KinKi Kids 全シングル&名曲感想 #1 ~1997-2000~

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KinKi Kids 全シングル&名曲感想 #1 ~1997-2000~

こんにちは、マー・田中(@kazeno_yukue)です。KinKi Kids シングル&名曲レビュースタート!

もはや説明不要だと思うが一応説明すると堂本光一、堂本剛の2人で構成されるジャニーズ・アイドル・デュオ。それがKinKi Kids(キンキキッズ)だ。1993年結成。ジャニーズ初のデュオ、初の関西グループ、2人共1979年生まれ(学年は光一の方が1つ上)、2人共「堂本」姓だが血縁関係は無い等、ことごとく運命に愛された2人である。そんな彼らの軌跡をシングル曲中心に語っていこうと思う。

わたくしマーもいつ知ったのか覚えていない程、子供の頃から馴染みのあるグループ。母親がファンだったという事もあってか、幼少期から『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』『若葉のころ』『金田一少年の事件簿』『銀狼怪奇ファイル』『ぼくらの勇気 未満都市』等のドラマを中心にバラエティ・CMでも馴染んでいたが、歌手としてしっかりファンになったのは中学生の頃となる。

1st 硝子の少年

1997年7月21日、約179万枚

作詞:松本隆、作曲・編曲:山下達郎

ジャニーズ事務所がレコード会社「ジャニーズ・エンタテインメント」を設立、その第1弾アーティストとしてKinKi Kidsがデビュー。カップリング無しの500円シングル。初回プレス分は同時発売の1stアルバム『A album』とのシングル・アルバムセット形式で販売された。このためシングル・アルバム共に初動売上が全く一緒であった。この曲自体は『A album』の方には未収録で、次回作『B album』に持ち越された。

1993年の結成以来、既に一般知名度抜群だったKinKiが満を持してデビューという事でシングル・アルバム同時にチャート初登場1位を獲得。特にこの曲は3週連続1位、累計180万枚に達するミリオンセラーとなり、97年度年間2位(1位は安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」)の特大ヒットとなった。当時ジャニーズ内でも最大売上となり、近藤真彦の「スニーカーぶる~す」(1980年)以来2作目のミリオン突破作。

ちなみに同時発売だった『A album』も100万枚を突破。1stシングルと1stアルバムが両方ミリオンを突破するというのは94年にDEENが達成(シングル「このまま君だけを奪い去りたい」とアルバム『DEEN』)して以来史上2組目の快挙であった。その後Kiroro、宇多田ヒカル、倉木麻衣、CHEMISTRYも同様の記録を達成。

当時CDデビュー前ながら『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』、『若葉のころ』、『金田一少年の事件簿』(剛)、『銀狼怪奇ファイル』(光一)等ドラマ主演も多数こなし、知名度・人気共に最高潮を迎えていたタイミングでのリリース。そりゃ大ヒットになるわけだ。CDデビューを焦らして焦らして大爆発!というジャニーズの策略が大成功したと言える。

楽曲制作を担当した松本隆と山下達郎には、ジャニーズ側から「チャート初登場1位」「ミリオンセラー」が必要最低条件として課されたという。どんだけエグいプレッシャー課すんだよジャニーさん…。デモテープを聞かせた関係者からは「古臭い」「踊れない」など反対意見も多く来たというが山下は「二人にあった曲はこれしかない」と半ば強引に押し切ったらしい。結果、条件をクリアしジャニーズ最大ヒットを叩き出したんだから凄い。山下さん、発売日が怖かったと思うよ。

わたくしマーは当時小学2年生。KinKi主演ドラマは数多く観ていた(特にティーンに大人気だった『金田一』と『銀狼』は毎週ビデオに録画し何回も繰り返し観る程大好きだった)ので今作発売時の旋風も良く覚えている。KinKiのデビューはジャニーズという枠を飛び越えて世間一般層を巻き込んだ一大出来事という感覚があった。ただ子供だったので「CDデビュー」という意味がよく掴めず、「デビュー?何年も前からテレビ出てんじゃん。今更デビューってどういう意味」と母親に疑問をぶつけた記憶がある。

