Mr.Children 全シングル&名曲レビュー #6

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Mr.Children 全シングル&名曲レビュー #6

こんにちは、J-POP大好き人間、マー・田中(@kazeno_yukue)です。
Mr.Childrenシングル&名曲レビュー第6弾。

※前回(3rd配信「かぞえうた」から18thアルバム『REFLECTION』まで)のレビューは下記記事です。

Mr.Children 全シングル&名曲レビュー #5
Mr.Children 全シングル&名曲レビュー #5 こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です。 2014年に小林武史の元を離れセルフプロデュースへと移行(ただ小林との関係が途切れた訳では無...

36th ヒカリノアトリエ

2017年1月11日 約16万枚

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:ヒカリノアトリエ

「足音~Be Strong」から2年2か月ぶりのシングル。前年に行われたホールツアー『Mr.Children Hall Tour 2016 虹』のために結成されたバンド・ヒカリノアトリエ(ミスチル4人にサポートメンバーを加えたチームの総称)による演奏となっている。

芳根京子主演のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』主題歌。『REFLECTION』のアグレッシブな感じからすると急にアッサリした印象の曲になったなと感じた。最初聴いた時は優し過ぎるように思えていたが何度も聴いているとアコーディオンやサックスを交えた軽やかな雰囲気が良いなと思えるようになってきた。朝ドラ主題歌だけあって朝の陽ざしの中で聴きたくなる爽やかさだ。

前述の通り特別バンドの演奏故に、Mr.Children名義ではあるんだけどキャリアの中では若干イレギュラーな立ち位置の楽曲とされているのか、本来収録範囲内であるハズの19thアルバム『重力と呼吸』には未収録。5年後の2022年にリリースされたベスト盤『Mr.Children 2015-2021 & NOW』にてアルバム初収録となった。ベスト盤がアルバム初収録となったシングル曲は今作が初。

おすすめ度:B
収録アルバム:6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

C/W つよがり(Studio Live)/くるみ(Studio Live)/CANDY(Studio Live)/ランニングハイ(虹 Tour 2016.11.7 FUKUI)/PADDLE(虹 2016.10.14 KUMAMOTO)

スタジオライブ音源3曲は原曲よりもマイルドな仕上がりになっているが3連続バラードというのが中々重たく何度も聴く気にはならない。後半のライブ音源2曲も原曲と比べて音がスカっているように感じて1度聴けば十分かなと…。

おすすめ度:C
アルバム未収録

I LOVE CD Shops!

シークレットトラック1。25周年に掛けて25秒間の無音トラック。

Over(弾き+語り²Version)

シークレットトラック2。1994年の4thアルバム『Atomic Heart』収録曲の弾き語りライブ音源。長年ファンの間で物議を醸していた迷フレーズ〈顔のわりに小さな胸や~♪〉について、ついに桜井本人が制作秘話を語る…という音源だがぶっちゃけそこまで深い内容では無かった。まぁ曲+ロングMCなので聞き返す事は無いんだけどこうした秘話を聴けるのはファンとして嬉しいものがあるし何気に喋りの音源というのは貴重。

おすすめ度:C+
アルバム未収録

37th himawari

2017年7月26日 約16万枚

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children、弦編曲:桜井和寿・弦一徹

初回限定盤には「Documentary of himawari」「君がいた夏(25th Anniversary Day-2017.5.10 NAGOYA-)」を収録したDVD付属。

浜辺美波・北村匠海主演の東宝系映画『君の膵臓をたべたい』主題歌。力強いロックバラード。映画の内容に合わせたのか重い空気もあるが、メロディーがキャッチーなのもあってそこまで重苦し過ぎにもなならず絶妙な塩梅。ストリングスを適度に交えつつガツンとエレキギターも利いていて、セルフプロデュースだからこその旨味がついにシングル曲で実現した!という感動が凄かった。〈思いを飲み込む美学と 自分を言いくるめて 実際は面倒臭いことから逃げるようにして 邪(よこしま)にただ生きている〉というフレーズが響く。「HANABI」くらいの人気と地位を得てもおかしくない名曲だと思う。

