サザンオールスターズ 歴代シングル&名曲感想 #3 ~1988-1993~

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サザンオールスターズ 歴代シングル&名曲感想 #3 ~1988-1993~

こんにちは、J-POP大好き人間・マー(@kazeno_yukue)です!
サザンオールスターズシングル&名曲レビュー、パート3スタート。

1978年~1985年

1988年

みんなのうた

1988年6月25日、約32万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ & 小林武史

24thシングル表題曲。

1985年の8thアルバム『KAMAKURA』以降サザンは活動休止。桑田さんは1986年にKUWATA BANDを結成しシングル4作・アルバム2作、1987~88年にかけて桑田佳祐ソロとしてシングル2作をリリースする等、精力的にソロ活動を展開していた。

そんな中デビュー10周年を迎えるに当たって今作「みんなのうた」でサザン復活。この時の復活はレコード会社の要望による部分がかなり大きかったようで、今作発売の翌月にソロ1stアルバム『Keisuke Kuwata』が発売されるという事態になった(デビュー日に今作発売を合わせる為にこのようなねじれ現象が起こってしまったと思われる)。

後にMr.ChildrenやMY LITTLE LOVERのプロデューサーとして90年代J-POP界にその名を轟かせる小林武史(通称コバタケ)が今作より参加。直前のソロ活動にも関わっていたコバタケの腕に桑田さんはかなり魅了されたらしく、サザン本体の活動にも引き続き彼を招き入れている。この後93年頃までサザンとコバタケのタッグは続く事となる。

当時はレコードからCDに移り変わる過渡期で、今作からレコードだけでなくCD盤としても同時リリースされるようになった。更に今作発売に合わせてこれまでのシングル23作(「勝手にシンドバッド」~「メロディ(Melody)」)がリマスタリングを施した上で8cmCD盤として再発売された。

映画『彼女が水着にきがえたら』挿入歌(1989年)、三ツ矢サイダーCMソング(2018年)。ご機嫌なアップテンポナンバー。世間が思うサザン像ど真ん中というか、いわゆる派手な王道お祭り系ソング。この時点では意外にもデビュー曲「勝手にシンドバッド」以来だったかもしれない。僕としては特別大好きな曲でも無いんだけど、『海のYeah!!』に入っている事もあり周囲でも人気が高くカラオケではよく盛り上がった。この曲辺りまで来ると70~80年代前半特有の時代性は薄れてきて、後追いで聴いた時の違和感は無くなってくる。この曲でミュージックステーションに初出演。光GENJIやチェッカーズらが乱入して一緒に歌って踊っている過去映像が印象的。

おすすめ度:B
収録アルバム:限定ベスト『すいか』、限定ベスト『HAPPY!』他

1989年

女神達への情歌(報道されないY型の彼方へ)

1989年4月12日、約11万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:サザンオールスターズ & 門倉聡

25thシングル表題曲。

フジテレビ系『夢で逢えたら』オープニングテーマ。1988年~1991年まで放送され、ダウンタウン・ウッチャンナンチャン・清水ミチコ・野沢直子が出演していたとして今なお語り継がれる伝説のコント番組であるが年齢的にリアルタイムでは観ていない。ユニコーンが出てたイメージはあったのだがサザンも出ていたというのはかなり後になって知って驚いた。『夢で逢えたら』って権利関係が厳しいのか再放送やDVD化が全くされてないので観たくても観れないのよね…(そのぶん「伝説感」「レジェンド感」は残るが…)。

アダルトビデオを鑑賞に妄想に耽る男をテーマにした異色曲。『バラッド3~the album of LOVE~』で初めて聴いた中学生時代は地味なだけで全く良さが分からなかったが最近はムーディーでオシャレだな…と思えるようになってきた。僕が年齢を重ねた影響もあるだろう。ちなみにMVに当時のセクシー女優・松本まりなが出演しているというが世代的に全く知らない(現役の女優ならば割かし詳しいのだが…)。

おすすめ度:C+
収録アルバム:9th『Southern All Stars』、限定ベスト『HAPPY!』他

さよならベイビー

1989年6月7日、約26万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ & 門倉聡

26thシングル表題曲。

デビュー11年目、26枚目のシングルにして自身初の週間シングルチャート1位を獲得した曲(アルバムでは80年の3rd『タイニイ・バブルス』で既に達成)。ちなみに2位は多く記録しており「いとしのエリー」「C調言葉に御用心」「チャコの海岸物語」「メロディ(Melody)」「みんなのうた」で達成していた。