SMAP・TOKIOデビュー時のようなキラキラアイドルでも無く、V6デビュー時のような最先端ユーロビートでもない、歌謡曲風のナンバー。これは当時意外性があったのではなかろうか。当時「古臭い」という意見が出たのも分かるっちゃ分かるけど、10年、20年経っても時代性にとらわれず色褪せない。時が経つ程に優れたデビュー曲だったんだなという事が分かる。

ただ、今でこそ名曲だなと思うけど、小学2年生時・リアルタイムでの印象はそこまででも無かった。前述のようにドラマでKinKiを観ていた身としては各ドラマ主題歌だった「ひとりじゃない」「FRIENDS」「僕は思う」「Kissからはじまるミステリー」等の方が断然思い入れがあったワケで、この「硝子の少年」は言わばポッと出の新人だったからだ。子供ながら「新人ばっかチヤホヤして…金田一の曲も良いじゃん…」と思っていたと思う。

おすすめ度…B+(お気に入り+)
収録アルバム:2nd『B album』、1stベスト『KinKi Single Selection』他

2nd 愛されるより 愛したい

1997年11月12日、約164万枚

作詞:森浩美、作曲:馬飼野康二、編曲:CHOKKAKU、コーラスアレンジ:岩田雅之

自己最高初動50万で初登場1位。累計で163万枚を突破し、前作「硝子の少年」に次ぐ自身2番目のヒット曲となった。年間2位を記録した「硝子の少年」と10万枚ちょっとの売上差しか無いものの、発売日の関係で年間チャートでは分断されてしまい、97年度年間59位(50万枚)、98年度年間8位(113万枚)。年間チャートだけ見ていくと売上の割にちょっと存在感が薄くなってしまうのが残念。

KinKi Kids主演の日本テレビ系ドラマ『ぼくらの勇気 未満都市』主題歌。土曜グランド劇場はKinKiの2人がそれぞれ主演を務めた『金田一少年の事件簿』『銀狼怪奇ファイル』の他、SMAP・香取慎吾の『透明人間』、TOKIO・松岡昌宏の『サイコメトラーEIJI』等ジャニーズタレントが主演しティーンを中心に大人気を誇っていたドラマ枠で、僕も当然観ていた。

『ぼくらの勇気 未満都市』は微生物の影響で大人が命を落とし、未成年だけで隔離された街で巻き起こる事件を描くバイオSFドラマで非常に面白かった。嵐結成前の相葉雅紀と松本潤が連続ドラマ初出演を果たしており、2年後に嵐のデビューが発表された際には「モリ(今作での松本潤の役名)が遂にデビューか!」と感慨深い気持ちになったものだ。

90年代のティーンが抱えていた閉塞感・鬱屈感が表現されたスリリングな楽曲。80年代とも00年代とも異なる、まさに90年代の若者の空気ってのを感じるんだよね。当時わたくしマーは小学生で、音楽に興味無かったため今作の印象もあくまで観ているドラマの主題歌というだけでそこまで大きくは無かったんだけど、後々名曲ぶりに気付いていった。剛が歌う〈扉の向こうに 光る空はあるの?〉の部分が特に染みる。

おすすめ度…A(名曲)
収録アルバム:2nd『B album』、1stベスト『KinKi Single Selection』他

3rd ジェットコースター・ロマンス

1998年4月22日、約94万枚

作詞:松本隆、作曲:山下達郎、編曲:船山基紀

前作と同等の初動を記録したが、累計は93万でストップ。3作目にして初めてミリオン割れした

KinKi Kids主演ANA『’98 パラダイス沖縄』キャンペーンCMソング。「硝子の少年」と同じく松本隆・山下達郎コンビによる楽曲だが、歌謡風マイナーナンバーだったあちらと異なり弾けたサマーアイドルポップスとなっている。当時多忙だったため編曲を船山基紀に託した山下。結果、元々のイメージと全く違うアレンジになったためビックリしたとか。初の王道アイドルポップって感じで現在では好きな曲だが、リリース当時はやっぱ前2作と比べてちょっと落ちる曲…って印象が強かった。ミリオンに達しなかったというのもあるし(93万枚って十分大ヒットなんだけどね)。