おすすめ度:A
収録アルバム:19thアルバム『重力と呼吸』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

C/W メインストリートに行こう(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)/PIANO MAN(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)/跳べ(Hall Tour 2017 ヒカリノアトリエ)/終わりなき旅(2017.4.23 YOKOHAMA)

前作に引き続きライブ音源を収録。上3曲はかなりマニアックなアルバム曲なのでライブで演るとこんな感じになるんだ~というファン目線からの楽しみ方はあるが、やはり何回も聞き返そうとは思わない。年齢を重ねたせいか「終わりなき旅」ラストの高音部分がかなり苦しそうに聞こえて心配になる。

おすすめ度:C
アルバム未収録

C/W 忙しい僕ら

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:世武裕子

新曲C/W。2015年秋のZeppツーマンライブで披露されていたらしい。編曲は世武裕子。バンドでもコバタケでも無い外部アレンジャーの単独クレジットは「忘れ得ぬ人」(アルバム『REFLECTION』収録)の森俊之以来。コバタケ時代末期を思わせるピアノストリングスバラード。決して悪くは無いけどもうちょっとガツンとしたものを欲してしまう。

おすすめ度:C
アルバム未収録

無音

シークレットトラック1。前作「ヒカリノアトリエ」にもあった25秒間の無音トラック。

ファスナー(スガフェス! 2017.5.6 SAITAMA)

シークレットトラック2。10thアルバム『IT’S A WONDERFUL WORLD』収録曲。2017年5月6日にさいたまスーパーアリーナで行われたスガシカオ主催の『スガシカオ 20th Anniversary スガフェス!~20年に一度のミラクルフェス~』でのライブ音源。元々スガシカオを意識して書いた曲という経緯故のコラボのようだ。原曲はそこまで好きでもなかったがこれを聴いて「これ結構良い曲だったんだな」と気付かされた。

おすすめ度:C
アルバム未収録

7th配信 here comes my love

2018年1月19日

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children、弦編曲:桜井和寿・世武裕子

2014年の「放たれる」以来3年8か月ぶりの配信シングル。タイアップドラマ初回放送日の翌日0時から突如配信リリースされた。

深田恭子主演のフジテレビ系ドラマ『隣の家族は青く見える』主題歌。ミスチル王道のバラードではあるんだけど、エレキギター等バンドサウンドもしっかりと主張されていてどっしりした佇まい。2010年の『SENSE』辺りに収録されていそうな深く蒼い空気感がありたまらない。何よりやはりメロディーが素晴らしく心を掴んでくる。2番Bメロの、祈るように(ジャーン!)叫ぶように(ジャーン!)と入ってくるギターが最高に良い。これは名曲だ。

わたくしマー・田中が、ミスチルに限らず初めて配信でダウンロード購入した楽曲であったと思う。これ以前はCD購入→iPodへインポートという流れでしか音楽を聴いてなかった。しかしコレは配信でしかリリースされないというから困った。ネット音痴の僕は当時恥ずかしながらダウンロード購入のやり方すら分からず、盟友Shall君に教えてもらい何とか購入した記憶がある。新しいことを始めるのにかなり腰が重いのが僕の悪い所だ。サブスクに登録するのもここから約1年半後の2019年夏と、かなり及び腰だったし。

おすすめ度:A
収録アルバム:19thアルバム『重力と呼吸』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

19thアルバム 重力と呼吸

2018年10月3日 約44万枚

Your Song

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children

19thアルバム『重力と呼吸』収録曲にしてリード曲。情報解禁と同時にMVのショートバージョンが公開。アルバム発売日にMVのフルバージョンと、林遣都、村上穂乃佳らが出演した別バージョンも公開された。

