B’z 歴代シングル&名曲感想 #1 ~1988-1994~
こんにちは、孤独なJ-POP愛好家・マー(@kazeno_yukue)です!
松本孝弘(ギター)、稲葉浩志(ボーカル)の二人からなるロックユニット・B’z。日本一のセールスを誇る彼らの歴史を振り返ってみよう!
1988年
だからその手を離して
1988年9月21日
作詞:稲葉浩志、編曲:松本孝弘、編曲:明石昌夫
記念すべきデビュー曲。
1stアルバムと同時発売であり、カップリング共々アルバムの方にも収録されておりジャケット写真もアルバムの使い回しという、「これシングル買う意味あんの?」と言いたくなるような発売スタイルだが90年代中頃くらいまではこういう事も珍しく無かった。チャートでは圏外。
楽曲の方は打ち込み主体のダンサブルなナンバーだがいかんせん稲葉のボーカルが硬くてぎこちなくまるで別人のよう。松本のギターもかなり後方で鳴っており後年のようなどっしりした存在感は皆無。いま聴くと別のグループであるかのような印象を受ける衝撃のデビュー曲である。このバブリーで軽いサウンドにどうも抵抗感があって昔は苦手な曲だったが、メロディー自体は中々好みであり近年は好きなナンバーになってきた。
売上的にみるとこの原曲より、2000年のマストアルバム『B’z The “Mixture”』収録の「だからその手を離して-Mixture Style-」というデジタル・ハードロック調バージョンの方が有名なのではないだろうか。僕も、オリジナルよりも先にMixture Styleの方を聴いたクチである。中学時代カラオケでこの曲を歌おうと入れた友人が、イントロが始まるやいなや「あれ?俺が知ってるのと違うぞ」と戸惑っていた思い出がある(恐らく友人はMixture Styleしか知らなかったのだと思う)。
98年のドカ売れベスト『B’z The Best “Pleasure”』『B’z The Best “Treasure”』(ジャケット色から金銀ベストと呼ばれたりする)では未収録。2008年のベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』『B’z The Best “Treasure”』でもスルーされ、ベスト盤の類にことごとくハブかれていた(楽曲の原盤権の問題)ので原曲は長らく1stアルバムを入手しないと聴けなかった(一応97年の非公認ベスト『Flash Back-B’z Early Special Titles-』で聴く事は可能だったが)。2013年のベスト『B’z The Best ⅩⅩⅤ 1988-1998』にてようやく公認ベスト盤初収録となり、リマスターされた音圧で楽しめる様になったのは感動だった。
おすすめ度:C+
収録アルバム:1st『B’z』、1stミニ『BAD COMMUNICATION』(DA・KA・RA・SO・NO・TE・O・HA・NA・SHI・TE-OFF THE LOCK STYLE-)、他
1989年
君の中で踊りたい
1989年5月21日
作詞:稲葉浩志、編曲:松本孝弘、編曲:明石昌夫
2ndシングル表題曲。
2ndアルバム『OFF THE LOCK』と同時発売であり、カップリング共々アルバムにも収録されているという前作と同様の売り出し方。チャート圏外。
TBS系ドラマ『ハイミスで悪かったネ!』エンディングテーマで、B’zとして初めてタイアップが付いた曲。前作の路線を引き継いだダンスナンバーで相変わらずバブリーな雰囲気が炸裂している。インパクトはあるけど歌詞・メロディー共にそんなに好きではない。前作「だからその手を離して」は言ってもデビュー曲だけあってそこそこ聴く事はあったんだけどこの曲は本当に聴いた回数が少ないので印象が定まっていない。
おすすめ度:C
収録アルバム:2nd『OFF THE LOCK』、2ndミニ『WICKED BEAT』(I Wanna Dance Wicked Beat Style)、他
1990年
LADY-GO-ROUND
1990年2月21日 約2万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
3rdシングル表題曲。
3rdアルバム『BREAK THROUGH』と同時発売であり、カップリング共々アルバムにも収録されている(何回言わすんだコレ)。39位につけ、シングルでは初のチャートインを達成。89年10月のミニアルバム『BAD COMMUNICATION』がじわじわ売れ続けている中でのリリースだった(『BAD COMMUNICATION』は結果的に92年3月にミリオンを突破する)。
