サザンオールスターズ 歴代シングル&名曲感想 #4 ~1995-2000~

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サザンオールスターズ 歴代シングル&名曲感想 #4 ~1995-2000~

こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です!
サザンオールスターズシングル&名曲レビューパート4スタート。

1978年~1993年

1995年

マンピーのG★SPOT

1995年5月22日、約51万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

35thシングル表題曲。

1993年の「クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)」にてサザンは一旦活動休止。翌94年は桑田佳祐ソロとしてシングル「月」「祭りのあと」、アルバム『孤独の太陽』をリリースしライブツアーを敢行。95年1月にはMr.Childrenとのコラボシングル「奇跡の地球」をリリースし結果年間7位の大ヒットを記録していた。今作は1年半ぶりにサザンとしてのリリース。91年夏から療養のため活動休止していたベース関口さんは今作から復帰した。

日本テレビ系『TVおじゃマンモス』エンディングテーマ、翌6月にリリースされた限定ベスト『HAPPY!』のCMソングとしても使用された。タイトルや歌詞の過激さからエロソングという側面ばかり取り上げられるが、実はかなりのハードロックサウンドが炸裂しており実にカッコイイ仕上がり。桑田さんが毎回ハゲヅラを装着して歌うのが印象的だが、これは当時出演したMステで好評だったため自身のライブでも取り入れるようになったんだとか。その強烈なタイトルからか売上の割に知名度は高く高校時代はよくノリでカラオケする奴が多かった(んでいざ勢いのまま入れてみたは良いがAメロBメロが歌えないというお粗末ぶりはよく散見された)。

おすすめ度:B
収録アルバム:限定ベスト『HAPPY!』、ベスト『海のYeah!!

あなただけを~Summer Heartbreak~

1995年7月17日、約113万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫 & サザンオールスターズ

36thシングル表題曲。

92年の「涙のキッス」、93年の「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」以来となる自身3作目のミリオンセラーを達成。大ヒットではあるが、95年は歴代で最もCDが売れたCDバブル絶頂期だったため年間シングルチャートでは25位とそこまで高くも無い位置になっている。

同じ事務所所属の福山雅治主演フジテレビ系月9ドラマ『いつかまた逢える』主題歌。また97年にはアニメ『クレヨンしんちゃん スペシャル』でも単発的に使用された。過激だった前作から一転して、爽やかな夏の風を思わせる売れ線ポップナンバー。どこを切り取ってもサビみたいなグッドメロディーの集合体であり名曲。これで月9ドラマ主題歌まで付いてきたら鬼に金棒。「涙のキッス」位売れても良かったと思うのだがな。桑田さんも自らが制作した楽曲の中で1番好きと語ったらしいがそれも納得である。わたくしマーとしても最初に買った『バラッド3』『海のYeah!!』にて連続で聴いたので思い入れは深いのだが、僕世代(平成元年生まれ)の知名度で言うと「マンピー」以下な気が…。

おすすめ度:A
収録アルバム:12th『Young Love』、ベスト『海のYeah!!』他

1996年

愛の言霊~Spiritual Message~

1996年5月20日、約140万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、SAX SOLI編曲:山本拓夫

37thシングル表題曲。

前作「あなただけを~Summer Heartbreak~」から2作連続、通算4作目のミリオンシングルとなった。96年の年間シングルチャートでは7位に食い込んでいる。

香取慎吾主演の日本テレビ系ドラマ『透明人間』主題歌。この『透明人間』というドラマは前クールにやっていた『銀狼怪奇ファイル』の流れでそのまま観ていたので、人生で初めて触れたサザンの曲は恐らくコレだ。英語か何か妙な呪文でも延々唱えているかのような歌は強烈で物凄いインパクトがあった。まさか日本語を歌っているなんて到底思えなかったし。作り込んだマニアックな世界観は今聴いても新鮮さを失わない。こんなサイケな曲が100万枚売れたって凄いな…。

ところで楽曲だけでなくタイアップのドラマの方も中々ぶっ飛んでいた。香取慎吾扮する新米報道カメラマンが透明人間となって(コンペイトウを食べると1時間だけ透明になる)様々な闇社会の悪を倒して行き、最終的に自分の父親の頭脳と対決するという…。改めて考えるとワケ分からんが、とにかく面白かったし周囲でもブームになっていた。当時小学1年だった僕もひたすらハマり、香取が透明になる際に毎回決めるアドリブポーズ(?)を真似したり、透明化の際に伴う頭痛も真似し頭をかかえ「あったまいてぇえ~」と唸ったりしていた。