アルバムのリード曲というと派手だったり強いメッセージ性を感じるものが多いがこれはかなーりシンプルな印象。この曲含めて『重力と呼吸』の収録曲はテレビ披露が一切されていないようだがそれも印象が薄い理由かも。とは言えまぁ流石ミスチル、メロディー良い。ライブで独特な一体感は生まれるだろうな。キラキラと蒼いサウンドで、夜の都会が浮かんでくる。

おすすめ度:B
収録アルバム:19thアルバム『重力と呼吸』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

SINGLES

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children

19thアルバム『重力と呼吸』収録曲。綾野剛主演のテレビ朝日系ドラマ『ハゲタカ』主題歌。最初、Twitterで「ミスチルの新曲、ベストアルバムみたいなタイトルだな」という書き込みを見て調べたら確かに!と思った。T-BOLANや氷室京介のベスト盤を思い出す。

これは当時から好きな曲。タイアップドラマは夏にやっていたが観てなかったので、10月のアルバム発売と同時にちゃんと聴いた。激しめのバンド演奏。そしてミスチルらしいメロディー・言い回しも同居している。ミスチルらしいってどういう事か具体的には説明出来ないが、とにかくミスチルらしさを感じるのよ。歌詞に〈東京タワー〉が出てくるのが都会的で好き。「Your Song」にも感じた夜の都会感があるのよね(この後に虹が架かってと続くから場面的には昼なんだけどさ…)。

おすすめ度:B+
収録アルバム:19thアルバム『重力と呼吸』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

秋がくれた切符

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children

19thアルバム『重力と呼吸』収録曲。ベスト盤に選ばれた曲以外で、このアルバムから1曲好きなの選ぶとしたらコレ。優しさ溢れるラブ・ミディアムソング。これもまたミスチルらしい。壮大でない、良い意味で小品っぽさがある。何でも西野カナに楽曲提供するイメージで書いたという。カナやんが新たな詞を乗せて実現してくれ!

おすすめ度:B
収録アルバム:19thアルバム『重力と呼吸』

皮膚呼吸

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children

19thアルバム『重力と呼吸』収録曲。2017年7月にNTTドコモのCMにおいて「未発表DEMO」として公開されていた楽曲。アルバムのラストを飾るミディアムソング。これまた都会的な空気を感じるんだよね。ビル群だったり夜景だったりが浮かんでくる。「Your Song」や「SINGLES」も相まってこのアルバム全体にシティ感が見える。良い曲だしアルバムの締めとしても素敵。まだまだメロディーの引き出し尽きないな、桜井和寿恐るべしと感じたものだ。

おすすめ度:B+
収録アルバム:19thアルバム『重力と呼吸』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

38th Birthday/君と重ねたモノローグ

2020年3月4日 約9万枚

CDシングルとしては2017年の「himawari」以来約2年8か月ぶり。両A面シングルとしては2003年の「掌/くるみ」以来実に17年ぶり(2005年には「四次元 Four Dimensions」の4曲A面というパターンもあった)。また元号が令和になって最初に発表された楽曲でもある。

初動は6万枚で、1993年の4thシングル「CROSS ROAD」以来10万を下回った。JO1の「PROTOSTAR(無限大)」(初動32万)が居たためチャート最高順位は2位。

レコーディングは同年末に発売されたアルバム『SOUNDTRACKS』制作の一環として、ロンドンのRAK Studiosで行われた。2000年の9thアルバム『Q』以来となる海外レコーディングであった。またレコーディングはU2やサム・スミス等の作品を手掛けグラミー賞受賞経験もあるスティーヴ・フィッツモーリスと共同制作で行われた。

Birthday

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・Steve Fitzmaurice・Ken Masui、弦編曲:Simon Hale