デジタルチックなダンスナンバー。歌詞に百人一首が取り入れられているのがポイント。中学時代に聴いた時には全く印象に残らずそのまま放置していたのだが、2013年のベスト盤で改めて聴いたら意外にもハマってしまった。軽快なメロディーが良いし、B’zらしい良い意味でのダサカッコ良さが詰まった初期の佳作ではないだろうか。
おすすめ度:C+
収録アルバム:3rd『BREAK THROUGH』、2ndミニ『WICKED BEAT』(Lady-Go-Round “W-40” Style)、他
BE THERE
1990年5月25日 約34万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
4thシングル表題曲。
チャート初登場7位となり、自身初のトップ10入りを果たしたシングル。アルバムと同時発売では無く、単独でリリースされた初めてのシングル曲である。またカップリングの事を「2nd beat」と呼ぶようになる、B’zメンバーを中心とした音楽制作集団「B+U+M」のクレジット表記が始まるなど、B’zが色々と新たなフェーズに入ったシングルでもある。
またこのシングルから「裸足の女神」までの10タイトルは2003年にマキシシングルとして再発されたのだがその中では最も好調な売上を見せ、13年ぶりに最高順位を7位から3位に更新するという珍記録を見せてくれた。オリジナル盤の売上は25万枚程で、再発盤が9万枚売れ合計34万枚という記録になっている(2003年再発盤の売上は単独では集計されず、全てオリジナル盤の売上に合算された)。
テレビ朝日系『水曜スーパーキャスト』エンディングテーマ。『ミュージックステーション』に初出演したのもこの曲。後年のドカ売れPleasure系ベストに収録されているシングル群では最古の曲で、中学時代から聴きまくっているのでこれまでの3シングルと比べ今作以降は格段に思い入れが強くなる。やはり聴き慣れているからなのだろうか、シングルを順番に聴いていくとこの曲から一気に垢抜けた雰囲気になるように思う。サビも良いが個人的にはBメロ(〈揺れる~不安定な心は~♪〉の所)のメロディアスで都会的な空気が最高に好き。左右のスピーカーから交互に音が鳴るイントロのインパクトも絶大だ(現在では簡単に作れるが、90年当時ではかなり大変な作業だったらしい)。
おすすめ度:A
収録アルバム:1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、4thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』、他
太陽のKomachi Angel
1990年6月13日 約46万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
5thシングル表題曲。
前作から約3週間という短いスパンでのリリース。シングル・アルバム通じて初のチャート1位を獲得。現在まで続くシングル連続1位記録はこの曲から始まった。そのため何かと記念すべきシングルとして扱われる事も多い。オリジナル盤は約38万枚程度の売上で、2003年の再発盤で約8万枚上乗せされた。
三貴・カメリアダイヤモンドCMソング。何となくフラメンコというかラテン調のノリを放つ曲。僕は2002年ごろにお馴染みブックオフで『B’z The Best “Pleasure”』を購入し後追いでこの曲を聴いたので割とすんなり受け入れられたが、改めて考えるとかなり異色のシングルである。とにかくサビのエ~ンジェル!がインパクト大。現在でこそB’z初期のぶっ飛びソングとして地位を確立しているが、正直90年当時よくこれが40万枚近く売れたな…という気持ちも。
前作「BE THERE」と同様にオリジナルアルバムには未収録。98年の『B’z The Best “Pleasure”』で回収されるまで実に8年もの間シングルのまま放置されていた。「BE TEHRE」といい今作といい、順位も売上もグイっと上がった出世シングルを容赦なくアルバム未収録にするB’z。アルバムコンセプトに合わないという事だろうけど強気だ…。僕がレコード会社の人間だったら絶対「BE TEHRE」と「太陽のKomachi Angel」入れましょうよ!って言っちゃうし。
おすすめ度:C+
収録アルバム:2ndミニ『WICKED BEAT』(Komachi-Angel Red Hot Style)、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他
Easy Come,Easy Go!