発売から18年後の2016年2月、チャート25位にまで急浮上。これは来る2017年のKinKi20周年を祝うため、今作をミリオンセラーまで持って行こうというファンの購買運動「ジェロマミリオン大作戦」によるものだった。結果1万枚ちょいの上乗せで終わってしまったが…ジャニーズファンの行動力・団結力はやはり凄いなと思う。仮に今作をミリオンまで押し上げた場合「硝子の少年」から「全部だきしめて/青の時代」までデビューから4シングル連続ミリオンとなる。これは確かに他に無い記録かも。購買運動するのも頷ける。

おすすめ度…B(お気に入り)
収録アルバム:2nd『B album』、1stベスト『KinKi Single Selection』他

4th 全部だきしめて/青の時代

1998年7月29日、約115万枚

自身初の両A面シングル。初動は45万枚で前作を下回ったが、自身最長となる4週連続チャート1位を獲得。また累計では「愛されるより 愛したい」以来、3度目のミリオンセラーを記録した。98年度年間シングル10位。

全部だきしめて

作詞:康珍化、作曲:吉田拓郎、編曲:武部聡志

KinKi Kids出演のフジテレビ系音楽バラエティー番組『LOVE LOVE あいしてる』テーマソング。これは番組テーマソングとして吉田拓郎が書き下ろした曲で、番組が開始した1996年には存在していた。97年に吉田拓郎とLOVE2 ALL STARS名義でリリースされたセルフカバーアルバム『みんな大好き』にてCD化はされていたので、このKinKi Kidsバージョンは厳密にはカバー曲となる。

『LOVE LOVE あいしてる』はKinKiの二人が吉田拓郎や坂崎幸之助(THE ALFEE)等大物ミュージシャンからギターを教えてもらうコーナーがあったりと、バラエティー番組ながらKinKiの音楽的成長を促した。後々自ら作詞・作曲のシングル「好きになってく 愛してく」をリリースしたり、剛・光一それぞれのソロ活動への源流となった非常に重要な番組と言える。『LOVE LOVE あいしてる』が無かったらKinKiの方向性は大きく変わっていたろう。

アイドル的なキラキラさでも無く、鋭さのある曲でも無い言うなればハートフルな一曲。フォークソングをJ-POP風にアレンジした感じ。当時『LOVE LOVE あいしてる』を毎週観ていたので凄く馴染んでおり、本来ならそこまで好きなタイプの曲では無いんだけど好きな曲。余談だが〈きみがいたから勇気を覚えて 知らない場所も目をつぶって走れた〉というフレーズについて、小学生のころ子供心に「知らない場所って時点で一つハンデあるんだから、わざわざ目まで瞑って更にハンデ増やす事ないだろ…」と思っていた。

おすすめ度…B(お気に入り)
収録アルバム:3rd『C album』(表記は無いがアルバムバージョン)、1stベスト『KinKi Single Selection』他

青の時代

作詞・作曲:canna、編曲:新川博

堂本剛主演のTBS系ドラマ『青の時代』主題歌。作曲のcannaは谷中たかし・周水(Shusui)による音楽グループで、KinKiの「もう君以外愛せない」の他、修二と彰の「青春アミーゴ」(Shusui)、嵐の「風の向こうへ」、AKB48の「ここにいたこと」等現在に至るまでJ-POPの要所要所で楽曲提供を行っている。

シングルでは初のバラード。タイトル通り瑞々しい青さを感じるキレキレメロディーが炸裂する名曲。リアルタイムではほんのりと良い曲だなと思っていた位だったが、中学生になりしっかり改めてKinKiを聴いた際に大ハマりした。派手さは無いんだけどガツンと脳に響いてくるメロディー。聴いていると島・海・自然が見えてくる。MY LITTE LOVERの「Hello,Again~昔からある場所~」に感じる雄大さに近い。「良いメロディー」というと筆頭で浮かんでくるのがこの曲という位、良いメロディーだな~といつも思う。

おすすめ度…A+(名曲+)
収録アルバム:3rd『C album』(表記は無いがアルバムバージョン)、1stベスト『KinKi Single Selection』他

5th Happy Happy Greeting/シンデレラ・クリスマス

1998年12月9日、約61万枚

「全部だきしめて/青の時代」から2作連続で両A面シングル。100万枚限定生産でリリースされた(さすが当時のKinKi、限定って数字じゃないだろ…)。しかし初動40万を叩き出したものの累計はそこまで伸びず60万でストップした。年末感の強い2曲だから年が明けると買う気にならなくなったのだろうか?

