WANDS 歴代シングル&名曲感想 #2 ~1997-2000~

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WANDS 歴代シングル&名曲感想 #2 ~1997-2000~

こんにちは、孤独なJ-POPファン、マー(@kazeno_yukue)です。

1997年初頭に上杉昇・柴崎浩が脱退。残った木村はWANDSを継続させる事を決意し、新ボーカリストに和久二郎(元ジャニーズJr.という異色の経歴)、新ギタリストに杉元一生を迎えた。このメンバー編成が第3期WANDSとなる。シングル4枚、アルバム1枚を発表した後2000年に解体(解散)。

長らく沈黙が続いたが2019年11月には柴崎浩木村真也に加え新ボーカリストに上原大史を迎えて第5期WANDSが始動する事が発表された。実は2018年から水面下で大島康祐・柴崎浩・上原大史が集結し楽曲制作を行っていたそうで、この知られざる3人体制の時期を第4期WANDSと位置付けたらしい。結局大島は裏方として制作に専念する事となり木村が招集されたみたいなので、この経緯を知らないと一見「なんで4期が飛ばされてんの?」状態になってしまうのはご愛嬌。19年11月にフリーライブをYouTube Liveで生配信。2020年1月29日にはニューシングル「真っ赤なLip」をリリース。

※第1~2期(デビューシングル「寂しさは秋の色」から11th「WORST CRIME」)の感想は下記記事です

12th 錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう

錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう/トライ・アゲイン

1997年9月3日
初登場4位、21.3万枚

作詞・作曲:小松未歩、編曲:池田大介

第3期WANDS活動開始シングルにして3期最大売上(アルバム『AWAKE』よりも…)。

フジテレビ系アニメ「ドラゴンボールGT」エンディングテーマ。作詞・作曲はこの年にデビューし「名探偵コナン」主題歌等でヒットを飛ばしていた小松未歩。ポップかつロックである絶妙な曲で、3期WANDSの始動に相応しい勇ましさを感じる。どっしりしていた上杉の声に比べて和久の声は細く高い。アルバム『AWAKE』ではミックス変更が施されており、ギターが強調された分厚いサウンドになっている。タイアップ効果から、平成元年生まれである僕の世代だと「世界が終るまでは…」と並んで知名度の高い曲でありカラオケで登場する頻度も多かったが、そのキーの高さ故に撃沈してゆく友人の姿も多くみられた。

おすすめ度:B
2ndベスト『WANDS BEST~HISTORICAL BEST ALBUM~
6thアルバム『AWAKE』(ミックス変更)
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio

13th Brand New Love

Brand New Love

1998年2月11日
初登場17位、6.1万枚

作詞:坂井泉水、作曲:綿貫正顕、編曲:WANDS

トップ10入りを逃したのは1992年の2ndシングル「ふりむいて抱きしめて」以来。

三菱自動車ミラージュマリオンCMソング。作曲の綿貫正顕はZARDの「MIND GAMES」等で名前を見かけるビーイングの作曲家(現在は離脱)。怒涛の勢いで突き進んでゆくトランスロックで名曲。特にサビは一発で耳に残るし。このタイミングでセールスが激減してしまったのは悔やまれる。やはり「上杉が居ないWANDSはWANDSじゃ無い」という意識がファン離れを引き起こしてしまったのだろう。

最初に『AWAKE』でこの曲を聴いた時どこかで聴いた記憶があるな…と思ったのだが、実はZARDの8thアルバム『永遠』収録のセルフカバーバージョンを先に聴いていたのである。原曲がWANDSだったとは長らく知らなかったので驚いた。

おすすめ度:B+
6thアルバム『AWAKE

14th 明日もし君が壊れても

明日もし君が壊れても

1998年6月10日
初登場8位、11.4万枚

作詞:坂井泉水、作曲:大野愛果、編曲:WANDS

テレビ朝日系アニメ「遊戯王」エンディングテーマ。これは「デュエルモンスターズ」としてカードゲーム主体となるテレ東版よりも以前の闇のゲーム中心のストーリーで、声優陣も作品世界も異なるものである。放送当時にVHSが出たのみ(現在は廃盤)で未だDVD化等はされておらず視聴困難であり、実質封印作に近い。