映画『彼女が水着にきがえたら』主題歌。湿っぽい夏を思わせるマイナー調のバラード。だいぶ暗い雰囲気で一般的なサザンイメージとは程遠いんだけど、地声高音ギリギリなラインを攻めるメロディーが心地よく、初めて聴いた時から好きな一曲。中学生ながらよくこんな暗めな曲にハマったものだ。やっぱり最初に買った『バラッド3』と『海のYeah!!』で連続で聴いたってのがデカかったんだろうな。

おすすめ度:B+
収録アルバム:9th『Southern All Stars』、限定ベスト『HAPPY!』他

フリフリ’65

1989年11月21日、約18万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

27thシングル表題曲。

9thアルバム『Southern All Stars』先行シングル。タイトルの由来はザ・スパイダースが1965年にリリースしたデビューシングル「フリフリ」。「65」は翌年に制作される桑田さんの初監督映画『稲村ジェーン』の舞台である1965年の事も指しているとか。

「女神達への情歌」に続いてフジテレビ系『夢で逢えたら』テーマソングとなった。ガツンとしたバンドサウンドで魅せるロックチューン。これまでの同系統の曲と比べて音ががっしりしているように思え、昭和が終わり平成に突入したんだ!というムードを感じる。昔はあまり好きではなかったが、ライブ映像で観てから俄然好きな一曲となった。このハイテンションさがたまらない。自然と体がノッてしまう。ライブで本領を発揮するタイプだろう。ミュージックステーションでこの曲を披露した際、スタジオが大量のボディコンギャルで埋め尽くされディスコ状態になっていた。昔のMステってよくああいう派手な演出やってたイメージ。

おすすめ度:B
収録アルバム:9th『Southern All Stars』、限定ベスト『HAPPY!

1990年

YOU

1990年1月13日

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:サザンオールスターズ

9thアルバム『Southern All Stars』収録曲。

英語と日本語が上手いことミックスされた歌詞に、切ないメロディーが絡んでゆく名曲。どこかスタイリッシュな空気に包まれており完全に80年代を脱し、洗練された90年代に突入したなという感じがする。『海のYeah!!』に入っていた事もあり僕の周囲の評判も良く、中学時代の仲間内カラオケでもよく歌われた。この曲がサザンで一番好きだという友人も居た程。わたくしマーも最初に聴いた時から大好きな一曲だ。

おすすめ度:A+
収録アルバム:9th『Southern All Stars』、限定ベスト『HAPPY!』他

逢いたくなった時に君はここにいない

1990年1月13日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

9thアルバム『Southern All Stars』収録曲。

別れた恋人へ未だ募る想いを歌ったミディアムバラード。メロディーの美しさが光るまさに珠玉の一曲。『バラッド3』で初めて聴いてから未だに大好きな曲。他にも名曲が多いので悩ましいが個人的にサザンで5本の指には入るかなと思う。知った当初はシングル曲だと思っていたので、後に調べてアルバム曲だと知った時には驚いた。これでアルバム曲ってサザンどんだけレベル高いねんと。

おすすめ度:A+
収録アルバム:9th『Southern All Stars』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~

真夏の果実

1990年7月25日、約55万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ & 小林武史

28thシングル表題曲。

桑田さんの初監督映画『稲村ジェーン』主題歌。売上は50万台とさほど高くは無いが、現在に至るまで代表曲の一つとして確固たる地位に君臨する曲。間違いなく名曲である(名曲ゆえ聴き過ぎて飽きが来ている程である…)。ソロ活動以降、サザン本体の活動にも招き入れたアレンジャー・小林武史(通称コバタケ)の才能というのも遺憾なく発揮されているのだろう。

主題歌だった映画『稲村ジェーン』に関しては91年にレーザーディスクとVHSで発売され、それらが絶版になった後は長らく視聴困難となっていた。サザンのデビュー43周年である2021年6月25日にようやくBlu-ray・DVDが出たが、VHSからDVDに時代が移り変わった00年代以降も20年近くの間実質封印作となっていたわけだ。公開当時『稲村ジェーン』は著名人や評論家から酷評されたそうで、桑田さんにとっては長らく振り返りたくない過去だったのかもしれない。