東宝配給映画『映画ドラえもん のび太の新恐竜』主題歌。2020年の1月~10月まではテレビ版のエンディングテーマとしても使用された。

アニメ映画の主題歌という事で躍動感を取り入れたのは分かるが、バンドサウンドが軽過ぎないか?最初聴いた時の印象は「これリミックスバージョン?」。流石にドラムとかもうちょっとガツンと音鳴っててほしい。現在では聴き慣れてきたが、当初は歴代シングルで一番ハマらないと感じた。これが海外レコーディング+海外エンジニアの効果なのか。だとしたらカネかけて海外行かずとも国内で良いよ…と思ったものだが、年末の『SOUNDTRACKS』は悪くなかったんだよね…。やっぱこの曲自体、メロディーとか根本の所にそこまでハマれないんだろう。

余談だがこの曲を聴くと、コロナ騒動が本格化してきて、いつ緊急事態宣言がなされるのか、人と会うな、リモートワークに切り替えろ、電車の本数を減らす(!?)等、かつて味わったことの無い非日常的で混沌とした2020年春のあの空気感を思い出す。結局タイアップだったドラえもんの映画も3月6日から8月7日(のび太の誕生日)に公開延期された。

おすすめ度:C
収録アルバム:20th『SOUNDTRACKS』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

君と重ねたモノローグ

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・Steve Fitzmaurice・Ken Masui、弦編曲:Simon Hale

東宝配給映画『映画ドラえもん のび太の新恐竜』劇中歌。「終わりなき旅」や「しるし」を超える7分32秒という歴代シングル最長の演奏時間だが、歌唱そのものは5分半で終わり残り2分は長ーいアウトロである。「Birthday」とは一転してかなり大人しいバラード。しっとりまったりし過ぎで「Birthday」同様にリリース当時からハマれない一曲だ。両A面の2曲目なので実質カップリングのような立ち位置とは言え、シングルとは思えない静けさだよね。申し訳ないがベスト盤『Mr.Children 2015-2021 & NOW』収録曲が発表された時は、「「君と重ねたモノローグ」が入らなくて良かった…」とホッとしたのが本音。

おすすめ度:C
収録アルバム:20th『SOUNDTRACKS』

8th配信 turn over?

2020年9月16日

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・Steve Fitzmaurice・Ken Masui、弦編曲:Simon Hale

松岡茉優主演のTBS系ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』主題歌。TBS系ドラマ主題歌を手掛けたのは2004年の「Sign」以来(『オレンジデイズ』)。

『EVERYTHING』~『Versus』辺りの初期ミスチルっぽさを持つ軽快な曲。高校生バンドが歌ってるかのような。まぁ悪くない曲であるがボーカルやバンドサウンドがどこか固い感じがする。特に歌い方は、桜井和寿以上に桜井和寿っぽい(?)というか、ミスチルがミスチルの物真似してるみたいな感じが。田原さん曰く「久々のエルヴィス・コステロの影響を受けた桜井節」らしいが歌い方にそれが強く出てる気がする。

おすすめ度:C+
収録アルバム:20th『SOUNDTRACKS』

20thアルバム SOUNDTRACKS

2020年12月2日 約38万枚

Brand new planet

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・Steve Fitzmaurice・Ken Masui、弦編曲:Simon Hale

20thアルバム『SOUNDTRACKS』収録曲。有村架純主演のフジテレビ系ドラマ『姉ちゃんの恋人』主題歌。ドラマタイアップもあり、『FNS歌謡祭』等でも披露されたアルバムリード曲の一つ。浮遊感のある変わったサウンド。1番はゆったり目で進んでいくが、2番Aメロに入る瞬間にテンポ良く切り替わる。そこが非常に心地良い。〈可能星〉や〈新しい「欲しい」までもうすぐ〉などこれまで見られなかった造語や言い回しが新鮮。

おすすめ度:B
収録アルバム:20th『SOUNDTRACKS』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

Documentary film

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・Steve Fitzmaurice・Ken Masui、弦編曲:Simon Hale

