【アルバム感想】『8』THE YELLOW MONKEY

カテゴリー

8
THE YELLOW MONKEY

8

収録曲

01.ジュディ
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY)
02.サイキックNo.9
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY)
03.GIRLIE
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY・JON JACOBS・DAVID MAURICE)
04.DEAR FEELING(Album Version)
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY・笹路正徳)
05.HEART BREAK(Album Version)
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY・笹路正徳・森俊之)
06.人類最後の日
(作曲・編曲:THE YELLOW MONKEY)
07.SHOCK HEARTS
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY・森俊之)
08.聖なる海とサンシャイン(Album Version)
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY・朝本浩文)
09.カナリヤ
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE SAINT・THE YELLOW MONKEY)
10.パール
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY)
11.STONE BUTTERFLY
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY)
12.メロメ
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY・JON JACOBS・DAVID MAURICE)
13.バラ色の日々(Album Version)
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY・朝本浩文)
14.峠※終了後シークレットトラックあり
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY)

収録初回限定盤 Bonus CD

01.MY WINDING ROAD(Mastering Version)
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY)
02.SO YOUNG(Mastering Version)
(作詞・作曲:吉井和哉、編曲:THE YELLOW MONKEY)

データ

2000年7月26日、初登場2位
初動21.7万枚、売上38.3万枚、登場11週
Produce:吉井和哉
ファンハウス

再発盤データ

2013年12月4日(リマスター・Blu-spec CD2)

作品概要

THE YELLOW MONKEYの8thアルバム『8』。

シングル「バラ色の日々(Album Version)」(4位 21.3万枚)「聖なる海とサンシャイン(Album Version)」(9位 14.2万枚)「SHOCK HEARTS」(3位 10.3万枚)「パール」(6位 11.0万枚)に加えC/Wから「DEAR FEELING(Album Version)」「HEART BREAK(Album Version)」を収録。イギリスでリリースされたシングルの国内盤だった98年8月の「SUGAR FIX」は未収録。解散前最後のオリジナルアルバムであり、次回作は19年後(2019年)の『9999』まで飛ぶ事となる

『PUNCH DRUNKARD TOUR』からの休養期間を経て、バンドサウンドを見直すため外部プロデューサーを導入する事が決定。それが実施された「バラ色の日々」「聖なる海とサンシャイン」「SHOCK HEARTS」の3シングルは「実験3部作」と呼ばれる。その後の「パール」及び今作は吉井のセルフプロデュースとなっている。19『無限大』(初動40.2万枚)には敗れたもののスピッツ『ハヤブサ』(初動21.1万枚)は僅差で上回りチャート2位を記録した。2013年12月4日には全てのアルバムがBlu-spec CD2にてリマスター再発された。

初回盤のみボーナスCDが付いており、休養前にリリースされていた「MY WINDING ROAD」(5位 20.6万枚)「SO YOUNG」(5位 19.9万枚)の2曲がリマスタリングを施した上で収録されている。この2曲は「第一期THE YELLOW MONKEY最後の曲」であるため第二期のスタートとなる今作には入らなかったのではないか、と言われていた。しかしこの後01年1月に初の東京ドーム公演『メカラ ウロコ・8』を開催した直後にバンドは活動休止を発表。そのまま04年7月に正式に解散となり、2016年に再集結したとはいえ「今作『8』の流れを経ての次回作」というものが作られる事は無かった。

感想

吉井は外部プロデューサーの介入自体にまず否定的だったようだが、同時期に他メンバーとの温度差、距離感を感じる等ヒストリーを読むだけでもかなり精神的疲弊が溜まっていたであろう事がうかがえる。そんな混沌とした状況の中制作された今作は、この時期の吉井が抱いていた悩みもがくような気持ちが滲み出ているかのような印象で全アルバム中最も異色。煌びやかな世界観だったり歌謡ロックでバーン!という感じは全く無くて全体的に抑え目でひんやりとしたサウンドで覆われている。メロディーも歌詞もどこか内省的で内へ内へ向かう感じで、イエモンというよりは吉井和哉ソロ+αみたいなイメージ。特にピアノとストリングスのみで構成される「メロメ」なんかはそのイメージの極みだ。

ただこれは「バンドの限界」であったと同時に「新たなるステージ」を予感させる一作であったのも確か。実際キャリアの中で今作だけは他に無い独立した印象があり、聴いていて非常に面白い。リリース当時は賛否あったようだけど、この路線を突き詰めた先に何があったのか、次を聴いてみたくなる一作だっただけにここで一時解散期間を挟んでしまったのは少し悔やまれる。個人的には2nd『EXPERIENCE MOVIE(未公開のエクスペリエンス・ムービー)』と並んで最も好きなアルバムである

おすすめ度★★★★★

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