おすすめ度:A
収録アルバム:10th『稲村ジェーン』、限定ベスト『HAPPY!』他

希望の轍

1990年9月1日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:桑田佳祐 & 小林武史

10thアルバム『稲村ジェーン』収録曲。

アルバム『稲村ジェーン』とは桑田佳祐が監督した映画『稲村ジェーン』のサウンドトラック作品。前作『Southern All Stars』からも楽曲が収録されていたり、そもそも名義が「サザンオールスターズ アンド オールスターズ」になっていたりする。98年・08年に再発売された際にCD付属のスリーブに10th Albumと記載され、現在ではサザンの10thアルバムとカウントされているが、実質番外編のような特殊な立ち位置の作品である。

この「希望の轍」も厳密には「稲村オーケストラ」名義の曲であるという事でサザンの曲では無いが、『海のYeah!!』『バラッド3』といった主要ベスト盤にしっかり収録されているし完全にサザンの楽曲として、さらに1、2を争う代表曲として地位を確立している。サザンの一般的イメージであろう海、湘南といった雰囲気が非常に似合う名曲。クレヨンしんちゃんの漫画にこの曲の歌詞が掲載されていた事がある。「轍」って字、昔読めなかったなぁ…。

編曲が桑田さんとコバタケのみだったり、レコーディングに参加しているのはサザンメンバーでは桑田さんだけだったりと調べる程に異色な立ち位置。しかし前述のとおりサザンのベスト盤に収録されておりカラオケでもサザンの項目にあるし、『めざましテレビ』ワールドキャラバンテーマソングになったり、2001年の『FNS27時間テレビ』テーマソングに起用されたりとメディア露出も多く世間的にサザンの代表曲として認知されている。2018年平成最後の紅白歌合戦でサザンとして特別枠で出演し「勝手にシンドバッド」と共に披露されたのも記憶に新しいだろう。一方桑田ソロのライブでも披露されているようで、サザン・桑田ソロの垣根を超えたオールマイティー万能ソングとして活躍しているみたいだ。確かにサザンだろうと桑田ソロだろうとリスナー側にはあまり関係無く、良いものは良い、それだけだしな。

おすすめ度:A+
収録アルバム:10th『稲村ジェーン』、限定ベスト『HAPPY!』他

1991年

ネオ・ブラボー!!

1991年7月10日、約43万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

29thシングル表題曲。

今作からベースの関口さんが健康上の理由により活動を休止。ジャケット写真には笑顔で写っているものの、レコーディングはサポートメンバーが参加。結局関口さんは91年8月から94年まで活動を休止し、95年の「マンピーのG★SPOT」のレコーディングからサザンに復帰する事となる。

TBS系報道番組『筑紫哲也 NEWS23』エンディングテーマ。限定ベストはおろか、のアルバムにも一切収録されていないシングルオンリーの楽曲のため知名度は低い。わたくしマーもCDTVの年別夏ソングランキングみたいな企画で観るまで知らない曲だった。

大学生の頃に音源は入手したが、基本的にアルバム単位で聴く事が多いため中々馴染まない曲だった。iPodに入れるにしてもどうしてもベスト盤やアルバムを優先してしまい容量の関係もあってこういうシングル盤オンリーの曲はハードディスクに眠って頂く率が高かったし…。

そんなわけで長らく忘れかけていたシングルだったが、2019年12月にサブスク解禁となってから聴く回数が増加。サブスクによって印象が急上昇した曲の一つである。夏を思わせる爽快なメロディーと、ある種無機質なボーカルエフェクトとのミスマッチが異様に心地良い。ある日突然魅力に気付くという現象は不思議である。『海のYeah!!』に収録されてればもっと早く好きになっていたと思う(『世に万葉~』には入る余地が無いし、『海のYeah!!』しかアルバム収録チャンスは無かった)。思い出したとき即座に聴けるサブスクに感謝であった。

おすすめ度:B+
アルバム未収録

冷たい夏

1991年7月10日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ

29thシングル「ネオ・ブラボー!!」カップリング曲。

「冷たい夏」というタイトル通り落ち着いたバラード。地味ながらも染みるナンバーで名曲。ファルセットが多用されており意外にもキーが高いのでカラオケで歌う際には注意が必要。「ネオ・ブラボー!!」と同様に長らくアルバム未収録だったが、2000年に『バラッド3』に選出された事で一気に知名度が向上。300万人近くはこの曲を知っているわけで、A面との逆格差が開く事態となった。

おすすめ度:B+
収録アルバム:3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~

1992年

シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA

1992年7月18日、約97万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:小林武史 & サザンオールスターズ