1990年10月3日 約47万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
6thシングル表題曲。
前作に続き初登場1位を獲得し、そのまま3週連続での首位となった。オリジナル盤の売上は約38万枚で、2003年の再発盤で約9万枚上乗せされた。
三貴カメリアダイヤモンドCMソング、セゾングループCMソング。タイトルの意味は「悪銭身につかず」。これまでのようなデジタルナンバーではなく、ザックリとしたバンドサウンドが展開されるポップナンバー。〈踊ろよLADY~〉から始まるサビは充分にキャッチーで聴き心地良し。ライブでは稲葉はアコースティックギターを弾きながら歌うらしい。4thアルバム『RISKY』では「RISKY Style」としてドラムが目立つミックスになっておりカッコイイ。ところで「逆境にくじけるな」ってそんなにクサイ言葉かな?
カラオケファンの観点で見ると、B’zのシングルの中ではキー的にかなり歌い易い部類に入ると思う。キーが高すぎてB’zなんか歌えないよ…と諦めている男性でも大丈夫。そんなに力を入れずにB’zを歌いたい時にはこの曲が一番だろう。
おすすめ度:B
収録アルバム:4th『RISKY』(RISKY Style)、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他
愛しい人よGood Night…
1990年10月24日 約35万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
7thシングル表題曲。
前作「Easy Come,Easy Go!」から3週間でのリリースで続けて1位を獲得。前作が3週連続1位をキープしている中でのリリースだったので、この曲も合わせて4週連続でB’zが1位を獲得する状況となった。オリジナル盤の売上は約27万枚で、2003年の再発盤で約8万枚上乗せされた。僅差ではあるが2003年再発盤では最も週間順位が低かった(本当に数100枚程度の差)。
テレビ朝日系ドラマ『代表取締役刑事』エンディングテーマ。当初はシングルカットする予定は無かったがドラマ主題歌に決まったため急遽リリースが決定した。シングルでは初のバラード。いかんせんシングルにしては地味な存在で、『B’z The Best “Treasure”』で初めて聴いた時は「古い曲」っていうオーラが凄かった。しかし綺麗なメロディーで良い曲である。サビは〈ど~こにいても~〉の部分よりも、後半の〈I will be with you tonight~〉の部分の方が広がりがあって好き。夜明け前に聴くと浸れそう。
おすすめ度:B
収録アルバム:4th『RISKY』、2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、他
1991年
LADY NAVIGATION
1991年3月27日 約117万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
8thシングル表題曲。
初動20万枚を突破し、累計で100万枚を突破。自身初のミリオンセラーシングルとなった。ここから96年の20thシングル「Real Thing Shakes」まで13作連続ミリオンという驚異的な記録を打ち立てる事となる。再発盤含め56週チャートインし、これは自身最多。オリジナル盤の売上は約108万枚で、2003年再発盤で約9万枚上乗せされた。
カネボウ化粧品’91夏イメージソング。夏っぽさを感じる爽快なナンバーであり、そのタイアップ名もあってずっと夏リリースだと思っていたが実は発売は3月という春真っ盛り。踊るようなギターのリフや〈N・A・V・I・G・A・T・ION!〉の謎の振り付け等、全体的になかなか奇抜な印象のある楽曲だ。何よりMVの稲葉が非常にバブリーで時代を感じる格好をしていてそれが一番衝撃かもしれない。
初ミリオンにもかかわらず同年のオリジナルアルバム『IN THE LIFE』には未収録で、シングルバージョンは7年後のベスト盤『B’z The Best “Pleasure”』にてようやく収録された。ミリオンを超えた大ヒットシングルでもコンセプトに合わなければ容赦なくオリジナルアルバム未収録にしてしまうという全盛期B’zの姿勢は物凄かった。
おすすめ度:C+
収録アルバム:3rdミニ『MARS』(Cookie & Car Stereo Style)、7th『The 7th Blues』(別アレンジ)、他
ALONE
1991年10月30日 約112万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