おすすめ度:B+
収録アルバム:12th『Young Love』、ベスト『海のYeah!!』他

恋のジャック・ナイフ

1996年5月20日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

37thシングル「愛の言霊~Spiritual Message~」カップリング曲。

キリンラガーCMソング。攻撃的な打ち込みサウンドが炸裂するサザン史上1、2を争う程にカッコ良いナンバーである。カラオケで歌ったりドライブで流したりすると周囲の評判がかなり良く、「サザンってこんな曲もあるんだ?」と驚かれる。一応『海のYeah!!』に入ってるんだけど皆飛ばしてんのか?って位知られてない。かなりライブ映えしそうな曲なのにも関わらず滅多に披露されないらしい。

おすすめ度:A
収録アルバム:12th『Young Love』、ベスト『海のYeah!!

太陽は罪な奴

1996年6月25日、約39万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:TOMMY SNYDER、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:中西俊博 & サザンオールスターズ

38thシングル表題曲。

デビュー18周年となる96年6月25日にリリース。1か月後リリースのアルバム『Young Love』にすぐさま収録された影響か、今作の売上は低かった。今作がチャート5位に初登場した週には前作「愛の言霊」がまだ一つ上の4位にランクインしていた。

メンバー全員が出演したキリン・ラガーCMソング。楽曲の方はこれぞサザンといった感じがする夏全開のモータウン調ソング。初めて聴いたのは『CDTV』での過去ゲストライブ映像だったのだがその時からかなりのお気に入りナンバー。流れるようなサビの展開がとにかく心地良い。ちなみに『Young Love』では冒頭に波のSEが追加されている。

おすすめ度:A+
収録アルバム:12th『Young Love』(イントロに波の音が追加)、ベスト『海のYeah!!』他

胸いっぱいの愛と情熱をあなたへ

1996年7月20日

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:TOMMY SNYDER、編曲:サザンオールスターズ

12thアルバム『Young Love』収録曲。

桑田さん出演のキャデラック・セビルCMソング。アルバム『Young Love』の1曲目を飾るざっくりとしたナンバー。キャッチーさとマニアックが融合したような、何というジャンルなのか分からんけど聴いていて楽しい。オープニングナンバーとして、これから始まるアルバム全体に期待を持たせてくれる。

おすすめ度:B
収録アルバム:12th『Young Love

ドラマで始まる恋なのに

1996年7月20日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

12thアルバム『Young Love』収録曲。

聴いていると目の前に夏の海や青空が浮かんでくる。まさにサザン王道とも言うべきメロディアスナンバーで、初めて聴いた時から好きな一曲。意外にもライブで演奏された事が無いらしく、抜群に合いそうな『バラッド3』からも弾かれたりと勿体ない。「君こそスターだ」と同じく桑田さん自身の評価が高くないとの噂も聞いたが…。王道かつベタな作風だからだろうか?リスナーとしては大満足なのだが。

おすすめ度:B+
収録アルバム:12th『Young Love

汚れた台所

1996年7月20日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

12thアルバム『Young Love』収録曲。

現代社会を風刺したかなり攻撃的なロックナンバー。ロック方面の曲の中ではかなり好きな部類に入る。メンバーがスタジオに集い一発録りでレコーディングされたという。早口でバシバシ日本語がハマっていく感じが聴いても歌っても心地良い。

おすすめ度:B
収録アルバム:12th『Young Love

1997年

01MESSENGER~電子狂の詩~

1997年8月21日、約24万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫

39thシングル表題曲。

かなりマニアック寄りに攻めた曲調だったためか、前年にアルバムを250万枚売り上げたバンドとは思えない程にセールスは落ち込んだ。僕は2003年復活以降のサザンしかリアルタイムではしっかり知らず、CDを出せば普通に1位!大ヒット!国民的!みたいな彼らの姿しかイメージが無いので、後からデータを調べて驚いた。90年代後期のサザンって売上的にこんな低迷していたのかと。

