以外とのカラオケでは歌えない。

おすすめ度:C
14thアルバム(C/W集)『B-SIDE』

9thアルバム Q

2000年9月27日 約89万枚

CENTER OF UNIVERSE

9thアルバム『Q』収録曲。アコギの弾き語り風に始まったと思いきや、最初のサビから急に加速し激しいサウンドになりそのまま戻ってこない。サビは3回あるが3回ともリズムやアレンジが異なっており、一つの楽曲の中でどんどん曲が進化していっているようにも感じられる。〈愛を補充〉〈火が燃ゆる〉〈ハイ ボンジュール〉といった韻の踏み方もミスチルらしさ爆発で最高。中盤で異常に早口な部分(「名もなき詩」のラップよりも高速)がありカラオケでそこを歌いこなせるかどうかでその日の気分が変動する(ちなみに失敗した場合は終日絶望的な気持ちになる)。

『深海』から続く重苦しさを取っ払ったかのような自由さだが、これはこれでまた変な異次元に突っ走っているような感じも…。まぁ楽曲としてはかなり好きだけどね。掴みどころのない何とも奇妙な『Q』というアルバムを象徴する一曲

おすすめ度:A
9thアルバム『Q』

つよがり

9thアルバム『Q』収録曲。穏やかなメロディーが心地いいザ・バラード。本来なら『DISCOVERY』に入る予定だったのがお蔵入りになっていたという。曲自体良いのだが一風変わった曲がひしめく『Q』の中ではより安心感のある名曲に感じられただろうし実際人気も高い。ただこの後続々と同系統のバラードが登場してきたので現在ではやや影が薄いかな?という気も…。

おすすめ度:B
9thアルバム『Q』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』

十二月のセントラルパークブルース

9thアルバム『Q』収録曲。ポップというのかロックというのか…何とも表現しづらいまさに『Q』らしい変な曲。Aメロは歌というか適当なボヤキみたいな感じでサビになると途端に異常な高音で叫びまくる。最初に聴いた時は「何じゃこれ…(汗)」と絶句したものの聴き込んでいくとこの意味不明な世界が非常に楽しく、心地よくなってきて今ではかなり好きな一曲。この曲を良い!と思い始めたらもうこのアルバムから抜け出せないだろう。冬のニューヨークを思わせるワードが散りばめられており個人的に冬になると聴きたくなる。

おすすめ度:B+
9thアルバム『Q』

友とコーヒーと嘘と胃袋

9thアルバム『Q』収録曲。これもまたアルバムを象徴するような曲。変な曲シリーズの中でもとりわけ変な曲であるキングオブ変な曲である。浮遊感のあるサウンドに乗せてラップのようなけだるさMAXの歌が続いてゆく。そして間奏では桜井の謎の台詞が炸裂する。誰かと喧嘩しているような、はたまた独り言のような全く意味の分からない台詞だがこれこそがこの曲のキモであると思う。カラオケでは残念ながら台詞が表示されないので記憶を頼りに何となく物真似してみたりするがどうも上手くいかないし、ミスチルファン以外の人と行った場合には最悪異常者だと思われかねないので挑むのはリスキー。

おすすめ度:B
9thアルバム『Q』

ロードムービー

9thアルバム『Q』収録曲。〈オートバイが走る〉という歌詞の通り軽快で風を感じる胸キュンミディアムナンバー。〈街灯が2秒後の未来を照らし〉のフレーズは秀逸。このアルバムにおいての「まともな曲」枠は全て「つよがり」に持っていかれてしまった感があるがこちらも中々に普遍性のある名曲である。確かなファン人気があり『TOUR Q』のDVDではイントロが流れた瞬間の歓声を確認できる。

おすすめ度:B+
9thアルバム『Q』

Hallelujah

9thアルバム『Q』収録曲。これまでよりももっとどっしりと、大きな心で構えているようなラブソング。〈ある時は僕の存在が 君の無限大の可能性を奪うだろう〉と、あえてマイナスを提示しておきながら、それでも〈僕は君を不幸にはしない〉と言い切っているあたりがとても力強いし、ある意味ではこれが究極のラブソングなのではないか?とさえ思う。この時期らしく複雑な展開をする曲調なんだけどこの翌年にはベスト盤を出すのでまさにここが一区切り、ここ数年間の集大成という印象。

おすすめ度:B
9thアルバム『Q』、2ndベスト『Mr.Children 1996-2000』

※この続き、20thシングル「優しい歌」以降のレビューは下記記事です

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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