KinKi Kids 歴代シングル&名曲感想 #2 ~2000-2004~
こんにちは、船橋スイカ(@funabashisuika)です。KinKi Kidsシングル&名曲レビュー第2弾スタート。
1997年~2000年前半
10th 夏の王様/もう君以外愛せない
夏の王様
2000年6月21日 売上約87万枚
作詞:康珍化、作曲:羽田一郎、編曲:船山基紀
10thシングル「夏の王様/もう君以外愛せない」両A面1曲目。前作「好きになってく 愛してく/KinKiのやる気まんまんソング」から約3か月ぶり。
初のベストアルバム『KinKi Single Selection』リリースから約1か月後の発売で、自身初のマキシシングル。今作以降、KinKi Kidsのセルフプロデュースとなった。初回盤のジャケットは「もう君以外愛せない」のイメージに合わせた青、通常盤のジャケットは「夏の王様」のイメージに合わせたオレンジ色になっている。
堂本剛主演のTBS系ドラマ『Summer Snow』主題歌。広末涼子も出演していたこのドラマ、ほんのりとは観てたんだけど記憶は薄い。僕の世代だと、剛と広末といえば『元カレ』(主題歌「薄荷キャンディー」)の方がパッと浮かぶんだよね。ただ『Summer Snow(サマースノー)』というタイトルは当時「夏の雪ってどういう意味じゃい?」と思ったので強く印象に残っている。
楽曲の方は陽気なサマー・ポップ。アイドルらしい底抜けに弾けたシングルってこれが最後じゃないかな?KinKiの夏うたといえば真っ先に浮かぶのはやっぱコレ。夏が近づくと無性に聴きたくなる。これは名曲。キーが高いのでカラオケで歌うのが辛いのだけがネックだが。2000年頃の夏って現在みたいな酷暑ではなく、まだ爽やかさのある暑さだったように思う。当時わたくしマー小学5年生、映画『ジュブナイル』とかを観に行った、あの夏休みに戻りたい…。2000年の夏、あなたは何をしていましたか?(唐突な問いかけ)
ヒットシングルにも関わらず2007年の『39』、2025年の『39 Very much』共に圏外。「シンデレラ・クリスマス」もそうだったけどこういう季節限定系ソングは投票に弱いのだろうか。(2025/5/13更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:4th『D album』、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
もう君以外愛せない
2000年6月21日 売上約87万枚
作詞・作曲:周水(canna)、編曲:重実徹
10thシングル「夏の王様/もう君以外愛せない」両A面2曲目。
堂本光一主演の日本テレビ系ドラマ『天使が消えた街』オープニングテーマ。借金を返すため殴られ屋として稼ぐ主人公を光一が、その自閉症の兄を藤井フミヤが演じたドラマ。当時観ていたが、社会派ドラマという感じでどうにも全体的に暗いというかシリアスで小学生(わたくしマー当時小5)が観るには重かった…。よく毎週観てたな。内容はあまり覚えていないが自閉症という言葉はこのドラマで知ったかもしれない。
楽曲の方は壮大なバラード。「青の時代」「to Heart」と並ぶ三大バラード、KinKiバラード御三家(造語)の一角である。〈もう君以外愛せない 他にどんな人が現れても〉の部分も良いメロディーだが、そこから更に強い〈たとえ~この世が~〉に流れ込むのが心地良い。サビが2段階あるような構成で満足度が高い。音楽に興味を持った中学時代、改めてKinKiを聴いた際「なんて良いメロディーなんだ…!」とまず大ハマりした曲。本格的に歌手としてのKinKiを好きになった、キッカケの曲とも言える。カラオケでも歌うが肝心の〈たとえ~この世が~〉の部分がキー高くキッツイのよ…。
2007年の『39』では21位、2025年の『39 Very much』では29位。(2025/5/13更新)
おすすめ度:A+
収録アルバム:4th『D album』、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
4thアルバム D album
Burning Love
2000年12月13日
作詞・作曲:オオヤギヒロオ、編曲:宗像仁志
4thアルバム『D album』収録曲。
KinKi初セルフプロデュースとなった『D album』の1曲目を飾る、勢い抜群のダンスナンバー。V6の「愛のMelody」、嵐の「とまどいながら」等を手掛けたオオヤギヒロオの提供だがそれら2曲とはまた全く異なる。激しいだけでなくキャッチーなメロディーで素晴らしいんだよね。思い入れ補正もふんだんにあるけど、『D album』は本当に全曲シングルカット可能な名盤だった。(2025/5/13更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:4th『D album』
Back Fire
2000年12月13日
作詞:戸沢暢美、作曲・編曲:石塚知生、コーラスアレンジ:岩田雅之
4thアルバム『D album』収録曲。
〈ブンブンチキブンブン~♪〉の繰り返しが異様に耳に残る。石塚知生はジャニーズ系を中心に編曲でよく名前を見るけど、この曲では珍しく作曲も手掛けている。剛のお気に入り曲で毎回コンサートのセトリ候補に入れるがスタッフに除外されてしまうらしい。KinKiスタッフには評価が低いのだろうか? あとアルバムの冒頭2曲連続で「B」から始まるタイトルで、曲調もどこか似てるので初めて聴いた頃(中学時代)は「Burning Love」と印象が被っていた。(2025/5/13更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:4th『D album』