日産ルキノCMソング。当時一般に普及し始めていたパソコンやインターネットについて歌われたハードな一曲。当時読んでいた「こち亀」でもインターネット関連の話が多くなっていて、小学生ながらに一般家庭にネットが侵入してくるを感じていたものだった。キャッチーさは皆無なので売上が低かったのは納得である。

アルバム『さくら』ではボーカル以外全く異なるアレンジで収録されている。最初に聴いたのがアルバムバージョンで、正直全く良さが分からなかった。爽やかでメロディアスなサザンの方が好きだったからである。シングルバージョンを聴くにはシングル盤を入手するしかなかったのだが、アルバムバージョンの印象が低かったため手が伸びず…。満を持してアルバム収録された2018年の『海のOh,Yeah!!』購入時に初めてしっかりシングルバージョンを聴き、こんなにカッコイイ曲だったのか!と衝撃を受け一気に好きな曲になってしまった。

おすすめ度:B+
収録アルバム:13th『さくら』((The Return of)01MESSENGER~電子狂の詩~<Album Version>)、ベスト『海のOh,Yeah!!

SEA SIDE WOMAN BLUES

1997年8月21日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

39thシングル「01MESSENGER~電子狂の詩~」カップリング曲。

まったりしたバラード。ハワイの夕暮れビーチで聴くと合いそう(ハワイ行った事無いけど)。カップリングながら『さくら』に収録され、『バラッド3』に選出され、何と『海のOh,Yeah!!』にまで選ばれるというかなり扱いの良い曲。桑田さんが相当お気に入りなんだろうなという事が窺える。わたくしマーもA面を知る遥か先にこっちを知った。中学時代には良い曲だなと思っていたし実際心地良いメロディーだけど、前述のようにかなりまったりしているので聴き返す事が少なく、現在ではそこそこ良い曲、程度の感想。

おすすめ度:C+
収録アルバム:13th『さくら』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』他

BLUE HEAVEN

1997年11月6日、約22万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:TOMMY SNYDER、編曲:サザンオールスターズ

40thシングル表題曲。

91年の「ネオ・ブラボー!!」以来、久々にメンバー6人全員がジャケットに写っている(関口さんが休養していたのでその間メンバーが登場するジャケットは5人だった)。2001年にギターの大森さんが脱退するので、初期メンバー6人が揃ってジャケットに登場する最後のシングルとなった。

ケンタッキーフライドチキンCMソング。前作とは打って変わってメロディアスなミディアムソング。イントロの瑞々しいギターサウンドが心地良い。潤いを感じる。最初に買った『バラッド3』に入っていた影響も大きく、昔から大好きな一曲。サビの大部分が英語で構成されているのが中学時代のマーには新鮮で、「カッコ良さとメロディアスが両立した名曲だ!」と沸き立ったものだ。

大ヒットしても良い曲だと思うがまさかの前作を下回る売上という結果に…。前作はマニアックでヘビーだったので売れなかったのはまだ分かるが今作がそれを下回ってしまったのは純粋に疑問だ。英語の多いサビとはいえ結構一般ウケするナンバーだと思うのだが。やはり低迷期にはどんな良い曲を出しても売れないという事か?

おすすめ度:A+
収録アルバム:13th『さくら』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』他

世界の屋根を撃つ雨のリズム

1997年11月6日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

40thシングル「BLUE HEAVEN」カップリング曲。

後11月リリースの『さくら』に収録する予定だったが、収録時間の関係で見送られたという逸話がある。マニアックな曲調なので、もし収録されていたら馴染んだろうな。完全アルバム未収録なので長らく聴いた事が無かった(大学時代に渋谷TSUTAYA等で過去シングルを集めたのだが、そもそもサザンはA面自体アルバム未収録のものも多くそっちの入手を優先してしまい、こうしたカップリング目当てでのレンタルは後回しにしてたので…)。サブスク解禁によって初めて聴き好きになった曲の一つ。ラウドでガタガタしたサウンドが良い。もし中学時代に知っていても全然好きにならなかったタイプだと思う。

おすすめ度:B
アルバム未収録

1998年

LOVE AFFAIR~秘密のデート

1998年2月11日、約59万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健、管編曲:山本拓夫

41stシングル表題曲。

60万枚近くを売り上げ、この前後数作のシングル群の中では頭一つ抜けたセールスを出した。Mr.Children「ニシエヒガシエ」、Every Little Thing「Time goes by」、JUDY AND MARY「散歩道」に及ばずチャートは4位に終わったが、チャートイン数ではそれらを上回る25週を記録している。

