乃木坂46 歴代シングル&名曲感想 #1 ~2012-2016~

歌手別シングル&名曲レビュー
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乃木坂46 歴代シングル&名曲感想 #1 ~2012-2016~

2012年

ぐるぐるカーテン

2012年2月22日 売上約21万枚

作詞:秋元康、作曲:黒須克彦、編曲:湯浅篤

1stシングル表題曲。記念すべきデビュー曲。当時全盛を極めていたAKB48の「公式ライバル」としての話題性から、デビューシングルにしてチャート2位という好成績を収めた(1位はHey!Say!JUMPの「SUPER DELICATE」)。

選抜メンバーは生田絵梨花生駒里奈星野みなみ白石麻衣高山一実橋本奈々未松村沙友理市來玲奈井上小百合川村真洋齋藤飛鳥斉藤優里桜井玲香中田花奈能條愛未西野七瀬。デビューシングルということで全員が初選抜となる。センターは生駒里奈

AKB48の公式ライバルというからには悪者・ヒールっぽい作風で来るのかと思いきや(ポケットビスケッツに対するブラックビスケッツみたいな)、優しさ溢れるふんわりメロディアスポップスだったのが結構驚いた。乃木坂含め後の坂道系グループすべての基盤・原点となる名曲である。

2010年にAKB48にハマった僕はその流れで乃木坂にも注目していたが、この時点ではまだ冠番組『乃木坂って、どこ?』をちょこちょこ観る・・位で留まっていた。しかしまんをじして発表されたこの曲の良さに感銘を受け、一気に乃木坂への興味が爆増し毎週番組を観るように。しかしこの曲の時点ではまだメンバー個人個人の名前を覚えるまでは行ってなかったかな。(2024/7/20更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

おいでシャンプー

2012年5月2日 売上約22万枚

作詞:秋元康、作曲:小田切大、編曲:TATOO

2ndシングル表題曲。

指原莉乃(当時AKB48)のソロデビューシングル「それでも好きだよ」と同日リリース。AKB関連のCDが同日に出た事は乃木坂含め初だったので「ライバル対決」と話題になった。初日のデイリーは今作が1位、2日~5日までは「それでも好きだよ」に首位を譲る形となったが、初日の差が効き週間チャートでは見事今作が1位。ライバル対決を制し、自身初の1位獲得となった。

前作に引き続き生駒里奈がセンターを務めた。岩瀬佑美子畠中清羅宮澤成良が初選抜。

前作と同じ路線でもう1曲!という感じの理想的な2ndシングル。乃木坂のカラーである清純派ポップスというのが早くも確立した。夏ソングというわけでは無いが、毎年初夏に聴きたくなる。風が通り抜けるようなメロディーが絶品。2連続で良い曲来たぞ!と、より一層乃木坂への興味が深まったね。

わたくしマーは当時大学3年生。日曜日深夜に録画しておいた冠番組『乃木坂って、どこ?』を、月曜の朝登校前に観るのが習慣化していた。この曲を聴くと2012年の初夏、大学への通学風景を思い出す。乃木どこの影響もありこの頃にはメンバー個人個人の顔と名前がある程度一致するようになる。とりあえず顔が好みだった生田絵梨花と松村沙友理を推しメンにしようと決めた頃。(2024/7/20更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

走れ!Bicycle

2012年8月22日 売上約24万枚

作詞:秋元康、作曲:Shusui・伊藤涼・木村篤史・ヒロイズム、編曲:湯浅篤

3rdシングル表題曲。

生駒里奈が3連続センター。伊藤万理華深川麻衣若月佑美が初選抜。

前作から3ヶ月後だがもっとスパンが空いたような感覚があった。1st・2ndと比べるとキュートさの増したアイドルポップ。1st・2ndが名曲だっただけに、ちょっと落ちる曲という印象は当時からある。KinKi Kidsでいう「硝子の少年」「愛されるより 愛したい」に対する「ジェットコースター・ロマンス」みたいな。ただカラフルな衣装で踊るMVは可愛い。

この頃になると毎週日曜深夜の乃木どこ視聴も完全に習慣化し、殆どのメンバーの顔と名前を把握してたと思う。大学のゼミに乃木坂ファンの子が居てよく話してたというのもデカい。(2024/7/21更新)