9thシングル表題曲。
初動38万枚。前作の2倍弱の初動を叩き出しチャート1位。この曲も含んだ1か月後の5thアルバム『IN THE LIFE』は自身初の200万枚突破作となり、B’zは一気に次のステージへ上がる事となる。オリジナル盤の売上は約104万枚で、2003年再発盤で約8万枚上乗せされた。
関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『ホテルウーマン』主題歌。重量感のあるロック・バラード。出だしの歌詞の通り、聴いていると目の前に夕陽が浮かんでくる感傷的な名曲だ。ラストサビになるとバックで聴こえてくるコーラスは〈I was born to fall in love. You know we’re all alone. Hold your dreams, it never ends. Naked eyes in the sky.〉と言っている。よく中学時代は最後の部分を〈出来ない~♪い~んですか~い♪〉と歌って仲間内で笑いあっていた。
アウトロでは段々とバンドの音がフェードアウトしていき、最終的にこのコーラスのみになる所が感動的。アルバム『IN THE LIFE』収録のバージョンではイントロ前にもコーラスが追加されており、より壮大な仕上がりになっているのでオススメである。代表的な名バラード。
おすすめ度:B+
収録アルバム:5th『IN THE LIFE』(コーラスから始まるアルバムバージョン)、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他
1992年
BLOWIN’
1992年5月27日 約176万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
10thシングル表題曲。
初動58万枚を記録し初登場1位。今作から初動も累計も跳ね上がり、結果的に92年度年間3位、この時点でB’z最大ヒット曲となった。現在では「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」「LOVE PHANTOM」に次ぐ自身3番売上。オリジナル盤の売上は約168万枚で、2003年再発盤で約8万枚上乗せされた。
カルビーポテトチップスCMソング。風を切っていくような爽快感のある曲。デジタルビートとギターロックの融合がまさしく完成しているライブ定番曲であり心地良い。中高生時代にカラオケに行った際には友人らとよく歌ったが、普通に歌っていくとサビの後半で息が続かなくなるため、〈Blowin’ blowin’ in the wind~〉まで一人で歌い直後の〈イエス!〉だけを他の誰かに任せそのスキに息継ぎをするという手法をとっていた。これはチームワークが無いと即興ではなかなか難しい技である。『ULTRA Treasure』では生音バージョンにアレンジされているが個人的には原曲のちょっと硬いサウンドの方が好み。
ちなみに年間3位に食い込んだ大ヒット曲にもかかわらず、同年のオリジナルアルバム『RUN』には未収録。98年のベスト盤『B’z The Best “Treasure”』で回収されるまで、実に6年間アルバム未収録のまま放置されていた。
おすすめ度:B
収録アルバム:2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、5thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』(ULTRA Treasure Style)、他
TIME
1992年5月27日
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
10thシングル「BLOWIN’」2nd beat。
テレビ朝日系『ステーションEYE』オープニングテーマ。『B’z The Best “Treasure”』の投票では5位、『B’z The Best “ULTRA Treasure”』では9位と、投票系のベストでは必ず食い込んでくるファン人気の高い一曲だ。初めて聴いたのは中学時代に観ていた『CDTV』の過去ゲストライブ映像で、その時には隠れた名曲として紹介されていたのを覚えている。
感傷的なロックバラード。独りでじっくり浸りたい時とかに聴いたら泣けそう。中学時代にはそこまで好きな曲でも無かったが、『B’z The Best “Treasure”』をはじめバラードベストや、20周年ベストにも選ばれたりとピックアップされる機会が多かったのでじっくり自然と馴染んできた。歌詞にある〈港が見渡せる丘〉とは横浜市の港の見える丘公園がモデルなんだとか。いつの日にか現地に赴いてこの曲を聴くのが僕の夢。