TBS系ドラマ『Sweet Season』主題歌。ドラマの内容に合わせたザ・不倫ソングだが、そこからイメージされるようなドロドロした雰囲気は無く王道の売れ線ポップチューンに仕上がっている。爽やかなサビのメロディーが最高。『バラッド3』で初めて聴いた時から好きで、特に中学時代は「この曲がサザンで一番良い曲じゃないか?」と思い毎日聴いていたものだ。歌詞に横浜のスポットが登場するのもオシャレでカッコ良いなと衝撃だった。その後他にも好きな曲が沢山出てきて最初程のハマり度では無くなったが、現在でも好きな一曲である。

この4か月後にベスト盤『海のYeah!!』がリリースされた。『海のYeah!!』は1996年までの曲が収録対象だったので「01MESSENGER」「BLUE HEAVEN」そして今作は未収録だったものの、今作のヒットが『海のYeah!!』大ヒットへのステップになったのかもしれない。せっかく久々のヒットになったんだから、僕がスタッフだったら少しでもベストの売上向上に活かそうと「「LOVE AFFAIR」も先行シングルとしてベストに入れましょう!」って提案しちゃうけどな。そんな安易は事はせんっていう桑田さんの強い意向があったんだろうね。

おすすめ度:A
収録アルバム:13th『さくら』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』他

私の世紀末カルテ

1998年2月11日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

41stシングル「LOVE AFFAIR~秘密のデート」カップリング曲。

基本アコギとブルースハープのみで構成された7分近くに及ぶ独白調の曲。サラリーマン視点で人生や当時の世を嘆き明かすという暗い曲である。桑田さんソロの「月」や、アルバム『孤独の太陽』期の作風に近い。重いし長いしで何度も聴き返したりはしないがサザンの曲としては結構異色で面白い試み。その異色さが割かし好きである。年齢を重ねるほどに染みるようになっていくのかもしれない。

普通はまずベスト盤に選出されるタイプの曲では無いが『海のOh,Yeah!!』にてまさかの収録を果たした。かなり桑田さんがお気に入りなんだろうな。ソロベスト盤に18分以上あるメドレー「声に出して歌いたい日本文学〈Medley〉」を無理矢理ねじ込んだ事例のある男ですからね。

おすすめ度:C+
収録アルバム:13th『さくら』、ベスト『海のOh,Yeah!!

PARADISE

1998年7月29日、約20万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:TOMMY SNYDER、Japanese Rap inspired by 北原白秋、編曲:サザンオールスターズ

42ndシングル表題曲。

1か月前にベスト盤『海のYeah!!』がリリースされ、この時点で200万枚に迫る大ヒットを飛ばす最中に出されたシングル。しかし『海のYeah!!』旋風に引っ張られた様子も無く、今作の売上は20万枚とそこまで振るわなかった。「この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~」「君こそスターだ」「夢に消えたジュリア」と同様に『海のOh,Yeah!!』から省かれたシングルの一つ。

フジテレビ系ドラマ『ハッピー・マニア』主題歌。女性向け漫画のドラマ化で、稲森いずみと藤原紀香が主演しており僕は観てなかったものの当時派手に番宣していたのを覚えている。楽曲の方はファンクテイストで中々マニアックだが、何度か聴いていたら結構ハマった。「愛の言霊」程では無いがこれも中毒性があると思う。前作に続いてドラマ主題歌となったが売れ線では無かった為かそこまでのヒットにはならず。その昔何かの番組で当時加入したばかりのモーニング娘。新垣がこの曲を好きだとか言ってたので未だにこの曲というと新垣(まだ子供っぽさがあった頃)を思い浮かべる。