おすすめ度:C+
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

制服のマネキン

2012年12月19日 売上約31万枚

作詞:秋元康、作曲:杉山勝彦、編曲:百石元

4thシングル表題曲。

4連続で生駒里奈センター。学業優先で活動休止中だった秋元真夏が初選抜。

後に乃木坂46を代表する作家となる杉山勝彦が初登場。いちおう同年にAKB48の「夢の河」も作曲していたが名前を認識したのは完全に乃木坂で。

90年代ユーロビートのようなテンポに鋭さを交えた曲。「大人に邪魔をさせない」等の歌詞は3年半後に鮮烈デビューする欅坂46に通じるものがあったかも。ここでまた新たな一面を打ち出したが人気上昇中の勢いかすんなり受け入れられたし良い曲だと感じた。杉山勝彦は清楚ポップスのイメージだけど初登場がコレだったのは今思い返すと意外だよね。

後に欅坂46やひらがなけやきが音楽番組やライブで披露したり、11年後の2023年には公式ライバルグループ・僕が見たかった青空によるカバーMVが公開されたりと、後輩達が必ず通る通過儀礼のような存在になっている。(2024/8/2更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

2013年

君の名は希望

2013年3月13日 売上約31万枚

作詞:秋元康、作曲:杉山勝彦、編曲:杉山勝彦・有木竜郎

5thシングル表題曲。

5連続で生駒里奈センター。次回作で白石麻衣に替わるのでデビューからここまでが生駒時代、一区切りな感がある。伊藤寧々永島聖羅が初選抜。

乃木坂の持ち味である清楚感や透明感が集約されたような曲。発売と同時に代表曲ポジションを掴んでいたしね。ここで杉山勝彦は完全に地位を確立し乃木坂ファンから絶大な信頼感を獲得(ZARDでいう織田哲郎のような感じ?)。2015年に紅白歌合戦に初出演した際には同年のシングルを差し置いて歌唱曲に選ばれたりと乃木坂を代表する楽曲となっている。ただ個人的にはもっと好きな曲が沢山あるしな・・という気持ちもありそこまで上位には入ってこない。(2024/7/22更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

ガールズルール

2013年7月3日 売上約45万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:後藤康二

6thシングル表題曲。

デビューから5連続だった生駒里奈に替わり、白石麻衣が初センター。白石は最初期からかなり人気のメンバーというイメージだったのでついに来たかという感じだった。初選抜は無し。

夏が似合う爽やかサマーポップ。AKBは毎年夏だ!海だ!水着だ!的な派手派手夏ソングを繰り出していたが、差別化を図るためかこっちは水着にはならず。それでもこれまでのシングルより弾けているので初期の乃木坂ブランドを好むリスナーは違和感をおぼえたかもしれないが、純粋にメロディーが良いので僕は好みだった。後の「坂道系夏ソング」の始祖であり雛形であり頂点かな。今思えば後の乃木坂夏ソングの中ではいちばん派手。「ガルル」という怪獣みたいな愛称を持つ。乃木どこのヒット祈願で桜井玲香がバンジージャンプをしてたのも思い出深い。

大学のゼミ・卒論・就活・地元仲間とのバンド活動など、2013年夏の思い出と共にある曲。言わば社会人になる前の「最後の青春」を共に過ごした曲なのだ。こんなに明るい曲なのに聴くとセンチメンタルな気持ちが溢れてくる。もしもあの夏に戻れたら。戻れないから青春なのか。(2024/7/22更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

バレッタ

2013年11月27日 売上約51万枚

作詞:秋元康、作曲:サイトウヨシヒロ、編曲:若田部誠

7thシングル表題曲。初動で40万弱、累計で初めて50万枚を突破。初動・累計共に前作を上回った。

同年5月に加入したばかりの2期生・堀未央奈がセンター。2期生のシングル参加は初であり、これをもって堀は研究生から正規メンバーへ昇格。堀の他に衛藤美彩川後陽菜中元日芽香が初選抜。

2~3作は白石麻衣センターで行くのかと思っていたので驚いたし、しかも当時加入したばかりの研究生がセンターとは・・とかなりの衝撃が走った。乃木どこの選抜発表で堀が呼ばれた時の激震がまるで昨日の事のよう。秋元康はホント、こういう「大抜擢!」みたいなのが好きだよな。

民族音楽風の世界観を持った良曲。前作は良くも悪くも普通のアイドルポップだったが、今作には乃木坂イズムが備わっていたと思う。(2024/7/23更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