Misty
2000年12月13日
作詞・作曲:堂島孝平、編曲:CHOKKAKU
4thアルバム『D album』収録曲。
近年のライブにもバンドメンバーとして参加し、『新堂本兄弟』にも2002~03年の間レギュラーとして出演していたり、KinKi Kidsの盟友と言える存在の堂島孝平が初登場。この後「カナシミ ブルー」や「永遠のBLOODS」他多数の曲を提供する堂島孝平だが初登場はこの曲だったのだ。
『C album』以前とはまた異なるスタイリッシュなダンスナンバー、だけどサビは抜群にキャッチーという新境地を魅せた名曲。いきなりスタイリッシュに振り切ったらファン離れを起こしただろうけどこれはまさにダンスとメロディーの見事な融合という感じで自然に聴けるし素晴らしい。後のアーティスティック路線の始まりの1曲と言える。
KinKiふたりも「衝撃を受けた」曲らしいしアルバム曲ながらMステでも披露してたし今作のリード曲的な立ち位置だろうけどそれも納得の名曲である。堂島孝平は凄いね。「葛飾ラプソディー」と全く異なる曲調で作風が幅広いんだな。
余談だが当時僕の母親がこの曲を異常に気に入ってて、同アルバムの「欲望のレイン」と一緒に自宅でずっとリピートされていたのでリアルタイムでの記憶が強烈に焼き付いている。
2007年の『39』では31位(KOICHI’S FAVORITEとして収録)、2025年の『39 Very much』では36位。(2025/5/16更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:4th『D album』、3rdベスト『39』
エンジェル
2000年12月13日
作詞:浅田信一、作曲:谷本新、編曲:白井良明、コーラスアレンジ:松下誠
4thアルバム『D album』収録曲。
『D album』にハマったきっかけの大名曲。歌詞・メロディー・アレンジのバランス全てが最高。冬ソングなんだけど温かみもあって。これぞ完璧なJ-POPというかね。KinKi Kidsでは「僕は思う」や「シンデレラ・クリスマス」、他では嵐の「サクラ咲ケ」「Hero」など耳に残る曲をたくさん作ってる人だが、谷本新最大の名曲はコレだと感じる。ちなみに編曲の白井良明はムーンライダーズ(岡田有希子に「花のイマージュ」を提供したかしぶち哲郎のバンド)のギタリストらしい。(2025/5/17更新)
おすすめ度:A+
収録アルバム:4th『D album』
十二月
2000年12月13日
作詞・作曲:堂本剛、編曲:新川博
4thアルバム『D album』収録曲。
堂本剛自作ソロ。前々作の「Slowly」、前作の「さまざまな愛」に続く4曲目にして、遂に剛特有のあのねちっこい感じの声になってきた。現在聴いても違和感のない声になってきたというかね。
冬を描いたウィンターバラード。これがまぁ素晴らしいメロディー。まだミスチルの影響下にある感じで、ストレートなJ-POPで聴きやすい。「Slowly」と迷うけど剛のKinKi内自作ソロでいちばん好きな曲はコレかな。冬に聴くとほんと染みる。次回作の「百年ノ恋」以降は三段飛ばし位で自我が暴発するので、初期から通じるストレートな自作ソロはコレが最後。(2025/5/18更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:4th『D album』
永遠の日々…
2000年12月13日
作詞・作曲:堂本光一、編曲:石塚知生・鶴田海生
4thアルバム『D album』収録曲。
堂本光一自作ソロ。メロディアスなバラードでこれまた素晴らしい名曲。『D album』は光一・剛どちらの自作ソロも名曲だった。この2曲を中学時代に聴き、僕の中で「KinKi Kidsって自作曲も素晴らしいんだ!」というイメージが確立したのよね。光一のKinKi内自作ソロでは最も好きな曲。剛と同じく光一も次回作から自我を炸裂し出すので、初期からの流れのストレートな自作ソロはコレが最後。(2025/5/18更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:4th『D album』
欲望のレイン
2000年12月13日
作詞:戸沢暢美、作曲:宮崎歩、編曲:鈴木雅也
4thアルバム『D album』収録曲。
マイナーダンスナンバー系の名曲。「Misty」同様に、これまでと違う新たなKinKi像を掴んだ感がある。作曲の宮崎歩は「to Heart」の他、V6の「Feel your breeze」、嵐の「ハダシの未来」など爽やかメロディアス系の名手であるがこんなダーク系でも素晴らしいメロディーを聴かせてくれて。「Feel your breeze」で名前を知った後に後追いで今作のクレジットを見つけ、「えっ、「欲望のレイン」も宮崎歩さんなの!?天才じゃん」と驚いた記憶がある。リリース当時「Misty」と同様に母親が今作を異常にリピートして流しまくってたので小学校高学年の頃を思い出す。
2007年の『39』では25位、2025年の『39 Very much』では33位。(2025/5/19更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:4th『D album』
KinKi Kids forever
2000年12月13日
作詞・作曲・編曲:Jonas Saeed、日本語詞:尾上一平
4thアルバム『D album』収録曲。