何故か2曲共オリジナルアルバムには収録されず、2000年の1stベスト『KinKi Single Selection』にて初めてアルバム収録された。

ちなみに2曲のカラオケまで収録すると8センチCDの収録容量を超えてしまうため、「シンデレラ・クリスマス」のカラオケは短く編集された「シンデレラ・クリスマス(エディット・カラオケ)」となっている。

Happy Happy Greeting

作詞:松本隆、作曲・編曲:山下達郎

パナソニック『デジカム』CMソング。「硝子の少年」「ジェットコースター・ロマンス」に続く松本・山下コンビ。「クリスマスソングは多いが元旦ソングは少ない」という着想から、「New Year」「Birthday」「Valentine」「Wedding」と、クリスマス以外の様々な祝い事に対応できる万能おめでとうソングが生まれた。もし現在同じコンセプトで作られたら「Halloween」も追加されそう。光一の誕生日が1月1日である事から光一へのお祝いソングでもあるという。

中学時代KinKiにハマった際、唯一リアルタイムでの記憶が無かったシングルだと思う。リリース時のテレビ出演では「シンデレラ・クリスマス」が主に歌われこちらは殆ど歌われなかったというからそれも理由の一つだろうが、やっぱ如何せん地味なのよね。6分を超える長曲だが盛り上がりきらずに単調だし子供の記憶に残らないのも納得できてしまう。現在では曲全体にハッピー感(?)や神々しさを感じられるようになって昔よりは好きになった。ちなみにコーラスには作曲者・山下達郎の他、竹内まりやも参加している。

おすすめ度…B(年末には聴きたくなる)
収録アルバム:1stベスト『KinKi Single Selection』、20周年ベスト『The BEST』

シンデレラ・クリスマス

作詞:松本隆、作曲:谷本新、編曲:長岡成貢

KinKiの冬ソングといえば「十二月」「SNOW! SNOW! SNOW!」「Harmony of December」「銀色 暗号」など色々あるけど僕としてはやはりコレが元祖かつ頂点かな。キャッチーなウィンターポップで、イントロ聴いただけでクリスマスツリーが見えてくる。全体に流れる王子様感が凄い。若手ではKing & Prince辺りが歌っても似合いそう。KinKiという枠を超えてジャニーズ・クリスマスソングのトップに居る曲であろう。非の打ち所がない名曲である。

おすすめ度…A+(クリスマスといったらコレよ)
収録アルバム:1stベスト『KinKi Single Selection』、20周年ベスト『The BEST』

6th やめないで,PURE

1999年2月24日、約65万枚

作詞:伊達歩、作曲:筒美京平、編曲:WACKY KAKI

堂本剛主演日本テレビ系ドラマ『君といた未来のために~I’ll be back~』主題歌。剛演じる大学生が1999年から1995年にタイムスリップ、人生をやり直すも2000年を迎える直前に再び95年に戻る。時の繰り返しから脱出する方法を模索してゆく内に、剛は意外な事実に直面する…という今でいうタイムリープ系物語で結構面白かった。

Wikiによると一定時間内を何度も体験する現象を「タイムリープ」ではなく「リフレイン」と称しており、巻き込まれた人間を「リフレインプレイヤー」と呼んでいる。VHS化はされているもののDVD・Blu-ray化はされていないのが惜しい。『東京リベンジャーズ』とか流行っている現在だからこそまた観てみたいのだが…。

さて楽曲の方は中々にハードで暗めの曲。ドラマが(記憶の中では)シリアスだったので楽曲の方も救いのない感じ。初期シングルの中ではそこまで好きな方でも無いんだけど、何だかんだ耳には馴染んでいるし聴くと懐かしさが込み上げる。何故かバージョン違いが多く、『C album』と『KinKi Single Selection』それぞれ別のバージョンで収録されている(聴き比べるとイントロの段階で結構違う)。結局2017年の20周年ベスト『The BEST』にて初めてシングルバージョンがアルバムに収録された。