おすすめ度:B
収録アルバム:2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、バラードベスト『The Ballads~Love & B’z~』、他
ZERO
1992年10月7日 約131万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
11thシングル表題曲。
タイアップ全盛の時代にも関わらずノンタイアップ。しかし初動61万枚を叩き出し問題なく初登場1位、ミリオンを記録。当時ノンタイアップシングルの初動歴代1位だったという(現在は何が1位なのか分からない。情報求ム)。オリジナル盤の売上は約122万枚で、2003年再発盤で約9万枚上乗せされた。
これまでのポップ路線とは異なりかなりハードロックに寄った一曲で、聴いていると深夜のビル群が目の前に浮かんでくる。サビが最後の方に集中しているのが特徴。中盤では当時まだまだ一般的では無かったであろうラップが登場。カラオケでこのラップ部分をスンナリ歌えるかどうかで曲の聴き込み度が分かる。ライブでは〈もう一回!〉や〈もう真っ白〉のタイミングで上着を脱ぎ去る稲葉が印象的。中学時代友人がこの曲を歌いながらカラオケで上半身裸になった時は爆笑した。
松本はインタビューで「これをシングルにするのは大きな博打」と語ったらしく「かなり攻めた曲」という認識があったようだ。確かに前作までよりハードにはなったけど、後追いで聴いた身としては十分ヒット性に溢れた曲だと思うのだが。
おすすめ度:B
収録アルバム:6th『RUN』、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他
恋心(KOI-GOKORO)
1992年10月7日
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
11thシングル「ZERO」2nd beat。
「ZERO」とは対照的で非常にポップな曲。松本曰くA面でハードロックをやったのでその反動でこうなったらしい。ファン人気が非常に高く、『B’z The Best “Treasure”』の投票ではなんと1位、『B’z The Best “ULTRA Treasure”』でも2位と圧倒的支持率を誇る(おそらく「ZERO」より人気があると思う)。〈松本に相談しようか〉なんていう遊び心溢れる歌詞も人気の要因か。知った頃からとにかくファン人気の高い曲というイメージが先行しているが曲調はポップでメロディアスだし、胸キュンな感じで好み。B’zには珍しく可愛らしいイメージの曲だ。振り付けもあるという。
おすすめ度:B+
収録アルバム:2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、5thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』
いつかのメリークリスマス
1992年12月9日
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
4thミニアルバム『FRIENDS』収録曲。
初出は92年の上記ミニアルバム。98年の『B’z The Best “Treasure”』のファン投票では6位となり収録。02年の『The Ballads~Love & B’z~』ではリード曲としてピックアップされ1曲目に収録。05年の『B’z The Best “PleasureⅡ”』では新バージョンを収録。08年の『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』ではオリジナル音源のリマスター版がシングルに混じって収録された。アルバム曲であるため2013年のシングルコレクションには未収録。
シングル級か、それ以上に有名なB’z冬のバラード。B’zの代表曲という枠を飛び越え、クリスマスソングの定番という風格さえも持ち合わせている。とはいえ曲自体はハッピーな内容ではなく、別れがテーマとなったかなり切なく哀しい世界観なので気軽には聴けないかもしれない。しかしメロディーはやはり良い。前述の通り多くのベスト盤に収録されているが元々はコンセプトアルバムの一曲であるため、是非『FRIENDS』で聴く事をオススメする。この曲が最も存在意義を放つ場所はあのアルバムなのだ。
余談だがいくらテーマソングだったとはいえ、『B’z The Best “PleasureⅡ”』での「~『恋するハニカミ!』バージョン~」ってネーミングはどうにかならなかったのか。あんまりカッコ良くない気が。