KinKi Kids出演の森永製菓『ダース』CMソング。KinKi Kidsというグループのテーマソング的な開放的でオシャレな曲。陽だまりが見えるような温かみもあり、爽やかさもありな名曲。Jonas Saeed(ジョナス・サイード)はスウェーデンの音楽家だがKinKi Kids以外には提供していないのかな? 逆になぜいきなり海外のミュージシャンがKinKiに提供という事になったのだろうか。当初は全英語詞で、CD化にあたり日本語詞が書き加えられた。全英語詞バージョンも今作から7年後の『39』にて初収録。
2007年の『39』の時点でも13位とファン人気抜群だったが、2025年の『39 Very much』ではなんと「愛のかたまり」に次ぐ堂々2位にランクインした。やはりタイトルに「KinKi Kids」が入ってるのがデカいのだろう。2025年の夏以降「DOMOTO」として新たにスタートするわけだけど、何らかの形で「KinKi Kids」というグループ名も残しておきたい、ベスト盤に刻んでおきたいというファンの気持ちが集中したわけだよね。
ちなみに2025年の投票ではオリジナルの2位の他、全英語詞バージョンも34位にランクインした。各曲の得票数が不明だから分からんけど、もしバージョンを一本化するルールで投票を実施してたら「愛のかたまり」を抜いて1位になってたり…しないか?(その場合「愛のかたまり」もAcoustic VersionとM album ver.分が(どちらも圏外だけど)合算されるのでやはり愛かた1位は揺るがないか…)(2025/5/19更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:4th『D album』、3rdベスト『39』(English version)他
KinKi Kids forever / KinKi Kids
Hey!和
2000年12月13日
作詞・作曲:永井真人、編曲:CHOKKAKU
4thアルバム『D album』収録曲。
提供の永井真人は『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』オープニングテーマ「WILD DRIVE」を歌っていたミュージシャン。名前は知らなくても「一人に~ひとつずつ貰える~自由と~情熱を手に~♪」というこの曲は知っている!という人も一部世代にいるだろう(僕と同じ平成元年生まれ前後の男性ならば)。現在は「♪鳥くん」という名前で自称「日本初のプロバードウォッチャー」として活動しているらしい。
ハイテンションな1曲だが確かなメロディーの良さも持ち合わせてる。特にサビは1発で耳に残る。永井真人氏の曲は「WILD DRIVE」以外知らないが、「WILD DRIVE」のハイテンションさに通じるものは感じるね。中学時代に『D album』のクレジットを見た時「これ遊戯王の人じゃん!」と驚いたあの日を忘れない。ちなみに11年後にリリースされるゆずの「Hey和」とは全く関係無い。(2025/5/20更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:4th『D album』
11th ボクの背中には羽根がある
ボクの背中には羽根がある
2001年2月7日 売上約92万枚
作詞:松本隆、作曲:織田哲郎、編曲:家原正樹
11thシングル「ボクの背中には羽根がある」表題曲。
4thアルバム『D album』から約2か月ぶり。シングルとしては「夏の王様/もう君以外愛せない」以来約8か月ぶり。
初動で41万枚、累計で92万枚を記録。99年以来の年間シングルトップ10入りを果たした(8位)。現状、自身が21世紀にリリースしたシングルの中で最高売上となる。
堂本剛主演の日本テレビ系ドラマ『向井荒太の動物日記~愛犬ロシナンテの災難~』主題歌。「おどるポンポコリン」「世界中の誰よりきっと」「負けないで」等の作曲で90年代を席巻した織田哲郎が初登場。織田曰く「KinKiの声にはフォルクローレ(民族音楽)が似合う」との事で哀愁や郷愁を醸し出す名曲が生まれた。
KinKiの二人も後のインタビューで今作を「ターニングポイントとなった」と評しており、「「硝子の少年」の印象が残り過ぎて方向性に悩んでいた」所で新たな方向性を示してくれたという。確かにエキゾチックな名曲。10周年ベスト『39』のファン投票で6位、2025年の『39 Very much』では11位になる等ファン人気も高い。一時期聴き飽きていたけど今回改めて聴いてやはり良い曲だなと思った。(2025/5/21更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:5th『E album』(E Edit)、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
12th 情熱
情熱
2001年5月23日 売上約59万枚
作詞:Satomi、作曲:Boris Durdevic、編曲:松本良喜
12thシングル「情熱」表題曲。前作「ボクの背中には羽根がある」から約3か月ぶり。
後に中島美嘉の「雪の華」、RUIの「月のしずく」、KinKiにも「Anniversary」を提供する作詞家・Satomiが初登場。年齢・性別・本名・姿など全てが非公開となっているSatomi氏。00年代以降あちこちで名前をよく見かけたが2020年にSNSアカウントが消え事務所からもプロフィールが消えてしまったという。
編曲の松本良喜は今作が作家デビュー。後に作曲で「雪の華」「月のしずく」、KinKiの「心に夢を君には愛を」等も手掛ける。今作もそうだが何かとSatomiとの共作が多いがこれは所属事務所(スマイルカンパニー)が同じという繋がりがあるからなのだろう。ちなみに名前の読みは「よしき」ではなく「りょうき」である。