おすすめ度:B
収録アルバム:13th『さくら

CRY 哀 CRY

1998年7月29日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

42ndシングル「PARADISE」カップリング曲。

サザンメンバー全員が出演した三菱電機モバイルキャンペーンCMソング。2か月半後の『さくら』を予告するようなかなり激しめのハードロック。歌詞は和風で、古文の授業で読んだような難解文章が続々登場する。学生時代古文が苦手だった人は頭が痛くなるかもしれない。ヘヴィーさと和のミスマッチが非常にカッコ良い。これぞ化学反応。A・B抑え目で行きサビで一気に爆発する所がたまらん。カップリングという事で縛られず好きなようにやっている感がある。この自由奔放っぷりを好きになれるかどうか。わたくしマーはかなり心奪われた。

おすすめ度:B+
収録アルバム:13th『さくら

YARLEN SHUFFLE~子羊達へのレクイエム~

1998年10月21日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫

13thアルバム『さくら』収録曲。

ベスト盤で先に知っていた曲を除くと、『さくら』で最初に好きになったアルバム曲。サラバ♪サラバ♪の繰り返しが心地いい。キャッチーさもあるんだけど、アルバムリード曲らしくマニアック成分やや多め。歌詞を見ないと何と歌っているのか分からないまさに桑田節の極地。カラオケで歌いこなすのは至難の業だがそこが歌心をくすぐられる。

おすすめ度:B+
収録アルバム:13th『さくら

唐人物語(ラシャメンのうた)

1998年10月21日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

13thアルバム『さくら』収録曲。

テレビ朝日系ドキュメンタリー番組『驚きももの木20世紀』テーマソング。原さんボーカル曲。遠い異国の地に迷い込んだような、不思議な感覚に襲われる名曲。中学時代、最初に買ったアルバム『バラッド3』に入っていた事もあり昔から大好きな一曲。原さんボーカルでは「鎌倉物語」が1番好きと書いたが、気分によってはこっちが1番に躍り出る事もある。ライブでは桑田さんボーカルバージョンも披露された事があるという。是非聴いてみたい。

おすすめ度:A+
収録アルバム:13th『さくら』、ベスト『海のOh,Yeah!!

湘南SEPTEMBER

1998年10月21日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健

13thアルバム『さくら』収録曲。

意外にも「湘南」という言葉がタイトルに登場するのは唯一らしい。自身に付けられた湘南イメージに対するセルフパロディーという事で制作されたバラード。尖った『さくら』の中で珍しい王道メロディアスナンバー。『バラッド3』に入っていた事もあり、「唐人物語(ラシャメンのうた)」と並んで中学時代から大好きな一曲。とにかく切ないメロディーが染みる。この曲がサザンで1番好きだった時期もある程だ。『海のOh,Yeah!!』に選ばれるかと思ったがあっちには未収録。被り過ぎてしまうからだろうか?

おすすめ度:A+
収録アルバム:13th『さくら』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~

SAUDADE~真冬の蜃気楼~

1998年10月21日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫

13thアルバム『さくら』収録曲。

タイトルはポルノグラフィティの大ヒット曲と同じく「サウダージ」と読む。シリアスでボサノヴァ調の一曲。これもキレキレのメロディーで良い曲。やはり最初に買った『バラッド3』に入っていたので昔から思い入れが深い。ただ中学生ながら「これってバラードか?」と疑問を感じていたのも事実だ(どうやらバラード集ではなくバラッド集なのでOKらしい)。

20年経って『海のOh,Yeah!!』にも入ったのは驚いた。そんなに桑田さんお気に入りだったのかと。この曲含め『さくら』からは全16曲中半分も『海のOh,Yeah!!』に選出されている。よほど桑田さんにとって『さくら』は自信作だったのだろう

おすすめ度:B
収録アルバム:13th『さくら』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』他

素敵な夢を叶えましょう

1998年10月21日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:島健 & サザンオールスターズ

13thアルバム『さくら』収録曲。

フジテレビ系ドラマ『こいまち』主題歌、TBSラジオ『爆笑問題カーボーイ』エンディングテーマ。『さくら』のラストに収録、『バラッド3』のラスト、『海のOh,Yeah!!』でもDISC.1のラストと、収録されたアルバム全てでラストナンバーに配置されている

ピアノ・オーケストラ主体の優しいメロディアスバラード。サザンのこれまでの歩みを歌っているようにも思え感動的な仕上がりとなっている。これはラストにしか置けないだろう。アルバムの途中に入ってたら変だ。文句なしに良い曲だと思うが、かなりまったりしているし中学時代から何度も聴き過ぎたので現在はあまり聴き返す事は無くなった。