2014年

気づいたら片想い

2014年4月2日 売上約54万枚

作詞:秋元康、作曲:Akira Sunset、編曲:湯浅篤

8thシングル表題曲。初動で初めて40万枚を突破。またしても初動・累計共に前作超えを果たした。

遂に西野七瀬が初センター。デビュー以来、じわじわと人気が高まっていた中でまんをじしてのセンターという事で「上り詰めた」感があった。しかしまさかここから乃木坂史上最多のセンター数を打ち出す超人気メンバーにまで大出世するとは予想出来なかったが・・。また1期生から樋口日奈和田まあや、2期生から北野日奈子が初選抜。

楽曲の方は歌謡風情緒とドラマチックさに満ち溢れた名曲。乃木坂全体の勢いも増してきて自己最高売上を記録、更に儚い作風が西野七瀬と合っていたし何から何までベストタイミングで放たれたシングルだった。僕自身いまだに乃木坂で好きな曲を挙げる際にはトップ5には入ってくる。この辺りから乃木坂ブランドの格がまた1段階上がったように思う。ちなみにこの曲で初のミュージックステーション出演。

乃木どこでのヒット祈願はマカオタワーバンジー。センターの西野が233メートルの超高層バンジーを飛んだのだがこれは歴代のヒット祈願で最も怖いと思う。山とか川など自然の中に飛ぶより、ああいう都心のビル群に向かって飛ぶ方が断然怖い。(2024/7/23更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

夏のFree&Easy

2014年7月9日 売上約52万枚

作詞:秋元康、作曲:井上トモノリ、編曲:橋本幸太

9thシングル表題曲。

前作に引き続き2連続で西野七瀬がセンター。1期生から大和里菜が初選抜。また同年2月よりSKE48と兼任(交換留学)していた松井玲奈も初選抜。この際の交換要員は生駒里奈(AKB48チームBとの兼任)だった。

恒例の夏シングルだが「夏だ~か~ら~、やっちゃおう~」ってノリが何だかサラッとし過ぎて軽い感じがして、当時からあまり好きな曲では無い。僕的に乃木坂の夏ソングでは「ガールズルール」「太陽ノック」「裸足でSummer」辺りよりワンランク落ちる。メロディーは爽やかで良いんだからもう少し良い歌詞にしてほしかった。

この曲は当時新卒で入社した某ドラッグストアで勤務中イヤというほど聴かされた思い出。まぁこの曲の元気さに救われた部分もあるのでそこは感謝している。もう戻らぬ2014年の夏。(2024/7/24更新)

おすすめ度:C+
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

何度目の青空か?

2014年10月8日 売上約61万枚

作詞:秋元康、作曲:川浦正大、編曲:百石元

10thシングル表題曲。

自身初の60万枚突破。また「おいでシャンプー」から9作連続1位となり、AKB48(24作連続)、SKE48(11作連続)に続き、ピンク・レディーと並ぶ女性グループ歴代3位タイの記録となった。

生田絵梨花が初、そして意外にもCDシングル唯一のセンター。生田は大学進学のため前作には参加していなかったが今作から活動再開・復帰した。1期生から斎藤ちはるが初選抜。

新卒で入社した某ドラッグストアの激務について行けず退職した時期と、この曲のリリースがちょうど同時期だった。今後どうすれば良いのか、人生に悩んでいた時期の僕を支えてくれたのがこの曲であった。そういった経緯もありわたくしマーにとっては思い入れの深い曲。普通にメロディーも最上級の美しさだと思うし乃木坂イズムの到達点はココだったんじゃないかとも。坂道系最大の名曲だと思うし未だいちばん好きな曲に挙げる事も多い。(2024/7/24更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

2015年

僕がいる場所

2015年1月7日

作詞:秋元康、作曲:杉山勝彦、編曲:杉山勝彦・有木竜郎

1stアルバム『透明な色』リード曲。当時の最新シングル「何度目の青空か?」と同一の選抜メンバーで、センターも同じく生田絵梨花

まんをじしての初アルバムのリード曲としてテレビ番組でも披露されていた。清楚ポップという持ち味を崩さず、儚さと鋭さも兼ね備えたまさにザ・杉山勝彦ナンバー。乃木坂イズムど真ん中という感じの名曲だった。2015年の初頭を思い出す。ただ1点苦言を呈するならば「赤ちゃん」というフレーズは合わない。ちょっと気持ち悪い歌詞という感情が勝ってしまうのよ。もっとハマる言い回しなかったんか、秋元さん。