堂本光一主演のフジテレビ系ドラマ『ルーキー!』主題歌。光一演じる新人刑事の奮闘を描いたハートフルドラマで、結構面白くて毎週観ていたんだけど主題歌である今作は当時微妙だなーと思っていた。KinKiの持ち味である哀愁やメロディアス性が無いように感じたんだよね。現在ではこういうマイナーナンバーというのも持ち味の一つとして受け入れられるようになったので割かし好きな曲にはなった(後の「恋は匂へと散りぬるを」なども同系統)。(2025/5/21更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:5th『E album』、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
5thアルバム E album
LOVESICK
2001年7月25日
作詞:戸沢暢美、作曲・編曲:Face 2 fAKE
5thアルバム『E album』収録曲かつリード曲。カッコ良さ重視の曲。全体的にマニアック感のある『E album』を象徴するような曲で、初めて聴いた時は全く良いと思えなかった。僕がメロディー重視で聴いてたからってのも大きい。後々聴き返したらまぁ、そこまで悪くないかな……位には印象は上がったけど。というか2000年代後半に量産されるスタイリッシュ系楽曲らと比べるとまだ全然良いメロディーだったんだなとね。後追いで思えた。(2025/5/21更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:5th『E album』、3rdベスト『39』(KOICHI’S FAVORITE)
百年ノ恋
2001年7月25日
作詞・作曲:堂本剛、編曲:知野芳彦
5thアルバム『E album』収録曲。
堂本剛自作ソロ。ついに「らしさ」が開花した……というよりも抑えきれずに飛び出しちゃったみたいな暴発的ロックナンバー。前々作の「さまざまな愛」、前作の「十二月」と、アルバム1作ずつ少しずつ独自のアーティスト色というかねちっこさを出してきてる兆候はあったものの「いきなりどうした!?」と心配になる程の変貌である。
ミスチルの「マシンガンをぶっ放せ」あたりの影響をビンビンに感じる。〈呼びんさい〉とか〈ついて来てくんさい〉とかね。剛自身デビューからの数年間は忙しすぎて記憶が無いというけど2001年なんかはまさにその目まぐるしい日々の最後の頃だったと思う。ここまでの数年で溜まりに溜まったストレスがすべて吐き出されたような曲(歌詞は一応ラブソングだとは思うけど)。
正直KinKiの作品としては浮いているけど『E album』自体がごった煮感のあるアルバムなのでまだ違和感は目立たないかなと。もしも前作とか次回作にコレが収録されていたら浮きまくりだ。KinKiの曲として考えるとそこまで好きでもないんだけど、翌年のソロアルバム『ROSSO E AZZURO』に繋がる空気は垣間見える。実際「街」とか「溺愛ロジック」と一緒にソロ1stライブで歌われたが非常に馴染んでいたよね。翌年のソロデビューに繋がる作品という意味で、ソロアーティスト・堂本剛の歴史的には大きな1曲だと思う。(2025/5/21更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:5th『E album』
-so young blues-
2001年7月25日
作詞:松岡充、作曲:堂本光一、編曲:鈴木雅也、ブラスアレンジ:山本拓夫、コーラスアレンジ:知野芳彦
5thアルバム『E album』収録曲。
堂本光一自作ソロ。作詞はSOPHIAのボーカル・松岡充。ブラスアレンジの山本拓夫はサザンやミスチルの楽曲・ライブ等にも参加しているベテランの人(桑田さんや桜井さんがメンバー紹介で「山本拓夫!」と紹介してる場面を幾度となく観てきた)。
ブラス音を導入した舞台っぽいゴージャスロックナンバー。振り付けも存在し、2001年の光一主演舞台『SHOCK』でも披露されたという。現在の光一のイメージに通じる最初の1曲という感じ。剛の「百年ノ恋」と時を同じくして光一もこのタイミングで自己解放をはじめた。『E album』は光一・剛どちらも全アルバム中最もKinKiに縛られないソロ曲を持ち込んでる印象。それぞれのアイデンティティーの開花という意味では重要作だったよね。(2025/5/22更新)
おすすめ度:C+
収録アルバム:5th『E album』
月光
2001年7月25日
作詞:浅田信一、作曲:飯田建彦、編曲:ha-j
5thアルバム『E album』収録曲。
『E album』の本編ラストを飾る曲。2007年の『39』では10位に食い込んでおりかなりファン人気の高い曲(2025年の『39 Very much』では35位)。僕も『E album』でいちばん好きな曲……というか個性派揃いの『E album』の中でKinKiらしい一発で良いと思えるキレのある曲がコレしか無い。『E album』を1曲目から聴き始めて何か違うな~何か弱いな~と思いながら進み、最後にたどり着いたこの曲にどれだけ救われたか。コレだよ俺が聴きたいKinKiは!って感じで。癖の強いアルバム曲だらけの中だからこそ余計に輝いた部分もあるがそれを踏まえても名曲。(2025/5/22更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:5th『E album』、3rdベスト『39』
13th Hey! みんな元気かい?
Hey! みんな元気かい?