おすすめ度:B
収録アルバム:13th『さくら』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』他

1999年

イエローマン~星の王子様~

1999年3月25日、約11万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

43rdシングル表題曲。

キャリア20年を超え、ミリオンヒット曲をいくつも持っているバンドがシングルで出すとは到底思えない程に狂った一曲。大御所クラスのバンドがここまでぶっ飛んだ曲調で攻めに攻めたという事実だけでもかなり面白いが、結果的にはTOP10ギリギリ、売上10万割れという大沈没に終わった(05年の再発盤で10万突破)。「TSUNAMI」の前のシングルがこんな低迷していたというのもJ-POPトリビアの一つだ。

長らく完全アルバム未収録だった。確か大学時代(2013年位)に渋谷TSUTAYAでシングル盤を借りたんだったかな?最初に聴いた時は変わっててそこそこ好きだな~位の感想だったのだが、満を持して『海のOh,Yeah!!』に収録された事で印象が急上昇。大好きな一曲となってしまった。この曲に限らずよくあるのだが、シングル単品で聴いた時よりもベストアルバムの中で聴いた方が好印象になる現象は不思議だ。何がどう良いのか解説は難しいのだがこの狂気性がゾクゾクするし何度聴いても飽きないのよね。

あと歌詞に登場する〈下司なPleasure〉〈木偶のTreasure〉が、前年に大ヒットしたB’zのベスト2枚を揶揄しているのではないか?として当時両者のファンがザワついたという。たぶん桑田さんは語感重視でフレーズを作っており、この場合もちょっとした遊び心としてこういう歌詞を書いたと思うのでそこまで深く捉えなくても良いんじゃないかなと僕は思う。サザン自身だって同じ年に『海のYeah!!』出して大ヒットさせてた訳だし。僕はミスチルスピッツZARDも好きだがもしも「下司な肉」「木偶の骨」とか「下司なRECYCLE」とか「下司な軌跡」「木偶のRequest Memorial」(なげーよ)とか言われたとしても別に憤りを感じることは無い(たぶんネ)。

おすすめ度:A
収録アルバム:ベスト『海のOh,Yeah!!

夏の日のドラマ

1999年3月25日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

43rdシングル「イエローマン~星の王子様~」カップリング曲。

ドラムス・松田さんのボーカル曲で、A面とは対照的に爽やかで胸キュンなサマーポップ。『バラッド3』に収録されていたのでA面よりも遥か先に知っていたし最初に聴いた時から好きな曲。片やアルバム未収録、片や200万枚突破ベスト収録曲という事で、A面とカップリングの逆格差が開く事態となった(「ネオ・ブラボー!!」と「冷たい夏」の関係に近い)。たぶん桑田さん・原さん以外のサザンメンバーの歌声を初めて聴いたのがこの曲だったと思う。最初「誰だ!?知らない声だぞ!?」と驚きその後すぐに「でも良い曲やな…」と浸ったような…。

おすすめ度:A
収録アルバム:3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~

2000年

TSUNAMI

2000年1月26日、約294万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、弦編曲:島健

44thシングル表題曲。

初動のみ(65万枚)で「太陽は罪な奴」~「イエローマン~星の王子様~」までの全ての累計を超えた。自己最高初動を叩き出したモーニング娘。「恋のダンスサイト」に競り勝ち、「愛の言霊」以来の初登場1位を獲得。その後も猛烈な勢いで売れ続け年内で288万枚に到達する空前の大ヒット。2000年度年間シングル1位。「エロティカ・セブン EROTICA SEVEN」を大幅に抜き去り自身最大ヒット曲となった。同年の大晦日には第42回日本レコード大賞を受賞。

2005年の再発盤によって「だんご三兄弟」を上回り歴代シングル3位に躍り出たが、2016年に起きたSMAP解散騒動による「世界に一つだけの花」購買運動の影響で「世界~」の売上が250万枚→300万枚の急上昇を見せたため僅かに今作が抜かれた。よって現在の歴代シングルランキングでは子門真人「およげ!たいやきくん」(458万枚)、宮史郎とぴんからトリオ「女のみち」(326万枚)、SMAP「世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)」(314万枚)に次ぐ4位となっている。CDシングルに限れば2位。