この曲含め『透明な色』は1stアルバムにして実質ベスト盤としても機能する名盤だった。2015年の上半期はサザンオールスターズの『葡萄』やB’zの『EPIC DAY』、Mr.Childrenの『REFLECTION』等と一緒に聴きまくっていたね。あの頃に戻りたい。(2024/7/26更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:1st『透明な色』、1stベスト『Time flies』

命は美しい

2015年3月18日 売上約62万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:Hiroki Sagawa

11thシングル表題曲。初めて初動50万枚を突破、累計は前作ちょい超え。女性グループではAKB48、SKE48に続く3組目となる10作連続1位を達成。

センターは前年の「夏のFree&Easy」以来、通算3度目となる西野七瀬。まだ3回目なんだけど当時「何度目のセンターか?」と思った。西野ってこんな推されてるのか…と実感したのはこの頃だ。

ただこの後は白石麻衣や齋藤飛鳥とのダブルセンターばかりで、意外にもシングル表題曲での単独センターは2018年の「帰り道は遠回りしたくなる」まで空く事になるのよね。結局シングルでの西野単独センターは4作のみとなる。もっとある気がするよね。

2期生から相楽伊織が初選抜。2014年2月よりSKE48と兼任(交換留学)していた松井玲奈は2015年3月26日に兼任解除となり、今作が最後の乃木坂参加楽曲となった(この後2015年8月にSKEを卒業)。

大人っぽいシリアス系のダンスナンバー。テレビで初めて聴いた時は前作「何度目の青空か?」の名曲ぶりもあって「今回のはイマイチだな…」と落胆したものだったが、CDでしっかり聴いたら一気に印象が上がった。メロディーというよりも妖艶で作り込まれたサウンドが良い。サビ直前で一旦歌が止み、妖艶なサウンドが広がってゆく部分はまさに美しいと感じる。この曲で最もテンションが上がる部分である。(2024/7/27更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:2nd『それぞれの椅子』、1stベスト『Time flies』

太陽ノック

2015年7月22日 売上約68万枚

作詞:秋元康、作曲:黒須克彦、編曲:長田直之

12thシングル表題曲。

1st~5thまでセンターを務めた生駒里奈が返り咲き。2013年の「君の名は希望」以来、7作ぶり通算6度目のセンターとなる。2期生から新内眞衣が初選抜。

乃木坂メンバーが主演したテレビ東京系ドラマ『初森ベマーズ』オープニングテーマ。AKBでいう『マジすか学園』みたいなグループの主要メンバー全員で主演するアイドルドラマ。乃木坂メンバーがソフトボールチームを結成し、自分たちの憩いの場である公園の再開発を阻止するというスポ根ドラマで全話観た。内容よりも手塚とおる演じるオネエのソフト監督の印象が強烈に残ってるね。あと西野は「ななまる」、生田は「ショパン」等、みんな可愛かったり本人に因んだ役名が与えられている中、桜井玲香の「ブナン」って役名はちょっと可哀想だった(愛想笑いと無難な発言でその場を収めるというキャラ)。

夏シングル恒例の爽快アイドルポップ。いつもの乃木坂らしい清楚で上品な雰囲気よりはハジけるものの、48系の夏シングル(夏だ!海だ!水着だ!)程にはハジけないという絶妙なラインである。わたくしマー的にも前年の「夏のFree&Easy」よりは好きだけど前々年の「ガールズルール」には及ばないというこれまた絶妙な印象である。(2024/7/27更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:2nd『それぞれの椅子』、1stベスト『Time flies』

もう少しの夢

2015年7月22日

作詞:秋元康、作曲:丸谷マナブ、編曲、野中”まさ”雄一

12thシングル「太陽ノック」カップリング曲。1stアルバム『透明な色』収録の「ひとりよがり」、前作「命は美しい」Type-B収録の「ごめんね ずっと…」に続く、3作連続での西野七瀬ソロ楽曲。

『初森ベマーズ』エンディングテーマ。何度目のソロ曲か?と言いたくなってくる程に連続でソロが与えられていた西野七瀬。2015年当時、個人的に西野は名脇役タイプというか、端っこに居ることで魅力を発揮する系統のメンバーな気がしていたのでここまで全面に出てくるというのは本当に意外だった。『初森ベマーズ』も乃木坂主演とはいえ実質西野が主演みたいなものだったし。何かモヤモヤしたのを覚えているが、楽曲の方は良メロミディアムナンバーで普通に良い曲。(2024/7/27更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:12thシングル『太陽ノック(Special Edition)』