2001年11月14日 売上約41万枚
作詞・作曲:YO-KING、編曲:F.L.P
13thシングル「Hey! みんな元気かい?」表題曲。
5thアルバム『E album』から約4か月ぶり。シングルとしては「情熱」以来約6か月ぶり。
売上は41万枚と過去最低を更新してしまった。ただ2001年はCD不況の波が押し寄せてきておりチャート最前線の歌手だれもが軒並み売上を下げていたので、別にこの曲自体が世間に刺さらなかったから売り上げが下がった…という訳では無いと思う(次回作で更にガツンと下がるし)。
堂本剛主演のTBS系ドラマ『ガッコの先生』主題歌。真心ブラザーズの倉持陽一が提供したハートフルなギターナンバー。正直当時「これは遂に連続1位記録途切れるんじゃ…」と思ったのを記憶している。カントリー風でギターをジャカジャカやる感じが平和過ぎるというかね…KinKi特有のキレを感じなかったんだよね。現在でもそこまで好きなシングルでは無い。剛が自身のソロ1stアルバム『ROSSO E AZZURRO』(初回盤)でカバーしていたり、同作を引っさげたソロライブでも披露しているので剛は好きな曲なのだろう。(2025/5/22更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:6th『F album』、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
愛のかたまり
2001年11月14日
作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:吉田建
13thシングル「Hey! みんな元気かい?」カップリング曲。
6thアルバム『F album』には「Acoustic Version」として別アレンジで収録。人気の高さから、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』にはシングル以外で唯一特例としてオリジナルバージョンを初収録。10周年ベスト『39』でのファン投票では堂々の1位を獲得し収録。また2014年の14thアルバム『M album』ではセルフカバーされ改めて収録された。20周年ベスト『The BEST』はシングルコレクションに徹していた為カップリングであるこの曲は残念ながら弾かれてしまった。その後2025年の『39 Very much』で18年ぶりに行われたファン投票でも再び1位を獲得し収録。
2000年の「好きになってく 愛してく」以来の自作曲で、あの時と同じく「作詞:堂本剛、作曲:堂本光一」という黄金の図式。カップリングながら、現在に至るまでシングルを超えてKinKiの最大人気曲という印象。実際2007年の『39』投票、2025年の『39 Very much』どちらの人気投票でも堂々1位だったし、カラオケDAMの人気順で調べても1位ともうこれでもかと言う程人気抜群(カラオケ2位は「硝子の少年」)。
リリース直後の2001年暮れ~2002年明けには既に「隠れた名曲」として話題になっていて、わたくしマーの母親が「Hey! みんな元気かい?」のシングル盤を買ってきてカップリングのこの曲だけテープに録音して繰り返し家で流していた。なので2002年頃非常に聴かされまくった記憶がある。「Hey! みんな元気かい?」と比べてこちらの方がKinKi特有のキレがあったし、女性目線の歌詞も冴えていて確かに良い曲だなと思っていたが20年経っても人気トップであり何なら代表曲にまで上り詰めてしまうとは想像していなかった…「KinKiは自作も素晴らしい」という事実が確立された重要曲だしこれまた大きなターニングポイントであった。
『F album』のAcoustic Versionは民族風のノリに変貌していて正直曲の魅力を半減させてしまっているように感じた。やはりオリジナルバージョンが一番良いが、『M album』のしっとりバラードバージョンもメロディーの良さを改めて感じられて結構オススメ。(2025/5/22更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:6th『F album』(Acoustic Version)、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
14th カナシミ ブルー
カナシミ ブルー
2002年5月2日 売上約33万枚
作詞・作曲:堂島孝平、編曲:CHOKKAKU
14thシングル「カナシミ ブルー」表題曲。前作「Hey! みんな元気かい?」から約6か月ぶり。
前作「Hey! みんな元気かい?」から更に売上を下げ遂に30万台に。ただ前作の項でも述べたように2002年は急激なCD不況(要するにCD自体が売れなくなってきた)が業界全体を襲い、ヒットチャート前線の歌手達が軒並み売上を下げていたので、KinKiのその波には抗えなかったという事である。KinKiは結局このシングルから2006年の「Harmony of December」までシングルは30万台をキープし続ける事となる。
2002年初夏の情報番組『ワンダフル』で「緊急事態!今年はまだシングルCDのミリオンが出ていない」というニュースを扱っていたのを覚えている。結局2002年、シングルでミリオンを突破したのは浜崎あゆみの「H」だけであった。2000年は14作、2001年にも4作ミリオンシングルは出ていたのでやはり急激なCD不況の波がやって来た事になる。しかもその「H」もタイアップ3曲を詰め込んだ豪華シングル(当時avexで流行っていた3曲A面形態)。7月にリリースされ90万枚強の売上を記録していた所で、11月に「ミリオンヒット記念盤」を追撃発売して無理矢理ミリオンに持って行ったような印象があった。
「カナシミ ブルー」に話を戻そう。KinKi Kids出演の『UCカード』CMソング。ハイテンポなデジタル・ダンスナンバー。02年当時は中学1年で音楽に興味を持った頃で、友人たちとカラオケに行く機会が激増したのだがそこで毎回のように誰かは歌っていた。なので仲間内では結構流行った曲という印象がある。僕はメロディアス系の曲が好みだったので今作は正直そんなに好きではなかったんだけど、カラオケで繰り返し聴かされた事で当初よりは好きになった。イントロのギターフレーズとかは問答無用でカッコ良い。