おすすめ度…B(ドラマを思い出す。「愛されるより 愛したい」と同じく90年代の閉塞感を感じる)
収録アルバム:3rd『C album』(アルバムバージョン)、1stベスト『KinKi Single Selection』(シングルとも『C album』とも異なる別バージョン)他

7th フラワー

1999年5月26日、約104万枚

作詞:HΛL、作曲:HΛL・音妃、編曲:船山基紀、コーラスアレンジ:松下誠

「全部だきしめて/青の時代」以来のミリオンセラーを記録。99年度年間シングルチャート10位。97年から99年まで3年連続で年間トップ10入りを果たした事となる。

KinKi Kids出演のANA『’99 パラダイス沖縄』キャンペーンCMソング。南国・トロピカルな感じのポップス。老若男女幅広く親しめるタイプの曲で、KinKiらしい鋭さとかは無いので中学~高校時代はそんなに好きな曲では無かった。光一も後のインタビューで「当時「フラワー」はあまり好きじゃなかった。若い頃はもっとカッコ良い曲がやりたかったから」と発言している(付け加えて「今聴くと本当に良い曲」とも言っている)。

発売当時(わたくしマー小学4年生)、下級生が運動会で踊る際この曲を使用していた。当時は「放課後遊び」と言って放課後に校庭が解放されており、授業後は毎日遊んでいたのだがその際下級生が練習していて連日この曲が流れていたのでリアルタイムでの記憶はメチャクチャ残っている。思い返せば当時遊びながら漠然と「KinKiの新曲か、良い曲だな~」と思ってた。やはり小学生に刺さる曲ではあったのだ。

おすすめ度…B(普遍的な良さがある)
収録アルバム:3rd『C album』、1stベスト『KinKi Single Selection』他

8th 雨のMelody/to Heart

1999年10月6日、約85万枚

「Happy Happy Greeting/シンデレラ・クリスマス」以来の両A面シングル。初動47万枚というロケットスタートを切ったが残念ながら2作連続のミリオンとはならなかった。2曲共オリジナルアルバムには未収録。

雨のMelody

作詞:康珍化、作曲:坂井秀陽・武藤敏史、編曲:有賀啓雄

マイナーコードのキレキレ・ダンスナンバー。文句なしにカッコイイ曲で、僕としては「KinKi Kidsの魅力が詰まった曲を一つ選べ」と言われたらコレを選ぶ。カッコ良くシリアスだけどサビは抜群にキャッチーだし、歌詞とメロディーのハマり方。〈雨はギターの涙と叫び〉って本当ハマってる。KinKiのダンス系楽曲では最高峰であろう。タイアップが無かったのが意外。断崖絶壁で歌っているMVが印象的(断崖MVといえばミスチルの「Tomorrow never knows」かコレ)

おすすめ度…A+(KinKiのダンス系最高峰)
収録アルバム:1stベスト『KinKi Single Selection』、10周年ベスト『39』他

to Heart

作詞:久保田洋司・E.komatsu、作曲:宮崎歩、編曲:CHOKKAKU

堂本剛主演TBS系ドラマ『to Heart~恋して死にたい~』主題歌。プロボクサーを目指す剛と深田恭子の恋愛を描くドラマで、当時結構観ていたんだけど内容あんま覚えていないのよね…。これまた素晴らしいバラード曲。AメロBメロは大人しいんだけどサビは激しい。「雨のMelody」がダンスサイド最高峰だとしたら「to Heart」はバラードサイドの最高峰。2曲合わせて、今作がKinKi史上最強のシングルだと思う。サビのメロディーが本当良い。

おすすめ度…A+(KinKiのバラード系最高峰)
収録アルバム:1stベスト『KinKi Single Selection』、10周年ベスト『39』他

9th 好きになってく 愛してく/KinKiのやる気まんまんソング

2000年3月8日、約52万枚

デビューシングル「硝子の少年」から9作連続のチャート1位を獲得。光GENJIのデビューから8作連続1位(「STAR LIGHT」~「荒野のメガロポリス」)記録を更新した。限定盤としてタイアップだったアニメ『ちびまる子ちゃん』仕様のジャケットがあり、作者・さくらももこによるKinKi Kidsのイラストが描かれている(CDの収録内容に相違は無い)。また今作は吉田拓郎プロデュースの作品となっている。