30thシングル表題曲。

31stシングル「涙のキッス」と2作同時発売でチャート1、2位を独占(藤圭子・松田聖子に続く史上3組目)し、こちらは2位だったもののミリオン目前の大ヒット。「涙のキッス」と今作の2作共でこれまで最大ヒットだった「いとしのエリー」を一気に飛び超え、この時点での自身最高セールスを記録。90年代CDバブルの追い風もあり、ここへ来て一気にセールスが拡大した。

小林武史が編曲に参加。特に今作からはクレジットの順番が「小林武史 & サザンオールスターズ」とコバタケの方がバンドより先になっていてその影響力の大きさを思わせる。ちなみにコバタケがプロデュースするMr.Childrenがこの年(1992年)5月にデビューしたばかりだった。

メンバー出演のNTTドコモCMソング及び、TBS系金曜ドラマ『ずっとあなたが好きだった』挿入歌。楽曲の方はディスコ調の不可思議なノリが炸裂。タイトルの「シュラバラバンバ」というカタカナは歌詞に登場せず「修羅場穴場女子浮遊」と歌われるのがサザンらしい。そこまでメロディーが好きなわけでは無いが『海のYeah!!』で早めに知っていた事もあり馴染み深い一曲。ちなみにMVの監督は当時無名だった岩井俊二。当時人気だったセクシー女優・豊丸が出演しているらしいが世代的に知らない…。

おすすめ度:C+
収録アルバム:11th『世に万葉の花が咲くなり』、限定ベスト『HAPPY!』他

君だけに夢をもう一度

1992年7月18日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:小林武史 & サザンオールスターズ

30thシングル「シュラバ★ラ★バンバ SHULABA-LA-BAMBA」カップリング曲。

サザンと同じアミューズ所属の富田靖子出演のトヨタ自動車カリーナ(T190系)CMソング。ブックオフ等で見かける8cmシングルの背表紙にはこちらもA面として書かれていたが、現在公式では正式にカップリングとされているようだ。A面とは対照的な王道ポップナンバーで、サイケなアルバム『世に万葉の花が咲くなり』においては唯一と言える程の爽快感。抑え目なサビなので初めて聴いた頃はそこまで印象が無かったんだけど、繰り返し聴くうちにどんどんハマって行った。

おすすめ度:B+
収録アルバム:11th『世に万葉の花が咲くなり

涙のキッス

1992年7月18日、約155万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:小林武史 & サザンオールスターズ

31stシングル表題曲。

30thシングル「シュラバ★ラ★バンバ」と2作同時発売。この2作で1st~29thシングルの売上を一気に飛び超え、特に今作は150万枚超え、92年度年間5位に食い込む大ヒットを記録。31枚目にして自身初のミリオンセラーシングルとなった。このタイミングでサザンもCDバブル+ドラマタイアップという、90年代型メガヒットの波に乗ったわけだ。

佐野史郎演じる強烈なマザコン男が話題となり巷では「冬彦さん現象」まで巻き起こったというTBS系金曜ドラマ『ずっとあなたが好きだった』主題歌。劇中で過激な性描写や暴力行為まで描かれたという割には、楽曲は優しい雰囲気のミディアムバラードである。メロディーも抜群だし文句なしの代表曲だが個人的にはそこまで突き抜けて好きな曲でも無い。勿論良い曲だと思うが、サザンで好きな曲なに?と聞かれて答える時には後回しにしちゃうというか…。

何でも桑田さんはドラマのプロデューサー・貴島誠一郎氏から「”平成版いとしのエリー”として後々まで歌い継がれるような曲を作ってくれ」と注文を受けたという。当時は小田和正・CHAGE and ASKA・浜田省吾等、70年代から活躍するベテランがドラマタイアップによって大ヒットを飛ばすという流れがあったのでそこを狙ったというのもあったのだろう。実際この曲の大ヒットによりファン層が更に拡大したという。

おすすめ度:B
収録アルバム:11th『世に万葉の花が咲くなり』、限定ベスト『HAPPY!』他

慕情

1992年9月26日

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:小林武史 & サザンオールスターズ、弦編曲:桑野聖

11thアルバム『世に万葉の花が咲くなり』収録曲。

しっとりした叙情バラード。『バラッド3』で初めて聴いた時からお気に入りのナンバー。他の曲にない神々しいオーラを放っている名曲だ。櫻井和寿率いるBank Bandもカバーしている(2010年のアルバム『沿志奏逢3』収録)。個人的に「もしもミスチルがサザンをカバーするとしたら「慕情」が最適だ!」と中学時代(2003年頃)から思い続けていたので少々形は違うものの実現した時はテンションが上がった。