20thアルバム『SOUNDTRACKS』収録曲。2020年末のテレビ出演では『NHK Mr.Childrenスペシャル』(4曲披露)、『CDTVライブ!ライブ!クリスマススペシャル』(「turn over?」とセット)、『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020』(「Birthday」とセット)、『第71回紅白歌合戦』(単独披露)と怒涛の勢いで演奏された。特に『紅白歌合戦』で、こんないちアルバム曲が単独披露されたのは驚き。

『SOUNDTRACKS』収録曲の中では、最も従来のミスチルっぽさが出ていると思う。これは最初に聴いた時から好きな曲だね。〈今日は何も無かった 特別なことは何も〉というフレーズ、夜寝る前に時々思い出すんだよな。孤独感に寄り添ってくれる一曲である。

おすすめ度:B+
収録アルバム:20th『SOUNDTRACKS』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

others

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・Steve Fitzmaurice・Ken Masui、管・弦編曲:Simon Hale

20thアルバム『SOUNDTRACKS』収録曲。キリンビールCMソングとして、2020年の春あたりからオンエアされていた曲。訳ありな男女の恋愛がテーマ。訳ありってのはまあ不倫・浮気だろう。サビ最後のメロディーが「Everyhing is made from a dream」のサビ最後に似てると思うのだが、分かってくれる人いるだろうか。

大人なムード漂うバラードでまぁ良い曲だが、ベスト盤『Mr.Children 2015-2021 & NOW』に選出されたのは意外だった。ベストの収録曲予想時「Brand new planet」と「Documentary film」は選ばれるだろうと予想してたけど、「others」は地味だし小品感強いしで入らないと思ってたので……。2022年のベスト2枚でのアルバム曲選抜で「忘れ得ぬ人」と並んで意外だった曲。

おすすめ度:C
収録アルバム:20th『SOUNDTRACKS』、6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

memories

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・Steve Fitzmaurice・Ken Masui、弦・ハープ・パーカッション編曲:Simon Hale

20thアルバム『SOUNDTRACKS』収録曲。アルバムのラストを飾るバラードで、実際にレコーディングされたのも最後だったという。ピアノとストリングスが中心で、桜井さん以外のミスチルメンバーは参加していない。ミスチルというより桜井和寿ソロ楽曲という感じだ。こういう事があるとボーカルと他メンバーとの間にモチベーションの差が生まれバンドが休止・離散したりするイメージがあるが、ミスチルの場合は絶対無さそう。『SOUNDTRACKS』の中で最もメロディーが好きなのはこの曲だ。NHKで使われそうな美しく幻想的、御伽噺のような作品。ベスト盤には選ばれないタイプだろうとも感じる。オリアルだけのお楽しみ楽曲。

おすすめ度:B+
収録アルバム:20th『SOUNDTRACKS』

9th配信 永遠

2022年3月24日

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children・小林武史、弦編曲:小林武史・四家卯大

配信限定シングルとしては「turn over?」から約1年半ぶり。2015年の18thアルバム『REFLECTION』以来、小林武史(通称コバタケ)が編曲に参加したザ・ミスチルバラード。当初は桜井さんがアレンジを考えていたものの1か月試行錯誤しても納得いくものが出来ず、「小林さんにお願いするしかない」との結論に達し依頼したという。

中島健人(Sexy Zone)主演、カメラマンの青年と難病を抱えた女性の恋愛を描くNetflix映画『桜のような僕の恋人』主題歌。00年代を彷彿とさせる王道壮大バラード再び。感触としては「しるし」や「祈り~涙の軌道」を初めて聴いた時の感触に近い。聴きながら〈レンズを向けるたび〉とか〈シャッターを押す人差し指〉とか〈時は行き過ぎる〉とかかなりタイアップ仕様というかもっと言うと難病仕様やな~と感じた。映画のエンディングで流れてきたらまぁ泣けるでしょうね。順当な良い曲。どこかで聴いたような…だけど過去曲のどれとも被らない強力メロディーがまだ残っていたのかと。