おすすめ度:B
収録アルバム:4thミニ『FRIENDS』、2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、他
1993年
愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない
1993年3月17日 約202万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
12thシングル表題曲。
初動72万枚を記録し、4週連続チャート1位を獲得。累計では193万枚に到達し、B’z最大のヒットシングルとなった。93年の年間チャートではCHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH/夢の番人」に次ぐ2位。2003年の再発盤で約9万枚上乗せされ、10年越しで200万枚を突破。自身唯一のダブルミリオン突破シングルとなった。
今作の1位を皮切りに同年7月26日付まで18週連続でビーイング系歌手が週間チャート1位を独占した。いかに当時のビーイングが勢いに乗っていたかが分かる記録である。今作(4週)→WANDS「愛を語るより口づけをかわそう」(4週)→TUBE「夏を待ちきれなくて」(1週)→ZARD「揺れる想い」(2週)→B’z「裸足の女神」(2週)→T-BOLAN「刹那さを消せやしない/傷だらけを抱きしめて」(2週)→TUBE「だって夏じゃない」(1週)→WANDS「恋せよ乙女」(2週)。ちなみにこれを止めたのはサザンオールスターズの「エロティカ・セブン」。
日本テレビ開局40周年記念ドラマ『西遊記』主題歌。前作「ZERO」ではハードロックに振り切っていたが今作ではポップ路線に回帰。長いタイトルが奇抜な印象を与えるが曲はキャッチーだ。僕の周りでも学生時代から評判が良く、肌感としては「ultra soul」「LOVE PHANTOM」に次ぐ知名度のイメージ。僕としてはそこまで大好きという程でも無いが、安定して好印象の一曲って感じ。
最大のヒット曲にも関わらずオリジナルアルバムには未収録。98年の『B’z The Best “Pleasure”』に収録されるまで5年間シングルのまま放置されていたのが驚き。これまでも大ヒット曲を平気でアルバム未収録にはしてきていたが、まさか自身最大ヒット曲までもアルバム入れないか…。まぁ『The 7th Blues』には色が合わないから未収録なのは分からなくも無いが…。
DEEN「このまま君だけを奪い去りたい」、WANDS「愛を語るより 口づけをかわそう」、大黒摩季「別れましょう私から 消えましょうあなたから」等、この時期のビーイングは異様に長いタイトルを付けるのが流行だったようだ。長らくシングルチャート1位獲得作品の中では今作が最も曲名が長い作品だったが、2013年にAKB48の「鈴懸の木の道で「君の微笑みを夢に見る」と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」によって記録を更新された。
おすすめ度:B
収録アルバム:1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、4thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』、他
裸足の女神
1993年6月2日 約173万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
13thシングル表題曲。
初動77万枚、累計165万枚を売り上げ93年度年間5位。セールス的には「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」「LOVE PHANTOM」「BLOWIN’」に次ぐ自身4番目のヒットシングル。オリジナル盤の売上は165万枚、2003年再発盤で約8万枚上乗せされた。2003年のリマスターマキシ再発は「BE THERE」から今作まで。
トヨタ『カローラレビン』CMソング。乾いた空気のアメリカンロックで、安定した良い曲だ。突き抜けたサビ、爽やかなメロディー。かなり真っ直ぐなJ-POPで好きである。『B’z The Best “Pleasure”』等ベスト盤には入ってたので僕の周囲での知名度もそこそこ高くよくカラオケで歌われた。これだけの大ヒットにも関わらずリリース当時からずっとテレビ披露が無く、25周年ベストのプロモーションで出演した2013年6月のミュージックステーションでようやくテレビ初披露となった。ライブではやる頻度高いので、20年もの間テレビで歌っていなかったとは意外だった。