おすすめ度:A
収録アルバム:11th『世に万葉の花が咲くなり』、限定ベスト『HAPPY!』他

CHRISTMAS TIME FOREVER

1992年9月26日

作詞・作曲:桑田佳祐、英語補作詞:Tommy Snyder、編曲:小林武史 & サザンオールスターズ

11thアルバム『世に万葉の花が咲くなり』収録曲。

実に1980年のシングル「シャ・ラ・ラ」以来となるクリスマスソング。カオスでサイケな空気だったこのアルバムを優しく締めてくれる名曲。世界平和の想いも込められたスケールの大きい曲だが演奏やアレンジに重苦しさは無いので聴きやすいし何よりメロディーが素晴らしい。サザンのクリスマスソングでは一番好き

同年のCHAGE and ASKAもアルバム『GUYS』で「世界にMerry X’mas」というメッセージ性の強いクリスマスソングを発表していたが世界全体がそういうモードだったのだろうか?(しかもどっちもアルバム最終曲という点まで同じ)

おすすめ度:A+
収録アルバム:11th『世に万葉の花が咲くなり

1993年

エロティカ・ゼブン EROTICA SEVEN

1993年7月21日、約174万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、編曲補:片山敦夫

32ndシングル表題曲。

33rd「素敵なバーディー(NO NO BIRDY)」と同時発売。2年連続でのシングル2作同時発売。前作「涙のキッス」で更新した自己最高売上を更に上回る174万枚を記録。93年度年間シングル4位に食い込む大ヒットとなった。2000年に「TSUNAMI」が出るまでは今作がサザン最大ヒットシングルであった

フジテレビ系ドラマ『悪魔のKISS』主題歌という事で90年代特有のタイアップ型大ヒットだったんだろうけど、こんなエロムード全開の曲がここまで大ヒットを飛ばすって今思えば凄い。90年代のドラマタイアップがいかに偉大だったかという事が窺える。『海のYeah!!』の影響で友人間でも流行りカラオケでもよく盛り上がった。意外と歌謡的なメロディーラインであり結構好き。

おすすめ度:B
収録アルバム:限定ベスト『HAPPY!』、ベスト『海のYeah!!

素敵なバーディー(NO NO BIRDY)

1993年7月21日、約51万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ、編曲補:片山敦夫

33rdシングル表題曲。

32ndシングル「エロティカ・ゼブン EROTICA SEVEN」と同時発売。1位を獲得した「エロティカ・セブン」に対しこちらは3位(この時の2位は井上陽水の「Make-up Shadow」)。170万枚を突破したあちら(年間4位)に対しこちらは50万枚(年間56位)と最終的な売上もかなりの大差に終わってしまった。

優しい雰囲気のミディアムバラード。昨年と異なりこの年はエロ曲が大勝したが、埋もれさせてしまうのは勿体ない名バラッドであると思う。タイアップ全盛の時代に何故かノンタイアップだったのが痛い。夏・江ノ島を感じる実にサザンらしい名曲である。

おすすめ度:B+
収録アルバム:限定ベスト『HAPPY!』、ベスト『海のYeah!!』他

クリスマス・ラブ(涙のあとには白い雪が降る)

1993年11月20日、約67万枚

作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:小林武史 & サザンオールスターズ

34thシングル表題曲。

丸井クリスマスCMタイアップ。かなり重厚感のあるクリスマスソング。メロディーの良さは確かなものだけど、いかんせんまったりし過ぎてて何度も聴こうとは思わない。やっぱサザンのクリスマスソングでは「CHRISTMAS TIME FOREVER」が一番好みなのでそこと比べてしまう。

ちなみに88年の「みんなのうた」以降の付き合いだったコバタケとのタッグは今作で終わりとなる。今作と同時期にMr.Childrenの「CROSS ROAD」がミリオンヒット、97年まで続く大ブレイク期(ミスチル現象)が始まってゆくので、コバタケはそちらのプロデュースで手一杯になっていったのだろう。

おすすめ度:C+
収録アルバム:限定ベスト『HAPPY!』、3rdバラッドベスト『バラッド3~the album of LOVE~

これの続き(95年「マンピーのG★SPOT」以降のレビュー)は下記記事です!

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著者:マー・田中(@kazeno_yukue)

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