ちなみに中国(?)でパクリ非常にそっくりな楽曲がリリースされている。数年前に友人から「これカナシミブルーに似過ぎじゃね?」と聴かせてもらったのだが似てるを通り越してもはやカバーでしょ?というレベルだった。今作に似てるだけあってカッコ良い曲である。敢えて歌手名や曲名はここへ書かないが検索すれば出てくると思う。(2025/5/23更新)
おすすめ度:C+
収録アルバム:6th『F album』(New Mix)、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
15th solitude~真実のサヨナラ~
solitude~真実のサヨナラ~
2002年10月23日 売上約32万枚
作詞・作曲:K.Dino、編曲:ha-j
15thシングル「solitude~真実のサヨナラ~」表題曲。前作「カナシミ ブルー」から約5か月ぶり。
作詞・作曲を手掛けた「K.Dino」とは堂本光一の事である。当初はこれが誰であるのか公表されていなかったが、発売後の2003年1月1日のコンサートにて正体が光一である事が明かされた。イニシャルのK.Dだと光一だとすぐバレてしまうので「フェラーリ創業者の息子の愛称・ディーノ」から取ったという。ちなみにクレジットを本名にしなかった理由は「先入観無く聴いてほしかった」からだとか。
堂本光一主演の日本テレビ系ドラマ『リモート』主題歌。過去のトラウマから地下室に引きこもっている天才警視・光一が、深田恭子演じる婦警にリモート操作で指示を出し事件を解決してゆくドラマ。観ていた当時は「リモート」という言葉に馴染みは無かったがこれから18年後には「リモート〇〇」が定着する世界になるんだよな…。
楽曲の方はシックでシリアスなミディアムソングで良い曲。これまで「好きになってく 愛してく」「愛のかたまり」等の共作、またアルバムでそれぞれが単独で作った曲をソロ曲として歌うという事はしていたが、どちらか一人が作詞作曲した楽曲をふたりで歌うというスタイルは初だった。初期のアイドルポップ期を脱し、洗練されたアーティスト期に入ったのを感じた。ちなみにシングルではフェードアウトで終わるがアルバムバージョンは最後まで演奏される。(2025/5/23更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:6th『F album』(New Edit)、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
solitude~真実のサヨナラ~ / KinKi Kids
6thアルバム F album
ルーレットタウンの夏
2002年12月26日
作詞:谷中敦、作曲・編曲:清水昭男
6thアルバム『F album』収録曲。
『F album』の1曲目にして名曲。当時アルバムを再生して最初に流れてきたこの曲には1発で心を掴まれたね。『F album』が持っているエスニックな雰囲気というか、どこか落ち着いた魅力というのが集約されている。『F album』は終始この落ち着いた、でも決して地味ではない独特のムードに溢れた名盤だった。セルフプロデュースも3作目となり慣れてきたんだろうね。
作詞の谷中敦は東京スカパラダイスオーケストラの阿部寛似の人(いま調べて知ったんだけどなんとこの人B’zの「Don’t Leave Me」に演奏で参加してたらしい)。作曲の清水昭男はTOKIOの「忘れえぬ君へ…」「Mr.Traveling Man」等で知られる作家。(2025/5/23更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:6th『F album』
WINTER KILL
2002年12月26日
作詞・作曲:堂本剛、編曲:林部直樹・石塚知生
6thアルバム『F album』収録曲。
堂本剛自作ソロ。前作「百年ノ恋」ほど暴走しておらず落ち着いた空気の曲。6分を超える長尺だし剛らしいひねくれた感じはあるんだけど、印象はシンプル。同年5月にソロシングル「街/溺愛ロジック」、8月にはソロアルバム『ROSSO E AZZURRO』をリリースしソロツアーとガッツリソロワークスを行ってたので、自己解放はそっちで満足してたのだろうね。(2025/5/24更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:6th『F album』
ひらひら
2002年12月26日
作詞・作曲:堂本剛、編曲:ha-j・吉岡たく
6thアルバム『F album』収録曲。
剛が作詞作曲した曲を2人で歌っている。光一の曲を2人で歌った「solitude~真実のサヨナラ~」とは対になる関係性。軽やかだが全体的に情緒とか風情を醸し出す不思議な名曲。いかにも『F album』の曲だな~って感じの曲だよね。民族的な空気。Aメロとサビがほぼ同じメロディーなのも特徴的。〈アームストロングのように しゃがれた声だ〉みたいな歌詞の節々にはやっぱりミスチルの影響を感じる。2007年の『39』投票では27位に食い込みファン人気の高さを示した(2025は圏外)。(2025/5/24更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:6th『F album』、3rdベスト『39』(TSUYOSHI’S FAVORITE)
月夜ノ物語
2002年12月26日
作詞・作曲:堂本光一、編曲:ha-j・吉岡たく
6thアルバム『F album』収録曲。
堂本光一自作ソロ。個人的に『F album』というと何よりもまずこの曲が浮かぶ。和風情緒あり、どこか妖しい雰囲気もあり、ミュージカル音楽色もあり。しかもサビは一発で耳に残る。ムード満点の名曲。『F album』の曲だな~って感じの曲だよね(2回目)。剛同様、光一もここで自作の方向性が明確に定まった感じだよね。2004年には光一主演の舞台『SHOCK』でも披露された。(2025/5/25更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:6th『F album』
テノヒラ
2002年12月26日
作詞:浅田信一、作曲:オオヤギヒロオ、編曲:CHOKKAKU
6thアルバム『F album』収録曲。