変な話タイアップ映画観ていないのに曲を聴くだけで映画も一緒に観終わった気分になる。やっぱ桜井和寿は実写作品バラードタイアップ大得意なんだろうな。僕としては『ワンピース』や『ドラえもん』等アニメ系かつアップテンポのタイアップ仕事はあんまり向いてなかったように思うので……。

最初から予想はしてたけど初聴きの時が最も感動のピークで、段々と飽きがやって来る。現在ではあまり聴き返すことは無くなってしまった。でも過去にいくつも同系統の名曲がある中、初聴きで非常に良く感じたのはやっぱリリースのタイミングかな。『[(an imitation) blood orange]』(2012年)の時期にこの曲が出てたら「またこういう曲か…」ってなってたと思う。コバタケ無しの7年間を挟んだからこそ新鮮さという武器を得られたのだろう。

おすすめ度:B
収録アルバム:6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

生きろ

作詞・作曲:桜井和寿、編曲:Mr.Children、管・弦編曲:桜井和寿・Simon Hale

6thベストアルバム『Mr.Children 2015-2021 & NOW』収録曲。いわゆるベストアルバムの新曲。ミスチルは2001年に2作、2012年に2作そして2022年に2作と計6作ベスト盤をリリースしているが、全くの新曲が収録されるのはこの「生きろ」が初めて。ミスチルはこれまで恐らく意識的に「ベスト盤に新曲を収録する」事を避けていたと思うんだけど、今回はセールス面とかタイミングとかタイアップの関係とか、様々な要因が重なり決行したのだろう。

山崎賢人主演映画『キングダム2 遥かなる大地へ』主題歌。『SOUNDTRACKS』に続いてスティーヴ・フィッツモーリスがレコーディングエンジニアとして参加している。そう思うと確かに『SOUNDTRACKS』の延長線上のような、細マッチョなバンドサウンドである。そしてメロディーは正直そこまで強くない。サウンドの力強さとメッセージ性を身体全体で楽しむというタイプの楽曲。僕はあまりハマらなかった。けど、映画館の大画面で映像と共に体感したらやはりガツンとした迫力を感じた(『シン・ウルトラマン』を観に行った時に予告で流れてきた)。耳で楽しむというよりは身体で、骨で楽しむ楽曲なんだろう。

すこし話は変わりますが……「ベスト盤に新曲を収録する」というのは賛否分かれるよね。わたくしマー・田中はどちらかというと反対派。ベスト盤なんだから、あくまで「過去の作品群」から「チョイス」した「選抜集」であってほしいという思いがあるからだ。他は選抜を経て入ってるのに、なんでお前だけシードでいきなり入ってきてんねんと。推薦で入学しても、その後周りの学力についていけませんよ?と。リリースする時は良いけど発売から数年後、ベスト盤の曲目を見た時に、新曲だけ浮いてしまうのがどうもスマートじゃ無いというか……。

ただ僕の思い・心配とは裏腹に、「ベスト盤の新曲(未発表曲含む)」って妙に素晴らしい曲が多いんだよな、不思議な事に。SMAPの「突然の夏」(97年の『WOOL』収録)、WANDSの「太陽のため息」(00年の『BEST OF WANDS HISTORY』収録)、桑田佳祐の「素敵な未来を見て欲しい」(02年の『TOP OF THE POPS』収録)、スピッツの「歌ウサギ」(17年の『CYCLE HIT 2006-2017』収録)等々挙げるとキリがない。ベスト盤→よく聴く→自然と馴染んでいく→名曲に感じる、というロジックなのだろうか?そんな中、今回の「生きろ」は上記のメンツに並ぶまでには行かないかなーという感じ。

おすすめ度:C+
収録アルバム:6thベスト『Mr.Children 2015-2021 & NOW』

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