今、話したい誰かがいる

2015年10月28日 売上約74万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:Akira Sunset・APAZZI

13thシングル表題曲。初の70万枚突破。

白石麻衣西野七瀬のダブルセンター。乃木坂46では初のダブルセンター体制となった。白石は2013年の「ガールズルール」以来2度目、西野は同年の「命は美しい」以来4度目。初選抜は無し。

映画『心が叫びたがってるんだ』主題歌他。前年の「何度目の青空か?」をソフトにしたような王道メロディアスナンバー。流石にあの曲程の感銘は無いものの安心安定の良曲でザ・乃木坂という感じ。僕はアニメを観ないのでタイアップとして合ってたのかは分からないが当時『ここさけ』を観た僕の友人らからは中々好評を博していた。

歌詞も結構好きなのだけど唯一2番サビラストの〈話したい誰かがいるっていいもんだ~♪〉だけはちょっと…。こんなに儚いメロディーで、サビ終わりというキメる大事な箇所で〈いいもんだ~♪〉ってちょっと軽くないか、秋元さん。(2024/7/28更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:2nd『それぞれの椅子』、1stベスト『Time flies』

悲しみの忘れ方

2015年10月28日

作詞:秋元康、作曲:近藤圭一、編曲:久下真音

13thシングル「今、話したい誰かがいる」Type-Cカップリング曲。歌唱メンバーは前作「太陽ノック」と同一。

同年7月に公開していた映画『悲しみの忘れ方~Documentary of 乃木坂46~』主題歌。しっかり地に足をつけて踏みしめていく力強さを放つ一曲。自身のドキュメンタリー映画主題歌という事で、メンバーの悩みもがく気持ちを表したような歌詞が感動的。小中学生の合唱曲にしても違和感が無さそう。当時はフツーの曲という印象だったが、最近になって良く思えてきた。落ち込んだ夜に聴くと染みる。(2024/7/28更新)

おすすめ度:B
収録アルバム:2nd『それぞれの椅子』

2016年

ハルジオンが咲く頃

2016年3月23日 売上約83万枚

作詞:秋元康、作曲・編曲:Akira Sunset・APAZZI

14thシングル表題曲。初の80万枚突破。

同年1月に卒業を発表していた深川麻衣が最初で最後のセンター。人気が急上昇していたという印象のメンバーであるため、「気づいたら片想い」時の西野と同じく上り詰めてきた感がある。アンダーメンバー経験者が表題曲のセンターを務めるのは初だった。

聖母と称される深川の優しい人柄を表したような爽やかナンバー。若干EDMっぽい要素も混じっている。実に乃木坂らしい一曲という感じ。

〈君はどうしてそんなに 優しい瞳で見つめるの? 悲しみや怒り 憂鬱なことはないの? 風に吹かれても清々しい表情で すべてを許すように佇んでる〉など、どことなく深川を思わせるような秋Pお得意の手法が炸裂。(2024/7/29更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:2nd『それぞれの椅子』、1stベスト『Time flies』

きっかけ

2016年5月25日

作詞:秋元康、作曲:杉山勝彦、編曲:杉山勝彦・有木竜郎

2ndアルバム『それぞれの椅子』収録曲。歌唱メンバーは当時の最新シングル「ハルジオンが咲く頃」と同一(卒業した深川麻衣を除く)。

乃木坂王道ど真ん中の名曲。アルバムのCMでサビを聴いた時一発で「今年いちばんの名曲キタ!」と興奮したね。前作の「僕がいる場所」も良かったしこの曲の登場によって「乃木坂アルバムのリード曲にハズレ無し!」説が確立された。やはり杉山勝彦と乃木坂のタッグは鉄板だと再確認した。

あとMr.Childrenの桜井和寿がライブでカバーした事もこの曲の格を上げている要素だろう。「名曲」だと言っていいお墨付きをもらったような。調べると桜井氏がこの曲をカバーしたライブは2016年7月5日らしく、リリースから僅か1か月ちょい後とホヤホヤの時期。桜井氏はどうやってこの曲を知ったのだろうか? 『THE FIRST TAKE』や紅白で歌われる遥か5年以上前に桜井氏はこの曲を発見・カバーしていたのだ。2016年当時アルバム『それぞれの椅子』のCMを偶然観たのか、それともスタッフから「おすすめの曲あるんですよ」とか言われたのか…。それこそこの曲を知った「きっかけ」を教えて欲しいね。