何回言わせるんだコレという感じだが、ミリオンを突破した大ヒット曲であるにも関わらずオリジナルアルバム未収録。『B’z The Best “Pleasure”』まで5年間シングルのまま放置されていた。当時リアルタイムで追っていたファンはどう思っていたんだろう。「「愛のままに~」も「BLOWIN’」も「LADY NAVIGATION」も、一体いつアルバム入るんや…ベストアルバムはいつ出るんや…」とファンは暗闇の中でもがいていたに違いない。
おすすめ度:B+
収録アルバム:1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、4thベスト『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』、他
1994年
Don’t Leave Me
1994年2月9日 約144万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
14thシングル表題曲。
7thアルバム『The 7th Blues』リリース1週間前の先行シングルながら、初動79万枚を記録。これはシングルでは「LOVE PHANTOM」に次ぐ自身2番目の初動。難なくミリオンを突破し、年間チャートではMr.Children、広瀬香美、篠原涼子 with t.komuroに次ぐ4位に食い込む大ヒットとなった。
テレビ朝日系ドラマ『新空港物語』主題歌。前作までとは打って変わってブルース色の強い一曲。94年のB’zは暗い作風の曲が目立ち、更にメディアへの露出も少なかったため現在では「暗黒時代」なんて呼ばれているがそれを象徴するような楽曲だ。ギターのアルペジオのみで歌われるAメロから、サビで爆発するギャップがたまらない。これは名曲。学生時代はあまり好きではなかったが、後年になってこの暗さと渋さにガツンとハマってきた。特に2014年に社会人になってから、仕事帰りの電車の中で聴いてたら染みまくってヤバかった。
これだけの作風の変化ながら難なくミリオンを突破するB’zのパワー恐るべし。『B’z The Best “Pleasure”』には入ったのに『B’z The Best “ULTRA Pleasure”』では外されたのがちょっと格下げされた感があって、好きな曲だけに残念だった。
おすすめ度:A
収録アルバム:7th『The 7th Blues』、1stベスト『B’z The Best “Pleasure”』、他
MOTEL
1994年11月21日 約131万枚
作詞:稲葉浩志、作曲:松本孝弘、編曲:松本孝弘・明石昌夫
15thシングル表題曲。
初動73万枚。3月のアルバムから約8か月空いてのリリースだったが勢いは衰えず、難なくミリオンを記録。集計期間の関係から今作の累計はまるまる翌年の年間分に反映され、95年の年間シングル18位につけている。95年は最もCDが売れた年だけあって、131万枚で年間18位というのがアベレージの高さを感じる。今作をもって制作チームB+U+Mは解散。
三貴・ブティックJOY CMソング。やはり「暗黒時代」だったんだという事を感じさせられる暗くブルージーな曲。アルバム『The 7th Blues』からは半年以上空いてのリリースだったが、流れはそのまま汲んでいるように思う。ひたすら暗く、救いようが無い曲だがこれもハマると強い。何度も聴くうちに、この絶望が全身を支配する感じ、孤独に酔える感じがたまらなく良いと思えるようになってきた。前作以上の名曲である。わたくしマーが選ぶB’z好きな曲トップ10には必ず入る。イントロのアコギのフレーズは練習を重ねて習得したが難しい。
これだけ非売れ線な曲をシングルとして出す挑戦心も面白いし、またしっかりミリオンセラーまで持って行ったというのが本当に凄い。特に固定ファンの数が凄い。B’zのCDなら絶対初週に買う!という人が70万人居たという事である。『B’z The Best “Treasure”』『B’z The Best “ULTRA Treasure”』と投票系のベストにしっかり選出されている事から、ファン人気の高さも伺える。
おすすめ度:A+
収録アルバム:2ndベスト『B’z The Best “Treasure”』、5thベスト『B’z The Best “ULTRA Treasure”』、他
※この続きとなる1995年以降のレビュー(16thシングル「ねがい」~)は下記記事です。
著者:マー・田中(@kazeno_yukue)
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