2011年3月11日の東日本大震災による甚大な津波被害の影響で、一時期この曲は自粛状態になった。2018年のベスト『海のOh,Yeah!!』ではディレクターの提案で1曲目に配置され収録、現在ではラジオでもオンエアは解禁されている。しかしライブでの披露は2008年の『真夏の大感謝祭』が最後となっており、2013年のサザン活動再開後もライブでの演奏は行われていない。

TBS系列『ウンナンのホントコ!』内の『未来日記』テーマソング。冬をイメージさせる壮大な売れ線バラードで文句なしの名曲(何故か夏の名曲ランキングとかに入る事があるけど違和感ありあり)。当時は小学生でJ-POPをそんなに聴いてはいなかったがこの曲は自然と耳に入ってきており、クラスメイトとの会話にもちょくちょく登場したりしていた。流石に飽きたかな?と思っても耳にするたびやはり素晴らしい曲だなと思い知らされる。

サザンが現在のような国民的バンドの座を確立したのはこの曲の記録的大ヒットによる所が大きいだろう。キャリア35年以上になってもまだ現役感を保っているのもやっぱりこのヒットがあったからこそだと思う。桑田さんは翌年ソロで「波乗りジョニー」「白い恋人達」を立て続けにミリオンヒットさせるがそれもこの「TSUNAMI」特大ヒットの下地があってこそだったと思うし。ここまでとは言わないが、チャゲアスも00年代に頭一つ抜けたヒット曲を出せていれば今頃…とかたまに思ったりしてしまう。

おすすめ度:A+
収録アルバム:3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~』、ベスト『海のOh,Yeah!!

HOTEL PACIFIC

2000年7月19日、約82万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、管編曲:山本拓夫

45thシングル表題曲。

当時GLAYの「MERMAID」、L’Arc~en~Cielの「STAY AWAY」と同時発売となり、チャート上における三つ巴が大変注目されたと聞く。結果はGLAYが1位、ラルクが2位でサザンは3位となったが、最終的な累計売上では今作が最高となった(奇跡的に5年後も同様のメンツで対決が行われる…)。今作から本格的にマキシシングルへ移行。

WOWWOWサマーキャンペーンCMソング。かなり派手な歌謡ナンバー。本格的なダンスが取り入れられていて、MステやCDTV等で大量のダンサーと共に踊り狂っていた。まさにお祭り騒ぎという表現がピッタリくるこの路線は2000年代サザンの一つの持ち味と化していくが、この系統の曲ではコレが一番好き。Bメロの高音部分ではどこか哀愁も感じる。80万枚を超えるヒット曲ながらずっとアルバム未収録の状態が続き、18年の時を経て『海のOh,Yeah!!』にて遂に初収録された。

おすすめ度:A
収録アルバム:ベスト『海のOh,Yeah!!

この青い空、みどり~BLUE IN GREEN~

2000年11月1日、約35万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:サザンオールスターズ

46thシングル表題曲。

『バラッド3~the album of LOVE~』3週間前のリリース。今作と『バラッド3』を最後にメンバーそれぞれソロ活動に入り、サザンは活動を休止。その間にギターの大森さんが休養に入り、翌2001年8月に脱退した。MISIA「Everything」、浜崎あゆみ「AUDIENCE」に阻まれ週間チャート3位。「TSUNAMI」大ヒットの余波は影響しなかったのか売上は35万枚とかなり地味な結果に。

フジテレビ系ドラマ『神様のいたずら』主題歌、フジテレビ系『桑田佳祐の音楽寅さん~MUSIC TIGER~』エンディングテーマ。アコギやハーモニカが主体となったミディアム調のナンバー。優しく穏やかなメロディーが堪らない名曲である。Bメロの早口高音部分がサビ以上に胸に染みる。

売上も低かったしアルバム未収録という事もあってか知名度も前2作と比べると圧倒的に低いように感じる。直後の『バラッド3』に緊急収録していればもっと高い人気を得られたんじゃないかと思うので実に残念。最後のアルバム収録チャンスであった『海のOh,Yeah!!』でもハブかれたので桑田さんが気に入っていない等、収録しない確固たる理由があると思われる。

おすすめ度:B+
アルバム未収録

※これの続き(47th「涙の海で抱かれたい~SEA OF LOVE~」以降のレビュー)は下記記事です!

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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