前述の通り2021年にはYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』で4期生・遠藤さくらのソロ歌唱版動画が公開されたり、同じ21年の紅白歌合戦での披露曲に選ばれたりと、外向けの場で選曲され一気に代表曲感が高まった。

2022年には藤井風がライブでカバー(前述の『THE FIRST TAKE』で聴いたのがキッカケだという)。更に2024年にはMrs. GREEN APPLEの主催ライブ『Mrs. TAIBAN Live』にて大森元貴がメンバーと共に歌唱。このまま広がっていけば「最後の雨」「歌うたいのバラッド」「ハナミズキ」等、「カバーされがちな名曲枠」に入る日も近いか。

欲を言うと、できればもうちょっと王道なMVを作って欲しかったなと。黒板アートのはあまり観る気にならないというか。2016年当時、アルバムのCMで流れてた15秒の映像の方が断然この曲の魅力が伝わったのよ(既存のMVを繋ぎ合わせたダイジェスト映像だったのに)。(2024/7/29更新)

おすすめ度:A+
収録アルバム:2nd『それぞれの椅子』、1stベスト『Time flies』

裸足でSummer

2016年7月27日 売上約86万枚

作詞:秋元康、作曲:福森秀敏、編曲:APAZZI

15thシングル表題曲。

齋藤飛鳥が初のセンター。初期はアンダーと選抜を行ったり来たりしていたが、「命は美しい」「太陽ノック」で連続選抜、「今、話したい誰かがいる」「ハルジオンが咲く頃」で十福神となりここで遂にセンターへ上り詰めた。アンダー経験者のシングル表題曲センターは前作の深川麻衣に続いて2人目。

恒例となる夏シングルだがこれはあえてキャッチーさを抑えたかのようなサッパリした仕上がり。普段以上にはハジけるものの48系程にはハジない絶妙なラインを毎年うろつき模索しやっと辿り着いた一つの完成系のような印象を受ける。これが乃木坂の夏!みたいなね。ただMVの海、濁ってないか?沖縄の海って澄み渡ってるイメージなのだが。(2024/7/30更新)

おすすめ度:B+
収録アルバム:3rd『生まれてから初めて見た夢』、1stベスト『Time flies』

サヨナラの意味

2016年11月9日 売上約98万枚

作詞:秋元康、作曲:杉山勝彦、編曲:若田部誠

16thシングル表題曲。出荷枚数で初めて100万枚を突破し、日本レコード協会からミリオン認定された。

翌2017年2月20日を目途に乃木坂46からの卒業、及び芸能界を引退すると発表していた橋本奈々未が表題曲で最初で最後のセンター。また2017年末に卒業した中元日芽香もこれが最後の選抜入りとなった。

センター経験こそなかったものの橋本は「ぐるぐるカーテン」から16作連続選抜入りしている超人気メンバーだったので卒業は衝撃的だった。西野は2年後、白石は3年後、齋藤飛鳥は7年後に卒業なので、今思えば橋本はかなり早くにグループを去った。あとこれ以前の卒業者には失礼だが、当時は乃木坂が迎える「初の超人気メン卒業」という感もあったのよね。

作曲は安心安定の杉山勝彦。超人気メンの卒業曲という事で運営も気合の入った人選。ただアルバムリード曲で名曲を提供しまくっていたので意外だが杉山勝彦のシングル表題曲起用は2013年の「君の名は希望」以来11作ぶりだった。

杉山勝彦が生み出した数ある乃木坂ポップスの中でもトップクラスのメロディーと風格。これ以降メンバーの卒業ソングが出るたびにこの曲と比較してしまう。曲の良さは勿論、選抜メンバーの顔ぶれやアイドル界での存在感など諸々すべてのタイミングを考慮すると、ここが乃木坂46の最高到達点だったのかも……とさえ。実際CDの売上はこれ以降も上昇していったしグループのまだまだ人気は現在も続いているのだが、橋本の卒業でひとつの時代が終わった感じはした。ここから先は次のフェーズみたいな。(2024/7/30更新)

おすすめ度:A
収録アルバム:3rd『生まれてから初めて見た夢』、1stベスト『Time flies』

※下記記事へ続きます

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著:マー・田中(@kazeno_yukue)

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