僕が小学生時代を過ごした90年代後半~00年代初頭、「遊戯王」のカードゲームが全国の小学生男子中心に爆発的に流行(皆ところ構わずマイデッキと電卓を持ち歩き「俺のターン!!」と叫びまくっていた)。その流れでアニメも観ていたのでこの曲も知っていたし、当時音楽に興味は無かったが子供ながらに「これは名曲だ…!」と思い中古でシングルを買った程だった。故にWANDSで初めて手にした作品はコレだった。

そんなわけで思い入れが特別強いというのもあるがそれを差し引いても名バラードだと思う。「遊戯王」の世界観に合わせたようなミステリアスなアレンジも雰囲気抜群だし何よりメロディーが良い。上杉以上に高い和久のキーはカラオケで入れると喉が崩壊する危険性が高いのでうかつには挑戦できない…。

おすすめ度:B+
6thアルバム『AWAKE
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY
4thベスト『complete of WANDS at the BEING studio

15th 「今日、ナニカノハズミデ生きている」

今日、ナニカノハズミデ生きている/FREEZE

1999年3月31日
初登場32位、1.5万枚

作詞:AZUKI 七、作曲:三好誠、編曲:WANDS

結果的にWANDSラストシングル。この年の10月にアルバム『AWAKE』をリリースしたが、翌2000年3月には公式サイト上で解体(解散)を発表する事となった。

TBS系「ワンダフル」テーマソング。作詞はGARNET CROWのAZUKI 七、作曲はrumania montevideoのギター・三好誠。かなりハードかつ狂気的なサウンドが炸裂するが、サビは中々耳に残る。「Brand New Love」と同系統であり結構好みの一曲だ。ポップかつロックな3期の方向性はかなり良かっただけにこれでラストになってしまったのは惜しい。やはりWANDSという名前が悪く影響してしまったのだろうか…。3期はもう別バンドとして聴く事をお勧めする。

おすすめ度:B
6thアルバム『AWAKE

6thアルバム AWAKE

1999年10月27日 約2万枚

AWAKE

作詞:木村真也、作曲:杉元一生、編曲:WANDS

6thアルバム『AWAKE』収録曲。ミズノINTERNATIONAL・CMソング。とびきりキャッチーなサビにデジロックなサウンドという3期らしい名曲。あまり期待せずに『AWAKE』を手に取り、1曲目のこの曲に心を奪われたリスナーは多いのではないだろうか。シングルで作曲を手掛ける事は無かったものの、杉元一生は作家としてかなりの能力を持っていたと思う。

おすすめ度:B+
6thアルバム『AWAKE
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY

雲が流れる方へ

作詞:杉元一生、作曲:杉元一生・木村真也、編曲:WANDS

6thアルバム『AWAKE』収録曲。自分探しがテーマのメロディアスなミディアムナンバーであり文句ナシの名曲。切ない曲調ながら、聴き終わる頃には前向きな気持ちになっている。3期で最も好きな曲はコレである。やはり杉元一生は素晴らしい作家だったのかもしれない。

おすすめ度:A
6thアルバム『AWAKE

3rdベスト BEST OF WANDS HISTORY

2000年6月9日 売上約3万枚

太陽のため息

作詞:上杉昇、作曲:柴崎浩、編曲:葉山たけし

第2期の楽曲で、解散にあたってリリースされたベストアルバム『BEST OF WANDS HISTORY』に未発表曲として収録された。レコーディングは95年の4thアルバム『PIECE OF MY SOUL』の頃であり、ロックなサウンドに抜群のメロディーが乗る隠れ名曲である。やはりこの時期の上杉作詞・柴崎作曲の組み合わせは最強だった。

ただ、曲調は爽快なんだけど歌詞は結構意味深。〈ペットショップの子犬じゃあるまいし 飼いならされたくはない〉〈風のように自由になりたいんだ すべて投げ捨てて〉〈気付けばもはや手遅れで 僕はプロデュースされているよ…〉等のフレーズは、ビーイングにプロデュースされていた上杉自身の事を歌っているようで非常に刺さってくるものがある。PAMELAHの未発表曲「曖昧」(『complete of PAMELAH at the BEING studio』収録)も同じく意味深な歌詞だったし、狙ってやっているんだとしたらビーイングって怖い会社だな。

おすすめ度:A+
3rdベスト『BEST OF WANDS HISTORY

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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