アルバムのクライマックスを飾るミディアムナンバーで名曲。熱さと静寂が同居した、『F album』のまさに集大成のような壮大曲で、最初に聴いた時から好きなんだよね。浅田信一は前々作の「エンジェル」、前作の「月光」そして今作と3アルバム連続で名曲を生み出してくれた。ラスト・大団円ぽい雰囲気満載のこの曲で終わっても良いんだけど、この後に真のラストナンバー「カナシミ ブルー(New Mix)」が控えているという構成が最高だよね。(2025/5/25更新)
おすすめ度:A
収録アルバム:6th『F album』
16th 永遠のBLOODS
永遠のBLOODS
2003年4月9日 売上約36万枚
作詞:浅田信一、作曲:堂島孝平、編曲:ha-j、ストリングスアレンジ:村山達哉
16thシングル「永遠のBLOODS」表題曲。
6thアルバム『F album』から約4か月ぶり。シングルとしては「solitude~真実のサヨナラ~」以来約6か月ぶり。
堂本光一出演の『No Reason! Coca-Cola 2003』CMソング。リリースのだいぶ前からCMで流れており「これ良い曲だな」と思いシングルを購入。初めて自分の意志で買ったKinKiがこの曲だったと思う。前年にJ-POPにハマった事もありこのシングル以降はリアルタイムではっきりと覚えている。
リリースは春だけど夏の始まりを感じさせる前向きなポップス。グングン進んでいく曲調が良いしサビの冒険感が好き。この曲でKinKiが出たMステ春の3時間スペシャルはビデオに録画して何度も観た。わたくしマーのJ-POP大好き人生黎明期の1曲である。当時中学の仲間内でも「CMのKinKiの曲、いつ発売?」等と話題になっていたので思い出深い。
当時は本格的にJ-POPにハマった頃で、作詞・作曲クレジット等もチェックするようになりこの曲で「堂島孝平」を認識した…んだと思うたぶん。過去のアルバムでも提供していた事を知り、この堂島孝平って人良い曲作るなと。更に『こち亀』の「葛飾ラプソディー」歌っていたのもこの人だったのかよ!と驚いたのも多分このタイミングだったと思う。(2025/5/26更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:7th『G album-24/7-』(G-mix)、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
17th 心に夢を君には愛を/ギラ☆ギラ
心に夢を君には愛を
2003年6月18日 売上約30万枚
作詞:Satomi、作曲・編曲:松本良喜、ブラスアレンジ:下神竜哉
17thシングル「心に夢を君には愛を/ギラ☆ギラ」両A面1曲目。前作「永遠のBLOODS」から約2か月ぶり。
2000年の「夏の王様/もう君以外愛せない」以来の両A面シングル。前作「永遠のBLOODS」から僅か2か月でのリリースで、当時CDショップ(地元イトーヨーカドーに入っていた新星堂)の新譜お知らせコーナーで情報を見つけた時「新曲出るの早!」と驚いたのを覚えている。
「情熱」のSatomiと松本良喜が再登場。「情熱」では編曲のみだった松本良喜が今回は作曲も手掛けており、RUI「月のしずく」・中島美嘉「雪の華」等のヒット曲を生み出したサトマツコンビ(造語)の構図だ。
過去曲でいうと「フラワー」に近い南国・トロピカル感溢れる曲。最初に作詞・作曲クレジットを見た時当時大ヒットしていた「月のしずく」コンビだったので「随分作風の幅広いな…」と感じたものだ。「永遠のBLOODS」に続いてリアルタイムで聴いた事もあってリリース当初から結構好きな曲。わたくしマーとしては「フラワー」よりこっちの方が思い入れがあるし好き。明るいアレンジが良いしメロディーも好きだ。(2025/5/26更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:7th『G album-24/7-』、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
ギラ☆ギラ
2003年6月18日 売上約30万枚
作詞:Satomi、作曲・編曲:本間昭光
17thシングル「心に夢を君には愛を/ギラ☆ギラ」両A面2曲目。
作・編曲はポルノグラフィティのプロデュースで知られる本間昭光。特にak.hommaの名義で「アポロ」「サウダージ」「アゲハ蝶」など記憶に残るヒット曲を作り出してきた天才人物だ。
ただ両A面とはいえこの曲は正直存在感が薄い…。音楽番組で披露されたのは「心に夢を君には愛を」ばかりでこの曲をテレビで聴いた記憶がない(『堂本兄弟』で1回披露したらしい)。「夏の王様/もう君以外愛せない」の時は2曲共対等に露出していたのに。楽曲自体もシングルにする程か…?という感じで。タイトル通りギラギラ感のあるダンスナンバー。ベスト盤でシングルを並べていくと明らかにこの曲だけ浮いちゃうのよね。『KinKi Single SelectionⅡ』が出た時「あ、これ両A面だったんだ?」と気付いた位である(当時は携帯持ってなかったしWikiとかも無かったから情報を認識する術が無かったという側面もある)。(2025/5/26更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』、20周年ベスト『The BEST』
18th 薄荷キャンディー
薄荷キャンディー
2003年8月13日 売上約38万枚
作詞:松本隆、作曲・編曲:Fredrik Hult・Ola Larsson・Oystein Grindheim・Henning Harturng、コーラスアレンジ:三谷泰弘
18thシングル「薄荷キャンディー」表題曲。前作「心に夢を君には愛を/ギラ☆ギラ」から約2か月ぶり。
前々作と前作も2か月で、今回も2か月スパン。早くも2003年3作目のシングル。当時前作に引き続いて「新曲はえー!」と驚いたのを覚えている。1年に3作シングルが出たのはこの年が最後であった。
堂本剛主演のTBS系ドラマ『元カレ』主題歌。10周年ベスト『39』のファン投票で9位と人気の高い一曲。バラードだけど「to Heart」や「もう君以外愛せない」ほど壮大ではなくカジュアルな感じ。夏、特に終わりかけの夏を感じるセンチメンタルなラブソングでリリース当初から好きな曲だ。イントロの瞬間から海が見える。「You’re the one」や「For love and one」とサビでコーラス隊がガッツリ入ってくるのも新鮮で面白かった。