ちなみに「好きになってく 愛してく」は日本のアイドルグループで初めて、自らの作詞・作曲で1位を獲得した楽曲となる。

好きになってく 愛してく

作詞:堂本剛、作曲:堂本光一、編曲:武部聡志

「全部だきしめて」を生んだ『LOVE LOVE あいしてる』テーマソングで、同番組内の企画で作られた楽曲。

2ndアルバム『B album』の頃から剛・光一それぞれ自ら作詞作曲を手掛け、自作曲を発表していた(剛「Slowly」「さまざまな愛」、光一「MY WISH」「Peaceful World」)がついにシングルA面でもそれが実現。しかも共作である。後の「愛のかたまり」に繋がる「作詞:堂本剛、作曲:堂本光一」という黄金の図式が初登場!

楽曲の方は非常にポップでキャッチーな名曲。曲の構成が一風変わっている。無骨なメロディーのAメロ→サビ、そこからAメロに戻らず新たな第2のAメロが始まり→これまた初登場となるBメロ→再びサビ→Bメロ→最終サビ…という流れ。全く異なるAメロが2つあるのが面白いし、どちらも曲中1回しか登場しないのもトリッキー。4つメロディーがあるがそのどれもが素晴らしい。

基本的に提供された曲を歌うジャニーズ歌手が自ら作詞や作曲を手掛ける…というのはこれ以前にもあったかもしれないが、シングルA面で、それも2人組のそれぞれで詞・曲を担当し共作する、チャート1位を獲得する…というのは前代未聞。現在でこそ自作するジャニーズは珍しくないがパイオニアはKinKiだろう。ただ楽曲自体素晴らしいしジャニーズの歴史的にも非常に大きな曲だと思うのだが正直存在感が地味…。もっと知名度上って欲しい。わたくしマーとしてもKinKiで一番好きな曲はどれか?と問われたら今作を挙げる事が多い。

おすすめ度…A+(KinKi史のターニングポイントの一つだったと思う名曲)
収録アルバム:1stベスト『KinKi Single Selection』、20周年ベスト『The BEST』

KinKiのやる気まんまんソング

作詞:さくらももこ、作曲:飯田建彦、編曲:長岡成貢

フジテレビ系アニメ『ちびまる子ちゃん』オープニングテーマ。ご陽気なアップテンポナンバー。当時『ちびまる子ちゃん』は毎週観ていたのでこの曲にも思い入れはあるが、なんせさくらももこ節全開の奇想天外な歌詞(「おどるポンポコリン」系の感じ)故にどうもKinKiの曲としては長らくそこまで好きな方でも無かった…。というかその後ことごとくアルバムに弾かれたので聴く機会自体が無かったしKinKiのシングルという意識がどんどん薄れていたのよ。

リリースから17年、2017年のベスト『The BEST』で晴れてアルバム初収録。救済された。わたくしマーもかなーり久々にこのタイミングでしっかり聴いたのだが、意外にもこのバカ明るい感じが妙に刺さった。かなりイレギュラーなシングル曲なので17年間アルバム未収録だったのも納得だが、そのせいで良さに気付くのが遅れたのか?「貴重な曲を久々に聴けた!」という喜びもあったと思うが…。ふざけた歌詞が逆に元気になれるというか。こういう曲ばかりだと嫌だが、たまにあると楽しい

しかし当時「「もっとカッコイイ曲が歌いたい」という理由で「フラワー」があまり好きじゃ無かった」という若き日の光一は、この曲をどんな気持ちで歌っていたのか…。曲のタイプ的に「フラワー」以上に拒絶反応を起こしてもおかしくないと思うが…。

おすすめ度…B(一番好きな部分は中盤の「うっわっ水がジャー」)
収録アルバム:20周年ベスト『The BEST』

※これの続きとなる2000年以降(「夏の王様/もう君以外愛せない」以降)のレビューはこちらです

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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