2014年の14thアルバム『M album』のDisc-2でセルフカバーしている。全英語詞になっておりタイトルも「HAKKA CANDY」と改変されている。これがかなりゴージャスかつ原曲の爽やかさも失われていない名曲に仕上がっていてオススメ。何なら原曲より「HAKKA CANDY」の方が好きかもしれない。(2025/5/26更新)
おすすめ度:B+
収録アルバム:7th『G album-24/7-』、2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』他
7thアルバム G album-24/7-
Bonnie Butterfly
2003年10月22日
作詞・作曲:井手コウジ、編曲:米光亮・井手コウジ
7thアルバム『G album-24/7-』収録曲。
妖艶かつキャッチーな名曲。これぞKinKi Kids!というマイナーコードのキレキレナンバーだよね。前作の「ルーレットタウンの夏」も名曲だったし「KinKiアルバムの1曲目にハズレなし」と当時の僕は感激した。2014年の『M album』でセルフカバーされたがあまり大きくアレンジは変わっていない。
2007年の『39』では12位、2025年の『39 Very much』では25位。(2025/5/26更新)
おすすめ度:A+
収録アルバム:7th『G album-24/7-』、3rdベスト『39』(KOICHI’S FAVORITE)他
Destination
2003年10月22日
作詞・作曲:Gajin、編曲:DANCE☆MAN、ブラスアレンジ:川松久芳
7thアルバム『G album-24/7-』収録曲。
モーニング娘。でその名を轟かせたDANCE☆MANを編曲に迎えたディスコナンバー。ライブで盛り上がる事間違い無しだしメロディーもしっかりキャッチーで好きな曲だね。『39』ではTSUYOSHI’S FAVORITEとして収録されたので剛のお気に入り曲でもあるようだ。(2025/5/27更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:7th『G album-24/7-』、3rdベスト『39』(TSUYOSHI’S FAVORITE)他
消えない悲しみ 消せない記憶
2003年10月22日
作詞・作曲:堂本光一、編曲:佐藤泰将
7thアルバム『G album-24/7-』収録曲。
堂本光一自作ソロ。ピアノとストリングスで構成された重たいバラード。光一らしいミュージカル映え系の曲だが、遂に来る所まで来た感じで重たすぎるというか、ここまでくるとミュージカル過ぎる。歌と舞台の融合でいうと前作「月夜ノ物語」位のバランスがベストだった。KinKi内で自作ソロをやる事の限界を感じたのか、光一・剛どちらも今作以降自作ソロは激減する。(2025/5/26更新)
おすすめ度:C
収録アルバム:7th『G album-24/7-』
ORANGE
2003年10月22日
作詞・作曲:堂本剛、編曲:吉田建、ストリングスアレンジ:斎藤ネコ
7thアルバム『G album-24/7-』収録曲。
堂本剛自作ソロ。全体的に終末感の漂う暗黒ナンバー。6分近くに及ぶ大作。剛曲は長くなる傾向があり前作の自作「WINTER KILL」に続き2作連続でアルバム内最長ナンバーとなっている。救いの無い感じというか絶望感に浸れる感じが癖になり結構好きな曲。終盤テンポが上がる箇所は狂気さえ感じる。ソロでいうと『ROSSO E AZZURO』と『[si]』の間にあたる時期の作風が聴けるという意味でも貴重な曲。
やはり光一同様KinKi内で自作をやる事に限界を感じてたようでこれ以降自作は激減する。ソロという惜しみなく自我を解放できる場所は手に入れていたわけだし、わざわざKinKiでやらなくても……っていうね。剛に関しては本当にソロという自己解放の場所があって良かったと思う。もしソロが無くて、無理矢理KinKi内で自作を続けてたらやりたい事とKinKiの狭間でもがき続けどこかで爆発し、下手したら解散という世界線もあったかも(まぁ自由にソロをやらせてもらえる程にジャニー氏の寵愛を受けてたという証でもあるわけだが)。(2025/5/27更新)
おすすめ度:B
収録アルバム:7th『G album-24/7-』
19th ね、がんばるよ。
ね、がんばるよ。
2004年1月15日 売上約32万枚
作詞:吉田美和、作曲:吉田美和・中村正人、編曲:Ike Nelson・中村正人、ブラスアレンジ:下神竜哉、ストリングスアレンジ:斎藤ネコ
19thシングル「ね、がんばるよ。」表題曲。
2003年12月からのツアー『KinKi Kids 24/7 G Tour』にて初披露されていた。DREAMS COME TRUEが楽曲提供。ドリカムの97年の21stシングル「MARRY ME?」のアンサーソングとなっている。これは元々ドリカムのファンであった剛による熱烈オファーにより実現したという。後に『新堂本兄弟』にドリカムが出演した際、セッション披露された。今作リリース後剛・光一共にソロ活動に入りオリジナルアルバムには未収録。
軽やかポップス。シングルでは意外と珍しい正統派J-POPという感じだがドリカム提供だけあって全体的にオシャレな空気も流れている。かなりの名曲。当時、CDショップ(地元イトーヨーカドー内の新星堂)にフラリと行った際に店内で流れていたのが初聴で「なんて良い曲なんだ…!」と思ったのを覚えている。そのままの勢いでシングル買ったんだっけな?それとも後日だったか忘れたけど、兎に角このシングルは買って聴きまくった(ちなみにカップリングの「コ・ハ・ル・ビ・ヨ・リ」も沖縄風の良メロナンバーでオススメ)。
派手さは無いけどこのキャッチーな良質ポップス感が、そしてサビのメロディーが素晴らしい。2004年のKinKiというと「Anniversary」一択、またはそれぞれのソロ活動みたいなイメージだが実は影でこんな名曲も出ていたんだよというのを伝えたい。
おすすめ度…A+(名曲。)
収録アルバム:2ndベスト『KinKi Single SelectionⅡ』、20周年ベスト『The BEST』
※続きは下記記事です
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著者:船橋スイカ(@funabashisuika)
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